ヘッダーをスキップ
Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
12cリリース1(12.1.0.1)
B65086-03
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

3 作業開始前の予備知識

アップグレード方式を使用してEnterprise Manager Cloud Controlにアップグレードする前に、次の点を考慮してください。

サポートされているアップグレード・パス

次のアップグレード・パスがサポートされています。

Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース1(10.1)またはEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース4(10.2.0.4.0)以下を使用している場合、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5.0)またはEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)に最初にアップグレードするか、パッチを適用する必要があります。サポートされているリリースへのアップグレードまたはパッチ適用後、Enterprise Manager Cloud Controlにアップグレードします。

アップグレードでサポートされているプラットフォーム

次のプラットフォームがサポートされています。

アップグレードの範囲

ここでは、アップグレード方式について説明します。

既存ポートの再使用

管理エージェントをアップグレードすると、旧リリースの管理エージェントで使用されていたポートは、アップグレード後の管理エージェントに引き継がれます。そのため、ファイアウォール設定には何も影響しません。

OMSをアップグレードすると、次のポートが割り当てられます。

プラグインのインストール

アップグレードに必要なプラグインを識別するには、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールの「アップグレード前のステップ」セクションで、「ソフトウェアの管理」をクリックします。「ソフトウェアの管理」ページに、システムのアップグレードに必要なプラグインが表示されます。

「ソフトウェアの管理」ページには、既存システムにある古い管理エージェントにより監視されているターゲット、およびEnterprise Manager Cloud Controlの新しいプラグイン要件に基づいてプラグインがリストされます。既存のシステムを正常にアップグレードするには、このページにリストされているプラグインがすべて必要です。

この項では、管理エージェントとOMSをアップグレードしながら、必要なプラグインをダウンロードし、インストールする方法を説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

Oracle Management Agentのアップグレードに並行してプラグインをインストールするには

管理エージェントをアップグレードしながら、必要なプラグインをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 次のURLにアクセスします。

    http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html

  2. 管理エージェント・ソフトウェアをアクセス可能な場所にダウンロードします。ソフトウェアZIPファイルのコンテンツを解凍しないでください。管理エージェント・ソフトウェアはプラットフォームごとに異なるので、インストールするプラットフォーム用のソフトウェアをコピーするようにしてください。

  3. 必要なプラグインをすべて同じ場所にダウンロードします。プラグインは汎用なので、すべてのプラットフォームに共通です。

    ターゲットの監視に必要かどうかを問わず、管理ソフトウェア・ページに必要なプラグインとしてリストされるすべてのプラグインをダウンロードするようにしてください。ターゲットの監視に使用しないプラグインは不要と思われることがありますが、システムのアップグレードのときに必要になる場合があります。したがって、管理ソフトウェア・ページにリストされているプラグインはすべてダウンロードしてください。これらのプラグインは、管理リポジトリを含むデータベースをバックアップする前にダウンロードする必要があります。


    注意:

    また、これらのプラグインを<software_kit>/pluginsディレクトリからダウンロードすることもできますが、すべてのプラットフォームに対応した、最新のプラグインを常に入手できますので、OTNからのダウンロードをお薦めします。


    注意:

    必要なプラグインを識別するには、Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールの「アップグレード前のステップ」セクションで、表から「ソフトウェアの管理」をクリックします。「ソフトウェアの管理」ページの「プラグイン・ソフトウェア」セクションで必要なプラグインを確認してください。

    プラグインを使用してターゲットを監視するかどうかに関係なく、「ソフトウェアの管理」ページに必要なプラグインとしてリストされているプラグインをすべてダウンロードします。ターゲットの監視に使用しないプラグインは不要と思われることがありますが、システムのアップグレードのときに必要になる場合があります。したがって、管理ソフトウェア・ページにリストされているプラグインはすべてダウンロードしてください。また、これらのプラグインは、管理リポジトリを含むデータベースをバックアップする前に必ずダウンロードしてください。


  4. Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソールの「ソフトウェアの管理」ページ(「アップグレード前のステップ」セクション)の「ソフトウェアの場所の指定」セクションで、プラグインの存在するディレクトリの絶対パスを入力し、「検証」をクリックして管理リポジトリにその場所を登録します。


参照:

