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Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
12cリリース1(12.1.0.1)
B65086-03
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18 グラフィック・モードでソフトウェアのみをインストールして後でアップグレード

この章では、グラフィック・モードでEnterprise Manager Grid Controlのソフトウェア・バイナリのみをある時点でインストールしておき、後でアップグレードする方法について説明します。

ソフトウェアのみモードと呼ばれるこのモードでは、アップグレード・プロセスを2つのフェーズ(インストール・フェーズとアップグレード・フェーズ)に分けることができます。インストール・フェーズは、バイナリのコピーが行われるだけなので、アップグレード・フェーズよりも短時間で終了します。またこの方法では、時間の都合や優先順位に応じてアップグレードを計画することができます。

このソフトウェアのみモードでのアップグレードは、グラフィック・モードおよびサイレント・モードで実行できますが、この章ではグラフィック・モードで実行する方法を説明します。

この章の内容は次のとおりです。


注意:

HPUNIX、HPia64、Solaris Sparc以外のすべてのUNIXプラットフォームでは、OMSおよび管理エージェントのエントリは/etc/oragchomelistファイルにあります。HPUNIX、HPia64、Solaris Sparcプラットフォームでは、これらのエントリは/var/opt/oracle/oragchomelistにあります。

1システム・アップグレード方式でのソフトウェアのみモードのアップグレード

この項では、1システム・アップグレード方式で、ソフトウェアのみモードでOMSおよび管理リポジトリをアップグレードする方法について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

ソフトウェア・バイナリのインストール

Enterprise Manager Cloud Controlのソフトウェア・バイナリをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 既存のOMSが実行されているホストで、Enterprise Manager Cloud Controlインストーラを起動します。

    <Software_Location>/runInstaller [-invPtrLoc <absolute_path_to_oraInst.loc>]


    注意:

    • このコマンドで、<Software_Location>はソフトウェア・キットをダウンロードした場所です。

    • UNIXプラットフォームでインストール・ウィザードを起動するには、runInstallerを起動します。Microsoft Windowsプラットフォームで起動するには、setup.exeを起動します。

    • インストーラの起動時に渡すことができる追加の拡張オプションの詳細は、「拡張インストーラ・オプション」を参照してください。

    • 入力する中央インベントリの場所を共有ファイル・システム上にしないでください。



    注意:

    runInstallerまたはsetup.exeを起動したとき、Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードが表示されない場合、/stageディレクトリにアクセスしていない可能性があります。

    インストール・ウィザードは、クラスパス変数をOPatch用に../stage/Components/として処理します。TEMP変数が/tmpに設定されているとき、インストール・ウィザードはopatchのJARファイルを/tmp/../stageディレクトリ(/stageと同様)で検索しようとします。しかし、ユーザーに/stageへの権限がないと、インストール・ウィザードはハングします。このような場合、/stageディレクトリへのアクセス権があるかどうかを確認します。アクセス権がない場合、TEMP変数を、インストール・ユーザーがアクセス権を持つ場所に設定し、インストール・ウィザードを再起動します。


  2. (オプション)「My Oracle Supportの詳細」画面で、My Oracle Support資格証明を入力し、Oracle Configuration Managerを有効にします。Oracle Configuration Managerをここで有効にしない場合、手順(3)に進みます。

    インストール・ウィザードを実行しているホストがインターネットに接続されていない場合、電子メール・アドレスのみを入力し、他のフィールドは空白のままにしてください。インストールの完了後、構成情報を手動で収集し、My Oracle Supportにアップロードしてください。

  3. 「次へ」をクリックします。

  4. 「ソフトウェアの更新」画面で、Enterprise Managerシステムのアップグレード中にインストールするソフトウェア更新のソースを次のいずれかから選択します。ここで適用しない場合、「スキップ」を選択します。

    • (推奨)ソフトウェア更新をアクセス可能なローカルまたはリモートの場所に手動でダウンロード済の場合、「更新の検索」を選択してから、「ローカル・ディレクトリ」を選択します。

      ソフトウェア更新が含まれる場所を入力し、「更新の検索」をクリックします。コンピュータ内を検索して場所を選択するには、「参照」をクリックします。検索結果にパッチ番号およびその詳細情報が表示されたら、該当のパッチ番号をクリックし、そのパッチに関連するReadMeを表示します。

