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Oracle Solaris の管理: 一般的なタスク     Oracle Solaris 11 Information Library (日本語)
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はじめに

1.  Oracle Solaris のコマンドに関する情報の検索

2.  ユーザーアカウントとグループの管理 (概要)

3.  ユーザーアカウントとグループの管理 (手順)

4.  Oracle Solarisシステムのブートとシャットダウン

5.  Oracle Configuration Manager の操作

6.  サービスの管理 (概要)

7.  サービスの管理 (手順)

8.  障害管理の使用

9.  システム情報の管理 (手順)

10.  システムプロセスの管理 (手順)

11.  システムパフォーマンスの監視 (手順)

12.  ソフトウェアパッケージの管理 (手順)

13.  ディスク使用の管理 (手順)

14.  システムタスクのスケジュール設定 (手順)

15.  CUPS を使用したプリンタの設定と管理 (手順)

CUPS の概要

CUPS のプロセス

CUPS のサービス

CUPS を使用したプリンタと印刷待ち行列の設定

CUPS を使用した印刷待ち行列の管理

CUPS と連携動作する印刷環境の設定

印刷環境を設定する方法

アップグレード用の印刷環境の設定

CUPS コマンド行ユーティリティーを使用したプリンタの設定と管理 (作業マップ)

CUPS コマンド行ユーティリティーを使用したプリンタの設定と管理

CUPS コマンド行ユーティリティー

lpadmin を使用してプリンタを設定する方法

デフォルトプリンタの設定

コマンド行でデフォルトプリンタを設定する方法

指定したプリンタに印刷する方法

プリンタのステータスを確認する方法

ファイルをデフォルトプリンタに印刷する方法

プリンタとプリンタアクセスを削除する方法

CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理 (作業マップ)

CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理

CUPS Web ブラウザインタフェースを使用するための要件

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CUPS 印刷マネージャーを使用したプリンタの管理 (作業マップ)

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構成済みプリンタのプロパティーを変更する方法

プリンタの名前を変更する方法

プリンタ構成をコピーする方法

プリンタを削除する方法

プリンタを共有解除または共有する方法

プリンタを無効または有効にする方法

指定したプリンタの印刷ジョブを管理する方法

16.  システムコンソール、端末デバイス、および電源サービスの管理 (手順)

17.  システムクラッシュ情報の管理 (手順)

18.  コアファイルの管理 (手順)

19.  システムおよびソフトウェアのトラブルシューティング (手順)

20.  その他各種のシステムおよびソフトウェアの トラブルシューティング (手順)

索引

CUPS コマンド行ユーティリティーを使用したプリンタの設定と管理

この節では、CUPS コマンドの概要とプリンタを設定および管理する方法について説明します。

CUPS コマンド行ユーティリティー

CUPS には、プリンタを設定し、それらのプリンタをネットワーク上のシステムからアクセスできるようにするためのさまざまなコマンドが用意されています。また、CUPS ではプリンタ構成を制御するプリンタ固有のオプションもいくつかサポートされます。次の表に、よく使用する CUPS コマンドを示します。


注 - 一部の CUPS コマンドの名前はレガシー LP 印刷コマンドと同じですが、CUPS の下でのコマンドの動作は異なる場合があります。


表 15-1 CUPS コマンド行ユーティリティー

コマンド
作業
cancel(1)
印刷要求を取り消す
cuspaccept(8)
指定された宛先への印刷要求のキューイングを有効にする
cuspdisable(8)
指定されたプリンタまたはクラスを無効にする
cupsenable(8)
指定されたプリンタまたはクラスを有効にする
cupsreject(8)
指定された宛先への印刷要求のキューイングを拒否する
lp(1)
印刷要求を送信する
lpadmin(8)
プリンタまたはクラスの構成を設定または変更する
lpc(8)
CUPS の印刷待ち行列およびクラス待ち行列に対する限定的な制御を提供する
lpinfo(8)
CUPS サーバーに登録されている使用可能なデバイスまたはドライバを表示する
lpmove(8)
指定されたジョブまたはすべてのジョブを新しい出力先に移動する
lpoptions(1)
プリンタのオプションおよびデフォルトを表示または設定する
lpq(1)
現在の印刷待ち行列のステータスを表示する
lpr(1)
印刷要求を送信する
lprm(1)
印刷のために待ち行列に入っている印刷ジョブを取り消す
lpstat(1)
待ち行列および要求のステータス情報を表示する

