プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド
12cリリース5 (12.1.0.5)
B65086-18
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

6 Oracle Management Agentのアップグレード

この章では、Enterprise Manager Cloud Control 12c Oracle Management Agent (管理エージェント)をアップグレードする方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。

6.1 12c管理エージェントのアップグレードの概要

Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース4 (12.1.0.5)を使用してエンタープライズを管理している場合は、すべてのOracle Management Agent (管理エージェント)を12.1.0.5にアップグレードすることをお薦めします。

12cの管理エージェントをアップグレードするには、エージェント・アップグレード・コンソールの「エージェントのアップグレード」ページ(Enterprise Manager Cloud Controlコンソールの一部)を使用するか、EM CLIを使用できます。「エージェントのアップグレード」ページは単一ウィンドウ・ソリューションとして動作し、Oracle Software Library (ソフトウェア・ライブラリ)でソフトウェアを利用できる最新バージョンに、既存の管理エージェントを一括アップグレードします。

エージェント・アップグレード・コンソールは、「エージェントのアップグレード・タスク」タブと「エージェントのアップグレード後のタスク」タブで構成されます。「エージェントのアップグレード・タスク」タブは、12cの管理エージェントのアップグレード、アップグレードできない管理エージェントの表示、および管理エージェントのアップグレード・ジョブの概要の表示に使用できます。「エージェントのアップグレード後のタスク」タブは、アップグレードした12cの管理エージェントの古いディレクトリのクリーンアップおよび管理エージェントのクリーンアップ・ジョブの概要の表示に使用できます。エージェント・アップグレード・コンソールにアクセスするには、「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、次に「エージェントのアップグレード」を選択します。

図6-1に、エージェント・アップグレード・コンソールを示します。

図6-1 エージェント・アップグレード・コンソール

図6-1については周囲のテキストで説明しています。

管理エージェントのアップグレードにより、そのインストール・ベース・ディレクトリ構造は変更されます。12cリリース4 (12.1.0.4)の管理エージェントを12cリリース5 (12.1.0.5)にアップグレードした場合のインストール・ベース・ディレクトリ構造の例を次に示します。

アップグレード前

<agent_base_directory>
    |_____sbin
    |_____core
         |_____12.1.0.4.0
    |_____plugins
    |_____agent_inst
    |_____agentimage.properties
    .
    .
    .

アップグレード後

<agent_base_directory>
    |_____sbin
    |_____backup_agtup
    |_____core
         |_____12.1.0.4.0
         |_____12.1.0.5.0
    |_____plugins
    |_____agent_inst
    |_____agentimage.properties
    .
    .
    .

注意:

  • 管理エージェントをアップグレードするとき、エージェントのベース・ディレクトリの場所は変更できません。

  • 管理エージェントをアップグレードすると、管理エージェント・ホストにインストールされているすべてのプラグインも、その最新バージョンがOracle Software Library (ソフトウェア・ライブラリ)に存在するかぎり、デフォルトでアップグレードされます。プラグインの最新バージョンがソフトウェア・ライブラリに存在しない場合は、その旧バージョンが保持されます。

  • (Microsoft Windowsホストの場合) 12.1.0.xの管理エージェントをアップグレードして、他の管理エージェントを同じホストにインストールする(別のOMSを示す)場合は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』の説明のとおりに、管理エージェントのインストール時にs_agentSrvcNameパラメータを指定してください。


6.2 12c管理エージェントのアップグレードを開始する前に

12c管理エージェントをアップグレードする前に、次のことに注意する必要があります。

  • Oracle Management Service (OMS)がバージョン12cリリース5 (12.1.0.5)の場合、エージェント・アップグレード・コンソールまたはEM CLIを使用してアップグレードできるのは、12cリリース2 (12.1.0.2)、12cリリース3 (12.1.0.3)または12cリリース4 (12.1.0.4)の管理エージェントのみで、12cリリース1 (12.1.0.1)の管理エージェントはアップグレードできません。

    12.1.0.5 OMSでサポートされる管理エージェントのバージョンの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

  • 古いOracle Management Service (OMS)とともにインストールされた中央エージェントをアップグレードする必要があります。

    OMSホストにインストールされている中央エージェントを含む管理エージェントは、OMSの12cリリース5 (12.1.0.5)へのアップグレード中に自動的にアップグレードされません。必ず、古いOMSを12.1.0.5にアップグレードした後すぐに、OMSホストにインストールされた中央エージェントをアップグレードしてください。

  • 特権優先資格証明または非特権資格証明が設定されていない場合、または管理エージェント資格証明が認識されていない場合でも、エージェント・アップグレード・コンソールまたはEM CLIを使用して、管理エージェントをアップグレードできます。特権資格証明が要求されるのは、root.shアップグレード後スクリプトを実行する場合のみです。

    root権限を持たないユーザーとして管理エージェントをアップグレードすると、または特権優先資格証明なしで管理エージェントをアップグレードすると、警告が表示されます。アップグレード時は、この警告を無視できます。後から、rootユーザーとして管理エージェント・ホストにログインして、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/root.shスクリプトを実行できます。

  • 一部の状況では、アップグレードされたバージョンの管理エージェントが、デプロイされたバージョンのプラグインをサポートしていない場合があります。このような場合、アップグレードされたバージョンの管理エージェントでサポートされていないプラグインのアンデプロイ、またはアップグレードされた管理エージェントでサポートされているバージョンのプラグインのデプロイのどちらかを確実に行います。

    プラグインのアンデプロイおよびデプロイ方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

  • Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース4 (12.1.0.5)では、管理エージェント・ソフトウェアの特定のバージョンに適用する管理エージェントの個別パッチを保存でき、これらのパッチは、同じバージョンの新しい管理エージェントがデプロイされるたび、または古い管理エージェントをそのバージョンにアップグレードしたときに、ソフトウェアに自動的に適用されます。

    これを行う方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

    また、個別パッチをプラグインに適用して、カスタムのパッチが適用されたプラグインを作成でき、このカスタムのパッチが適用されたプラグインは、デプロイするすべての新しい管理エージェント、およびアップグレードするすべての古い管理エージェントにデプロイされます。

