ナビゲーションリンクをスキップ | |
印刷ビューの終了 | |
![]() |
Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
Oracle Solaris 11: 以前のリムーバブルメディアの管理機能は削除され、より優れたリムーバブルメディア管理を提供するサービスおよび手法で置き換えられました。
次の新しい機能が使用できるようになりました。
新しいリムーバブルメディアサービスは、SMF により管理されます。
online 12:17:54 svc:/system/hal:default online 12:17:56 svc:/system/filesystem/rmvolmgr:default online 12:17:26 svc:/system/dbus:default
リムーバブルメディアは、/media ディレクトリに自動的にマウントされるようになりました。ただし、互換性を保つために、/media へのシンボリックリンクが、以前のメディアのマウントポイント /cdrom および /rmdisk から提供されます。
たとえば、コンパクトフラッシュメモリーカード (/dev/dsk/c4d0p0:1) は次のようにマウントされます。
$ ls /media/NIKON
たとえば、USB メモリースティック (/dev/dsk/c3t0d0s0) は次のようにマウントされます。
$ ls /media/U3
デフォルトのリムーバブルメディアボリュームマネージャー rmvolmgr は次のアクティビティーを処理します。
ボリュームのマウントおよびマウント解除。
rmvolmgr のルートインスタンスはシステムブート時に起動します。ただし、rmvolmgr のインスタンスがログイン時に起動されるようにセッションの構成ファイルを構成できます。ユーザーセッション内で実行しているときは、rmvolmgr によって、現在のユーザーまたはセッションが所有しているデバイスだけがマウントされるので、ルートインスタンスと競合することはありません。
rmvolmgr が終了すると、それによってマウントされていたメディアはすべてマウント解除されます。
互換性を保つため、rmvolmgr により、/media の下にある実際のマウントポイントへのシンボリックリンクが /cdrom または /rmdisk ディレクトリの下に作成されます。
CDE との互換性には、特別な rmvolmgr 実行モードを使用できます。
ハードウェア抽象化層 (HAL) デーモン hald は、システムに接続されているデバイスを表示します。この表示は、ホットプラグなどのメカニズムにより、ハードウェア構成の変更時に自動的に更新されます。
HAL は、ハードウェアの断片をデバイスオブジェクトとして表します。デバイスオブジェクトは、固有の装置識別名 (UDI) によって識別され、デバイスプロパティーと呼ばれる 1 組のキーと値のペアを保持します。プロパティーには、実際のハードウェアから取得されるもの、デバイス情報ファイル (.fdi ファイル) からマージされるもの、実際のデバイス構成に関連しているものがあります。
次の機能は削除されました。
このリリースでは、USB フロッピーディスクだけがサポートされます。
vold デーモン、volfs ファイルシステム、および volfs サービスは削除されました。
svc:/system/filesystem/volfs
/vol/dev/rdsk/... や /vol/dev/aliases/... など、/vol ディレクトリの下にあるリムーバブルメディアの論理デバイス名は提供されなくなりました。
リムーバブルメディアにその論理デバイス名でアクセスするには、/dev デバイスを使用するようにしてください。例:
/dev/rdsk/c0t6d0s2
vold デバイスの一部のニックネームは使用できなくなりました。次の eject -l の出力によって、デバイスごとに使用できるデバイスのニックネームを確認できます。この例では、マウントされたメディアパス名 (/media/SOL_11_X86_4) を確認できます。
$ eject -l /dev/dsk/c2t0d0s2 cdrom,cdrom0,cd,cd0,sr,sr0,SOL_11_X86_4,/media/SOL_11_X86_4
コンマで区切られたリストに、各デバイスを取り出すのに使用できるニックネームが表示されます。
vold.conf および rmmount.conf で行われたカスタマイズは利用できなくなりました。これらの構成ファイルがもう存在していないためです。メディアのカスタマイズの管理方法については、「リムーバブルメディア管理のカスタマイズ」を参照してください。
vol* コマンドで始まるコマンド (volcheck と volrmmount を除く)。
次の機能により、以前の Oracle Solaris のリムーバブルメディア機能との下位互換性が提供されます。
リムーバブルメディアのマウントポイントは /media ディレクトリに移動しました。このディレクトリは、CD-ROM や USB デバイスなどのリムーバブルメディアをマウントするために使われます。互換性を保つために、/cdrom や /rmdisk などの以前のメディアのマウントポイントから /media へのシンボリックリンクが提供されます。
rmformat コマンドは引き続き使用できます。このコマンドの出力は、以前の Solaris リリースで vold を無効にした状態で表示される内容と同じです。
例:
# rmformat Looking for devices... 1. Logical Node: /dev/rdsk/c0t6d0s2 Physical Node: /pci@1f,4000/scsi@3/sd@6,0 Connected Device: TOSHIBA DVD-ROM SD-M1401 1009 Device Type: DVD Reader Bus: SCSI Size: 2.9 GB Label: <None> Access permissions: <Unknown>
eject コマンドは使用できますが、機能が向上しました。詳細は、「リムーバブルメディアの取り出し」を参照してください。
このリリースでは、vol* で始まるコマンドはほとんど削除されています。リムーバブルメディアのマウントおよびマウント解除には、改訂版の rmmount コマンドと新しい rmumount コマンドを使用できます。
これらのコマンドは、デバイス名、ラベル、またはマウントポイント別のマウントに使用できます。たとえば、iPod をマウントする場合は、次のように指定します。
% rmmount ipod
たとえば、DVD 上のファイルシステムをマウント解除する場合は、次のように指定します。
# rmumount cdrom cdrom /dev/dsk/c0t6d0s5 unmounted cdrom /dev/dsk/c0t6d0s0 unmounted
詳細は、rmmount(1M) を参照してください。
以前の Solaris リリースと同様に、eject コマンドを使ってリムーバブルメディアをマウント解除し、取り出します。ただし、次の eject オプションを使用できます。
デバイスがビジーであっても強制的にデバイスを取り出します。
取り出すことができるデバイスのパスとニックネームを表示します。
デバイスに対して CD-ROM のトレーを閉じるコマンドが発行されます。すべてのデバイスがこのオプションに対応しているわけではありません。
たとえば、ボリュームラベル別に取り出す場合は、次のように指定します。
% eject mypictures
詳細は、eject(1) を参照してください。
vold.conf および rmmount.conf ファイルで利用できていたほとんどのカスタマイズについては、Desktop Volume Manager の基本設定を使用するか、.fdi ファイルを変更する必要があります。
rmmount.conf のアクションについては、Desktop Volume Manager のアクション gconf または HAL のコールアウトを使用する必要があります。
以前は、通常のユーザーに代わって rmmount.conf actions をルートとして実行できました。現在、これを行うには、コールアウトの実行可能ファイルを /usr/lib/hal ディレクトリにインストールします。
ボリュームがユーザーセッション以外でマウントを行わないようにするには、rmvolmgr サービスを無効にします。例:
# svcadm disable rmvolmgr