lpadmin を使用してプリンタを設定する方法

  1. プリンタをシステムに接続したあと、プリンタの電源を入れます。

    ハードウェアのスイッチとケーブル接続の要件については、プリンタのインストールマニュアルを参照してください。

  2. 管理者になります。

    詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。

  3. lp コマンドと -p オプションを使用して、CUPS にプリンタを追加します。

    ここには、CUPS の lpadmin コマンドのもっとも一般的に使用するオプションだけを掲載してあります。その他のオプションについては、lpadmin(8) のマニュアルページを参照してください。

    $ /usr/sbin/lpadmin -p printer-name -E -v device -m ppd
    -p

    追加するプリンタ名を指定します。

    -E

    出力先を有効にして、ジョブを受け入れます。

    -v

    印刷待ち行列の device-uri 属性を設定します。

    -m

    モデルディレクトリから、またはいずれかのドライバインタフェースを使用して、プリンタの PPD ファイルを設定します。

    この手順の最後に示す例を参照してください。

  4. プリンタが印刷要求を受け入れて、印刷できるようにします。
    $ cupsaccept printer-name
    $ cupsenable printer-name
  5. プリンタが正しく構成されていることを確認します。
    $ lpstat -p printer-name -l

例 15-1 パラレルポートに接続されたプリンタを追加する

パラレルポートに接続された HP DeskJet プリンタ DeskJet を追加するには、次のコマンドを入力します:

$ /usr/sbin/lpadmin -p DeskJet -E -v parallel:/dev/lp1 -m deskjet.ppd
deskjet.ppd

CUPS に付属する HP DeskJet ドライバの PPD ファイル

例 15-2 PPD ファイルを使用するプリンタを追加する

IP アドレスが 10.1.1.1 の JetDirect ネットワークインタフェースを使用して HP LaserJet プリンタ LaserJet を追加するには、次のコマンドを入力します:

$ /usr/sbin/lpadmin -p LaserJet -E -v socket://10.1.1.1 -m laserjet.ppd
laserjet.ppd

CUPS に付属する HP LaserJet ドライバの PPD ファイル

例 15-3 シリアルポートに接続されたプリンタを追加する

シリアルポートに接続されたドットマトリックスプリンタを追加するには、次のコマンドを入力します:

$/usr/sbin/lpadmin -p DotMatrix -E -m epson9.ppd \ -v serial:/dev/ttyS0?baud=9600+size=8+parity=none+flow=soft

シリアルポート、ボーレート、ビット数、およびフロー制御を指定します。フロー制御が必要ない場合は、+flow=soft 属性を削除します。

デフォルトプリンタの設定

デフォルトプリンタは、次のいずれかの方法で指定できます:

この印刷コマンドは、次の順序でデフォルトプリンタを検索します:

  1. lp コマンドと -d オプションを使用して設定されたプリンタ名

  2. LPDEST 環境変数の値

  3. PRINTER 環境変数の値

CUPS Web ブラウザインタフェースを使用してプリンタを設定する手順については、「CUPS Web ブラウザインタフェースを使用したプリンタの設定と管理 」を参照してください。

コマンド行でデフォルトプリンタを設定する方法

ローカルプリンタまたはリモートプリンタをデフォルトプリンタとして使用できます。

  1. デフォルトプリンタを設定するシステムの管理者になります。
  2. 次のいずれかの方法を使用して、システムのデフォルトプリンタを設定します:
    • PRINTER 変数を指定する方法:
      $ export PRINTER=printer-name

      printer-name には、システムのデフォルトプリンタとして割り当てるプリンタの名前を指定します。printer-name を指定しなかった場合は、デフォルトプリンタなしでシステムが設定されます。