      • デフォルトの場所にソフトウェア更新をダウンロード済の場合、スクラッチ・パスの場所のフルパスを選択または入力します。たとえば、スクラッチ・パスの場所が/scratch/OracleHomesで、ソフトウェア更新が/scratch/OracleHomes/Updatesに存在する場合、/scratch/OracleHomes/Updatesと入力します。

      • 独自の場所にソフトウェア更新をダウンロード済の場合、その場所へのフルパスを選択または入力します。たとえば、独自の場所が/home/johnで、ソフトウェア更新が/home/john/Updatesに存在する場合、/home/john/Updatesと入力します。

    • インストーラをMy Oracle Supportに接続し、そこから自動的にソフトウェアの更新をダウンロードする場合は、「更新の検索」を選択してから、「My Oracle Support」を選択します。

      My Oracle Supportのアカウント・ユーザー名とパスワードを入力し、「更新の検索」をクリックします。検索結果にパッチ番号およびその詳細情報が表示されたら、該当のパッチ番号をクリックし、そのパッチに関連するReadMeを表示します。


    注意:

    My Oracle Support資格証明を指定せず、インストール時にソフトウェア更新のインストールをスキップすることを選択した場合、いつでもEnterprise Manager Cloud Controlコンソールを使用して、後で資格証明を登録し、推奨されるセキュリティ・パッチを表示できます。この操作を行うには、Enterprise Manager Cloud Controlにログインし、「設定」メニューから「My Oracle Support」を選択し、「資格証明の設定」をクリックします。「My Oracle Support優先資格証明」ページで、資格証明を入力し、「適用」をクリックします。

  5. 「次へ」をクリックします。

  6. 「前提条件チェック」画面で、インストール・ウィザードによって実行された前提条件チェックのステータスを確認し、環境がアップグレード成功のためのすべての最小要件を満たしているかどうかを確認します。

    インストール・ウィザードでは、この画面に達すると前提条件チェックが自動的に実行されます。必要なオペレーティング・システム・パッチ、オペレーティング・システム・パッケージなどがチェックされます。

    前提条件チェックのステータスは、「警告」「失敗」、または「成功」のいずれかになります。

    「警告」または「失敗」 ステータスになったチェックがある場合は、アップグレードを続行する前に問題を調査して修正してください。この画面には、前提条件チェック失敗の理由と解決方法が詳しく表示されます。問題を修正した後、この画面に戻り、「再実行」をクリックして前提条件を再度チェックします。

    正常に終了したチェックを非表示にし、「警告」または「失敗」ステータスのチェックのみを表示するには、「正常に終了したチェックを非表示」をクリックします。


    注意:

    問題を調査して修正することをお薦めしますが、問題を解決せずに続行する場合は、「無視」を選択して警告および失敗を無視します。ただし、続行するには、すべてのパッケージ要件を満たすか修正する必要があります。それ以外の場合、アップグレードは失敗する可能性があります。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「インストール・タイプ」画面で、次のようにします。

    1. 「ソフトウェアのみインストール」を選択します。

    2. OMSおよび他のコア・コンポーネントをインストールするミドルウェア・ホームを検証するか、入力します。


      注意:

      • Oracle WebLogic Server 11gリリース1(10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24+をまだインストールしていない場合は、これらのインストール先にするディレクトリへの絶対パスを入力します。たとえば、/oracle/software/です。ファイルやサブディレクトリが一切含まれていないディレクトリを入力してください。

      • Oracle WebLogic ServerおよびJDKをインストール済の場合は、サポートされているリリース(Oracle WebLogic Server 11gリリース1(10.3.5)およびJDK 1.6 v24+)であることを確認してください。サポートされているリリースの場合は、インストーラによって検出され、インストール先のミドルウェア・ホームに表示されます。このミドルウェア・ホームへのパスを検証します。

      • Oracle WebLogic Server 11gリリース1(10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24を手動でインストールする場合は、第3章で説明されているガイドラインに従ってください。


  9. 「次へ」をクリックします。

  10. 「プラグインの選択」画面で、ソフトウェア・バイナリのインストール中にソフトウェア・キットからインストールするオプションのプラグインを選択します。この画面には、オプションのプラグインと必須のプラグインのリストが表示されます。グレー表示の列は、インストールされる必須のプラグインを示します。


