Enterprise Managerは過去に何度もリリースされましたが、Enterprise Manager Cloud Controlはこれらのリリースすべてに大きな変更を加えた最新のリリースです。Enterprise Manager Grid Controlと呼ばれた旧リリースとは異なり、このリリースはEnterprise Manager Cloud Controlと呼ばれます。
Enterprise Manager Cloud Controlは、ユーザー・インタフェースが改良され、安定性、信頼性、パフォーマンスがより高められた、様々な新しい機能や強化された機能を提供します。さらに、Enterprise Manager Cloud ControlのコンソールからMy Oracle Supportへシームレスにアクセスし、サービス・リクエストの管理、パッチのデプロイ、ナレッジ・ベースの記事の確認を行うことができます。
この章では、既存の旧リリースのEnterprise Manager Grid ControlまたはEnterprise Manager Cloud Controlを12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードする方法について説明します。エンタープライズ全体にわたって様々な組合せでEnterprise Managerをデプロイする選択肢がある場合、環境全体をアップグレードすることは、特に様々なホストに配置された様々なレベル(層)のソフトウェアおよび構成のアップグレードを伴う場合、非常に複雑な作業になります。さらに、ゼロに近い停止時間で、または監視の欠如を最低限に抑えて環境をアップグレードするうえでの課題もあります。
このような課題を考慮して、要件を最も満たす方式を選択できる柔軟性を提供するアップグレード・オプションが用意されています。このアップグレード・オプションは、シームレスでエラーのないものにするためにアップグレード操作全体を簡略化することも目的としています。
この章では、用意されている各種のアップグレード方式の概要を示し、各方式で使用されるユーティリティと、既存のEnterprise Managerシステムをアップグレードするための各方式に従ったプロセス全体について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。
12cリリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1を適用済または未適用]から12cリリース2 (12.1.0.2)へのアップグレード
10gリリース5 (10.2.0.5)および11gリリース1 (11.1.0.1)から12cリリース2 (12.1.0.2)へのアップグレード
この項では、Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1を適用済または未適用]のアップグレードに提供されるアップグレード方式の概要を示し、使用されるユーティリティと、このアップグレード方式に従ったプロセス全体について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
注意: Enterprise Manager Cloud Controlのこれまでのリリースの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。 |
Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1を適用済または未適用]のアップグレードについては、1システム・アップグレード方式のみが提供されます。
注意: 12cリリース1 (12.1.0.1)から12cリリース2 (12.1.0.2)へのアップグレードについては、1システム・アップグレード方式のみが提供されます。2システム・アップグレード方式はサポートされていません。 |
1システム・アップグレード方式は、同じホスト上のEnterprise Manager Cloud Controlをアップグレードします。同じホスト上のOracle Management Service (OMS)と既存データベース内のOracle Management Repository (管理リポジトリ)をアップグレードします。アップグレードが同じホスト上で行われるため、ある程度の停止時間が発生します。
このアップグレード方式で、Enterprise Managerシステムは単一インスタンス、または複数OMS環境の実装(エンタープライズの規模が大きい場合に必要)のいずれかになる場合があります。どちらの場合でも、新規OMSは同じホスト上の元のOMSをアップグレードしますが、ある時点でアクティブになるのは新規システムまたは元のシステムのいずれかのみです。複数OMS環境のアップグレードの詳細は、「複数OMS環境のアップグレード」を参照してください。
注意: インストーラは既存の管理エージェントをアップグレードしません。OMSをアップグレードした後、エージェントのアップグレード・コンソールを使用して管理エージェントを個別にアップグレードする必要があります。エージェントのアップグレード・コンソールは、OMSをアップグレードした後にEnterprise Manager Cloud Controlコンソールに表示されるGUIメインのコンソールです。詳細は、「エージェントのアップグレード・コンソール」を参照してください。 |
表1-1に、OMSと管理エージェントのリリース12.1.0.1および12.1.0.2間の互換性について示します。
この項では、Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)のアップグレードに使用されるユーティリティについて説明します。特に、次の項目について説明します。
Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは、1システム・アップグレード方式の選択、および既存のOMSと管理リポジトリのアップグレードを可能にする主要なユーザー・インタフェースです。
提供される機能は次の図に明確に表されています。
エージェントのアップグレード・コンソールはEnterprise Manager Cloud Controlに組み込まれているグラフィカル・ユーザー・インタフェースで、Oracle Management Agent 12cリリース1 (12.1.0.1) [バンドル・パッチ1を適用済または未適用]を1つ以上選択し、12cリリース2 (12.1.0.2)にアップグレードすることができます。また、進行中のアップグレード操作の状況の追跡や、アップグレードできない管理エージェントのリストの表示もできます。
注意: 複数OMS環境ではすべてのOMSインスタンスがアップグレードされた後に、エージェントのアップグレード・コンソールを使用して管理エージェントをアップグレードできるようになります。 |
次の図は、1システム・アップグレード方式を使用したEnterprise Manager Cloud Control 12cリリース1 (12.1.0.1)のアップグレードを選択したときに、実行する必要のある手順のおおよそのフローまたはシーケンスを表しています。
注意: Oracle Management Service 12cは、Oracle Management Agent 12c (12.1.0.1または12.1.0.2)とのみ通信します。したがって、旧リリースとは異なり、最初にOMSおよび管理リポジトリをアップグレードしてから、エージェントのアップグレード・コンソールを使用して管理エージェントをアップグレードする必要があります。エージェントのアップグレード・コンソールは、OMSをアップグレードした後にEnterprise Manager Cloud Controlコンソールに表示されるGUIメインのコンソールです。詳細は、「エージェントのアップグレード・コンソール」を参照してください。 |
インストーラを使用してOMSおよび管理リポジトリをアップグレードする場合、デフォルトでインストーラが次の処理も実行します。
インストーラで入力したミドルウェア・ホームの場所に次のコンポーネントをインストールします。
指定するミドルウェア・ホームにまだインストールされていない場合は、Java Development Kit (JDK) 1.6 v24およびOracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)。
Oracle Management Service 12cリリース2 (12.1.0.2)。
Oracle JRF 11gリリース(11.1.1.6.0) (oracle_common
ディレクトリを含む)。
Oracle Web Tier 11gリリース(11.1.1.6.0) (Oracle_WT
ディレクトリを含む)。
すでにデプロイされているプラグインをアップグレードするか引き継ぎます。
Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース2 (12.1.0.2.0)ソフトウェアに新しいバージョンがある場合は、デプロイされているプラグインをアップグレードします。
次の場合は、デプロイされているプラグインをアップグレードせずに引き継ぎます。
(a) Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース2 (12.1.0.2.0)ソフトウェアに新しいバージョンがない場合。
(b)デプロイされているプラグインがすでにEnterprise Manager Cloud Control 12cリリース2 (12.1.0.2.0)ソフトウェアでのバージョン以上である場合。
同じ管理サーバー構成詳細(同じ管理サーバー、同じポートなど)によって、新規のOracle WebLogicドメインとノード・マネージャを作成します。
Oracle Management Service 12cに関連するすべての構成の詳細を格納する、Oracle Management Serviceインスタンス・ベース・ディレクトリ(gc_inst)
を作成します。
既存の認証済データベース自体の管理リポジトリをアップグレードします。
次の構成アシスタントを実行して、インストールまたはアップグレードされたコンポーネントを構成します。
管理サーバーの停止コンフィギュレーション・アシスタント
APMエンジンの停止コンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
注意: インストーラは、OMSとともにインストール済の既存の管理エージェントをアップグレードしません。エージェントのアップグレード・コンソールを使用して、(その他すべての管理エージェントとともに)アップグレードする必要があります。詳細は、「エージェントのアップグレード・コンソール」を参照してください。 |
この項では、アップグレード方式の概要を示し、3つのアップグレード方式の違いを明示して、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)およびEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)をアップグレードするために使用されるユーティリティとプロセス全体について説明します。この項の具体的な内容は次のとおりです。
Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)およびEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)をアップグレードするために次のアップグレード方式が用意されています。
1システム・アップグレード方式: この方式では、旧リリースのEnterprise Managerを実行しているホストでEnterprise Manager Cloud Controlにアップグレードできます。この方式では、既存のデータベースのOracle Management Repository(管理リポジトリ)もアップグレードされます。アップグレードが同じホスト上で行われるため、ある程度の停止時間が発生します。
この方式が意味するのは、Oracle Management Service(OMS)が1つ稼働している環境でEnterprise Managerシステムをアップグレードすることではありません。Enterprise Managerシステムを旧システムと同じホストでアップグレードすること、そしてEnterprise Managerシステムが常に1つしか存在しないことです。複数OMS環境のアップグレードの詳細は、「複数OMS環境のアップグレード」を参照してください。
2システム・アップグレード方式: この方式では、既存のEnterprise Managerシステムを実行していないホストにEnterprise Manager Cloud Controlをインストールできます。
既存のデータベースの管理リポジトリはアップグレードされませんが、バックアップされたデータベースの管理リポジトリがアップグレードされるので、2つのEnterprise Managerシステムが存在できるようになります。新しいEnterprise Managerシステムは旧システムと共存するので、停止時間はまったく発生しないか、発生したとしてもほぼゼロです。
異なるホストでの1システム・アップグレード方式: この方式では、既存のEnterprise Managerを実行していないホストにEnterprise Manager Cloud Controlをインストールできます。
この方式は2システム・アップグレード方式と似ていますが、2システム・アップグレード方式とは異なり、既存のデータベース自体の管理リポジトリがアップグレードされます。Enterprise Managerシステムは常に1つしか存在しないため、ある程度の停止時間が発生します。
表1-2に、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)およびEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)をアップグレードするために用意されている3つのアップグレード方式の違いを示します。この違いを理解して、個々の要件を最も満たす方式を選択してください。
表1-2 アップグレード方式の違い
注意: ジョブは既存のEnterprise Managerシステム、またはEnterprise Manager Cloud Controlで実行されます。両方のシステムで実行されることはありません。ジョブの本当の状態は、そのジョブが実際に実行されていたシステムでのみ確認できます。詳細は、付録Dを参照してください。また、すべてのターゲットで使用されるすべての管理エージェントを同時に移行しないかぎり、複数のターゲットを使用したジョブはどちらのシステムでも実行されません。 |
この項では、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)およびEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)をアップグレードするために使用されるユーティリティについて説明します。これらのユーティリティでは、アップグレード方式の1つを選択し、アップグレード操作全体をシームレスに編成して、アップグレード後アクティビティも追跡できます。特に、次の項目について説明します。
アップグレード前コンソールは、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)またはEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)をアップグレードするための主要なユーザー・インタフェースであり、開始点でもあります。
アップグレード前コンソールにより、適切なアップグレード方式の選択、Oracle Management Agent 12cソフトウェアの事前デプロイ、および管理エージェントの旧リリースから新たに事前デプロイされた管理エージェントへのスイッチオーバーができるようになります。
注意: Oracle Management Service 12cは、Oracle Management Agent 12c (12.1.0.1または12.1.0.2)とのみ通信します。したがって、旧リリースとは異なり、既存のOMSをアップグレードする前に、まず、使用しているシステムの管理エージェントをアップグレードする必要があります。このため、アップグレード前コンソールはアップグレード・プロセスの開始点となるのです。 |
アップグレード前コンソールにアクセスするには、すべてのOMSインスタンスにアップグレード前コンソール・パッチを適用します。ダウンロードしてプラットフォームに適用する必要があるパッチの詳細は、次のURLにアクセスしてください。
http://www.oracle.com/technetwork/oem/grid-control/downloads/oem-upgrade-console-502238.html
