システム管理に関する問題

このセクションでは、Oracle Solaris 11 のシステム管理に関する問題について説明します。

複数の USB キーボードを同時に抜くと、システムパニックが発生する (7076162)

複数の USB キーボードを同時に抜くと、システムパニックが発生する可能性があります。

回避方法: システムから複数の USB キーボードを抜く場合は、必ず 1 つずつ抜いてください。

IB HCA または RDSv3 IB クライアントの `unconfigure` 操作が失敗する (7098279)

RDSv3 ドライバで動的再構成がサポートされていないため、InfiniBand ホストチャネルアダプタ (IB HCA) または RDSv3 IB クライアントの unconfigure 操作が失敗します。

RDSv3 DR では次のエラーメッセージが表示されます。

# cfgadm -c unconfigure ib::rdsv3,0
This operation will suspend activity on the IB device
Continue (yes/no)? yes
cfgadm: Hardware specific failure:
unconfigure operation failed ap_id: /devices/ib:fabric::rdsv3,0

HCA DR では次のエラーメッセージが表示されます。

# cfgadm -c unconfigure PCI-EM0
cfgadm: Component system is busy, try again: unconfigure failed

回避方法: RDSv3 ドライバを削除し、システムをリブートします。

# pkg uninstall system/io/infiniband/reliable-datagram-sockets-v3

# reboot

新しいブート環境を作成するときに、元のブート環境の GRUB `menu.lst` のエントリのうち、最初のエントリのみが作成される (7093604)

新しいブート環境が作成されると、元のブート環境にあったエントリの数にかかわらず、その新しいブート環境の GRUB menu.lst ファイルには 1 つのエントリのみが含まれます。新しいブート環境のエントリの作成には、元のブート環境の最初の menu.lst エントリが使用されます。その他のすべてのエントリは無視されます。

この問題が発生するのは、beadm、pkg update のいずれかのコマンドを使って新しいブート環境を作成した場合です。新しいブート環境のその他のエントリは使用できません。

回避方法: /rpool/boot/grub/menu.lst ファイルを編集して、目的のエントリを元のブート環境からコピーします。元のエントリ内のブート環境名を、ターゲットのブート環境名に置き換えます。

JRE がシステムのデフォルトタイムゾーン設定の検出に失敗する (7092679)

Java Runtime Environment (JRE) がシステムのデフォルトタイムゾーン設定の検出に失敗し、US/Pacific に対応する GMT-08:00 など、標準時に基づくカスタムタイムゾーンへのフォールバックが発生する可能性があります。結果として、ローカル時間が常に標準時となるほか、このカスタムタイムゾーンでは標準時間やサマータイムの変換は一切サポートされません。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

TZ 環境変数を、TZ=US/Pacific などの適切なタイムゾーン名に設定します。詳細については、environ(5) のマニュアルページを参照してください。
svc:/system/environment:init SMF サービスインスタンスの environment/TZ プロパティーを適切なタイムゾーン名に変更したあと、サービスを更新します。
```
# svccfg -s svc:/system/environment:init setprop environment/TZ = timezone-name
# svcadm refresh svc:/system/environment:init 
```
Java の起動時に java -Duser.timezone=US/Pacific のように、user.timezone プロパティーの値として適切なタイムゾーン名を指定します。

`man` コマンドの `-f` オプションが `-k` オプションと同等である (7093992)

このリリース以降、-f オプション付きの man コマンドは、-k keyword オプションと同等になります。man -f コマンドが、man コマンドのマニュアルページに説明されている情報を表示しません。

回避方法: ありません。

`zoneadm attach` コマンドが、`-a` および `-n` オプションの使用時にハングアップする可能性がある (7089182)

このリリースでは、zoneadm attach コマンドの -n または -a オプションで、ハイフン (-) 記号を使用して stdin 引数を指定できません。

回避方法: stdin 引数を使用しないでください。

分割されたマニフェストで `svccfg validate` コマンドが失敗する (7054816)

SMF 装飾のために提供された適切な複数マニフェストサポートにより、svccfg validate コマンドはもう、見つからない必須のプロパティーグループについて警告しなくなります。ただし、分割されたマニフェストでは svccfg validate コマンドが失敗します。

この問題は、マニフェストを提供するインスタンスが、別のマニフェスト内でサービスレベルで定義されたサービスメソッドがないために正しく検証されないときに発生します。次のエラーメッセージが表示される場合があります。

$ svccfg validate /lib/svc/manifest/system/console-login-vts.xml
Required property group missing: FMRI="svc:/system/console-login:vt6"; 
Name of missing property group="start"; Type of missing property group="method"; 
Template source="svc:/system/svc/restarter:default"; 
pg_pattern name="start"; pg_pattern type="method"

