Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド リリース11g (11.1.1) B63038-03 |
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この章では、BI Publisherレポート・コンポーネントの概要を示し、レポート定義の作成および編集方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
レポートは、次のコンポーネントから構成されています。
データ・モデル
レイアウト
プロパティ
翻訳
新しいレポートを作成する際の最初のステップは、レポートのデータのソースを選択することです。データ・モデルによって、レポートで使用されるデータが定義されます。データ・モデルには複数のデータセットを組み込むことができ、データ・フィールドが互いにどのように組み立てられるかが定義されます。また、どのようにデータがレポートに提供されるかを決定する、値、バースティング定義、他の構造やプロパティのリストを含むパラメータが含まれています。データ・モデルの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド』を参照してください。
次の手順では、レポート・データのレイアウトを設計します。レイアウトによって、どのようにデータがレポートに提示されるかが定義されます。レイアウトは、テンプレート・ファイルおよびテンプレート・ファイルを表示する1組のプロパティから構成されています。BI Publisherは、Microsoft Word、Adobe Acrobat、Microsoft Excel、Adobe Flash、BI Publisherのレイアウト・エディタなど、様々なソースから作成されたテンプレートをサポートしています。レポートは、複数のレイアウトを含むことができます。
次に、レポートのプロパティを構成します。レポート・プロパティによって、レポート生成、書式設定、および表示の様々な側面を制御できます。
オプションで、レポートに翻訳を追加します。BI Publisherの翻訳サポートにより、個々のレイアウトの翻訳またはレイアウト、データ・モデルおよびレポート・メタデータにおけるすべての翻訳可能な文字列の翻訳を含めることができます。
この章では、レポート・エディタを使用してデータ・モデルの選択、レイアウトの追加、プロパティの構成によって、レポートを作成するプロセスについて説明します。レポート・コンポーネントの詳細は、表2-1にリストされている項を参照してください。
表2-1 レポート・コンポーネントに関する情報
トピック | 詳細情報の参照先 |
---|---|
データ・モデルの作成 |
『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド』を参照 |
レイアウト・タイプの選択 |
|
特定のレイアウト・テンプレート・タイプの作成 |
第3章「BI Publisherレイアウト・テンプレートの作成」 第5章「Template Builder for Wordを使用したRTFテンプレートの作成」 『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド』のAnalyzer for Excelの使用に関する項 |
レポートの翻訳 |
|
「レポートの作成」プロセスによって基本的なレポートの作成手順が指示されます。
「レポートの作成」ガイドを起動して、データソースを選択します。
第2.3項「レポートの作成」を参照してください。
レポート・レイアウトを作成します。
第2.5項「レポート定義へのレイアウトの追加」を参照してください。
レイアウトのプロパティを構成します。
第2.6項「リスト・ビューを使用したレイアウトの構成」を参照してください。
レポートのパラメータを構成します。
第2.7項「レポートのパラメータ設定の構成」を参照してください。
レポートのプロパティを構成します。
第2.8項「レポート・プロパティの構成」を参照してください。
レイアウトの翻訳を追加します。レポートに複数言語のサポートが必要な場合は、このステップを実行してください。
次のいずれかの方法で「レポートの作成」プロセスを起動します。
グローバル・ヘッダーで、「新規」をクリックしてから「レポート」をクリックします。
「ホーム」ページの「作成」リージョンで「レポート」をクリックします。
カタログ・ツールバーで、「新規」、「レポート」の順にクリックします。
次のオプションのいずれか1つを選択し、レポートの作成を開始します。
既存のデータ・モデルの使用
カタログから既存のデータ・モデルを選択します。カタログ内を移動するか、または「検索」オプションを使用して、目的のデータ・モデルを見つけます。(共有BI Enterprise Editionカタログを使用する場合は、「検索」を構成する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイド』のOracle BI EEカタログを使用するようにBI Publisherを構成する方法に関する項を参照してください。)