プラグインの場所の登録および検証の詳細は、第9章を参照してください。

Oracle Management Serviceのアップグレードに並行してプラグインをインストールするには

OMSをアップグレードしながら、必要なプラグインをインストールするには、インストーラを起動し、「プラグインの選択」画面に進みます。この画面には、管理エージェントのアップグレード中にEnterprise Manager 12cアップグレード・コンソール経由で登録した、必要なプラグインがすべてリストされます。必須プラグインはデフォルトで有効化されています。


注意:

必要なプラグインの一部を登録しそこなった場合、アップグレードに進む前に、ウィザードからEnterprise Manager 12cアップグレード・コンソールにアクセスして、そのプラグインを登録するように促すメッセージが表示されます。

この画面にリストされているプラグインに対応したソフトウェアがEnterprise Manager Cloud Controlソフトウェア・キット(DVD、またはダウンロードされたソフトウェア)から入手できることを確認してください。必要なプラグインに対応したソフトウェアが入手できない場合は、次の操作を実行します。

ターゲットの検出および監視

管理エージェントのアップグレード後、デフォルトでは、管理エージェント、およびこの管理エージェントのアップグレードが行われたホストが自動的にEnterprise Manager Cloud Controlコンソールで検出されます。

OMSのアップグレード後、デフォルトでは、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールで以下が自動的に検出されます。

ただし、このホストおよびその他のホストで実行中のその他のターゲットは、自動的に検出および監視されません。他のターゲットを監視するには、「自動検出の結果」ページ、「ターゲットの手動追加」ページまたは監視するターゲット用に提供されている検出ウィザードを使用して、Enterprise Manager Cloud Controlにこれらのターゲットを追加する必要があります。

Enterprise Manager Cloud Controlでのターゲットの検出に関する詳細は、次のURLにあるEnterprise Managerドキュメント・ライブラリの『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/indexes/documentation/index.html

通知の管理

Enterprise Managerシステム全体のアップグレード後、旧リリースで作成した通知ルールとアラートはすべて、Enterprise Manager Cloud Controlでも引き続き動作します。ただし、これらは強化されて、より規模が大きく新しい概念に組み込まれ、Enterprise Manager Cloud Controlでは、通知ルールインシデント・ルールセットアラートイベントと呼ばれるようになりました。

インシデント・ルールセットと、これを通知ルールにマップする方法の詳細、およびイベントと、これをアラートにマップする方法の詳細は、付録Aを参照してください。

アラートの管理

アップグレード中、旧リリースからのアラートは次のようにイベントとしてEnterprise Manager Cloud Controlに移行されます。1システム・アップグレード方式では、アラートは、管理リポジトリのアップグレード中に移行されます。2システム・アップグレード方式では、アラートは、管理リポジトリをリモート・ホストにバックアップしている間に移行されます。

この項の内容は次のとおりです。

アラートの移行

アラートの移行は次のように行われます。

  • すべてのオープン・アラートが移行されます。

    表3-1は、各種オープン・アラートについて、インシデントとイベントがいつ、どのように作成されるかをまとめたものです。

  • 管理リポジトリのアップグレードまたはバックアップの180日前にクローズされたアラートはすべて、遅延データ移行プロセスの一部として移行されます。この180日という期間は管理者が変更できます。

    表3-2は、各種クローズド・アラートについて、インシデントとイベントがいつ、どのように作成されるかをまとめたものです。また、クローズド・アラートに関連付けられているチケットがある場合、その情報はイベント移行の一部として取得されないことにも注意してください。

  • 管理リポジトリのアップグレード、またはバックアップから7日前以内に作成されたオープン状態のステートフル・アラート、およびステートレス・アラートはすべて移行されます。


注意:

2システム・アップグレード方式では、アラートが、管理リポジトリのバックアップ後にEnterprise Managerシステムの旧リリースで作成されていた場合、そのオープン・アラートは発生データ移行プロセスの一部として移行されます(表3-1参照)。また、可用性レコードはすべて、発生データ以降プロセスの一部として移行されます。