Required property group missing: FMRI="svc:/system/console-login:vt6"; 
Name of missing property group="stop"; Type of missing property group="method"; 
Template source="svc:/system/svc/restarter:default"; 
pg_pattern name="stop"; pg_pattern type="method"

Required property group missing: FMRI="svc:/system/console-login:vt5"; 
Name of missing property group="start"; Type of missing property group="method"; 
Template source="svc:/system/svc/restarter:default"; 
pg_pattern name="start"; pg_pattern type="method"

Required property group missing: FMRI="svc:/system/console-login:vt2"; 
Name of missing property group="stop"; Type of missing property group="method"; 
Template source="svc:/system/svc/restarter:default"; 
pg_pattern name="stop"; pg_pattern type="method"

svccfg: Validation failed.

この警告は、コンソール上ではなく manifest-import サービスログファイル内に表示されます。この警告は致命的ではないため、インスタンスのインポートが妨げられることはありません。インスタンスがインポートされたあと、svccfg validate コマンドを使用して、そのインスタンスを手動で正常に検証できます。

回避方法: 分割されたマニフェストで svccfg validate コマンドを使用しないでください。

`ilomconfig` サービスによってシステムのブートで遅延が発生する可能性がある (7100050)

Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM) を使用するサービスプロセッサや、version 3.0.12 よりも古い Oracle ILOM を使用するサービスプロセッサを持たないデスクトップおよびラップトップシステムでは、ilomconfig-interconnect サービスが Oracle ILOM への接続の確立を繰り返し試みます。この繰り返しの試みにより、システムのブート時間で遅延が発生する可能性があります。

回避方法: 次のコマンドを使用して ilomconfig サービスを無効にします。

# svcadm disable svc:/network/ilomconfig-interconnect

`xterm-256color` 端末タイプがサポートされていない (7099457)

Apple OS X Lion (Mac OS X Version 10.7) に含まれる Terminal.app 端末エミュレータではデフォルトの xterm-256color 端末タイプが使用されますが、この端末タイプは、この Oracle Solaris リリースではサポートされていません。したがって、Apple OS X Lion から Oracle Solaris 11 上でリモート端末セッションを実行した場合、使用可能な端末機能が大幅に制限され、非常に基本的なコマンド行の対話のみが可能となります。

terminfo データベースから端末機能を取得する必要のあるアプリケーションが実行されるたびに、エラーメッセージが表示される可能性があります。そのようなエラーメッセージの典型的な例を次に示します。

tput: unknown terminal "xterm-256color"
tabs: xterm-256color: terminfo file not found

回避方法: xterm-color 端末タイプを使用するように Terminal.app 端末エミュレータを構成します。次の手順を実行して xterm-color 端末タイプを設定します。

Terminal.app アプリケーションにフォーカスがある状態で、画面最上部のメニューから、「ターミナル」->「環境設定」->「設定」->「詳細」と選択します。
「ターミナルの宣言方法:」ドロップダウンリストから xterm-color を選択します。

ゾーンの準備ができているときはゾーンブート環境データセットがマウントされているべきである (7091692)

いずれかのゾーンが ready 状態の場合に、pkg(1) コマンドが失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。

pkg: update failed (linked image exception(s)):
Can't initialize child image (zone: zone) at path: zonepath/root

回避方法: zoneadm コマンドを使用してゾーンをブートまたは停止します。次に、pkg コマンドを再試行します。

接続されている IEEE-1394 デバイスを切り離したり、電源切断したりすると、システムパニックになる (7070912)

接続されている IEEE-1394 デバイスを切り離したり、電源切断したりすると、システムパニックになることがあります。次のエラーメッセージが表示されます。

panic[cpu3]/thread=ffffff0010633c20:
genunix: [ID 335743 kern.notice] 
BAD TRAP: type=e (#pf Page fault) rp=ffffff0010633960 
addr=8 occurred in module "s1394" due to a NULL pointer dereference

回避方法: 接続されている IEEE-1394 デバイスを切り離したり、電源切断したりしないでください。

`automount` サービスが無効になっていると、`useradd` が、ホームディレクトリにアクセスできないユーザーを作成する (7070558)

automount サービスが無効になっている場合、アカウントが useradd(1M) コマンドを使って作成されたユーザーはログインできません。この問題は、/etc/passwd ファイル内のホームディレクトリの指定が、そのホームディレクトリの実際のパス名に対応していないために発生します。次のエラーメッセージが表示されます。

No directory!