「次」をクリックして、「ガイドまたは作成の選択」に進みます。
スプレッドシートのアップロード
Microsoft Excelファイル(ファイル形式.xls)をアップロードします。アップロードしたスプレッドシートに複数のシートが含まれている場合は、データソースとして使用するシートを選択します。1シートからのデータのみを組み込むことができます。
「次」をクリックして、「ガイドまたは作成の選択」に進みます。
新規データ・モデルの作成
このオプションによってデータ・モデル・エディタが開き、新規のデータ・モデルを作成できます。
データ・モデルの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド』のデータ・モデル・エディタの使用に関する項を参照してください。
データ・モデルの作成後、もう一度、レポートの作成プロセスを起動します。今回は、「既存のデータ・モデルの使用」を選択します。
表2-2は、ガイドまたは作成ダイアログのオプションを示しています。
表2-2 ガイドまたは作成の選択
オプション | 説明 |
---|---|
ガイド |
このオプションでは、指示に従ってこのレポートのデータソースから特定の列を選択し、単純な表形式のレイアウトに表示できます。次の操作を行うには、このオプションを選択します。
第2.3.3項「列の選択」に進みます。 |
レポート・エディタの使用 |
このオプションを使用すると、レポートを保存してからレポート・エディタで開くように求められます。データをレビューする必要がなく、レポートの構成やレイアウトの作成が必要な場合は、このオプションを選択します。第2.4項「レポートの編集」に進みます。 |
データソースから、レポートに組み込む列を選択します。列を選択すると、列のサンプル・データが表示されます。選択した列は、選択した順に表示されます。
サンプル・データについては次の点に注意してください。
データ・モデルの場合: サンプル・データはデータ・モデルに保存する必要があります。サンプル・データがデータ・モデルに連結されていない場合、選択された列のヘッダーにデータが表示されません。
アップロードされたスプレッドシートの場合: サンプル・データはスプレッドシートから表示されます。
図2-1はレポート・エディタを示しています。「レポートの作成」プロセス・フローを利用するか、カタログ内のレポートの「編集」リンクをクリックして、レポート・エディタに移動します。
レポート・エディタは、次の操作に使用します。
レイアウトの追加
レイアウトの構成
レポートのパラメータの構成
レポート・プロパティの構成
レポートと関連付けられているデータ・モデルの更新
この手順では、リストされている順にこれらのオプションが処理されます。
新しいレイアウトを追加するには、レポート・エディタの「新規レイアウトの追加」をクリックします。「レイアウトの追加」ページを図2-2に示します。
レポートにレイアウトを追加するには、次の3つのオプションがあります。
「レイアウトの作成」: 基本的なテンプレートまたは共有テンプレートのいずれかを選択してレイアウト・エディタを起動します。
「レイアウトのアップロード」: サポートされているファイル・タイプの1つで設計されたテンプレート・ファイルのレイアウトをアップロードします。
レイアウトの生成: シンプルなRTFレイアウトを自動的に生成します。
レイアウト・エディタを使用してレイアウトを追加するには手順は次のとおりです。
「レイアウトの作成」リージョンで、基本的なテンプレートまたは共有テンプレートの1つをクリックしてレイアウト・エディタを起動します。共有テンプレートとは、共通レポート・コンポーネントがあらかじめ挿入されている、事前にフォーマットされたレイアウトです。
テンプレートを設計します。レイアウト・エディタの使用に関する詳細は、第3章「BI Publisherレイアウト・テンプレートの作成」を参照してください。
終了したら、「保存」をクリックします。「テンプレートの保存」ダイアログでこのレイアウトの名前を入力し、ロケールを選択します。「保存」をクリックします。
「戻る」をクリックしてレポート・エディタに戻ります。
レイアウトの設定を構成します。第2.6項「リスト・ビューを使用したレイアウトの構成」を参照してください。
テンプレート・ファイルのアップロードでは、テンプレート・ファイル(RTF、PDF、Excel、Flash、またはeText)の作成について、このガイドの指示に従っているものと想定しています。
テンプレート・ファイルをアップロードしてレイアウトを追加する手順は次のとおりです。
「レイアウトのアップロードまたは生成」リージョンで、「アップロード」アイコンをクリックします。
「アップロード」ダイアログで、次の操作を実行します。
「レイアウト名」を入力します。
「参照」をクリックして、ローカル・ファイル・システムでテンプレート・ファイルを見つけます。
リストで「テンプレート・タイプ」を選択します。
リストでテンプレート・ロケールを選択します。
「アップロード」をクリックします。
