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Oracle Solaris Studio 12.3: C++ ユーザーズガイド Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
現在の例外処理の実装は、マルチスレッドで使用しても安全です。これは、あるスレッドの例外によって、別のスレッドの例外が阻害されることがないためです。ただし、例外を使用して、スレッド間で情報を受け渡すことはできません。これは、あるスレッドからスローされた例外を、別のスレッドで捕獲できないためです。
それぞれのスレッドでは、独自の terminate() または unexpected() 関数を設定できます。あるスレッドで呼び出した set_terminate() 関数や set_unexpected() 関数は、そのスレッドの例外だけに影響します。デフォルトの terminate() 関数の内容は、すべてのスレッドで abort() になります。「8.2 実行時エラーの指定」を参照してください。
-noex または -features=no%except、コンパイラオプションが指定されている場合を除き、pthread_cancel(3T) の呼び出しによってスレッドを取り消すと、スタック上の自動オブジェクト (静的ではない局所オブジェクト) が破棄されます。
pthread_cancel(3T) では、例外と同じ仕組みが使用されます。スレッドが取り消されると、局所デストラクタの実行中に、ユーザーが pthread_cleanup_push() を使用して登録したクリーンアップルーチンが実行されます。クリーンアップルーチンの登録後に呼び出した関数の局所オブジェクトは、そのクリーンアップルーチンが実行される前に破棄されます。