CUPS 印刷マネージャーを使用したプリンタの管理

この節では、CUPS 印刷マネージャーを使用してプリンタを管理する方法について説明します。

設定可能なプリンタプロパティー

構成済みプリンタのプロパティーを変更するには、「プリンタのプロパティー」ダイアログのオプションを使用します。手順については、「構成済みプリンタのプロパティーを変更する方法」を参照してください。

「プリンタのプロパティー」ダイアログには、新規および既存のプリンタを構成するために次の 6 つのセクションが含まれています:

• 設定

  「設定」セクションでは、次のプロパティーを設定できます:

  説明

  プリンタに関する説明テキスト。

  場所

  プリンタの物理的な場所の説明。

  デバイス URI

  プリンタへのアクセスに使用されるプロトコルの情報。たとえば、RFC-1179 プロトコルを指定するには LPD を使用し、Internet Printing Protocol を指定するには IPP を使用します。

  製造元とモデル

  プリンタの製造元とモデルに関する情報。

  「製造元とモデル」オプションのデフォルト設定は、「変更」ボタンをクリックして変更できます。

  プリンタ状態

  プリンタの現在のステータスに関する情報。

  テストとメンテナンス

  次のオプションがあります:

  • テストページを印刷

  • セルフテストページの印刷

  • プリントヘッドの清掃

• ポリシー

  「ポリシー」セクションでは、プリンタの動作方法を制御するプロパティーを設定できます。

  状態

  次のプリンタの状態を指定します:

  • 有効

  • 要求の受け入れ中

  • 共有

  同時に複数の状態を指定できます。

  ポリシー

  エラーの状態にあるときのプリンタの動作方法を指定します。

  バナー

  各印刷ジョブで開始または終了のバナーページを印刷するかどうかを指定します。

• アクセス制御

  「許可」または「拒否」リストによって、どのユーザーがプリンタに印刷できるかを決定します。

• プリンタオプション

  「プリンタオプション」セクションでは、プリンタ固有のオプションを構成できます。

  たとえば、HP LaserJet 3015 の場合は、次の構成可能なオプションが表示されます:

  • イメージングオプション

  • 解像度オプション

  • 透かし/重ね

  オプションの数と種類は、指定されたプリンタに関連付けられている PPD ファイルによって決定されます。

• ジョブオプション

  部数、用紙方向、特定のイメージオプションなど、印刷ジョブに関連するオプションを決定します。オプションの数と種類は、指定されたプリンタに関連付けられている PPD ファイルによって決定されます。

構成済みプリンタのプロパティーを変更する方法

次の手順では、既存のプリンタの基本設定を変更する方法について説明します。CUPS 印刷マネージャー GUI を使用して変更できるすべてのプロパティーの完全な説明については、「設定可能なプリンタプロパティー」を参照してください。

1. デスクトップのメインメニューバーから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択するか、端末ウィンドウで次のコマンドを入力して、CUPS 印刷マネージャー GUI を起動します:

   $ system-config-printer

   「プリンタ構成」ダイアログが開き、すべての構成済みプリンタと新しく検出されたプリンタが表示されます。

2. プロパティーを変更するプリンタの名前を右クリックし、「プロパティー」を選択します。

   「プリンタのプロパティー」ダイアログが表示されます。「プロパティー」ダイアログは 5 つのセクションに分かれており、各セクションにはカテゴリ別に分類されたプロパティーが含まれています。デフォルトでは、ダイアログの「設定」セクションが表示されます。

   「設定」セクションでは次の設定を変更できます:

   • 説明

   • 場所

   • デバイス URI

   • 製造元とモデル

3. プリンタの説明または場所を変更するには、対応するテキストフィールドに新しい情報を入力します。
4. デバイス URI を変更するには:
   1. 設定の横にある「変更」ボタンをクリックします。
   2. 使用可能なデバイスのリストからデバイスを選択し、「適用」をクリックします。

      使用可能なデバイスについては、「印刷デバイスの選択」を参照してください。

   3. プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。

      「設定」セクションに戻ります。

5. プリンタの製造元とモデルを変更するには:
   1. 設定の横にある「変更」ボタンをクリックします。
   2. 「ドライバの選択」ウィンドウで、プリンタの製造元を選択し、「次へ」をクリックします。

      ---

      注 - CUPS のデフォルトでは、「データベースからプリンタを選択する」オプションが使用され、適切なプリンタの製造元が自動的に選択されます。または、独自の PPD ファイルを指定することもできます。手順については、手順 3の「新しいローカルプリンタを設定する方法」 を参照してください。

      ---

   3. 次の「ドライバの選択」ウィンドウの左の区画から、プリンタモデルを選択します。右側のパネルでプリンタドライバを選択して、「次へ」をクリックします。
   4. 「既存の設定」ダイアログで、次のオプションから選択し、「適用」をクリックします。