パッチのダウンロード後、このパッチに付属しているReadMeの指示に従って操作します。パッチを適用するには、必ず最新のOPatchリリースを使用してください。
パッチを適用した後、スーパー管理者権限でEnterprise Manager Grid Controlにログインし、「デプロイ」タブをクリックしてから「Enterprise Manager 12cアップグレード・コンソール」をクリックします。
重要:
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提供される機能は次の図に明確に表されています。
注意: アップグレードに対応している旧リリースは、Oracle Management Agent 10gリリース2 (10.2.x.x.x)、Oracle Management Agent 11gリリース1 (11.1.0.1)、Oracle Management Service 10gリリース5 (10.2.0.5)、およびOracle Management Service 11gリリース1 (11.1.0.1)です。 |
Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは、実行するアップグレード方式の選択、および既存のOMSと管理リポジトリのアップグレードを可能にする主要なユーザー・インタフェースです。
提供される機能は次の図に明確に表されています。
アップグレード後コンソールは、発生データ移行ジョブや遅延データ移行ジョブを含むアップグレード後のアクティビティすべてを追跡するための主要なユーザー・インタフェースです。さらに、差分レポートを生成し、アップグレード後のEnterprise Managerシステムで現在アクティブでないターゲットのリストを表示することができます。
提供される機能は次の図に明確に表されています。
注意: これらのジョブの詳細は、「遅延データ移行ジョブのステータスの追跡」、「見越データ移行ジョブのステータスの追跡」、「差分レポートの生成と表示」、「アップグレードしたEnterprise Managerシステム内の非アクティブ・ターゲットの表示」および「エージェント移行プロセスのサインオフ」を参照してください。 |
この項では、それぞれのアップグレード方式について、実行されるおおよそのフローまたはシーケンスについて説明します。特に、次の項目について説明します。
次の図は、1システム・アップグレード方式を使用したアップグレードを選択したときに実行する必要のある手順のおおよそのフローまたはシーケンスを表しています。
アップグレード前コンソールを使用して、Oracle Management Agent 12cソフトウェアをデプロイし、古い管理エージェントから新たにデプロイされた管理エージェントへスイッチオーバーすることができます。デプロイとスイッチオーバーはどちらも管理エージェントのインストールとアップグレードを処理しますが、これらはまったく異なる操作であることがわかるでしょう。
注意: 最良の慣例として、スイッチオーバー操作を開始するかなり前に、デプロイ操作を完了しておくことをお薦めします。 |
デプロイ操作では管理エージェントのソフトウェア・バイナリがコピーされ、ホスト上でこれらの構成が行われますが、スイッチオーバー操作では古い管理エージェントが停止され、Enterprise Manager Cloud Controlで連携するように新しい管理エージェントが起動されます。
ソフトウェア・バイナリのコピーとホスト上での構成の間、既存のEnterprise Managerシステムが停止されないこと、または動作が妨げられないことを保証するために、これら2つの操作は区別され、異なるエンティティとして扱われます。一度コピーされ、構成されたソフトウェア・バイナリは、より迅速にスイッチオーバーできるようになります。これは、古い管理エージェントを停止し、新しい管理エージェントを起動するための時間しか、この操作にはかからないためです。
管理エージェントのスイッチオーバーが完了すれば、OMSと管理リポジトリをアップグレードできるようになります。
注意: 最良の慣例として、スイッチオーバー操作の完了後、ただちにすべてのOMSインスタンスをアップグレードすることもお薦めします。1システム・アップグレード方式での停止時間は、基本的に管理エージェントをスイッチオーバーしたときから、すべてのOMSインスタンスをアップグレードするときまで続くということに注意してください。したがって、アップグレード操作が遅れれば遅れるほど、停止時間が長くなります。この停止時間中、監視されるターゲットはなく、OMSインスタンスにアップロードされる監視データもありません。 |
インストーラを使用して、ホスト上のEnterprise Manager Cloud Controlをアップグレードする場合、インストーラはデフォルトで次の操作を実行します。
インストーラで入力したミドルウェア・ホームの場所に次のコンポーネントをインストールします。
Oracle Management Service 12c。
Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJava Development Kit 1.6 v24 (JDK)。
注意: Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJDK 1.6 v24は、使用環境内に存在しない場合にのみインストールされます。サポートされているバージョンまたはそれ以降に、これらがすでに存在する場合は自動的に検出され、インストール場所のミドルウェア・ホームが表示されます。この場合、このミドルウェア・ホームのパスを確認するだけですみます。 |