    これを行う方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理ガイドを参照してください。

  • 管理エージェントをアップグレードする際に、Cygwin、PsExecまたは任意のSSH接続ツールは必要ありません。Enterprise Managerは管理エージェントとOMSの既存の接続チャネルを使用してアップグレードを実行するためです。

  • 管理エージェントのアップグレード中には、カスタム・インベントリの場所を指定できません。アップグレードされた管理エージェントは、古い管理エージェントのインベントリの場所を使用します。

  • クラスタにインストールされている管理エージェントまたは共有管理エージェントをアップグレード用に選択する場合、関係する一連の管理エージェント、つまりクラスタの別の管理エージェントまたは共有Oracleホームは自動的にアップグレード用に選択されます。

  • 次のシナリオでは管理エージェントをアップグレードできません。

    • 管理エージェントが稼働中および実行中ではない

    • 管理エージェントがセキュアでない

    • 管理エージェントが使用できない

    • (OMSバージョンと同じバージョンの)新しい管理エージェント・ソフトウェアがOracle Software Library (ソフトウェア・ライブラリ)に存在しない

    • 管理エージェントのOracleホーム・プロパティが見つからない

    • すでに管理エージェントのアップグレードが進行中である

  • カーネル・パッチまたはマッチ・バンドルの適用による下位リリースのSolarisのアップグレードと、実際のSolaris 5.10アップデート9イメージのインストールとは等価ではありません。Oracle Management Agent 12cリリース5 (12.1.0.5)は最低アップデート・バージョンのSolaris 5.10アップデート9に基づいてビルド、テストおよび動作保証されていたため、Oracle Management AgentをSolaris 5.10アップデート9にのみインストールし、パッチを使用してアップグレードした他のリリースにはインストールしないことをお薦めします。

6.3 12c管理エージェントをアップグレードするための前提条件

12c管理エージェントをアップグレードする前に、次の前提条件を満たす必要があります。

  • OMSホストのプラットフォームとは異なるプラットフォームで実行中の管理エージェントをアップグレードする場合は、自己更新を使用して、そのプラットフォーム用の最新の管理エージェント・ソフトウェアをソフトウェア・ライブラリでダウンロードして適用してください。

    自己更新にアクセスするには、「設定」メニューから、「拡張性」を選択し、「自己更新」を選択します。プラットフォーム用の最新の管理エージェントのソフトウェアがダウンロードされて適用されているかどうか確認するには、「エージェント・ソフトウェア」をクリックしてから、目的のプラットフォームの「バージョン」列および「ステータス」列を確認します。プラットフォームのソフトウェア・バージョンは、OMSバージョンと同じである必要があります。ステータスには「適用」と表示されている必要があります。

    最新のソフトウェアがダウンロードされて適用されていない場合、ソフトウェアを選択してから「ダウンロード」をクリックしてダウンロードします。ソフトウェアのダウンロード後、「適用」をクリックしてソフトウェアを適用します。ソフトウェアがダウンロード済でまだ適用されていない場合、「適用」をクリックしてソフトウェアを適用します。

    プラットフォーム用の最新の管理エージェントをダウンロードおよび適用するための自己更新の使用方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

  • アップグレードする管理エージェントが稼働し実行中であることを確認します。

    管理エージェントが稼働中および実行中であるかどうかを確認するには、「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。目的の管理エージェントの「ステータス」列をチェックします。

    管理エージェントが使用できない場合、管理エージェント名をクリックして、管理エージェント・ホームページに移動します。「エージェント使用不可」アイコンをクリックし、推奨アクションを実行します。

  • アップグレードする管理エージェントがセキュアであることを確認します。

    管理エージェントがセキュアかどうかを確認するには、「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。目的の管理エージェントの「セキュア・アップロード」列をチェックします。

    管理エージェントがセキュアでない場合、「エージェント」メニューから、「セキュア」を選択して保護します。

    また、次のコマンドを実行して、管理エージェントがセキュアかどうかを確認することもできます。

    <EMSTATE>/bin/emctl status agent

    <EMSTATE>は、管理エージェントのインスタンス・ディレクトリである<AGENT_BASE_DIRECTORY>/agent_instです。

    管理エージェントがセキュアである場合、表示される管理エージェントのURLはHTTPS URLです。ただし、表示される管理エージェントのURLがHTTP URLの場合、次のコマンドを実行して、管理エージェントを保護します。

    <EMSTATE>/bin/emctl secure agent

  • アップグレードするすべての管理エージェントでOMSコレクションが実行されていることを確認します。

    一部の管理エージェントでOMSコレクションが実行されていない場合、それらはアップグレードされません。これらの管理エージェントは、「アップグレード可能なエージェントがありません」ページに、Oracleホームのプロパティがありませんという理由とともに表示されます。このページにアクセスする方法の詳細は、第6.4.3項を参照してください。

    アップグレードする管理エージェント上でOMSコレクションを実行するには、管理エージェントのホストから次のコマンドを実行します。

    <EMSTATE>/bin/emctl control agent runCollection <TARGET_NAME>:oracle_home oracle_home_config

    <EMSTATE>は、管理エージェントのインスタンス・ディレクトリである<AGENT_BASE_DIRECTORY>/agent_instです。

    <TARGET_NAME>は、<EMSTATE>/sysman/emd/targets.xmlにあるターゲット・タイプoracle_homeの管理エージェント・ターゲットです。

  • 古い管理エージェントが、管理エージェントのアップグレード・プロセス中に起動しないことを確認します。

    停止時に管理サーバーを開始するスケジュールされた特定のcronジョブ、または構成された特定の通知マネージャがある場合があります。古い管理エージェントは、アップグレード・プロセスの一部として停止されます。この管理エージェントが起動されないことを確認します。

  • インストール・ユーザーに、Oracleインベントリ内にあるすべてのファイルに対して読取り権限があり、Oracleインベントリ・ディレクトリに対して書込み権限があることを確認します。