      • 新しい PPD (Postscript Printer Description) のままで使用します。

      • 古い PPD からオプション設定をコピーしようとしています。

   5. プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。

      「プリンタのプロパティー」ダイアログの「設定」セクションに戻ります。

6. 「了解」をクリックします。

プリンタの名前を変更する方法

1. デスクトップのメインメニューバーから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択するか、端末ウィンドウで次のコマンドを入力して、CUPS 印刷マネージャー GUI を起動します:

   $ system-config-printer

   プリンタの構成ダイアログが開き、すべての構成済みプリンタと新しく検出されたプリンタが表示されます。

2. 名前を変更するプリンタの名前を右クリックします。
3. 「名前を変更」オプションをクリックします。
4. プリンタの新しい名前を入力します。
5. プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。
6. 「了解」をクリックして変更を保存します。

プリンタ構成をコピーする方法

1. デスクトップのメインメニューバーから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択するか、端末ウィンドウで次のコマンドを入力して、CUPS 印刷マネージャー GUI を起動します:

   $ system-config-printer

   「プリンタ構成」ダイアログが開き、すべての構成済みプリンタと新しく検出されたプリンタが表示されます。

2. 構成をコピーするプリンタの名前を右クリックします。
3. 「コピー」オプションをクリックします。
4. 「プリンタの複製」ウィンドウで、プリンタの名前を入力し、「了解」をクリックします。
5. プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。
6. 「了解」をクリックします。

プリンタを削除する方法

1. デスクトップのメインメニューバーから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択するか、端末ウィンドウで次のコマンドを入力して、CUPS 印刷マネージャー GUI を起動します:

   $ system-config-printer

   「プリンタ構成」ダイアログが開き、すべての構成済みプリンタと新しく検出されたプリンタが表示されます。

2. 削除するプリンタの名前を右クリックし、「削除」を選択します。
3. 「削除の確認」ダイアログで「了解」をクリックします。

プリンタを共有解除または共有する方法

デフォルトでは、新しいプリンタは「共有」オプションを有効にして構成されます。これは、プリンタがローカルネットワーク上で公開されることを意味します。この手順では、プリンタの共有を解除したり、共有されていないプリンタを有効にしたりする方法について説明します。

1. デスクトップのメインメニューバーから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択するか、端末ウィンドウで次のコマンドを入力して、CUPS 印刷マネージャー GUI を起動します:

   $ system-config-printer

   「プリンタ構成」ダイアログが開き、すべての構成済みプリンタと新しく検出されたプリンタが表示されます。

2. 共有を解除する (または共有する) プリンタの名前を右クリックして、オプションの選択を解除します。
3. プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。
4. 「了解」をクリックします。

プリンタを無効または有効にする方法

CUPS 印刷マネージャーを使用して新しいプリンタを構成すると、そのプリンタはデフォルトで有効になります。この手順では、プリンタを無効または有効にする方法について説明します。

1. デスクトップのメインメニューバーから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択するか、端末ウィンドウで次のコマンドを入力して、CUPS 印刷マネージャー GUI を起動します:

   $ system-config-printer

   「プリンタ構成」ダイアログが開き、すべての構成済みプリンタと新しく検出されたプリンタが表示されます。

2. 無効 (または有効) にするプリンタの名前を右クリックして、オプションの選択を解除します。
3. プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。
4. 「了解」をクリックします。

指定したプリンタの印刷ジョブを管理する方法

1. デスクトップのメインメニューバーから「システム」->「管理」->「印刷マネージャー」を選択するか、端末ウィンドウで次のコマンドを入力して、CUPS 印刷マネージャー GUI を起動します:

   $ system-config-printer

   「プリンタ構成」ダイアログが開き、すべての構成済みプリンタと新しく検出されたプリンタが表示されます。

2. 印刷ジョブを管理するプリンタの名前を右クリックし、「印刷待ち行列の表示」を選択します。

   「ドキュメント印刷ステータス (printer-name)」ウィンドウが開き、指定したプリンタの印刷ジョブがすべて一覧表示されます。

   このウィンドウには次の情報が表示されます:

   • ジョブ

   • ユーザー

   • ドキュメント

   • プリンタサイズ

   • 送信時刻

   • 状態

3. 完了したジョブまたはプリンタのステータスに関する情報を表示するには、「表示」メニューから該当するオプションを選択します。
4. 印刷ジョブに対して特定のアクションを実行するには、印刷ジョブを選択し、メニューバーにある使用可能な選択肢からアクションを選択します。

   または、印刷ジョブの名前を右クリックし、使用可能なオプションのリストからアクションを選択することもできます。

   次のアクションが表示されます:

   • 取消し

   • 保留

   • 解放

   • 再印刷

5. (省略可能) 「印刷待ち行列の表示」ウィンドウを更新するには、「表示」->「更新」の順に選択します。