Oracle JRF 11gリリース(11.1.1.6.0) (oracle_common
ディレクトリを含む)と、Oracle Web Tier 11gリリース(11.1.1.6.0) (Oracle_WT
ディレクトリを含む)。
プラグイン:
Oracleデータベース管理プラグイン
Oracle Fusion Middleware管理プラグイン
Oracle My Oracle Support管理プラグイン
Oracle Exadata管理プラグイン
アップグレード前コンソールを使用して、Oracle Management Agent 12cの事前デプロイ中にインストールしたその他のプラグイン(これらのプラグインがソフトウェア・キットに含まれている場合)
アップグレードする旧リリースのEnterprise Managerシステムに応じて、Oracle WebLogicドメイン、管理サーバー、ノード・マネージャおよび管理対象サーバーを作成または再利用します。
Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5 (10.2.0.5)からアップグレードする場合、デフォルトで次のものが作成されます。
GCDomain
と呼ばれるOracle WebLogicドメインは、Enterprise Manager Cloud Controlの構成中に自動的に作成されます。このWebLogicドメインでは、デフォルトのユーザー・アカウントweblogic
が管理ユーザーとして使用されます。これは、必要に応じてインストーラで変更することもできます。
Enterprise Manager Cloud Controlの構成中に、nodemanager
という名前のノード・マネージャ・ユーザー・アカウントが自動的に作成されます。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスのリモートでの起動、停止または再起動が可能になるため、ノード・マネージャは高可用性の要件を持つアプリケーションに推奨されます。
Enterprise Manager 11g Grid Controlリリース1 (11.1.0.1)からアップグレードする場合は、同じ管理サーバー構成(同じ管理サーバー、同じポートなど)によって、新規のOracle WebLogicドメインとノード・マネージャが作成されます。
ウィザードに入力されたミドルウェア・ホームにOMSインスタンス・ベース・ディレクトリ(gc_inst
)を作成し、OMSに関連するすべての構成情報を保存します。
既存の認証済データベース自体の管理リポジトリをアップグレードします。
次の構成アシスタントを実行して、インストールまたはアップグレードされたコンポーネントを構成します。
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
注意: インストーラにより、既存の管理エージェントがアップグレードされることはありません。これは管理エージェントがアップグレード前コンソールにより事前デプロイされているからです。 |
次の図は、2システム・アップグレード方式を使用したアップグレードを選択したときに実行する必要のある手順のおおよそのフローまたはシーケンスを表しています。
インストーラを使用してターゲット・ホストでEnterprise Manager Cloud Controlをインストールおよび構成する場合、デフォルトで次の処理が自動的に実行されます。
インストーラで入力したミドルウェア・ホームの場所に次のコンポーネントをインストールします。
Oracle Management Service 12c
Oracleデータベース管理プラグイン
Oracle Fusion Middleware管理プラグイン
Oracle My Oracle Support管理プラグイン
Oracle Exadata管理プラグイン
アップグレード前コンソールを使用して、Oracle Management Agent 12cの事前デプロイ中にインストールしたその他のプラグイン(これらのプラグインがソフトウェア・キットに含まれている場合)
注意: Oracle WebLogic Server 11gリリース1 (10.3.5)およびJDK 1.6 v24は、使用環境内に存在しない場合にのみインストールされます。サポートされているバージョンまたはそれ以降に、これらがすでに存在する場合は自動的に検出され、インストール場所のミドルウェア・ホームが表示されます。この場合、このミドルウェア・ホームのパスを確認するだけですみます。 |
指定したエージェント・ベース・ディレクトリ(ミドルウェア・ホーム外)にOracle Management Agent 12cをインストールします。
GCDomain
と呼ばれるOracle WebLogicドメインを作成します。このWebLogicドメインでは、デフォルトのユーザー・アカウントweblogic
が管理ユーザーとして使用されます。これは、必要に応じてインストーラで変更することもできます。
nodemanager
と呼ばれるノード・マネージャのユーザー・アカウントを作成します。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスのリモートでの起動、停止または再起動が可能になるため、ノード・マネージャは高可用性の要件を持つアプリケーションに推奨されます。
Oracle Management Service 12cに関連するすべての構成の詳細を格納するために、ミドルウェア・ホーム内のOMSインスタンス・ベースの場所(gc_inst)
を構成します。これは、必要に応じてインストーラで変更することもできます。