    Oracleインベントリ内にあるすべてのファイルに対する読取り権限を付与するには、インストール・ユーザーとして次のコマンドを実行します。

    chmod -R +r $<INVENTORY_LOCATION>

    Oracleインベントリ・ディレクトリに対する書込み権限を付与するには、インストール・ユーザーとして次のコマンドを実行します。

    chmod +rw $<INVENTORY_LOCATION>

  • 指定した一時ディレクトリ(つまりステージングの場所)と、アップグレード対象の管理エージェントのエージェント・ベース・ディレクトリが同じディスク上に存在する場合、そのディスクに少なくとも3GBの空きディスク領域があることを確認します。別のディスク上に存在する場合、一時ディレクトリに少なくとも2.1GBの空きディスク領域があり、エージェント・ベース・ディレクトリに少なくとも750MBの空きディスク領域があることを確認します。

6.4 12c管理エージェントのアップグレード

この項では、管理エージェントのアップグレードに必要な作業について説明します。内容は次のとおりです。

6.4.1 12c管理エージェントのアップグレード

この項では、12.1.0.xの管理エージェントをアップグレードするために使用できる方法について説明します。内容は次のとおりです。

6.4.1.1 エージェント・アップグレード・コンソールを使用した12c管理エージェントのアップグレード

エージェント・アップグレード・コンソールを使用して、12.1.0.xの管理エージェントをアップグレードするには、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェントのアップグレード」を選択します。

  2. 「ジョブ名」には、デフォルトのジョブ名をそのまま使用するか、一意のジョブ名を入力します。

    一意のジョブ名により、エージェントのアップグレード・ステータス・ページで、アップグレード・ジョブを識別し、その実行の詳細を参照し、進行を追跡することができます。

    ジョブ名は、最大長が64文字です。英数字および特殊文字を含めることができ、そのどちらからでも始めることができます。

  3. 「追加」をクリックして、アップグレード対象の管理エージェントを選択します。

    「アップグレード可能なエージェント」ウィンドウで、「エージェント」、「インストールされたバージョン」、「プラットフォーム」および「グループ」のフィールドを使用して、アップグレード対象の管理エージェントを検索します。

    アップグレード対象の管理エージェントを選択します。「OK」をクリックします。


    重要:

    • このリリースでは、12cリリース2 (12.1.0.2)の管理エージェントを、12cリリース3 (12.1.0.3)または12cリリース4 (12.1.0.4)にアップグレードすることはできません。12cリリース2 (12.1.0.2)、12cリリース3 (12.1.0.3)および12cリリース4 (12.1.0.4)の管理エージェントは、12cリリース5 (12.1.0.5)にのみアップグレードできます。

    • 特定のグループに含まれる管理エージェントをアップグレード用に選択する場合、グループの別の管理エージェントはデフォルトでアップグレード用に選択されません。グループの別の管理エージェントをアップグレードする場合は、「アップグレード可能なエージェント」ウィンドウで選択する必要があります。


  4. (オプション) アップグレード前スクリプトおよびアップグレード後スクリプトに、アップグレード前および後に実行するスクリプトの絶対パスをそれぞれ入力します。

    たとえば、/scratch/software/oracle/configure.shなどです。

    実行するスクリプトは、Oracle Management Service (OMS)ホスト(複数OMS環境では、すべてのOMSホスト)またはアップグレード用に選択したすべての管理エージェント・ホストの指定した場所に存在する必要があります。これらのスクリプトは、アップグレード用に選択した管理エージェント・ホストからアクセスできる、NFSマウントされた共有の場所に配置できます。

    実行するスクリプトがOMSホストのみに存在し、アップグレード用に選択した管理エージェント・ホストには存在しない場合、OMSホストのスクリプトを選択します。


    注意:

    • セッションごとに、アップグレード前スクリプトを1つのみ、アップグレード後スクリプトを1つのみ指定できます。

    • シェル・スクリプト(.sh)とバッチ・スクリプト(.bat)がサポートされています。UNIXプラットフォームにインストールされている管理エージェントをアップグレードする際はシェル・スクリプトのみを実行し、Microsoft Windowsプラットフォームにインストールされている管理エージェントをアップグレードする際はバッチ・スクリプトのみを実行してください。

    • UNIXプラットフォームにインストールされている管理エージェントと、Microsoft Windowsプラットフォームにインストールされている管理エージェントを同じセッションでアップグレードする場合は、アップグレード前またはアップグレード後のスクリプトを指定しないようにしてください。これらの管理エージェントのアップグレードにアップグレード前またはアップグレード後のスクリプトを指定する場合、別のセッションの別のプラットフォームにインストールされている管理エージェントをアップグレードします。


  5. (オプション)「追加パラメータ」で、アップグレードに使用する追加オプションを入力します。

    たとえば、前提条件チェックの実行をスキップして、管理エージェントのアップグレードを直接実行するには、-ignorePrereqsを指定します。追加パラメータを複数指定する場合は、パラメータを空白で区切ります。

    指定できるパラメータのリストは、第6.4.2項を参照してください。

  6. 「ステージングの場所」で、デフォルトのステージングの場所をそのまま使用するか、カスタムの場所を入力します。

    たとえば、/tmp/software/oracle/EMStageなどです。

    管理エージェントのインストール・ユーザーに、入力するカスタムの場所への書込み権限があるようにします。入力するカスタムの場所は、共有の、NFSマウントされた場所でもかまいません。


    注意:

    管理エージェントのホスト・ユーザーに、カスタムの場所への書込み権限があるようにします。

    ステージングの場所は、管理エージェントの一時アップグレード・ファイルを保存するために使用します。

  7. 「送信」をクリックします。

    「発行」をクリックすると、管理エージェントのアップグレード・ジョブが作成され、Enterprise Managerジョブ・システムに送信されます。そのジョブの「エージェントのアップグレード・ステータス」ページに自動的に移動し、そのページにジョブ手順の詳細が表示されます。