Template BuilderまたはExcelアナライザ経由でBI Publisherに接続されている場合は、いずれかのツールからレイアウト・ファイルを直接アップロードできます。
詳細は、第5章「Template Builder for Wordを使用したRTFテンプレートの作成」、または『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド』のAnalyzer for Excelの使用に関する項を参照してください。
テンプレート・ファイルを生成してレイアウトを追加する手順は次のとおりです。
「レイアウトのアップロードまたは生成」リージョンで、「生成」アイコンをクリックします。
「自動生成レイアウト」ダイアログで、次を実行します。
レイアウトの「テンプレート名」を入力します。
「生成」をクリックします。
自動生成機能によって、データ・モデルのすべてのフィールドが組み込まれたシンプルな表ベースのRTFレイアウトが作成されます。
注意: 自動生成レイアウト機能は、メタデータを利用できるデータ・セットのみで使用できます。このため、この機能は、格納されているXMLファイル、HTTPフィード、Webサービス、または移行されたデータ・テンプレートから生成されたデータ・セットとともには使用できません。 |
レポートのレイアウトを作成またはアップロードした後は、「リスト・ビュー」からレイアウトの設定を構成できます。図2-3は、「リスト・ビュー」を示しています。
スタイル・テンプレートには、レポートの段落、見出し、表およびヘッダーとフッターに適用されるスタイル定義が含まれています。スタイル・テンプレートはオプションであり、RTFテンプレート・ファイルにのみ適用できます。スタイル・テンプレートの作成の詳細は、第11章「スタイル・テンプレートの作成および実装」を参照してください。
レイアウトにスタイル・テンプレートを適用する場合は、「選択」をクリックし、スタイル・テンプレートを参照して選択します。次に、スタイル・テンプレートをリスト内の個々のレイアウトに適用するには、プロパティのリストでそのレイアウトの「スタイル・テンプレートの適用」ボックスを選択します。
レイアウト・ツールバーのボタンについては、表2-3で説明します。
表2-3 レイアウト・ツールバーのボタン
ツールバーのボタン | 説明 |
---|---|
作成 |
新しいレイアウトをアップロードまたは作成するために、レイアウトの追加ページを開きます。 |
編集 |
選択したレイアウトに対してレイアウト・エディタを起動します。このボタンはBI Publisherレイアウト(.xpt)のみに対して有効になります。 |
プロパティ |
このレイアウトに関連付けるためにローカライズされたテンプレートおよびXLIFFファイルのアップロードを有効にするために、「プロパティ」ページを開きます。このボタンは、RTF(.rtf)およびBI Publisherレイアウト(.xpt)のみに対して有効になります。 テンプレートのローカライズの詳細は、第15章「翻訳サポートの概要と概念」を参照してください。 |
削除 |
選択されているレイアウトを削除します。 |
「リスト・ビュー」の設定を使用すると、レイアウトで次の設定を行うことができます。表2-4は、この設定について説明しています。
表2-4 リスト・ビューの設定
設定 | 説明 |
---|---|
名前 |
レイアウトに新しい名前を入力するには、テキスト・ボックスにカーソルを合せます。 |
テンプレート・ファイル |
レポート定義に保存されたファイルの名前が表示されます。ダウンロードするには、テンプレート・ファイル名をクリックします。 |
タイプ |
テンプレート・ファイル・タイプが表示されます。 |
出力フォーマット |
このレイアウトに対して有効にする出力タイプを選択します。デフォルトでは、レイアウトに対して有効なすべての出力タイプが有効化されます。レイアウト・タイプによって、利用できる出力タイプが決定されます。完全なリストについては、第2.6.4項「出力フォーマットの選択」を参照してください。 |
デフォルト・フォーマット |
表示またはスケジュールするときは、このレイアウトのデフォルト出力フォーマットを選択します。 |
デフォルト・レイアウト |
オンラインでの表示時またはスケジュール時に、このレポートがデフォルトで使用するレイアウトを選択します。この列のボックスを1つだけ選択できます。 |
スタイル・テンプレートの適用 |
スタイル・テンプレートをこのレイアウトに適用するには、このボックスを選択します。スタイル・テンプレートは、RTFテンプレート・ファイルにのみ適用できます。詳細は、第2.6.1項「レイアウトへのスタイル・テンプレートの適用」を参照してください。 |
アクティブ |
デフォルトでは、レイアウトはアクティブです。レポート定義の一部としてレイアウトを維持しながら、利用できない状態にする場合は、このボックスの選択を解除します。レイアウトが非アクティブの場合は、レポート・ビューアまたはスケジューラに表示されません。 |
オンライン表示 |
