ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1.1.6.2)
B63034-04
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次

前
 
次
 

2 Oracle Business Intelligenceのアップグレード処理の概要

この章では、次のOracle Business Intelligenceコンポーネントを、Oracle Business Intelligence 10gからOracle Business Intelligence 11gにアップグレードする際に必要な手順の概要を示します。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 アップグレードの概要

Oracle Business Intelligenceの10gから11gへのアップグレードは、アップグレード・アシスタントにより実行されるアウトオブプレース処理です。Oracle BI 11gのクリーン・インストールを実行し、10gシステムからデータをインポートします。アップグレード・アシスタントは、リポジトリとカタログ、またはPublisherリポジトリのアップグレードで一度、Schedulerスキーマのアップグレードで一度実行します。アップグレード・アシスタントでは、インポートした10gリポジトリおよびカタログとともに11gインストールを構成します。したがって、同じアップグレード・アシスタントを使用して、システムA、システムBの順に更新すると、システムAとシステムBの両方のすべてのユーザーおよびグループが含まれた状態で、11gのシステムBが実行されます。

アップグレード・アシスタントでは、Oracle BI 10gシステムに対して行われたカスタマイズについてはアップグレードを行いません。10gに対して行われた構成は、アップグレード処理の完了後に、手動で11gシステムにコピーする必要があります。その他のアップグレード後のタスクおよび構成については、第8章「Oracle Business Intelligenceのアップグレード後のタスクと考慮事項」を参照してください。

アップグレード・アシスタントを使用してOracle Real-Time Decisionsをアップグレードすることはできません。図2-2のReal-Time Decisionsアップグレードの大まかな手順を参照してください。この手順のロード・マップは、図2-3を参照してください。Oracle Real-Time Decisionsのアップグレード手順については、第7章「Oracle Real-Time Decisionsのアップグレード」を参照してください。

2.2 Oracle Business Intelligenceアップグレード処理のフロー・チャート

図2-1は、Oracle Business Intelligenceアップグレード処理のフロー・チャートを示します。このチャートを確認し、既存の環境に基づいた実行手順を理解してください。

図2-2は、Oracle Real-Time Decisionsアップグレード処理のフロー・チャートを示します。このチャートを確認し、既存の環境に基づいた実行手順を理解してください。

図2-1 Oracle Business Intelligenceアップグレード処理のフロー・チャート

図2-1の説明が続きます
「図2-1 Oracle Business Intelligenceアップグレード処理のフロー・チャート」の説明

図2-2 Oracle Real-Time Decisionsアップグレード処理のフロー・チャート

図2-2の説明が続きます
「図2-2 Oracle Real-Time Decisionsアップグレード処理のフロー・チャート」の説明

2.3 Oracle BI EEアップグレード処理のステップ

表2-1では、図2-1に示したOracle BI EEアップグレード処理のフロー・チャートの各ステップについて説明します。この表では、処理における各ステップの詳細について、その参照先も示します。

表2-1 Oracle BI EEアップグレード処理のステップ

ステップ 説明 詳細情報

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードの概念の確認

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』では、互換性に関する情報、ミドルウェア・コンポーネントをサポートするデータベースのアップグレード方法など、Oracle Fusion Middlewareをアップグレードする方法の概要が記載されています。

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』


アップグレードの開始ポイントについて

アップグレードの計画前に、Oracle Business Intelligenceのアップグレードのサポートされる開始ポイントについて十分に理解しておいてください。

タスク1: Oracle BI EEアップグレードの開始ポイントについての理解


Oracle Business Intelligenceトポロジの決定

アップグレードを開始する前に、Oracle Business Intelligence 11gの基本的なトポロジについて十分に理解しておいてください。

タスク2: Oracle Business Intelligenceトポロジの決定


BIPLATFORMスキーマをインストールするためのRCUの実行

リポジトリ作成ユーティリティを実行し、アップグレード先のOracle Business Intelligence 11g BIPLATFORMスキーマを作成します。これは、10gスキーマ以外のデータベース・インスタンスに配置することもできます。

タスク3: アップグレード先BIPLATFORMスキーマを作成するためのRCUの実行


Oracle BI 11gのインストールと構成

アップグレードには、「Enterprise」インストール・オプションを使用します。

このオプションにより、単一の管理対象サーバー・インスタンスを持つドメインを含む11g構成が作成されます。

タスク4: Oracle BI EE 11gのインストールと構成


Oracle BIリポジトリおよびカタログをアップグレードするためのアップグレード・アシスタントの実行

Oracle BI EEのリポジトリおよびカタログをアップグレードします。

アップグレード先がソース・マシンと異なる場合、アップグレード先のマシンからソースのリポジトリおよびカタログ・ファイルにアクセスできる必要があります。

入力を求められたら、次のように指定してください。

  • ソースのリポジトリ・ファイルとカタログ・ディレクトリ、およびアップグレード先のリポジトリ・ファイルの保護に使用するパスワードへのポインタを指定します。

  • アップグレード先WebLogic Server管理サーバーの情報を指定します。これは、アップグレード・アシスタントが実行されているマシンと同じマシンに関する情報である必要があります。