    発行済のすべての管理エージェントのアップグレード・ジョブの概要を表示する、または特定の一連の管理エージェントのアップグレード・ジョブを検索して表示するには、エージェント・アップグレード・コンソールの「エージェントのアップグレード結果」ページを使用します。このページにアクセスするには、「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェントのアップグレード」を選択します。エージェント・アップグレード結果をクリックします。

    管理エージェントのアップグレード・ジョブの「エージェントのアップグレード・ステータス」ページに戻るには、「エージェントのアップグレード結果」ページでジョブの名前をクリックします。

    管理エージェントのアップグレード・プロセス中にエラーが発生する場合や、管理エージェントのアップグレードに失敗する場合は、第6.6項を参照してください。

  8. root.shステップを省略したり、この手順が失敗する場合は、管理エージェント・ホストにrootユーザーとしてログインし、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/に移動して、ホスト上でroot.shスクリプトを手動で実行します。

    root.shの実行後、第6.4.4項に記載されているとおり、古い管理エージェントをクリーンアップできます。

6.4.1.2 EM CLIを使用した12c管理エージェントのアップグレード

EM CLIを使用して、12.1.0.xの管理エージェントをアップグレードするには、次の手順に従います。

  1. OMSホーム内の/binディレクトリからEM CLIにログインします。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli login -username=<user_name>
    

    たとえば、/scratch/aime/Oracle/MW/oms/bin/emcli login -username=sysmanです。

    このコマンドを実行すると、EM CLIによってパスワードが求められます。指定したユーザー名のパスワードを入力します。

  2. EM CLIを同期します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli sync
    
  3. アップグレード可能な管理エージェントのリストを取得するために、get_upgradable_agents verbを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli get_upgradable_agents
                          [-agents]
                          [-platforms]
                          [-versions]
                          [-groups]
                          [-output_file]
    

    [ ]内のパラメータはオプションであることに注意してください。

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli get_upgradable_agents -agents="abc%,xyz.domain.com:1243" -platforms="Linux x86,Microsoft Windows x64 (64-bit)" -versions="12.1.0.4.0" -output_file="/scratch/agents_file.txt"とします。

    -output_fileオプションを使用してアップグレード可能な管理エージェントのリストをファイルにコピーします。このファイルは、upgrade_agents verbの入力パラメータとして後で使用できます。

    get_upgradable_agents verbの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli/help get_upgradable_agents
    
  4. upgrade_agents verbを実行して、管理エージェントをアップグレードします。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli upgrade_agents 
                          -agents | -input_file="agents_file:<absolute_location>" | -input_file="response_file:<absolute_location>"
                          [-validate_only]
                          [-pre_script_loc]
                          [-pre_script_on_oms]
                          [-post_script_loc]
                          [-post_script_on_oms]
                          [-job_name]
                          [-override_credential]
                          [-additional_parameters]
                          [-stage_location]
    

    [ ]内のパラメータはオプションであることに注意してください。

    -agentsまたは-input_file="agents_file:<file_name>"のいずれかを使用するか、レスポンス・ファイルにagentsを指定してから-input_file="response_file:<absolute_location>"を使用することによって、アップグレードするすべての管理エージェントを指定していることを確認します。

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli upgrade_agents -agents="abc%,xyz.domain.com:1243" -input_file="agents_file:/scratch/agents_file.txt" -input_file="response_file:/scratch/agent.rsp" -stage_location=/tmpとします。

    -input_file="agents_file:<absolute_location>"オプションを使用して、アップグレードする管理エージェントのリストが含まれているファイルを指定します。-input_file="response_file:<absolute_location>"オプションを使用して、使用するすべてのアップグレード・パラメータが含まれているレスポンス・ファイルを指定します。レスポンス・ファイルには、次に示すとおり、パラメータが名前と値のペアで含まれています。

    job_name=UPGRADE_AGENT
    additional_parameters="-ignorePrereqs START_PRIORITY_LEVEL=98"
    

    verbを使用して指定するパラメータは、レスポンス・ファイルで指定されているパラメータをオーバーライドします。

    upgrade_agents verbの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli help upgrade_agents
    

    管理エージェントのアップグレード・プロセス中にエラーが発生する場合や、管理エージェントのアップグレードに失敗する場合は、第6.6項を参照してください。

  5. 発行済の管理エージェントのアップグレード・ジョブのステータスを表示するには、get_agent_upgrade_status verbを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin emcli get_agent_upgrade_status
                          [-agent]
                          [-job_name]
                          [-status]
    

    [ ]内のパラメータはオプションであることに注意してください。

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli get_agent_upgrade_status -status="Running"では、進行中の管理エージェントのアップグレード・ジョブがすべて表示されます。

    特定のアップグレード・ジョブの一部である特定の管理エージェントの詳細なジョブ手順のステータスは、get_agent_upgrade_status verbに-agentオプションのおよび-job_nameオプションを使用することで表示できます。

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli get_agent_upgrade_status -agent=abc.example.com:1243 -job_name=UPGRADE_AGT_13603とします。

    特定の管理エージェントのアップグレード・ジョブが失敗した場合は、入力を確認して、upgrade_agents verbを再度実行します。verbの再試行時にカスタムのジョブ名を指定する(-job_nameパラメータを使用して)場合は、失敗したジョブの名前ではなく、一意のジョブ名を指定してください。管理エージェントのアップグレードのトラブルシューティングのヒントについては、第6.6項を参照してください。

    get_agent_upgrade_status verbの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli/help get_agent_upgrade_status
    
  6. root.shステップを省略したり、この手順が失敗する場合は、管理エージェント・ホストにrootユーザーとしてログインし、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/に移動して、ホスト上でroot.shスクリプトを手動で実行します。

    root.shの実行後、第6.4.4項に記載されているとおり、古い管理エージェントをクリーンアップできます。


注意:

この項で説明したEM CLI verbの使用方法の詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイド』を参照してください。