デフォルトでは、レイアウトは、レポート・ビューアでレポートを開いたレポート利用者が利用できます。このレイアウトがスケジュール・レポートに対してのみの場合は、このボックスの選択を解除します。 |
ロケール |
レイアウトがアップロードされたときに選択されたロケールが表示されます。このフィールドは更新できません。 |
BI Publisherは、広範な出力フォーマットをサポートしています。レイアウトのタイプによって、サポートされる出力のタイプは異なります。表2-5は、使用可能なすべての出力タイプをリストしています。表2-6は、レイアウト・タイプのそれぞれで有効な出力フォーマットをリストしています。
表2-5 出力フォーマット
出力フォーマット | 説明 |
---|---|
データ(CSV) |
値がカンマで区切られた出力を生成するには、このオプションを有効にします。 |
データ(XML) |
XML出力を生成するには、このオプションを有効にします。 |
Excel |
レポート・コンシューマがMicrosoft Excel 2003を持っているときに、Excelでレポートを表示するには、この出力タイプを有効にします。このオプションでは、Excel 2003以降で開くことのできるMHTML形式ファイルが生成されます。このオプションでは、チャートやロゴなど、埋込みイメージがサポートされています。 |
Excel 2000 |
レポート・コンシューマが以前のバージョンのMicrosoft Excel 2000または2002を実行している場合のみ、この出力タイプを有効にします。このオプションでは、Excelで開くことのできるHTMLが生成されます。埋込みイメージはサポートされていません。 |
Excel 2007 |
レポートをExcel .xlsx(Excel XMLフォーマット)で生成するには、このオプションを有効にします。レポート・コンシューマでExcel 2007以降がインストールされている場合、このオプションを使用すると、レイアウトやフォーマットを最適な状態で保持できます。 注意: この出力フォーマットでは、BI Publisherは数値や日付のフォーマットを適用しません。BI Publisherは、書式設定マスクおよび実際の値(日付および数値)をXLSX出力ファイルに保存します。この書式設定はMicrosoft Excelによって処理されます。たとえば、次のように入力します。
|
HTML |
ブラウザでの表示を必要とするレポートのHTML出力を有効にします。 |
インタラクティブ |
この出力は、BI Publisherのレイアウト・エディタを使用して設計されたレイアウトでのみ使用できます。インタラクティブ出力を使用すると、レポートでチャートの値のポップアップ表示、スクロールおよびフィルタが可能な表などの対話型機能を使用できます。 |
MHTML |
Mime Hyper Text Markup Languageを有効にします。これにより、レポート・コンシューマは、Webページとそのリソースを単一のMHTMLファイル(.mht)として保存でき、イメージやリンク・ファイルのすべてが、単一のエンティティとして保存されます。レポート・コンシューマがこのオプションを使用すると、HTML出力を送信または保存して、埋込みイメージやスタイルシートの書式設定を保持できます。 |
|
Portable Document Formatは、一般に、印刷や共有を必要とするレポートで使用されます。 |
PDF/A |
長期の保存やアーカイブを必要とするレポートに使用します。PDF/AはPDF標準の特殊なサブセットで、自己完結型ドキュメントとしてファイルを保存することを妨げる可能性のある要素が禁止されます。詳細は、第2.9.1項「PDF/A出力の生成」を参照してください。 |
PDF/X |
印刷前のグラフィック交換用書式設定が必要なレポートに使用されます。PDF/XはPDF標準の特殊なサブセットで、高品質印刷生成出力に対応するようにドキュメントを効率化し、署名やコメント、埋込みマルチメディアなど、印刷の生成に寄与しないコンテンツを制限します。詳細は、第2.9.2項「PDF/X出力の生成」を参照してください。 |
PowerPoint |
この出力タイプを有効にすると、Microsoft PowerPoint 2003との互換性を持つPowerPointファイルを生成できます。 |
PowerPoint 2007 |
この出力タイプを有効にすると、Microsoft PowerPoint 2007ファイルを生成できます。 |
RTF |
リッチ・テキスト形式。開いて編集する必要のあるレポートの場合は、この出力フォーマットを有効にします。 |
テキスト |
このオプションは、eTextテンプレート用のテキスト出力を生成します。テキスト出力は、eTextテンプレートでのみ使用可能です。 |
圧縮PDF |
BI Publisherでは、レポートのPDF出力と索引ファイルを含むzipファイルを生成できます。このオプションは、圧縮(zip化)されたPDF出力を有効にするように設計されているレイアウトでのみ使用できます。圧縮PDFを生成するレポートを設計する方法の詳細は、「Zip圧縮されたPDF出力の生成」を参照してください。 |
表2-6 レイアウト・タイプ別の有効出力フォーマット