    注意:

    ソフトウェア・キットに含まれていないプラグインをインストールする場合は、「拡張インストーラ・オプション」の追加のプラグインのインストールに関する項を参照してください。

  11. 「次へ」をクリックします。

  12. 「確認」画面で、選択したインストール・タイプに指定した詳細を確認します。

    • 詳細を変更するには、変更する画面に到達するまで、「戻る」を繰返しクリックします。

    • 詳細を確認し問題がない場合、「インストール」をクリックしてインストール・プロセスを開始します。

  13. 「インストールの進行状況」画面で、インストールの全体的な進行状況(パーセント)を確認します。

  14. 「終了」画面に、Enterprise Managerのインストールに関連する情報が表示されます。情報を確認し、「閉じる」をクリックして、インストール・ウィザードを終了します。

  15. 管理エージェントをアンインストールします。手順は、『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』の管理エージェントのアンインストールの章を参照してください。


    注意:

    管理エージェントは、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールによって事前にデプロイされているため、OMSによってインストールされた管理エージェントは必要ありません。

allroot.shスクリプトの実行

(UNIXのみ)ソフトウェア・バイナリをインストールした後、新しい端末でrootユーザーとしてログインし、OMSホームからallroot.shスクリプトを実行します。

$<OMS_HOME>/allroot.sh

構成とアップグレード

Enterprise Manager Cloud Controlのソフトウェア・バイナリを構成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のスクリプトを実行してインストール・ウィザードを起動します。

    $<MIDDLEWARE_HOME>/oms/sysman/install/ConfigureGC.sh [-invPtrLoc <absolute_path_to_oraInst.loc>]


    注意:


  2. 「インストール・タイプ」画面で、次のようにします。

    1. 「既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード」を選択し、次に「1システムのアップグレード」を選択します。

    2. アップグレードするOMSホームを選択します。

  3. 「次へ」をクリックします。

  4. 「データベース接続の詳細」画面で、選択したOMSの管理リポジトリを格納しているデータベースのSYSおよびSYSMANユーザー・アカウントのパスワードを入力します。


    注意:

    次の画面に進む前に、関連するすべてのOMSを停止します。そのために、各OMSホストで次のコマンドを実行します。
    • Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)からアップグレードする場合は、OMSホームから次のコマンドを実行します。

      $<OMS_HOME>/bin/emctl stop oms

    • Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)からアップグレードする場合は、OMSホームから次のコマンドを実行します。

      $<OMS_HOME>/opmn/bin/opmnctl stopall


  5. 「次へ」をクリックします。


    注意:

    欠落しているプラグインに関するエラーが表示された場合は、アクセス可能な場所にこれらのプラグイン(oparファイル)を手動でダウンロードした後、次の方法でインストーラをもう一度起動して、ダウンロードしたプラグインのソフトウェア・バイナリをインストールします。プラグインをダウンロードした場所は、これらの欠落したプラグインのためにのみ使用するようにしてください。

    <software_kit>/runInstaller -plugininstall -pluginLocation <absolute_path_to_plugin_sw> -mwHome <absolute_path_to_middleware_home> [-invPtrLoc <absolute_path_to_oraInst.loc>]

    エラー・メッセージに表示された欠落しているプラグインは、次の形式を持ちます。プラグイン・バージョンが同一で、プラグイン更新が同一またはそれ以上のプラグインをダウンロードしてインストールするようにしてください。

    PluginID:PluginVersion:PluginUpdate

    欠落しているプラグインをダウンロードするには、次の手順を実行します。

    1. ソフトウェア・バイナリをインストール済の次の場所に移動し、目的のoparプラグイン・ファイルが含まれているかどうか確認します。含まれている場合は、アクセス可能な場所にこれらのファイルをコピーします。

      $<OMS_HOME>/sysman/install/undeployed_plugins

    2. oparファイルがOMSホームで使用できない場合は、次のURLからダウンロードします。

      http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html

    次の手順に進む前に、欠落しているプラグインを必ずインストールしてください。


  6. WebLogic Server構成の詳細を指定します。

    • Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)からアップグレードする場合は、「WebLogic Server構成の詳細」画面で、WebLogic Serverユーザー・アカウントおよびノード・マネージャ・ユーザー・アカウントの資格証明を入力し、OMSインスタンス・ベースの場所へのパスを検証します。