6.4.2 12c管理エージェントのアップグレード用の追加パラメータ

表6-1に、エージェント・アップグレード・コンソールまたはEM CLIを使用した12c管理エージェントのアップグレード中に使用できる追加パラメータを示します。空白をセパレータとして使用して、複数のパラメータを入力できます。

表6-1 12c管理エージェントのアップグレード用の追加パラメータのリスト

パラメータ 説明

-ignorePrereqs

前提条件チェックの実行をスキップします。

すでに前提条件を確認しており、アップグレードの残りのプロセスを実行するだけの場合は、このパラメータを指定します。

-debug

デバッグとエラーの解決に役立つデバッグ・メッセージをログに記録します。

START_PRIORITY_LEVEL

(Unixベースのホストのみ)

このパラメータを使用して、ホストの開始時の管理エージェント・サービスの優先度レベルを指定します。このパラメータは0から99の間の値を受け入れます。ただし、このパラメータには91から99の間の値を指定することをお薦めします。

たとえば、START_PRIORITY_LEVEL=95とします。

このパラメータを指定しない場合、デフォルトで98が設定されます。

重要: アップグレードするように選択した管理エージェントのインストール中にこのパラメータの値を指定した場合は、この管理エージェントのアップグレード時に同じ値を指定してください。

SHUT_PRIORITY_LEVEL

(Unixベースのホストのみ)

このパラメータを使用して、ホストの停止時の管理エージェント・サービスの優先度レベルを指定します。このパラメータは、0から99の間の値を受け入れます。

たとえば、SHUT_PRIORITY_LEVEL=25とします。

このパラメータを指定しない場合、デフォルトで19が設定されます。

重要: アップグレードするように選択した管理エージェントのインストール中にこのパラメータの値を指定した場合は、この管理エージェントのアップグレード時に同じ値を指定してください。


6.4.3 アップグレードできない12c管理エージェントの表示

エージェント・アップグレード・コンソールまたはEM CLIを使用して、特定の12c管理エージェントをアップグレードできないことがあります。表6-2にこの理由を示します。

表6-2 Oracle Management Agentをアップグレードできない理由

理由 説明および推奨アクション

最新のエージェント・ソフトウェアが存在しない

OMSバージョンの最新の管理エージェント・ソフトウェアがOracle Software Libraryで使用できません。

最新の管理エージェント・ソフトウェアが使用できない管理エージェントをアップグレードするには、まず自己更新コンソールを使用して最新のソフトウェアをダウンロードして適用してから、「エージェントのアップグレード」ページを使用する必要があります。

自己更新コンソールにアクセスするには、「設定」メニューから、「拡張性」を選択し、「自己更新」を選択します。最新の管理エージェントのソフトウェアをダウンロードするには、「エージェント・ソフトウェア」をクリックし、必要なソフトウェアを選択してから「ダウンロード」をクリックします。最新の管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードおよび適用するための自己更新コンソールの使用方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

非セキュアなエージェント

管理エージェントがセキュアではありません。

セキュアではない管理エージェントをアップグレードするには、まず管理エージェントを保護してから、エージェントのアップグレード・ページを使用する必要があります。

管理エージェントを保護するには、「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。目的の管理エージェント名をクリックします。「エージェント」メニューから、「セキュア」をクリックします。

次のコマンドを実行して、管理エージェントを保護することもできます。

<EMSTATE>/bin/emctl secure agent

<EMSTATE>は、管理エージェントのインスタンス・ディレクトリである<AGENT_BASE_DIRECTORY>/agent_instです。

Oracleホームのプロパティがありません

管理エージェントのOracleホーム・プロパティが見つかりません。

このプロパティは、アップグレードする管理エージェントのプラットフォームの取得に必要です。共有エージェントのアップグレードでは、このプロパティは、共有エージェントマスター・エージェント間の関係を維持するための重要な役割を果たします。さらに、パッチ適用などの不可欠な特定の管理エージェントのライフサイクル操作にも必要です。

Oracleホーム・プロパティが存在しない管理エージェントをアップグレードするには、最初に、管理エージェント上でOMSコレクションを実行します。管理エージェント上でOMSコレクションを実行するには、管理エージェントのホストから次のコマンドを実行します。

<EMSTATE>/bin/emctl control agent runCollection <TARGET_NAME>:oracle_home oracle_home_config

<EMSTATE>は、管理エージェントのインスタンス・ディレクトリである<AGENT_BASE_DIRECTORY>/agent_instです。

<TARGET_NAME>は、<EMSTATE>/sysman/emd/targets.xmlにあるターゲット・タイプoracle_homeの管理エージェント・ターゲットです。

エージェント使用不可

管理エージェントが使用できない、つまり、Oracle Management Service (OMS)が管理エージェントと通信できません。

管理エージェントが停止している場合、管理エージェントがOMSによってブロックされた場合、または管理エージェント・ホストが停止している場合は、一般的に管理エージェントは使用できません。ネットワークやその他の特定の問題が原因で、管理エージェントが使用できない可能性もあります。

使用できない管理エージェントをアップグレードするには、最初に、OMSと管理エージェント間の通信をリストアする必要があります。OMSと管理エージェント間の通信をリストアするには、「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。目的の管理エージェント名をクリックして、管理エージェント・ホームページに移動します。表示されたエラー・アイコンをクリックし、推奨アクションを実行します。

アクティブ化を保留中のエージェント

管理エージェントのリリースが12cリリース2 (12.1.0.2)以降ではありません。

エージェントのアップグレード・ページを使用して、10g、11gまたは12cリリース1 (12.1.0.1)の管理エージェントをアップグレードできません。これらの管理エージェントをアンインストールし、ホストに新規管理エージェントをインストールします。

管理エージェントのアンインストールの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。新規管理エージェントのインストールの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。


アップグレードできないエージェント・ページを使用して、現在アップグレードできない一連の管理エージェントを検索および表示できます。これらの管理エージェントを検索および表示するには、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェントのアップグレード」を選択します。