レイアウト・タイプ | 有効な出力タイプ |
---|---|
|
PDF、Zip圧縮PDF、データ(CSV)、データ(XML) |
RTF |
HTML、PDF、RTF、Excel、Excel2000、Excel 2007、PowerPoint、PowerPoint2007、MHTML、PDF/A、PDF/X、データ(CSV),、FOフォーマットのXML、データ(XML)、Zip圧縮PDF |
XPT (レイアウト・エディタを使用して作成) |
インタラクティブ、HTML、PDF、PDFZ、RTF、Excel、Excel2000、PowerPoint、PowerPoint2007、MHTML、データ(CSV)、FOフォーマットのXML、データ(XML) |
XLS |
Excel、Excel2000、データ(CSV)、データ(XML)、 |
Flash |
Flash、PDF、MHTML、データ(CSV)、データ(XML)、 |
XSLスタイルシート(FO) |
RTFと同じ出力 |
XSLスタイルシート(HTMLXML/テキスト) |
HTML、XML、テキスト、データ(CSV)、データ(XML)、 |
eText |
テキスト、データ(CSV)、データ(XML)、 |
パラメータはデータ・モデルで定義されます。レポート・エディタを使用すると、特定のデータ・モデルを使用する各レポートに専用のパラメータ設定を構成できます。
このレポートのパラメータを構成するには:
レポート・エディタページで「パラメータ」をクリックします。「パラメータ」ダイアログは、図2-4のように表示されます。
次の表示オプションを選択して、個別レポートのパラメータ設定をカスタマイズします。
パラメータの場所
このプロパティは、パラメータ・リージョンをレポート・ビューアに表示するかどうかを制御します。オプションは次のとおりです。
水平リージョン: レポート・ビューアの最上部に、横方向にパラメータを表示します。
垂直リージョン: レポート・ビューアの左端に沿って、縦方向にパラメータを表示します。
フル・ページ: パラメータをレポート・ビューアの単独のページに表示します。ユーザーがパラメータ値を入力すると、このページは消えます。パラメータ値を変更するには、レポート・ビューアの「パラメータ」ボタンをクリックして、パラメータ・ページをもう一度表示します。
ダイアログ: ダイアログ・ボックスを呼び出して、パラメータを表示します。ユーザーがパラメータ値を入力すると、このダイアログは閉じられます。パラメータ値を変更するには、レポート・ビューアの「パラメータ」ボタンをクリックして、ダイアログをもう一度表示します。
パラメータ・ラベルの場所
このプロパティは、パラメータ・ラベルの表示場所を制御します。オプションは次のとおりです。
ラベルを横に配置: 入力ボックスの左側にパラメータ・ラベルを配置します。
ラベルを上に配置: 入力ボックスの上にパラメータ・ラベルを配置します。
「適用」ボタンの表示
このプロパティは、レポート・ビューアでの「適用」ボタンの表示を制御します。
「True」に設定すると、パラメータ・オプション付きレポートのレポート・ビューアには「適用」ボタンが表示されます。パラメータ値を変更した場合にユーザーは「適用」をクリックし、変更後の値でレポートをレンダリングする必要があります。
「False」に設定すると、レポート・ビューアに「適用」ボタンは表示されません。そのかわり、ユーザーが新しいパラメータ値を入力する際に、新しい値が選択または入力されると、ユーザーが特に操作をしなくても、BI Publisherによってレポートが自動的にレンダリングされます。
このプロパティは、サーバー・レベルでも設定されます。常にこのサーバー設定を使用する場合は、「デフォルト」オプションを選択します。サーバー構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイド』のレポート・ビューアのプロパティ設定に関する項を参照してください。
「適用」ボタンを削除するかどうかを決定するときには、基礎となるデータソースにすばやくデータを戻す能力があるかどうかを考慮してください。静的リストに基づく値のリストや、非常に高速なデータソースでは、「適用」ボタンをオフにすることが理想的です。値リストの基礎となるデータソースの問合せに時間がかかる場合、またはレポートをレンダリングする前に、多数のパラメータ値の設定と調整が行われる場合には、「適用」ボタンを保持することをお薦めします。
表示
このプロパティは、パラメータをユーザーに表示するかどうかを制御します。データ・モデルに渡されるパラメータ値をユーザーに表示したり、変更されたりしたくない場合は、「表示」プロパティを無効にします。
タイプ
このプロパティは、メニュー・タイプのパラメータでのみカスタマイズできます。メニュー・タイプのパラメータでは、次の表示オプションを使用できます。
チェックボックス
パラメータで複数選択が許可されている(複数 = True)場合、このオプションを使用できます。チェックボックス・タイプでは、レポートのパラメータ・リージョンにメニュー・オプションがすべて表示されます。図2-5に示すとおり、ユーザーは複数選択を行うことができます。