      注 - lp コマンドと -d オプションを使用すると、出力先プリンタが指定されますが、これはデフォルトプリンタではない可能性があります。-d オプションが指定されなかった場合、print コマンドは PRINTER 環境変数に含まれるプリンタの情報を検索します。


    • LPDEST 変数を指定する方法:
      $ export LPDEST=printer-name

      printer-name には、システムのデフォルトプリンタとして割り当てるプリンタの名前を指定します。printer-name を指定しなかった場合は、デフォルトプリンタなしでシステムが設定されます。


      注 - LPDESTPRINTER の両方の環境変数が設定されている場合は、LPDEST が優先されます。


    • lpoptions コマンドを使用する方法:
      $ lpoptions -d printer-name
      -d

      宛先プリンタを指定します。

      printer-name

      システムのデフォルトプリンタとして割り当てるプリンタの名前を指定します。printer-name を指定しなかった場合は、デフォルトプリンタなしでシステムが設定されます。

      詳細は、lpoptions(1) のマニュアルページを参照してください。

  3. システムのデフォルトプリンタを確認します。
    $ lpstat -d
  4. デフォルトプリンタに印刷するには、次のコマンドを入力します:
    $ lp filename

例 15-4 PRINTER 変数を指定してデフォルトプリンタを設定する

次の例は、PRINTER 変数を使用してプリンタ luna をシステムのデフォルトプリンタとして設定する方法を示しています。

$ export PRINTER=luna
$ lpstat -d
system default destination: luna

例 15-5 LPDEST 変数を指定してデフォルトプリンタを設定する

次の例は、LPDEST 変数を指定することによってプリンタ luna をシステムのデフォルトプリンタとして設定する方法を示しています。

$ export LPDEST=luna
$ lpstat -d
system default destination: luna

例 15-6 lpoptions コマンドを使用してデフォルトプリンタを設定する

次の例は、プリンタ luna をシステムのデフォルトプリンタとして設定する方法を示しています。プリンタ luna は、LPDEST または PRINTER 環境変数が設定されていない場合に、システムのデフォルトプリンタとして使用されます。

$ lpoptions -d luna
$ lpstat -d
system default destination: luna

lpoptions コマンドは、デフォルトプリンタ luna のエントリを含む ~/.lpoptions ファイルを作成します。デフォルトでは、すべての印刷ジョブが luna プリンタに出力されます。

指定したプリンタに印刷する方法

  1. (省略可能) プリンタのステータスを確認します。
    $ lpstat -p printer-name
  2. lp コマンドを発行するときに、出力先プリンタ名を指定します。
    $ lp -d destination-printer filename
    -d

    宛先プリンタを指定します。

    destination-printer

    出力先プリンタとして割り当てられているプリンタ名を指定します。

    filename

    印刷するファイル名を指定します。


    注 - lpr コマンドと -p オプションを使用して、特定のプリンタに印刷要求を送信することもできます。詳細は、lpr(1) のマニュアルページを参照してください。


例 15-7 lp コマンドを使用して指定したプリンタに印刷する

次の例は、プリンタ luna を出力先プリンタとして設定する方法を示しています。

$ lp -d luna abc.ps
request id is luna-1 (1 file(s))