      注意:

      パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字を含めるようにしてください。

      デフォルトで、WebLogicドメイン名はGCDomain、ノード・マネージャ名はnodemanagerに設定されています。これらのフィールドは編集できません。インストーラは、この情報を使用して、Oracle WebLogicドメインおよびその他の関連コンポーネント(管理サーバー、管理対象サーバー、ノード・マネージャなど)を作成します。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスのリモートでの起動、停止または再起動が可能になるため、ノード・マネージャは高可用性の要件を持つアプリケーションに推奨されます。

    • Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)からアップグレードする場合は、「WebLogic Serverドメインの拡張」画面で、管理サーバーのホスト名、そのポート、WebLogicユーザー名を検証します。既存のOracle WebLogicサーバー・ドメインをアップグレード後のリリースに拡張するために、WebLogicユーザー・アカウント・パスワードを入力します。

    • 10gリリース5(10.2.0.5)または11gリリース1(11.1.0.1)から追加のOMSをアップグレードする場合は、最初のOMS用に構成したホスト名と管理サーバー・ポートを入力し、既存のWebLogic Serverユーザー・アカウントの資格証明を入力します。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「表領域の場所」画面で、JVM診断データ表領域のデータ・ファイル(mgmt_ad4j.dbf)を格納できる場所を検証します。この場所は必要に応じて編集できます。編集する場合は、必ずファイル名まで含めたパスを指定してください。Enterprise Manager Cloud Controlは、JVM診断およびアプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)に関連する監視データを保管するためにこのデータ・ファイルを使用します。


    注意:

    この画面は、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)からアップグレードする場合にのみ表示されます。

  9. 「次へ」をクリックします。

  10. 「ポート構成の詳細」画面で、各種コンポーネントが使用するポートをカスタマイズします。

    • Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)からアップグレードする場合は、古いOMSおよび管理エージェントが使用していたポートがアップグレード後のOMSおよび管理エージェントによって再利用されるため、「ポート構成の詳細」画面は表示されません。したがって、手順(12)に進みます。

    • Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)からアップグレードする場合は、「ポート構成の詳細」画面で各種コンポーネントが使用するポートをカスタマイズします。


      注意:

      この画面のすべてのポートが-1として表示される場合は、インストーラがホスト上のポートをバインドできないことを示しています。この問題を解決するには、インストーラを終了し、このホストのホスト名とIP構成を検証(ホストのIPアドレスが他のホストに使用されていないことを確認)してから、インストーラを再起動し、再試行します。

      推奨されているポート範囲内または範囲外のフリーのカスタム・ポートを入力できます。

      ポートがフリーかどうかを検証するには、次のコマンドを実行します。

      UNIXの場合:

      netstat -anp | grep <port no>

      Microsoft Windowsの場合:

      netstat -an|findstr <port_no>

      ただし、カスタム・ポートは、1024より大きく、65535未満である必要があります。または、staticports.iniファイルで事前定義済のポートを使用する場合は、「staticports.iniファイルのインポート」をクリックし、ファイルを選択します。


      注意:

      staticports.iniファイルがインストール中に渡される場合、staticports.iniファイルで定義されたポートがデフォルトで表示されます。ファイルが渡されない場合、推奨範囲から使用可能な最初のポートが表示されます。

  11. 「次へ」をクリックします。

  12. 「確認」画面で、選択したインストール・タイプに指定した詳細を確認します。

    • 詳細を変更するには、変更する画面に到達するまで、「戻る」を繰返しクリックします。

    • 詳細を確認した後、問題がなければ、「構成」をクリックしてインストール・プロセスを開始します。

  13. 「インストールの進行状況」画面で、インストールの全体的な進行状況(パーセント)を確認します。


    注意:

    コンフィギュレーション・アシスタントが失敗すると、インストーラが停止し、失敗したコンフィギュレーション・アシスタントに関連する問題が解決するまで後続のコンフィギュレーション・アシスタントは実行されません。この場合は、問題を診断して解決してから、「インストールの進行状況」画面で「再試行」 をクリックし、失敗したコンフィギュレーション・アシスタントから再度実行します。