回避方法: automount サービス (svc:/system/filesystem/autofs:default) を無効にしないでください。

automount サービスを有効にする必要があるのは、インストール時に作成された初期アカウントを含む既存のユーザーアカウントが automount サービスに依存するためです。automount サービスを無効にすることを選択した場合は、/etc/passwd ファイル内の各ユーザーのホームディレクトリエントリを、そのホームディレクトリの実際のパス名を指定するように手動で編集してください。

SPARC: ダイレクト I/O を使用してマルチソケット T シリーズシステム上の主ドメインから複数の PCIe スロットを削除すると、ブート時にシステムパニックになることがある (7100859)

ダイレクト I/O 機能を使用してマルチソケット SPARC T シリーズシステムから複数の PCIe スロットを削除すると、ブート時にシステムパニックになることがあります。ldm remove-io コマンドを使用すると、複数の PCIe スロットを削除できます。この問題は、類似したパス名を持つ PCIe スロットが ldm remove-io コマンドを使用して削除されたあと、システムがリブートされたときに発生します。

ダイレクト I/O 機能についての詳細は、『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』を参照してください。

たとえば、類似したパス名を持つ /SYS/MB/PCIE5 (pci@500/pci@2/pci@0/pci@0) スロットと /SYS/MB/PCIE4 (pci@400/pci@2/pci@0/pci@0) スロットを削除すると、Oracle Solaris 11 OS の次回のブートでパニックになることがあります。

管理者が ldm list-io コマンドを実行すると、/SYS/MB/PCIE4 および /SYS/MB/PCIE5 PCIe スロットを削除したあとに、次の構成が表示されます。

# ldm list-io
IO              PSEUDONYM       DOMAIN
--              ---------       ------
pci@400         pci_0           primary
niu@480         niu_0           primary
pci@500         pci_1           primary
niu@580         niu_1           primary

PCIE                       PSEUDONYM       STATUS  DOMAIN
----                       ---------       ------  ------
pci@400/pci@2/pci@0/pci@8  /SYS/MB/PCIE0   OCC     primary
pci@400/pci@2/pci@0/pci@4  /SYS/MB/PCIE2   OCC     primary
pci@400/pci@2/pci@0/pci@0  /SYS/MB/PCIE4   OCC
pci@400/pci@1/pci@0/pci@8  /SYS/MB/PCIE6   OCC     primary
pci@400/pci@1/pci@0/pci@c  /SYS/MB/PCIE8   OCC     primary
pci@400/pci@2/pci@0/pci@e  /SYS/MB/SASHBA  OCC     primary
pci@400/pci@1/pci@0/pci@4  /SYS/MB/NET0    OCC     primary
pci@500/pci@2/pci@0/pci@a  /SYS/MB/PCIE1   OCC     primary
pci@500/pci@2/pci@0/pci@6  /SYS/MB/PCIE3   OCC     primary
pci@500/pci@2/pci@0/pci@0  /SYS/MB/PCIE5   OCC
pci@500/pci@1/pci@0/pci@6  /SYS/MB/PCIE7   OCC     primary
pci@500/pci@1/pci@0/pci@0  /SYS/MB/PCIE9   OCC     primary
pci@500/pci@1/pci@0/pci@5  /SYS/MB/NET2    OCC     primary

回避方法: 次のいずれかを使用してください。

類似したパス名を持つすべての PCIe スロットを削除しないでください。代わりに、1 つの PCIe スロットだけを削除します。
PCIe カードを類似したパス名を持たないスロットに挿入します。それからダイレクト I/O 機能で PCIe スロットを使用します。

`tar` コマンドによるテープからのアーカイブの抽出が失敗する (7028654)

tar コマンドによるアーカイブの内容の一覧表示やテープからのアーカイブの抽出が失敗する場合があります。次のエラーメッセージが表示される場合があります。

tar: blocksize = 0

注 - tar コマンドはディスク上のアーカイブを処理できます。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

tar コマンドを使用する前に、dd コマンドを使用してテープアーカイブをディスクにコピーします。たとえば、テープアーカイブ上の既存のファイルを更新するには、次のコマンドを入力します。
```
# dd if=/dev/rmt/6c of=disk.tar bs=10240
# tar uvf disk.tar file
# dd if=disk.tar of=/dev/rmt/6c bs=10240
```
テープからのアーカイブを tar にパイプします。
```
# dd if=/dev/rmt/6c bs=10240 | tar tvf -
```

SPARC: SP が縮退モードの場合にシステムのブートが失敗する (6983290)

T3 および T4 システムでサービスプロセッサ (SP) が縮退モードになっていると、ホストシステムのリブートが失敗する可能性があります。

回避方法: ありません。

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