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Oracle Solaris 11 開発者環境の紹介 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
このセクションでは、アプリケーションのパッケージング、コンパイル、デバッグ、チューニングなどのアプリケーション開発用の Oracle Solaris の機能の情報を示します。
Oracle Solaris OS では、リンクエディタとランタイムリンカーが使用できます。『リンカーとライブラリ』では、リンクエディタld(1)、ランタイムリンカーld.so.1(1)、ELF オブジェクトファイル形式、および共有オブジェクトについて説明します。共有オブジェクトは共有ライブラリとも呼ばれます。
このドキュメントは、Solaris リンカーに興味を持つ初心者から上級ユーザーまでの範囲のプログラマを対象としています。初心者は、リンクエディタとランタイムリンカーの主な操作を学びます。中級プログラマは、効率の良いカスタムライブラリの作成と使用方法を学びます。言語ツール開発者などの上級プログラマは、オブジェクトファイルの変換と生成方法を学ぶアプリケーションバイナリインタフェースの章では、動的オブジェクトが提供するインタフェースの展開の管理方法について説明します。ほかの章では、スレッド固有領域および mapfile 指令について説明します。
モジュラーデバッガ mdb は、Oracle Solaris OS 用の拡張可能な汎用デバッグツールです。『Oracle Solaris Modular Debugger Guide 』では、複雑なソフトウェアシステムをデバッグするmdb(1) コマンドについて説明します。ガイドでは、Oracle Solaris カーネル、および関連するデバイスドライバとモジュールのデバッグに使用できる機能に重点を置きます。また、mdb の言語構文、デバッガの機能、および mdb モジュールプログラミング API のリファレンスがすべて揃っています。
Oracle Solaris Studio ソフトウェアでは、C、C++、Fortran アプリケーションの作成、編集、ビルド、デバッグ、およびそのパフォーマンス分析のためのモジュールが提供されています。Oracle Solaris Studio ツールの多くは、GUI とそれと同等のコマンド行を備えています。GUI を備えたツールにはオンラインヘルプがあります。コマンド行では、関連するマニュアルページを使用します。dbx をコマンド行から起動した場合、commands を (dbx) プロンプトで入力すると各 dbx コマンドの簡単な説明が表示されます。
注 - Oracle Solaris Studio IDE は独自の NetBeans IDE のバージョンをインストールします。この NetBeans のインストールは Oracle Solaris Studio ソフトウェアとは別に利用するためのものではないため、別個に使用するとエラーが発生する可能性があります。NetBeans IDE を Oracle Solaris Studio IDE の外部で使用する場合は、NetBeans IDE を別個にインストールしてください。
Oracle Solaris Studio ソフトウェアには次のツールが含まれています。
IDE - Oracle Solaris Studio の C、C++、および Fortran ツールを利用できる統合開発環境です。
IDE には、Solaris 動的トレース機能 (DTrace) を IDE から使用できるようにする NetBeans プラグインが含まれています。DTrace では、システム上で動作しているソフトウェアプログラムの内部動作を調べることができます。DTrace GUI プラグインでは、ウィンドウで D スクリプトを動作させることで、IDE から DTrace を使用できます。プラグインには、必要に応じた拡張やカスタマイズが容易な D スクリプトがいくつか含まれています。プラグインについては、NetBeans DTrace GUI Plugin を参照してください。
Oracle Solaris Studio IDE には、Solaris 動的トレース (DTrace) のデバッグおよびパフォーマンス分析機能を活用する各種計測機能が利用できる DLight ツールも含まれています。
C コンパイラ - C コンパイラ、インクリメンタルリンクエディタ、および lint プログラムが含まれています。
C++ コンパイラ - フル機能の C++ コンパイラおよび区間演算ライブラリが含まれています。
Fortran コンパイラ - f95 および f77 用のフル機能の環境およびライブラリが含まれています。
dbx デバッガ - インタラクティブでソースレベルのコマンド行デバッガツールです。
dmake make ツール – 分散、並列、または逐次モードでターゲットをビルドするコマンド行ツールです。
数値演算ライブラリ - Oracle Solaris OS が動作する SPARC および x86 プラットフォームのソフトウェアとハードウェアがサポートする浮動小数点環境です。
OpenMP – 共用メモリーマルチプロセッサアーキテクチャー用の、可搬性があるプラグマベースの並列プログラミングモデルです。Sun Studio の 3 つのコンパイラすべてでネイティブレベルで対応し、コンパイルできます。
パフォーマンスアナライザ - パフォーマンスデータを収集し分析する GUI およびコマンド行のツールです。
スレッドアナライザ - マルチスレッドプログラムの実行を分析し、各種のマルチスレッドプログラミングのエラーをチェックする GUI およびコマンド行のツールです。
Sun パフォーマンスライブラリ - 最適化された高速数学サブルーチンを使用するための Sun 独自の拡張および機能ライブラリです。線形代数や大量の数値計算を伴う問題を解くためのものです。
Oracle Solaris Studio 12.3 はリポジトリのパッケージとして入手できません。Oracle Solaris 11 OS 上でこれをダウンロードしてインストールする手順については、Oracle Solaris Studio のサイトを参照してください。