    ただし、誤って「再試行」をクリックする前にインストーラを終了してしまった場合は、この画面を開くためにインストーラを再起動しないでください。かわりに、OMSホームからrunConfig.shスクリプトを起動し、サイレント・モードでコンフィギュレーション・アシスタントを再度実行してください。

    $<OMS_HOME>/oui/bin/runConfig.sh ORACLE_HOME=<absolute_path_to_OMS_home> MODE=perform ACTION=configure COMPONENT_XML={encap_oms.1_0_0_0_0.xml}


  14. 「終了」画面に、Enterprise Managerのインストールに関連する情報が表示されます。情報を確認し、「閉じる」をクリックして、インストール・ウィザードを終了します。

拡張スクリプト・オプションの使用

configureGC.shの起動中に渡すことができる、追加の拡張オプションを次に示します。

  • デフォルトでは、GCDomainがWebLogicドメインの作成に使用されるデフォルト名です。この名前を上書きし、独自のWebLogicドメイン名を使用するには、このスクリプトをWLS_DOMAIN_NAMEオプションとともに起動し、独自の名前を入力します。

    たとえば、EMDomainという独自の名前を使用するには、次のコマンドを実行します。

    $<MIDDLEWARE_HOME>/oms/sysman/install/ConfigureGC.sh WLS_DOMAIN_NAME=EMDomain

  • 構成が正常に終了すると、OMSおよび管理エージェントが自動的に起動されます。自動起動しないようにするには、このスクリプトをSTART_OMSおよびb_startAgentオプションとともに起動し、制御方法に応じてこれらのオプションをTRUEまたはFALSEに設定します。

    たとえば、管理エージェントが自動起動しないようにするには、次のコマンドを実行します。

    $<MIDDLEWARE_HOME>/oms/sysman/install/ConfigureGC.sh START_OMS=TRUE b_startAgent=FALSE

    拡張オプションに関連する制限の詳細は、「制限事項」を参照してください。

2システム・アップグレード方式でのソフトウェアのみモードのアップグレード

この項では、2システム・アップグレード方式で、ソフトウェアのみモードでOMSおよび管理リポジトリをアップグレードする方法について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

ソフトウェア・バイナリのインストール

ソフトウェア・バイナリをインストールするには、「ソフトウェア・バイナリのインストール」で説明されている手順を実行します。


注意:

Enterprise ManagerアップロードHttpポートおよびEnterprise Managerセントラル・コンソールHttpポートが既存のEnterprise Managerシステムでロック解除済の場合は、インストーラの起動中に引数ALLOW_ONLY_SECURE_ACCESS_TO_CONSOLEおよびLOCK_ORACLE_MANAGEMENT_SERVICEを渡してください。

次に例を示します。

<Software_Location>/runInstaller -invPtrLoc /home/john/software/oracle/oraInst.loc ALLOW_ONLY_SECURE_ACCESS_TO_CONSOLE=FALSE LOCK_ORACLE_MANAGEMENT_SERVICE=FALSE

ここではこれらの引数を渡さずに、後でポートをロック解除する場合は、OMSをアップグレードした後、アップグレード後のOMSホームから次のコマンドを実行します。

$<OMS_HOME>/bin/emctl secure unlock -console

$<OMS_HOME>/bin/emctl secure unlock -upload


allroot.shスクリプトの実行

allroot.shスクリプトを実行する方法は、「allroot.shスクリプトの実行」を参照してください。

構成とアップグレード

既存のEnterprise Managerシステムを構成およびアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 次のスクリプトを実行してインストール・ウィザードを起動します。

    $<MIDDLEWARE_HOME>/oms/sysman/install/ConfigureGC.sh [-invPtrLoc <absolute_path_to_oraInst.loc>]


    注意:


  2. 「インストール・タイプ」画面で、「既存のEnterprise Managerシステムのアップグレード」を選択し、次に「2システムのアップグレード」を選択します。

  3. 「次へ」をクリックします。

  4. 「データベース接続の詳細」画面で、バックアップ・データベースが存在するホストの完全修飾名、そのリスナー・ポート、サービス名またはシステムID(SID)、SYSおよびSYSMANユーザー・アカウントのパスワードを入力します。


    注意:

    Oracle Real Application Cluster (Oracle RAC)のノードはその仮想IP (vip)名で参照されます。service_nameパラメータは、connect_dataモードでシステム識別子(SID)のかわりに使用され、フェイルオーバーが有効になります。詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

    インストーラは、この情報を使用して、SYSMANスキーマがアップグレードされるバックアップ・データベースに接続します。SYSMANスキーマには、Enterprise Manager Cloud Controlの管理に使用される大半のリレーショナル・データが保持されます。

  5. 「次へ」をクリックします。


    注意:

    • Oracle RACデータベースに接続していて、そのノードのいずれかの仮想IPアドレスを入力している場合、インストール・ウィザードで「接続文字列」ダイアログが表示され、クラスタの一部であるその他のノードの情報で接続文字列を更新するように求められます。接続文字列を更新して「OK」をクリックします。接続をテストするには、接続テストをクリックします。

    • Oracle Real Application Cluster (Oracle RAC)のノードはその仮想IP (vip)名で参照されます。service_nameパラメータは、connect_dataモードでシステム識別子(SID)のかわりに使用され、フェイルオーバーが有効になります。詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

    • プロビジョニング・アーカイブ・フレームワーク(PAF)の前提条件エラーが発生した場合は、次の操作を実行します。

      • インストーラを終了し、バックアップ・データベース上で次のSQLコマンドを実行した後、インストーラをもう一度起動し、アップグレード・プロセスを再試行します。

        UPDATE MGMT_PAF_STATES 
        SET status = 6 
        WHERE state_type = 0 
        AND status IN (0, 1); 
        
      • インストーラを終了し、バックアップ・データベースを破棄して、既存のEnterprise Managerシステムで実行中およびスケジュール済のすべてのデプロイ手順を停止します。ここでデータベースの新しいバックアップを作成し、インストーラをもう一度起動し、アップグレード・プロセスを再試行します。

    • MGMT_VIEWユーザー・アカウントのロック解除とパスワード変更を求める警告が表示された場合は、この警告を無視します(インストーラによって自動的にロック解除されます)。



    注意:

    欠落しているプラグインに関するエラーが表示された場合は、アクセス可能な場所にこれらのプラグイン(oparファイル)を手動でダウンロードした後、次の方法でインストーラをもう一度起動して、ダウンロードしたプラグインのソフトウェア・バイナリをインストールします。プラグインをダウンロードした場所は、これらの欠落したプラグインのためにのみ使用するようにしてください。

    <software_kit>/runInstaller -plugininstall -pluginLocation <absolute_path_to_plugin_sw> -mwHome <absolute_path_to_middleware_home> [-invPtrLoc <absolute_path_to_oraInst.loc>]

    エラー・メッセージに表示された欠落しているプラグインは、次の形式を持ちます。プラグイン・バージョンが同一で、プラグイン更新が同一またはそれ以上のプラグインをダウンロードしてインストールするようにしてください。

    PluginID:PluginVersion:PluginUpdate

    欠落しているプラグインをダウンロードするには、次の手順を実行します。

    1. ソフトウェア・バイナリをインストール済の次の場所に移動し、目的のoparプラグイン・ファイルが含まれているかどうか確認します。含まれている場合は、アクセス可能な場所にこれらのファイルをコピーします。

      $<OMS_HOME>/sysman/install/undeployed_plugins

    2. oparファイルがOMSホームで使用できない場合は、次のURLからダウンロードします。

      http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html

    次の手順に進む前に、欠落しているプラグインを必ずインストールしてください。


  6. 「WebLogic Server構成の詳細」画面で、WebLogic Serverユーザー・アカウントおよびノード・マネージャ・ユーザー・アカウントの資格証明を入力し、Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所へのパスを検証します。


    注意:

    パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字を含めるようにしてください。

    デフォルトで、WebLogicドメイン名はGCDomain、ノード・マネージャ名はnodemanagerに設定されています。これらのフィールドは編集できません。インストーラは、この情報を使用して、Oracle WebLogicドメインおよびその他の関連コンポーネント(管理サーバー、管理対象サーバー、ノード・マネージャなど)を作成します。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスのリモートでの起動、停止または再起動が可能になるため、ノード・マネージャは高可用性の要件を持つアプリケーションに推奨されます。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「古いリポジトリの詳細」画面で、接続文字列を検証し、古い管理リポジトリのSYSMANパスワードを入力します。