タスク5: Oracle BIリポジトリおよびカタログのアップグレード


Oracle BI EE Schedulerスキーマをアップグレードするためのアップグレード・アシスタントの再実行

Oracle BI EE schedulerスキーマをアップグレードします。

入力を求められたら、次のように指定してください。

  • Oracle BI EE Schedulerスキーマのアップグレード・オプションを選択します。

  • RDBMSタイプ、接続文字列、スキーマの資格証明など、ソースBusiness Intelligence Schedulerスキーマの情報を指定します。

  • スキーマ名、資格証明など、アップグレード先BIPLATFORMスキーマの情報を指定します。

タスク6: Oracle BI EE Schedulerスキーマのアップグレード


Oracle BI EEに対するアップグレード後に必要な手動手順の実行

アップグレード・アシスタントでは、アップグレード・タスクの多くが自動化されていますが、場合によってはアップグレード・アシスタントの実行後に構成設定を手動で変更する必要があります。

タスク7: アップグレード後に必要な構成タスクの実行


アップグレードされた環境の検証

11gのOracle BI EEシステムにログインし、アップグレードが正常に行われたことを確認します。

タスク8: Oracle BI EEアップグレードの検証



2.4 Oracle BI Publisherアップグレード処理のステップ

表2-2では、図2-1に示したBI Publisherアップグレード処理のフロー・チャートの各ステップについて説明します。この表では、処理における各ステップの詳細について、その参照先も示します。

表2-2 BI Publisherアップグレード処理のステップ

ステップ 説明 詳細情報

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードの概念の確認

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』では、互換性に関する情報、ミドルウェア・コンポーネントをサポートするデータベースのアップグレード方法など、Oracle Fusion Middlewareをアップグレードする方法の概要が記載されています。

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』


アップグレードの開始ポイントについて

アップグレードの計画前に、Oracle Business Intelligenceのアップグレードのサポートされる開始ポイントについて十分に理解しておいてください。

タスク1: BI Publisherアップグレードの開始ポイントについての理解


Oracle Business Intelligenceトポロジの決定

アップグレードを開始する前に、Oracle Business Intelligence 11gの基本的なトポロジについて十分に理解しておいてください。

タスク2: Oracle Business Intelligenceトポロジの決定


BIPLATFORMスキーマをインストールするためのRCUの実行

リポジトリ作成ユーティリティを実行し、アップグレード先のBIPLATFORMスキーマを、10gスキーマのあるデータベース・インスタンスと同じまたは異なるデータベース・インスタンス内に作成します。

注意: Oracle BI EE用にすでにRCUを実行してアップグレード先BIPLATFORMスキーマを作成している場合、タスク3を実行する必要はありません。Oracle BI EEとBI Publisherは、BIPLATFORMスキーマを共有します。

タスク3: アップグレード先BIPLATFORMスキーマを作成するためのRCUの実行


Oracle BI 11gのインストールと構成

すでにOracle BI EEをインストールし、BI Publisherをインストールするオプションを選択している場合、タスク4を実行する必要はありません。

タスク4: BI Publisher 11gのインストールと構成


BI Publisherリポジトリをアップグレードするためのアップグレード・アシスタントの実行

BI Publisherリポジトリをアップグレードします。

入力を求められたら、次のように指定してください。

  • BI Publisherリポジトリのアップグレード・オプションを選択します。

  • 10gのメタデータ・リポジトリまたはdataTemplate.xml(ファイルが複数の場合があります)のディレクトリ・パスを指定します。

  • 11gのメタデータ・リポジトリ・パスを指定します。

タスク5: BI Publisherリポジトリのアップグレード


BI Publisher Schedulerスキーマをアップグレードするためのアップグレード・アシスタントの再実行

注意: リポジトリとSchedulerスキーマは任意の順序でアップグレードできます。

BI Publisher Schedulerスキーマをアップグレードします。

入力を求められたら、次のように指定してください。

  • Schedulerスキーマのアップグレード・オプションを選択します。

  • ソース・スキーマの情報(RDBMSタイプ、接続文字列、スキーマの資格証明)を指定します。

  • アップグレード先BIPLATFORMスキーマの情報(接続文字列、スキーマ名、資格証明)を指定します。

タスク6: BI Publisherスキーマのアップグレード


BI Publisherに対するアップグレード後に必要な手動手順の実行

アップグレード・アシスタントでは、アップグレード・タスクの多くが自動化されていますが、場合によってはアップグレード・アシスタントの実行後に構成設定を手動で変更する必要があります。