  2. アップグレードできないエージェントをクリックします。

  3. 管理エージェントの検索に使用するパラメータの値を入力または選択します。管理エージェント名、バージョン、プラットフォームおよび管理エージェントをアップグレードできない理由を使用して、管理エージェントを検索できます。

  4. 「一致」「すべて」または「いずれか」を選択して、すべての検索パラメータと一致する結果またはいずれかの検索パラメータと一致する結果を検索します。

  5. 「検索」をクリックします。

6.4.4 古い管理エージェントのアップグレード後クリーンアップの実行

12.1.0.xの管理エージェントをアップグレードすると、古いエージェント・ホーム、古いOracleホーム・ターゲットおよび古い管理エージェントのバックアップ・ディレクトリは残り、自動的に削除されません。アップグレード後のこれらのものを削除してディスク領域を解放するために、エージェント・アップグレード・コンソールまたはEM CLIを使用して、古い管理エージェントをクリーンアップできます。


重要:

正常にアップグレードされた管理エージェントに対してのみクリーンアップを実行してください。管理エージェントのアップグレードが成功したかどうかの確認については、第6.5.1項を参照してください。

この項では、アップグレード後に12.1.0.xの管理エージェントをクリーンアップするために使用できる方法について説明します。内容は次のとおりです。

6.4.4.1 エージェント・アップグレード・コンソールを使用した古い管理エージェントのアップグレード後クリーンアップの実行

エージェント・アップグレード・コンソールの「エージェントのクリーンアップ」ページを使用して、古い管理エージェントの古いディレクトリをクリーンアップするには、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェントのアップグレード」を選択します。

  2. 「エージェントのアップグレード後のタスク」をクリックします。

  3. デフォルトのクリーンアップ・ジョブ名を変更するには、「ジョブ名」に一意の名前を入力します。

    一意のジョブ名により、クリーンアップ・ジョブを識別して、その実行の詳細を参照し、進行を追跡できます。

    ジョブ名は、最大長が64文字です。英数字および特殊文字を含めることができ、そのどちらからでも始めることができます。

  4. 「追加」をクリックして、クリーンアップ対象の管理エージェントを追加します。

  5. クリーンアップ対象のエージェントウィンドウで、「エージェント」、「プラットフォーム」、「インストールされたバージョン」および「グループ」のフィールドを使用して、クリーンアップ対象の管理エージェントを検索します。

  6. クリーンアップする管理エージェントを選択します。「OK」をクリックします。

  7. 「送信」をクリックします。

6.4.4.2 EM CLIを使用した古い管理エージェントのアップグレード後クリーンアップの実行

EM CLIを使用して、古い管理エージェントの古いディレクトリをクリーンアップするには、次の手順に従います。

  1. OMSホーム内の/binディレクトリからEM CLIにログインします。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli login -username=<user_name>
    

    たとえば、/scratch/aime/Oracle/MW/oms/bin/emcli login -username=sysmanです。

    このコマンドを実行すると、EM CLIによってパスワードが求められます。指定したユーザー名のパスワードを入力します。

  2. EM CLIを同期します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli sync
    
  3. クリーンアップを実行可能な管理エージェントのリストを取得するために、get_signoff_agents verbを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli get_signoff_agents 
                          [-agents]
                          [-platforms]
                          [-versions]
                          [-groups]
                          [-output_file]
    

    [ ]内のパラメータはオプションであることに注意してください。

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli get_signoff_agents -output_file="/scratch/signoff_agents_file.txt"とします。

    -output_fileオプションを使用して、get_signoff_agents verbの出力をファイルにコピーし、このファイルは、signoff_agents verbの入力パラメータとして後で使用できます。

    get_signoff_agents verbの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli help get_signoff_agents
    
  4. signoff_agents verbを実行して、管理エージェントをクリーンアップします。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli/signoff_agents 
                          -agents | -input_file="agents_file:<absolute_location>" | -input_file="response_file:<absolute_location>"
                          [-job_name]
    

    [ ]内のパラメータはオプションであることに注意してください。

    -agentsまたは-input_file="agents_file:<file_name>"のいずれかを使用するか、レスポンス・ファイルにagentsを指定してから-input_file="response_file:<absolute_location>"を使用することによって、クリーンアップするすべての管理エージェントを指定していることを確認します。

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli signoff_agents -agents="abc%,xyz.domain.com:1243" -input_file="agents_file:/scratch/signoff_agents_file.txt" -input_file="response_file:/scratch/agent.rsp" -job_name=CLEAN_UP_12103とします。

    -input_file="agents_file:<absolute_location>"オプションを使用して、クリーンアップする管理エージェントのリストが含まれているファイルを指定します。-input_file="response_file:<absolute_location>"オプションを使用して、使用するすべてのパラメータが含まれているレスポンス・ファイルを指定します。レスポンス・ファイルには、次に示すとおり、パラメータが名前と値のペアで含まれています。

    agents=abc%,xyz%
    job_name=CLEAN_UP_AGT_121050
    

    verbを使用して指定するパラメータは、レスポンス・ファイルで指定されているパラメータをオーバーライドします。

    signoff_agents verbの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli help signoff_agents
    

注意:

この項で説明したEM CLI verbの使用方法の詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイド』を参照してください。

6.4.5 12c管理エージェントのアップグレードのクリーンアップ・ジョブの表示

古いエージェント・ホーム、古いOracleホーム・ターゲットおよび古い管理エージェントのバックアップ・ディレクトリをアップグレード後に削除するには、「エージェントのクリーンアップ」ページまたはEM CLIを使用します。クリーンアップする管理エージェントを選択し、「エージェントのクリーンアップ」ページで「送信」をクリックするか、signoff_agents EM CLI verbを実行すると、管理エージェントのクリーンアップ・ジョブが作成され、Enterprise Managerジョブ・システムに送信されます。「エージェントのクリーンアップ結果」ページまたはget_signoff_status EM CLI verbを使用して、特定の一連の管理エージェントのクリーンアップ・ジョブを検索および表示できます。