様々なタイプのオープン・アラートに対応したインシデントおよびイベントの作成

表3-1は、各種オープン・アラートについて、インシデントとイベントがいつ、どのように作成されるかをまとめたものです。

表3-1 様々なタイプのオープン・アラート向けに作成されたインシデントおよびイベント

オープン・アラートのタイプ 作成されたインシデント イベント作成

クリティカル・アラート

はい

はい

警告アラート

いいえ

はい

チケット付きクリティカル・アラート

はい

はい(チケット付き)

チケット付き警告アラート

はい

はい(チケット付き)

通知保留付きの警告アラート

はい

はい

通知保留なしの警告アラート

いいえ

はい

確認付きクリティカル・アラート

はい

はい

確認付き警告アラート

はい

はい


様々なタイプのクローズド・アラートに対応したインシデントおよびイベントの作成

表3-2は、各種クローズド・アラートについて、インシデントとイベントがいつ、どのように作成されるかをまとめたものです。また、クローズド・アラートに関連付けられているチケットがある場合、その情報はイベント移行の一部として取得されないことにも注意してください。

表3-2 様々なタイプのクローズド・アラート向けに作成されたインシデントおよびイベント

クローズド・アラートのタイプ 作成されたインシデント イベント作成

クリティカル・アラート

いいえ

はい

警告アラート

いいえ

はい

チケット付きクリティカル・アラート

いいえ

はい(チケットなし)

チケット付き警告アラート

いいえ

はい(チケットなし)

通知保留付きの警告アラート

いいえ

はい

通知保留なしの警告アラート

いいえ

はい

確認付きクリティカル・アラート

いいえ

はい

確認付き警告アラート

いいえ

はい


ジョブの管理

1システム・アップグレード方式では、ジョブは事実上、期待どおりに実行できます。停止時間内にはジョブは実行されず、停止時間中に実行されていたジョブはすべて、中断されるか、失敗します。また、スケジュール済のジョブはすべて、予定どおり継続されます。

2システム・アップグレード方式では、ジョブの実行方法に多少の制約と注意事項があります。まず、管理エージェントはどの時点でも、ある特定のEnterprise Managerシステムによってのみ監視されているため、ジョブは管理エージェントを監視しているシステム以外では実行できません。管理エージェントが移行されるまで、管理エージェントにより監視されているターゲットに対するジョブはすべて、従来のEnterprise Managerシステムで実行されます。これは、ジョブの真実の状態を知っているEnterprise Managerシステムは1つしかないことも意味します。いかなる場合でも、管理エージェントは一度に1つのシステムとしか通信できないため、実際の状態はEnterprise Managerシステムにしかわからないのです。

デプロイメント・プロシージャ実行の管理

Enterprise Managerシステム全体のアップグレード後、以前のデプロイメント・プロシージャ実行はいずれもアップグレード後のEnterprise Managerでは使用できません。以前のランタイム・データを参照する場合は、次のEM CLI動詞を使用してランタイム・データのすべてをXMLファイルとしてエクスポートする必要があります。

get_instance_data_xml

Oracle Software Libraryの使用

Enterprise Managerのアップグレード後のOracle Software Library(ソフトウェア・ライブラリ)の状態は次のとおりです。

コネクタの使用

Enterprise Managerシステム全体のアップグレード後、従来のEnterprise Managerシステムで構成されたコネクタはEnterprise Manager Cloud Controlでも引き続き動作します。ただし、構成されていなかったものは機能しません。

メトリックの収集

Oracle Fusion Middlewareターゲットに関連するメトリックの一部は、Enterprise Manager Cloud Controlで名前が変更されました。さらに、新しいメトリックもいくつか追加されています。メトリックが変更されているターゲットは次のとおりです。メトリックの変更に関する詳細は、付録Bを参照してください。

通常、管理エージェントのデプロイおよび構成後にメトリックのしきい値は変更できません。

EMCLIクライアントのアップグレード

旧リリースの既存のEMCLIクライアントをすべて、12cリリース1にアップグレードして、これらがEnterprise Manager Cloud Controlで動作できるようにする必要があります。つまり、古いものを破棄して、新しいものをセットアップする必要があります。

新しいEMCLIクライアントの設定に関する詳細は、Cloud Controlコンソール内の「Enterprise Manager Command Line Interface Download」ページを参照してください。このページにアクセスするには、Cloud Controlで「設定」メニューから「プリファレンス」を選択し、「コマンドライン・インタフェース」をクリックします。