統合開発環境である NetBeans IDE では、Oracle Solaris OS およびほかのオペレーティングプラットフォーム用のクロスプラットフォームアプリケーションをビルドするためのツールを使用できます。 NetBeans IDE は、netbeans.org から入手可能です。
NetBeans IDE には次の機能が搭載されています。
Java デスクトップアプリケーション - NetBeans Java GUI ビルダーを Swing Application Framework と Beans Binding サポートとともに使用し、プロフェッショナルなデスクトップアプリケーションを作成します。JavaFX で多機能なインターネットアプリケーションを構築します。
PHP 開発 - コード補完、迅速な修正、統合された FTP と Xdebug、よく使われている Web サービスのサポートを備えた、高速で軽量な PHP IDE です。
Java EE および Web アプリケーション - Ajax、JavaScript、および CSS を使用した Web アプリケーションを構築します。JSF、Struts、Spring、および Hibernate などのフレームワークをサポートします。EJB 開発用ツールのフルセットです。
Ruby および Ruby on Rails 開発 - コード補完、デバッガ、および Ruby on Rails のフルサポートを備えた、強力な Ruby エディタです。JRuby ランタイムを含みます。
ビジュアルモバイル開発 - 携帯電話、セットトップボックス、および PDA で動作する GUI アプリケーションを作成、テスト、およびデバッグできます。
C および C++ 開発 - フル機能の C/C++ エディタ、デバッガ、およびプロジェクトテンプレートを備え、複数プロジェクト構成、リモート開発、パフォーマンスプロファイリング、および完了プロジェクトのパッケージングをサポートします。
詳細は、netbeans.org Web サイトを参照してください。 新規ユーザーには特に次のページが役立ちます。
NetBeans Plugin Portal - プラグインモジュール
NetBeans Wiki - コミュニティードキュメント、および FAQ への回答
Oracle Message Passing Toolkit ソフトウェアは、分散メモリーシステムで動作する並列アプリケーションの開発に使用できる開発ツールのセットです。
これには次の技術が含まれています。
Open Message Passing Interface (Open MPI) - Message Passing Interface (MPI) 標準のオープンソースの実装です。 Open MPI は、MPI I/O の実装と MPI プロセス間の一方向通信などの MPI 2 標準に完全に準拠しています。
Open Run-Time Environment (ORTE) - 並列ジョブ管理機能の基本的なセットを備え、次のテクノロジをサポートするプラグインモジュールを含みます。
並列ジョブを起動でき、共有リソースを最大限に活用できる Sun Grid Engine。
ネットワーク接続された複数プラットフォーム環境上でバッチジョブにネットワークリソースを割り当てるジョブスケジューラである Portable Batch System (PBS)。
Oracle Message Passing Toolkit ソフトウェアは、Oracle Solaris Studio の C、C++、および Fortran コンパイラとともに使用できます。
ClusterTools ソフトウェアの使用に関する完全な情報は、Oracle Message Passing Toolkit ドキュメントセットを参照してください。
ソフトウェアプログラムを Oracle Solaris OS にインストールするには、パッケージに組み込む必要があります。Oracle Solaris 11 リリースでは、Image Packaging System (IPS) を使用してアプリケーションをパッケージングできます。IPS を使用すれば、ユーザーは開発者ツールなどの追加のソフトウェアパッケージをダウンロードすることもできます。IPS はネットワークリポジトリからソフトウェアパッケージにアクセスし、ソフトウェアパッケージをシステムにインストールします。Oracle Solaris 11 リリースでの IPS を使用したパッケージングについては、『Oracle Solaris 11 システムのインストール』を参照してください。
Oracle Solaris 動的トレース (DTrace) は、Oracle Solaris OS 用の総合的な動的トレースフレームワークです。管理者、開発者、およびサービス担当者は、DTrace 機能の強力なインフラストラクチャーを利用して、オペレーティングシステムやユーザープログラムの動作に関するさまざまな問題に簡潔に答えることができます。開発者は、DTrace を使用してパフォーマンスの問題とアプリケーションのバグを特定できます。『Oracle Solaris Dynamic Tracing Guide』 では、DTraceを使用してシステム動作を監視、デバッグ、およびチューニングする方法を詳細に説明します。このガイドには、バンドルされている DTrace 監視ツールと D プログラミング言語のリファレンスも付属しています。
Java ソフトウェアは、エンタープライズ環境のサーバーサイドおよびクライアントサイドの Java テクノロジアプリケーションに優れたパフォーマンスを発揮できるように最適化されています。http://www.oracle.com/technetwork/java/index.html Web サイトには、Java プログラミング言語の完全なドキュメントがあります。Java プログラミングの学習を開始するには、Java Platform, Standard Edition (Java SE) ドキュメントおよび New to Java Programming Center も参照してください。
Java チュートリアルは次のリンクから見つけることができます。
アプリケーションの開発が完了したら、次のステップはアプリケーションのパッケージ、公開、および配布です。リポジトリのコピーおよび作成と、リポジトリへのパッケージの公開のプロセスを開始するには、『Oracle Solaris 11 パッケージリポジトリのコピーおよび作成』を参照してください。