ラジオ・ボタン
パラメータで単一選択のみ許可されている(複数 = False)場合、このオプションを使用できます。ラジオ・ボタン・タイプでは、レポートのパラメータ・リージョンにメニュー・オプションがすべて表示されます。図2-6に示すとおり、ユーザーは項目を1つのみ選択できます。
ヒント: 「チェックボックス」および「ラジオ・ボタン」オプションは、値リストが小さい場合のメニューに最適です。これらのオプションは、「パラメータの場所」が「垂直リージョン」である場合にも問題なく表示されます。 |
複数
このプロパティは読取り専用で、特定のメニュー・パラメータについて複数の値を選択できるかどうかを示しています。
表示ラベル
各パラメータの表示ラベルを編集するには、このプロパティを使用します。デフォルト値はデータ・モデルに定義されています。
デフォルト値
特定のレポート専用として使用されるパラメータのデフォルト値を構成するには、このプロパティを使用します。データ・モデルで定義されたデフォルト値を渡すには、「デフォルト」を選択します。
行配置
パラメータを表示する行数、および各パラメータの配置先となる行を設定するにはこのプロパティを使用します。たとえば、レポートで6個のパラメータが使用されている場合、行1を先頭に、パラメータを行1~6に1個ずつ割り当てることも、行1、2、3にパラメータを2個ずつ割り当てることもできます。デフォルトでは、すべてのパラメータが行1に割当てられます。
ただし、「パラメータの場所」プロパティが「垂直リージョン」に設定されている場合、1行につき1パラメータのみ表示されます。行を垂直方向に並べるには、「行配置」プロパティを使用します。
ページ・ヘッダーの「プロパティ」をクリックして「レポート・プロパティ」ダイアログを開きます。図2-7は「レポート・プロパティ」ダイアログを示しています。
「レポート・プロパティ」ダイアログには、次のオプションが表示されています。
一般: レポートの一般的なプロパティを設定します。
キャッシュ: このレポートのキャッシュ・オプションを指定します。
書式設定: レポートの実行時構成プロパティを設定します。これらのプロパティの設定の詳細は、第10章「レポート処理および出力ドキュメントのプロパティの設定」を参照してください。
フォント・マッピング: このレポートのフォント・マッピングを作成します。
通貨書式: このレポートの通貨書式を定義します。
「一般」タブのプロパティを次のように設定します。
オンラインのレポート・ビューアでこのレポートをユーザーに見せたくない場合は、このプロパティを無効にします。無効にすると、ユーザーはレポートのスケジュールのみ可能になります。ほとんどのレポートでは、これは有効な状態で保持します。長時間実行、バッチ、またはオンライン表示が適切でない他のレポートでは無効にします。このプロパティが有効の場合、表2-7で説明されているプロパティも設定できます。
表2-7 「レポートの実行」プロパティ
プロパティ | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
コントロールの表示 |
このプロパティは、レポートの制御リージョンの表示を制御します。制御リージョンは、テンプレート・リスト、出力リスト、およびパラメータ・リストから構成されています。これらのオプションをユーザーに見られたり、更新されたりしたくない場合は、このプロパティを無効にします。 |
有効 |
レポート・リンクの共有許可 |
レポート・ビューアの「アクション」メニューには、「レポート・リンクの共有」オプションがあり、現在のレポートのURLを表示できます。ユーザーにレポート・リンクを見られたり、コピーされたりしたくない場合は、このプロパティを無効にします。 |
有効 |
新規ウィンドウでリンクを開く |
このプロパティは、レポートに含まれているリンクを開く方法を制御します。デフォルトでは、リンクは新しいブラウザ・ウィンドウで開きます。同じブラウザ・ウィンドウでリンクを開くには、このプロパティを無効にします。 |
有効 |
非同期モード |
非同期モードで実行されるレポートをレポート・ビューアで実行した場合は、一意のスレッドを使用して実行されます。これにより、ユーザーがレポートの実行をキャンセルした場合、BI Publisherはスレッドを完全に終了できます。ただし、このプロパティを有効にすると、パフォーマンスに影響が及ぶことがあリます。 |
無効 |
自動実行 |
このプロパティを有効にした場合、ユーザーがレポートの 「開く」リンクを選択すると、レポートが自動的に実行されます。「自動実行」が無効の場合は、レポートの「開く」リンクを選択するとオンライン・ビューアが表示されますが、レポートは実行されません。ユーザーは、レポートを実行するために「レポートの表示」メニューから出力タイプを選択する必要があります。 |
有効 |
デフォルト: 「オンライン・モード」
このプロパティは、レポート・データがExcelにダウンロードされる方式を制御し、またMicrosoft ExcelからBI Publisherサーバーと通信する機能に影響を及ぼします。「オフライン・モード」を使用すると、次のような影響があります。
