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Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris のコマンドに関する情報の検索
4. Oracle Solarisシステムのブートとシャットダウン
5. Oracle Configuration Manager の操作
CUPS コマンド行ユーティリティーを使用したプリンタの設定と管理 (作業マップ)
CUPS コマンド行ユーティリティーを使用したプリンタの設定と管理
CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理 (作業マップ)
CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理
CUPS Web ブラウザインタフェースを使用するための要件
CUPS Web ブラウザインタフェースへのアクセスに関する問題のトラブルシューティング
CUPS 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定 (作業マップ)
リモート印刷待ち行列を管理するように CUPS を設定する方法
CUPS 印刷マネージャーを使用したプリンタの管理 (作業マップ)
16. システムコンソール、端末デバイス、および電源サービスの管理 (手順)
19. システムおよびソフトウェアのトラブルシューティング (手順)
CUPS は、モジュール化されたオープンソースの印刷システムであり、プリンタ、印刷要求、および印刷待ち行列を管理するための基準としてインターネット印刷プロトコル (IPP) を使用します。CUPS は、ネットワークプリンタの参照および PostScript Printer Description ベースの印刷オプションをサポートします。CUPS は、ローカルネットワークの共通印刷インタフェースも提供します。
IPP は、ネットワーク上での印刷に関する標準プロトコルです。ほかの IP ベースのプロトコルと同じように、IPP はローカルまたはインターネット経由でリモートプリンタと通信するために使用できます。ほかのプロトコルと異なり、IPP はアクセス制御、認証、および暗号化もサポートするため、ほかのプロトコルよりはるかに高機能で安全な印刷ソリューションです。IPP は、ハイパーテキスト転送プロトコル (HTTP) の上位層に位置付けられます。HTTP は、インターネット上に存在する Web サーバーの基盤です。IPP を使用すると、ブラウザを介してプリンタやサーバーのステータス情報を確認したり、プリンタや印刷ジョブを管理したりできます。CUPS は、完全な IPP/1.1 ベースの印刷システムです。基本、ダイジェスト、およびローカル証明書の各認証と、ユーザー、ドメイン、または IP ベースのアクセス制御を提供します。
CUPS では、動的なプリンタ検出とグループ化がサポートされます。CUPS は、lpr コマンドを独自のコマンドに置き換え、LPD プリンタドライバを独自の印刷ドライバに置き換えます。CUPS は、ページ記述のベースとなる言語として PostScript 形式を使用する点で LP 印刷サービスと似ています。CUPS は System V と Berkeley の両方の印刷コマンドを提供するため、ユーザーおよびアプリケーションは今まで使用していたオプションをほとんどまたはまったく変更せずに CUPS の待ち行列に印刷できます。
最後に、CUPS には多くのオープンソースアプリケーションおよびツールキットによって使用されているアプリケーションレベルのインタフェースが含まれています。CUPS のバックエンドには、注釈付きのラスタイメージ形式 (RIP) を処理するのに必要なインタフェースが含まれています。この形式とこれらのインタフェースのサポートは、ほかの重要なオープンソースの印刷ドライバ技術に統合されています。
CUPS は、LP 印刷サービスに代わる Oracle Solaris リリースのデフォルトで唯一の印刷サービスです。Oracle Solaris オペレーティングシステム (OS) での CUPS を使用した印刷は、次を使用して管理します:
CUPS コマンド行ユーティリティー - これらのコマンドには、新しい CUPS 印刷コマンドのほか、今まで LP 印刷サービスで使用されていたいくつかの印刷コマンドも含まれています。
CUPS Web ブラウザインタフェース - http://localhost:631 にアクセスしてください。
CUPS 印刷マネージャー GUI - この GUI には、GNOME 2.30 を含む Oracle Solaris Desktop からアクセスするか、または端末ウィンドウで system-config-printer コマンドを入力してアクセスします。
CUPS で印刷環境を管理するには、最初に CUPS の下で印刷待ち行列を作成する必要があります。印刷待ち行列は、USB ポートやパラレルポートを介してシステムに直接接続されているプリンタを指している場合もあります。しかし、アプリケーションの設定方法によっては、待ち行列がネットワーク上のプリンタ、インターネット上のプリンタ、または複数のプリンタを指している場合もあります。印刷待ち行列は、どこを指しているかに関係なく、ほかのプリンタと同じように扱われます。
CUPS のサービスは、次の 2 つの新しいサービス管理機能 (SMF) サービスによって提供されます:
svc:/application/cups/scheduler
このサービスは、cupsd デーモンを管理します。このデーモンは、キューイング、フィルタ処理、スプーリング、通知、IPP サポート、デバイス列挙、および Web 管理を含む基本的な印刷サービスを提供します。
svc:/application/cups/in-lpd
このサービスは、cupsd-lpd デーモンを実行します。このデーモンは、CUPS サービスに対して基本的な RFC-1179 (LPD プロトコル) のサポートを提供します。
プリンタ管理プロファイルと solaris.smf.manage.cups の承認によって、root ログインができないユーザーもこれらの SMF サービスを管理できます。
CUPS で印刷環境を管理するには、最初に CUPS の下で印刷待ち行列を作成する必要があります。
新しい印刷待ち行列は、次のいずれかの方法で作成できます:
lpadmin コマンドを使用して、手動で印刷待ち行列を作成します。詳細は、lpadmin(8) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris Desktop からアクセスできる印刷マネージャー GUI を使用します。詳細は、「CUPS 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定 (作業マップ)」を参照してください。
Web ブラウザインタフェースを使用します。CUPS をインストールしたあと、http://localhost:631/admin にアクセスします。
USB プリンタをローカルシステムに物理的に接続します。
システム上で CUPS が有効になっている場合は、ハードウェア抽象化レイヤー (HAL) と hal-cups-utils ユーティリティーが USB プリンタのホットプラグイベントを認識します。これらは、ローカルシステムに接続された新しいプリンタを認識できます。hal-cups-utils ユーティリティーは、新しいプリンタの印刷待ち行列を CUPS の下で自動的に作成します。
さらに、CUPS は mDNS フレームワーク (Bonjour) と SNMP を使用したプリンタ検出もサポートします。CUPS では、ほかの CUPS サーバーによって共有されるプリンタを CUPS のブラウズ機能によって検出できます。詳細は、http://www.cups.org/documentation.php/doc-1.5/options.html を参照してください。
ネットワーク印刷待ち行列の場合は、システム上の CUPS の「ブラウズ機能」を有効にします (デフォルト)。ネットワーク上の別のシステムがリモートシステム上の使用可能なプリンタを通知した場合は、CUPS によってそのプリンタが検出され、新しい印刷待ち行列が作成されます。
ユーザーによって印刷要求が送信されるたびに、CUPS は、要求の送信先の印刷待ち行列、ドキュメントの名前、およびページ記述に関する情報を含む印刷ジョブを作成します。印刷ジョブには queue-1、queue-2 のような番号が付けられているため、必要に応じて印刷される個々の印刷ジョブを監視したり、印刷ジョブを取り消したりできます。
印刷要求が送信されると、CUPS は次を実行します:
使用するプログラム (フィルタ、印刷ドライバ、ポートモニター、およびバックエンドプログラム) を決定します。
これらのプログラムを実行して印刷ジョブを完了します。
印刷ジョブが完了したら、印刷待ち行列からジョブを削除し、送信された次の印刷ジョブを印刷します。印刷ジョブが完了したとき、または印刷中にエラーが発生したときに通知するように CUPS を設定できます。