この項では、特定の一連の管理エージェントのクリーンアップ・ジョブを表示するために使用できる方法について説明します。内容は次のとおりです。

6.4.5.1 エージェント・アップグレード・コンソールを使用した12c管理エージェントのアップグレードのクリーンアップ・ジョブの表示

エージェント・アップグレード・コンソールの「エージェントのクリーンアップ結果」ページを使用して、特定の一連の管理エージェントのクリーンアップ・ジョブを表示するには、次の手順に従います。

  1. 「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェントのアップグレード」を選択します。

  2. 「エージェントのアップグレード後のタスク」をクリックします。

  3. エージェントのクリーンアップ結果をクリックします。

  4. 管理エージェント・クリーンアップ・ジョブの検索に使用するパラメータの値を入力または選択します。ジョブ名、クリーンアップに含まれていた管理エージェント、およびジョブのステータスを使用して、これらのジョブを検索できます。

  5. 「一致」「すべて」または「いずれか」を選択して、すべての検索パラメータと一致する結果またはいずれかの検索パラメータと一致する結果を検索します。

  6. 「検索」をクリックします。

6.4.5.2 EM CLIを使用した12c管理エージェントのアップグレードのクリーンアップ・ジョブの表示

EM CLIを使用して、特定の一連の管理エージェントのクリーンアップ・ジョブを表示するには、次の手順に従います。

  1. OMSホーム内の/binディレクトリからEM CLIにログインします。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli login -username=<user_name>
    

    たとえば、/scratch/aime/Oracle/MW/oms/bin/emcli login -username=sysmanです。

    このコマンドを実行すると、EM CLIによってパスワードが求められます。指定したユーザー名のパスワードを入力します。

  2. EM CLIを同期します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli sync
    
  3. get_signoff_status verbを実行して、特定の一連の管理エージェントのクリーンアップ・ジョブを表示します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli get_signoff_status 
                          [-agent]
                          [-job_name]
                          [-status]
    

    [ ]内のパラメータはオプションであることに注意してください。

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli get_signoff_status -status="Success"では、成功した管理エージェントのクリーンアップ・ジョブを表示します。

    get_signoff_status verbの構文および使用方法の詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli help get_signoff_status
    

注意:

この項で説明したEM CLI verbの使用方法の詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイド』を参照してください。

6.5 12c管理エージェントのアップグレード後

この項では、管理エージェントのアップグレード後に実行できる様々なタスクについて説明します。内容は次のとおりです。

6.5.1 12c管理エージェントのアップグレードの確認

この項では12c管理エージェントのアップグレードを検証する方法を説明します。内容は次のとおりです。

6.5.1.1 Enterprise Managerコンソールを使用した12c管理エージェントのアップグレードの確認

管理エージェントのアップグレード後、次の方法に従って、Enterprise Managerコンソールを使用してアップグレードを検証します。

  • 「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェントのアップグレード」を選択します。エージェント・アップグレード結果をクリックします。管理エージェントをアップグレードするために作成したジョブが成功したことを確認します。

  • 「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。アップグレードを検証する管理エージェントの名前をクリックして、管理エージェントのバージョンを確認します。アップグレード後の管理エージェントのバージョンは、OMSバージョンと同じである必要があります。

    また、「エージェント」ページで、管理エージェントが、ブロックされていたり、ブラックアウト中ではなく、稼働中であることを確認します。

  • 「設定」メニューから、「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。アップグレードを検証する管理エージェントの名前をクリックします。「エージェント」メニューから、「構成」「最新収集」の順に選択します。「構成プロパティ」タブで、古い管理エージェント・ホームを表示している構成プロパティがないことを確認します。

6.5.1.2 EM CLIを使用した12c管理エージェントのアップグレードの確認

管理エージェントのアップグレード後、次の方法に従って、EM CLIを使用してアップグレードを検証します。

  • get_agent_upgrade_status verbを実行して、管理エージェントをアップグレードするために作成したジョブが成功したことを確認します。確認する方法の詳細は、第6.4.1.2項の手順5を参照してください。

  • get_agent_properties verbを実行して、アップグレード後の管理エージェントのバージョンおよびその構成プロパティを確認します。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli get_agent_properties -format=csv -agent_name=<agent_host_name>:<agent_port>
    

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli get_agent_properties -format=csv -agent_name=abc.example.com:1872とします。

  • get_targets verbを実行して、管理エージェントの状態を確認します(ブロックされていたり、ブラックアウト中ではなく、稼働中であることなど)。

    $<OMS_HOME>/bin/emcli get_targets -format="name:csv" -targets=<agent_host_name>:<agent_port>:oracle_emd -alerts
    

    たとえば、$<OMS_HOME>/bin/emcli get_targets -format="name:csv" -targets=abc.example.com:3872:oracle_emd -alertsとします。

6.5.2 中央エージェントのベース・ディレクトリのOracleミドルウェア・ホーム外への移動(12c中央エージェントのアップグレード後)

中央エージェントのアップグレード後に、アップグレードされた中央エージェントのエージェント・ベース・ディレクトリがOracleミドルウェア・ホームに存在し、これをOracleミドルウェア・ホーム外に移動する場合は、付録Gを参照してください。


重要:

  • エージェント・ベース・ディレクトリの移動は、中央エージェントにのみ推奨されます。他の管理エージェントには推奨されません。

  • エージェント・ベース・ディレクトリの移動は、Microsoft Windowsで実行されているホストではサポートされていません。


6.6 12c管理エージェントのアップグレードのトラブルシューティング

表6-3に、管理エージェントのアップグレード中に発生する可能性のある特定のエラーのトラブルシューティング方法について説明します。

表6-3 Oracle Management Agentのアップグレードのトラブルシューティング

問題 トラブルシューティングのヒント

「エージェントのアップグレード」ページで「送信」をクリックすると、管理エージェントのOracleホームの特権優先資格証明が設定されていないため、管理エージェントに対してroot.shを実行できなかったという内容のエラーが発生する

次のいずれかの操作を実行します。

  • アップグレードを継続するには、「OK」をクリックします。アップグレード後、rootユーザーとして管理エージェント・ホストにログインして、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/root.shスクリプトをホスト上で実行します。