レポート・データのダウンロードが高速になり、大容量のデータ・セットの処理が効率化されます。
マクロを有効にする必要がありません。
独自のカスタム・マクロを有効にできます。
Microsoft ExcelセッションからBI Publisherサーバーへのログインや接続ができません。したがって、テンプレートをExcelから直接アップロードできず、レポート・パラメータの更新や新規テンプレートの適用もできません。
オンライン・モードは、5MBより大きいデータ・セットを処理できません。このため、Excelで操作する非常に大きなデータ・セットを生成するレポートの場合は、このプロパティを有効にします。また、オフライン・モードでは、データは<ROWSET><ROW>...</ROWS>...</ROWSET>形式である必要があります。
表2-8に、オンライン・モードとオフライン・モードの違いの詳細を示します。
表2-8 オンライン・モードとオフライン・モードの違い
比較項目 | オフライン・モード | オンライン・モード |
---|---|---|
パフォーマンス |
Excelへのデータ・ダウンロードが高速になり、大容量のデータ・セットがより効率的に処理されます。 |
ダウンロードは低速であり、データ・セットが大きすぎると、アドインの機能に影響を及ぼす可能性があります。オンライン・モードは、5MBより大きなファイルを処理できません。 |
マクロ |
Excelアナライザをこのモードで使用する場合、マクロを有効にする必要はありません。また、Excelアナライザで使用する独自カスタム・マクロを作成することもできます。 |
Excelアナライザをこのモードで使用する場合、マクロを有効にする必要があります。カスタム・マクロは、このモードではサポートされていません。 |
BI Publisherとの接続 |
データのダウンロード後は、接続が切断されます。Excelからのテンプレートの直接アップロード、パラメータの変更、データへの新規テンプレートの適用はできません。 |
BI PublisherサーバーにExcelセッションから接続できます。レポートへのテンプレートのアップロード、レポートのパラメータ更新、新規テンプレートの適用を、Excelセッション内から直接実行できます。 |
データセットの構造 |
データは、<ROWSET><ROW>...</ROWS>..</ROWSET>形式である必要があります。 |
データは、<ROWSET><ROW>...</ROWS>..</ROWSET>形式であることをお薦めします。 |
Analyzer for Excelの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド』のAnalyzer for Excelの使用に関する項を参照してください。
表2-9は「拡張オプション」プロパティの説明です。
表2-9 レポート・プロパティの拡張オプションの説明
プロパティ | 説明 |
---|---|
バースティング有効化 |
レポート出力のバースティングを有効化するには、このボックスを選択し、リストから適切なバースティング定義を選択します。レポートがスケジュールされると、スケジューラ内で選択したバースティング定義が有効になります。 バースティング定義は、データ・モデルのコンポーネントです。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド』のバースティング定義の追加に関する項を参照してください。 |
レポートは外部アプリケーションにより制御されます。ユーザーはカタログからレポートを実行またはスケジュールできませんが、履歴は表示できます。 |
BI Publisherが、レポートの実行を制御する別のアプリケーションと統合されているときに、このレポートのカタログからの直接実行や表示をユーザーに許可しない場合は、このオプションを有効にします。BI Publisherによって実行されるレポートは、BI Publisher履歴表に格納され、ユーザーは「レポート・ジョブ履歴」ページから完了したレポートを表示できます。 |
エンタープライズ・スケジューラ・ジョブ・パッケージ名 |
このプロパティは、Oracle Fusionアプリケーションの実装にのみ適用されます。 |
エンタープライズ・スケジューラ・ジョブ定義名 |
このプロパティは、Oracle Fusionアプリケーションの実装にのみ適用されます。 |
図2-8は「キャッシュ」タブを示しています。
表2-10は「キャッシュ」タブのプロパティを説明しています。
表2-10 キャッシュのプロパティ
変数 | 説明 | デフォルト |
---|---|---|
データ・キャッシュの有効化 |