タスク7: アップグレード後に必要な構成タスクの実行


アップグレードされた環境の検証

11gのBI Publisherシステムにログインし、アップグレードが正常に行われたことを確認します。

タスク8: BI Publisherアップグレードの検証



2.5 Oracle Real-Time Decisionsアップグレード処理のステップ

表2-3では、図2-2に示したOracle Real-Time Decisionsアップグレード処理のフロー・チャートの各ステップについて説明します。この表では、処理における各ステップの詳細について、その参照先も示します。

表2-3 Oracle Business Intelligence Real-Time Decisionsアップグレード処理のステップ

ステップ 説明 詳細情報

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードの概念の確認

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』では、互換性に関する情報、ミドルウェア・コンポーネントをサポートするデータベースのアップグレード方法など、Oracle Fusion Middlewareをアップグレードする方法の概要が記載されています。

『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』


アップグレードの開始ポイントについて

アップグレードの計画前に、Oracle Real-Time Decisionsのアップグレードのサポートされる開始ポイントについて十分に理解しておいてください。

タスク1: Oracle Real-Time Decisionsアップグレードの開始ポイントについての理解


Oracle RTDおよびその他のシステム構成の確認

3.0.0.1 Oracle Real-Time Decisionsシステムを、特定のサーバー側構成パラメータ値でカスタマイズしている場合、そのカスタマイズ内容を確認し、書き留めておきます。まったく同等な構成があれば、後でそれらをアップグレードした11gシステムでレプリケートできます。

タスク2: Oracle RTDおよびその他のシステム構成設定の確認


BIPLATFORMスキーマをインストールするためのRCUの実行

リポジトリ作成ユーティリティを実行し、アップグレード先のBIPLATFORMスキーマを、10gスキーマのあるデータベース・インスタンスと同じまたは異なるデータベース・インスタンス内に作成します。

Oracle BI EEまたはBI Publisher用にすでにRCUを実行してBIPLATFORMスキーマを作成している場合、このステップは無視します。

タスク3: アップグレード先BIPLATFORMスキーマを作成するためのRCUの実行


Oracle Business Intelligence 11gのインストールと構成

Oracle Real-Time Decisions 11gを、10gのインストールと同じマシンにインストールします。

タスク4: Oracle Real-Time Decisions 11gのインストールと構成


3.0.0.1システムから11gシステムへのデータのコピーと再構成

Oracle RTDユーザーに影響するデータには、大まかに3つのカテゴリがあり、アップグレードの考慮事項はそれぞれのカテゴリで若干異なります。この3つのカテゴリは次のとおりです。

  • SDDSデータベース: Oracle RTDの実行に必要なすべてのメタデータを格納します。

  • モデル・スナップショット表: オプションです。

  • エンタープライズ・データ: 外部データソースに格納され、インライン・サービスにより参照されます。

タスク5: 3.0.0.1システムから11gシステムへのデータのコピーと再構成


Oracle RTDおよびその他のシステム構成の再適用

バージョン3.0.0.1のOracle Real-Time Decisionsシステムを、特定のサーバー側構成パラメータ値ですでにカスタマイズしている場合、11gにまったく同等なものがある設定については再適用できます。

タスク6: Oracle RTDおよびその他のシステム構成設定の再適用


Oracle Real-Time Decisionsアーティファクトのアップグレード

既存のOracle RTD 3.0アーティファクトをアップグレードします。

タスク7: Oracle Real-Time Decisionsアーティファクトのアップグレード


Oracle Real-Time Decisionsアーティファクトに対するアップグレード後に必要な手順の実行

Javaスマート・クライアントなどのOracle RTD 3.0クライアントがある場合、Webサービス・セキュリティをオフにして、新しい11g環境でそのクライアントを実行します。(そのクライアントに対してWebサービス・セキュリティは不要であると想定します。)

タスク8: アップグレード後に必要な構成タスクの実行


アップグレードされた環境の検証

Oracle Real-Time Decisionsのアップグレードが正常に行われたことを検証するには、インライン・サービスの統合点のテストを実行し、Decision Centerにログインして、レポートが表示されることを確認します。

タスク9: Oracle Real-Time Decisionsアップグレードの検証