    これらの詳細情報は、古い管理リポジトリへの接続、発生データのチェック、アップグレード後の管理リポジトリへの発生データの転送に使用されます。発生データとは、古い管理リポジトリのバックアップ作成時からアップグレードまでに、古い管理リポジトリにアップロードされたデータです。


    注意:

    通常、接続文字列は事前に移入されています。ただし、事前に移入されていない場合は、次の形式で入力してください。
    • SIDの場合

      (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=<host_name>)(PORT=<port>)))(CONNECT_DATA=(SID=<sid>)))

    • サービス名の場合

      (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=<host_name>)(PORT=<port>)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=<service_name>)))


  9. 「次へ」をクリックします。

  10. 「表領域の場所」画面で、JVM診断データ表領域のデータ・ファイル(mgmt_ad4j.dbf)を格納できる場所を検証します。この場所は必要に応じて編集できます。編集する場合は、必ずファイル名まで含めたパスを指定してください。Enterprise Manager Cloud Controlは、JVM診断およびアプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)に関連する監視データを保管するためにこのデータ・ファイルを使用します。


    注意:

    この画面は、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)からアップグレードする場合にのみ表示されます。

  11. 「次へ」をクリックします。

  12. 「ポート構成の詳細」画面で、各種コンポーネントが使用するポートをカスタマイズします。

    • Enterprise ManagerアップロードHttpポートおよびEnterprise ManagerアップロードHttp SSLポートに入力するポートが、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールで入力した保護および非保護ポートと一致することを確認します。

    • 他のコンポーネントに対しては、推奨されているポート範囲内または範囲外のフリーのカスタム・ポートを入力できます。ただし、カスタム・ポートは、1024より大きく、65535未満である必要があります。

      ポートがフリーかどうかを検証するには、次のコマンドを実行します。

      UNIXの場合:

      netstat -anp | grep <port no>

      Microsoft Windowsの場合:

      netstat -an|findstr <port_no>

    • または、staticports.iniファイルで事前定義済のポートを使用する場合は、「staticports.iniファイルのインポート」をクリックし、ファイルを選択します。


      注意:

      staticports.iniファイルがインストール中に渡される場合、staticports.iniファイルで定義されたポートがデフォルトで表示されます。ファイルが渡されない場合、推奨範囲から使用可能な最初のポートが表示されます。このファイルを渡す場合は、Enterprise ManagerアップロードHttpポートおよびEnterprise ManagerアップロードHttp SSLポートに入力するポートが、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールで入力した保護および非保護ポートと一致することを確認します。

  13. 「次へ」をクリックします。

  14. 「確認」画面で、選択したインストール・タイプに指定した詳細を確認します。

    • 詳細を変更するには、変更する画面に到達するまで、「戻る」を繰返しクリックします。

    • 詳細を確認した後、問題がなければ、「構成」をクリックしてインストール・プロセスを開始します。

  15. 「インストールの進行状況」画面で、インストールの全体的な進行状況(パーセント)を確認します。


    注意:

    コンフィギュレーション・アシスタントが失敗すると、インストーラが停止し、失敗したコンフィギュレーション・アシスタントに関連する問題が解決するまで後続のコンフィギュレーション・アシスタントは実行されません。この場合は、問題を診断して解決してから、「インストールの進行状況」画面で「再試行」 をクリックし、失敗したコンフィギュレーション・アシスタントから再度実行します。

    ただし、誤って「再試行」をクリックする前にインストーラを終了してしまった場合は、この画面を開くためにインストーラを再起動しないでください。かわりに、OMSホームからrunConfig.shスクリプトを起動し、サイレント・モードでコンフィギュレーション・アシスタントを再度実行してください。

    $<OMS_HOME>/oui/bin/runConfig.sh ORACLE_HOME=<absolute_path_to_OMS_home> MODE=perform ACTION=configure COMPONENT_XML={encap_oms.1_0_0_0_0.xml}


  16. 「終了」画面に、Enterprise Managerのインストールに関連する情報が表示されます。情報を確認し、「閉じる」をクリックして、インストール・ウィザードを終了します。