$ lpstat -d
system default destination: saturn

-lp コマンドの d オプションは、LPDEST および PRINTER 環境変数より優先されます。

この例では、デフォルトプリンタは saturn です。

プリンタのステータスを確認する方法

lpstat コマンドは、アクセス可能なプリンタとジョブに関する情報を表示します。

  1. ネットワーク上の任意のシステムにログインします。
  2. (省略可能) すべてのプリンタまたは特定のプリンタのステータスを確認します。

    ここには、もっとも一般的に使用するオプションだけを掲載してあります。その他のオプションについては、lpstat(1) のマニュアルページを参照してください。

    $ lpstat [-d] [-p] printer-name [-l] [-t]
    -d

    システムのデフォルトプリンタが表示されます。

    -p printer-name

    プリンタがアクティブかアイドル状態か、およびいつ使用可能または使用不可になったかが表示されます。

    このコマンドで複数のプリンタ名を指定できます。プリンタ名を区切るには空白またはコンマを使用します。空白を使用する場合は、プリンタ名のリストを引用符で囲みます。printer-name を指定しなかった場合は、すべてのプリンタのステータスが表示されます。

    -l

    プリンタとジョブの特性が表示されます。

    -t

    すべてのプリンタのステータス (プリンタがアクティブかどうか、印刷要求を受け入れているかどうかなど) を含む、CUPS のステータス情報が表示されます。

例 15-8 プリンタのステータスを表示する

プリンタ luna のステータスを表示するには:

$ lpstat -p luna
printer luna is idle. enabled since Jul 12 11:17 2011. available.

システムのデフォルトプリンタを表示するには:

$ lpstat -d
system default destination: luna

プリンタ asteroid および luna の説明を表示するには:

$ lpstat -p "asteroid, luna" -D
printer asteroid faulted. enabled since Jan 5 11:35 2011. available.
unable to print: paper misfeed jam

Description: Printer by break room
printer luna is idle. enabled since Jan 5 11:36 2011. available.
Description: Printer by server room.

プリンタ luna の特性を表示するには:

$ lpstat -p luna -l
printer luna is idle.  enabled since September 29, 2011 05:20:57 PM BST

ファイルをデフォルトプリンタに印刷する方法

  1. ネットワーク上の任意のシステムにログインします。
  2. (省略可能) プリンタのステータスを確認します。
    $ lpstat -p printer-name
  3. 次のいずれかの方法で印刷要求を発行します:
    • lp コマンドを使用して:
      $ lp filename
    • lpr コマンドを使用して:
      $ lpr filename

    注 - この手順では、基本的なコマンドのみを表示します。その他のオプションについては、lp(1) および lpr(1) のマニュアルページを参照してください。


プリンタとプリンタアクセスを削除する方法

  1. 削除するプリンタへのアクセス権を持つ管理者または印刷クライアントになります。
  2. 印刷クライアントであるシステム上で、プリンタに関する情報を削除します。
    $ lpoptions -x printer-name
    printer-name

    削除するプリンタの名前を指定します。

    -x

    指定したプリンタを削除します。


    注 - -x オプションは、特定のプリンタおよびインスタンスのデフォルトオプションのみを削除します。元の印刷待ち行列は、lpadmin コマンドを使用して削除されるまで保持されます。


  3. 管理者になります。
  4. プリンタサーバーであるシステム上で、プリンタの印刷要求の受け入れを停止します。
    $ cupsreject printer-name

    この手順を実行すると、プリンタの削除処理中は、そのプリンタの待ち行列に新しい要求が入らなくなります。

  5. プリンタを停止します。
    $ cupsdisable printer-name
  6. プリンタを削除します。
    $ lpadmin -x printer-name
  7. 次のようにして、プリンタが削除されていることを確認します:
    1. 印刷クライアント上でプリンタが削除されていることを確認します。
      $ lpstat -p printer-name -l

      このコマンドは、プリンタが存在しないことを示すメッセージを表示します。

    2. 印刷サーバー上でプリンタが削除されていることを確認します。
      $ lpstat -p printer-name -l

      このコマンドは、プリンタが存在しないことを示すメッセージを表示します。

例 15-9 プリンタを削除する

次の例は、印刷クライアント terra と印刷サーバー jupiter からプリンタ luna を削除する方法を示しています。

terra# lpoptions -x luna
terra# lpstat -p luna -l
jupiter# lpadmin -x luna
jupiter# lpstat -p luna -l
lpstat: Invalid destination name in list "luna"!