  • 「取消」をクリックしてアップグレードを取り消し、次の手順を実行します。

    1. 管理エージェントのOracleホーム・ターゲットの優先資格証明を設定します。

      この方法は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。

    2. 管理エージェントをアップグレードします。

    管理エージェントのOracleホーム・ターゲットに特権優先資格証明を設定しない場合は、エラー・メッセージが表示されたら、「取消」をクリックして、次の手順を実行します。

    1. 「優先資格証明のオーバーライド」を選択し、表示されたアイコンをクリックして新しい資格証明を作成します。作成する資格証明がroot資格証明ではない場合、「実行権限」に「sudo」または「PowerBroker」を選択し、「別名実行」rootと入力します。

    2. 管理エージェント・ホストで権限委任設定を構成します。

    3. 管理エージェントをアップグレードします。

    アップグレード後、root.shジョブ手順が失敗する場合は、管理エージェント・ホストにrootユーザーとしてログインし、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/root.shスクリプトを手動で実行します。

「エージェントのアップグレード」ページで「送信」をクリックすると、管理エージェント・ホストの権限委任設定が設定されていないため、管理エージェントに対してroot.shを実行できなかったという内容のエラーが発生する

次のいずれかの操作を実行します。

  • エラー・メッセージが表示された場合は、「OK」をクリックしてアップグレードを続行します。アップグレード後、rootユーザーとして管理エージェント・ホストにログインして、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/root.shスクリプトをホスト上で実行します。

  • エラー・メッセージが表示された場合は、「取消」をクリックしてアップグレードを取り消し、次の手順を実行します。

    1. 管理エージェント・ホストで権限委任設定を構成します。

      これを行う方法の詳細は、Oracle Enterprise Managerライフサイクル管理者ガイドを参照してください。

    2. 管理エージェントをアップグレードします。

    アップグレード後、root.shジョブ手順が失敗する場合は、管理エージェント・ホストにrootユーザーとしてログインし、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/root.shスクリプトを手動で実行します。

「エージェントのアップグレード」ページで「送信」をクリックすると、管理エージェントのOracleホームの特権優先資格証明にrootとして実行が設定されていないため、管理エージェントに対してroot.shを実行できなかったという内容のエラーが発生する。

次のいずれかの操作を実行します。

  • アップグレードを継続するには、「OK」をクリックします。アップグレード後、rootユーザーとして管理エージェント・ホストにログインして、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/root.shスクリプトをホスト上で実行します。

  • 「取消」をクリックしてアップグレードを取り消し、次の手順を実行します。

    1. 資格証明がroot権限を持つように、管理エージェントのOracleホーム・ターゲットの特権優先資格証明を編集します。これを行う方法の詳細は、Oracle Enterprise Managerライフサイクル管理者ガイドを参照してください。

    2. 管理エージェントをアップグレードします。

    アップグレード後、root.shジョブ手順が失敗する場合は、管理エージェント・ホストにrootユーザーとしてログインし、$<AGENT_BASE_DIR>/core/12.1.0.5.0/root.shスクリプトを手動で実行します。

「エージェントのアップグレード」ページで「送信」をクリックすると、エージェントのアップグレード手順が失敗する。

次の手順に従って問題を診断します。

  1. 失敗した管理エージェントのアップグレード・ジョブ手順の出力ログを参照します。

    エージェントのアップグレード・ページで管理エージェントのアップグレード・ジョブ手順の出力ログを参照するには、「エージェントのアップグレード結果」をクリックします。管理エージェントのアップグレード・ジョブの名前をクリックし、目的の管理エージェントを選択します。失敗したジョブ手順の名前をクリックします。

  2. 次の場所で利用できる管理エージェントのデプロイメント・ログを参照します。

    $<AGENT_BASE_DIRECTORY>/core/12.1.0.5.0/cfgtoollogs/agentDeploy/agentDeploy_<TIMESTAMP>.log
    
  3. 次の場所で利用できるプラグイン・アップグレードの構成ログを参照します。

    $<AGENT_BASE_DIRECTORY>/backup_agtup/backup_<TIMESTAMP>/agtNew/install/logs/agentplugindeploy_<TIMESTAMP>.log
    

ホスト・プラットフォーム用の32ビット管理エージェント・ソフトウェアがソフトウェア・ライブラリに存在しないために、管理エージェントをアップグレードできませんでした。

Oracle Enterprise Linux 4.x、Red Hat Enterprise Linux 4.x、およびSUSE Linux Enterprise 10 64ビットの各プラットフォームで実行される管理エージェントをアップグレードする際に、このエラーが発生する可能性があります。このエラーが発生した場合、「OK」をクリックします。「自己更新」コンソールを使用して、これらのプラットフォーム用の最新の32ビット管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードして適用してから、管理エージェントをアップグレードします。

最新の管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードおよび適用するための自己更新コンソールの使用方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』を参照してください。

「エージェントのアップグレード・ステータス」ページまたは「エージェントのアップグレード結果」ページのリンクが機能しない。

次のログを表示することで問題を診断します。

  • $<OMS_INSTANCE_HOME>/user_projects/domains/EMGC_DOMAIN/servers/EMGC_OMS1/logs/*.out

  • $<OMS_INSTANCE_HOME>/user_projects/domains/EMGC_DOMAIN/servers/EMGC_OMS1/logs/*.log

管理エージェントのアップグレード・プロセスのジョブ手順がハングするか、複数回実行される。

次のログを表示することで問題を診断します。

$<OMS_INSTANCE_HOME>/em/EMGC_OMS1/sysman/log/*.trc

EM CLIログインまたは同期が失敗する。

次のログを表示することで問題を診断します。

$<NEW_AGENT_ORACLE_HOME>/EMGC_OMS1/sysman/emcli/setup/.emcli/*.log

アップグレード後の管理エージェントはブロックされています。

Oracle Support Serviceにリクエストを送信してください。管理エージェントの再同期化は行わないでください。