たとえば、ミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middleware/
の場合、インスタンス・ベースの場所は/u01/app/Oracle/Middleware/gc_inst
です。これは、必要に応じてインストーラで変更することもできます。
次の構成アシスタントを実行して、インストールまたはアップグレードされたコンポーネントを構成します。
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSを保護するために、内部的にパスワードを生成します。このパスワードはOMSコンフィギュレーション・アシスタントにより生成され、生成後、30日目で有効期限が切れます。
OMSコンフィギュレーション・アシスタント、またはプラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタントに失敗した場合は、必ず30日以内に問題を解決してください。解決しなかった場合、エージェント・コンフィギュレーション・アシスタントの実行中に管理エージェントの保護でエラーが発生します。
30日以内に問題を解決できない場合、管理エージェント・ホームから次のコマンドを実行します。
$<AGENT_HOME>/sysman/install/agentDeploy.sh OMS_HOST=<oms_host_name> EM_UPLOAD_PORT=<oms_upload_https_port> AGENT_REGISTRATION_PASSWORD=<agent_reg_password>
次の図は、異なるホスト上で1システム・アップグレード方式を使用したアップグレードを選択したときに実行する必要のある手順のおおよそのフローまたはシーケンスを表しています。
図のように、この方式は1システム・アップグレード方式と2システム・アップグレード方式を組み合せたものです。1システム・アップグレード方式と同様、まず、管理エージェントの事前デプロイとスイッチオーバーからアップグレード・プロセスを開始します。その後、2システム・アップグレード方式のように、リモート・ホストにEnterprise Manager Cloud Controlをインストールします。ただし、Enterprise Managerの旧リリースで使用していた管理リポジトリをアップグレードしてから、旧リリースを廃止するという違いがあります。このため、一度に複数のEnterprise Managerシステムが存在することはありません。
リモート・ホストにEnterprise Manager Cloud Controlのソフトウェア・バイナリをインストールし、既存の管理リポジトリをアップグレードしてから、ソフトウェア・バイナリを構成すれば、インストールは完了です。
ソフトウェア・バイナリのインストール中に、インストーラは次の処理を実行します。
Oracleホームを作成し、ミドルウェア・ホームの場所に次のコンポーネントをインストールします。
Oracle Management Service 12c
Oracleデータベース管理プラグイン
Oracle Fusion Middleware管理プラグイン
Oracle My Oracle Support管理プラグイン
Oracle Exadata管理プラグイン
指定したエージェント・ベース・ディレクトリ(ミドルウェア・ホーム外)にOracle Management Agent 12cをインストールします。
ソフトウェア・バイナリの構成中に、インストーラは次の処理を実行します。
GCDomain
と呼ばれるOracle WebLogicドメインを作成します。このWebLogicドメインでは、デフォルトのユーザー・アカウントweblogic
が管理ユーザーとして使用されます。これは、必要に応じてインストーラで変更することもできます。
nodemanager
と呼ばれるノード・マネージャのユーザー・アカウントを作成します。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serverインスタンスのリモートでの起動、停止または再起動が可能になるため、ノード・マネージャは高可用性の要件を持つアプリケーションに推奨されます。
Oracle Management Service 12cに関連するすべての構成の詳細を格納するために、ミドルウェア・ホーム内のOracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所(gc_inst
)を構成します。
たとえば、ミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middleware/
の場合、インスタンス・ベースの場所は/u01/app/Oracle/Middleware/gc_inst
です。
次の構成アシスタントを実行して、インストールまたはアップグレードされたコンポーネントを構成します。
プラグイン前提条件チェック・コンフィギュレーション・アシスタント
リポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタント
MDSスキーマ・コンフィギュレーション・アシスタント
OMSコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・デプロイおよびコンフィギュレーション・アシスタント
プラグイン・インベントリの移行コンフィギュレーション・アシスタント
Oracle Management Serviceの起動コンフィギュレーション・アシスタント
OMSのOracle Configuration Managerコンフィギュレーション・アシスタント
エージェント・コンフィギュレーション・アシスタント