このプロパティを有効にすると、このレポートのオンライン送信によって生成されたデータが、キャッシュに格納されます。同じパラメータ選択でこのレポートを実行する後続のリクエストは、キャッシュに格納されているデータを使用してレポートを表示します。この設定によって、ソースからデータを再生成するかわりに、レポートの生成に格納されているデータを使用することによって、パフォーマンスが向上します。データは、キャッシュ期間プロパティで指定された時間制限に従って、キャッシュ内に保持されます。「ユーザー・レベル」プロパティを設定することによって、レポートのキャッシュをユーザーが共有するかどうかを制御できます。データ・キャッシュが有効の場合は、次のプロパティを設定できます。 |
無効 |
キャッシュ期間(分) |
レポートのデータ・セットまたはドキュメントをキャッシュに残す時間制限を入力します。時間制限が期限切れになると、同じレポートの次回のリクエストでは、新しいデータ・セットが生成されます。 |
30分 |
ユーザー・レベル |
このプロパティではユーザーのそれぞれに個別のキャッシュが保存されます。各ユーザーに表示されるレポート・データは、プライベート・キャッシュからのみ取得されます。有効にすると、このプロパティによって、各ユーザーは表示が許可されたデータのみ表示できます。しかし、ユーザー・レベルのキャッシュは、効率のパフォーマンスが劣ります。レポート・データがユーザー依存でない場合は、このプロパティを無効にしてパフォーマンスを向上できます。 |
有効 |
ドキュメント・キャッシュ |
レポート・ドキュメントをキャッシュするには、このプロパティを有効にします。ドキュメント・キャッシュが有効化されている場合、ユーザーがレポートをオンラインで表示すると、ドキュメント(データとレイアウト)がキャッシュに配置されます。(「ユーザー・レベル」が有効でなければ)他のユーザーがオンライン・ビューアを使用して同じレポート(同じレイアウト、同じ出力タイプ、同じパラメータ選択)を表示すると、そのドキュメントはキャッシュから取得されます。ドキュメントは、指定されたキャッシュ期間に従ってキャッシュ内で保持されます。スケジュール・レポートでは、ドキュメント・キャッシュは使用されません。 |
有効 |
ユーザーはレポート・データをリフレッシュできます |
このプロパティを有効にした場合、ユーザーは要求に応じてデータをリフレッシュできます。ユーザーがレポート・ビューアで「リフレッシュ」をクリックすると、BI Publisherは、新しいデータ・セットを生成してレポートに使用します。 |
無効 |
書式設定プロパティ・タブでは、レポート・レベルで実行時プロパティを設定できます。これらのプロパティは、「管理」ページからシステム・レベルで設定することもできます。書式設定プロパティ・タブには、システム・レベルの設定と、各プロパティのレポート・レベルの設定が表示されます。各レベルで異なる値が設定された場合は、レポート・レベルが優先されます。
各プロパティの詳細は、第10章「レポート処理および出力ドキュメントのプロパティの設定」を参照してください。
BI Publisherのフォント・マッピング機能では、RTFまたはPDFのテンプレートでベース・フォントを公開ドキュメントで使用されるターゲット・フォントにマップできます。フォント・マッピングは、レポート・レベルまたはシステムレベルで設定できます。レポート・プロパティの「フォント・マッピング」タブを表示すると、システム・レベルの設定がすべて表示されます。このレポートの設定を変更するには、ここでフォント・マッピングを編集します。
フォント・マッピングの詳細は、第10.16項「フォント・マッピングの定義」を参照してください。
フォント・マッピングを作成する手順は次のとおりです。
「RTFテンプレート」または「PDFテンプレート」で、「フォント・マッピングの追加」を選択します。
「フォント・マッピングの追加」ページで、次を入力します。
ベース・フォント: 新しいフォントにマップするフォント・ファミリを入力します。たとえば、Arialと入力します。
スタイル: 「標準」または「斜体」を選択します(「PDFテンプレート」フォント・マッピングには適用されません)。
重み: 「標準」または「太字」を選択します(「PDFテンプレート」フォント・マッピングには適用されません)。
ターゲット・フォント・ファイル: 「Type 1」または「Truetype」を選択します。
「ターゲット・フォント」を入力します。
「Truetype」を選択した場合、コレクション内の特定の番号付きフォントを入力できます。目的のフォントの「TrueTypeコレクション(TTC)番号」を入力します。
事前定義済フォントのリストは、第10.16.4項「BI Publisherの事前定義済のフォント」を参照してください。
「通貨書式」タブでは、レポートに、複数の通貨を対応する書式設定で表示できるように、特定の通貨に数値書式マスクをマップできます。通貨書式は、RTFおよびXSL-FOテンプレートのみでサポートされています。
通貨書式は、レポート・レベルまたはシステム・レベルで設定できます。レポート・プロパティの「通貨書式」タブを表示すると、システムレベルの設定が表示されます。このレポートの設定を変更するには、ここで通貨書式を編集します。
RTFテンプレートでこれらの通貨書式を適用するには、format-currency関数を使用する必要があります。詳細な手順は、第4.15.14項「通貨の書式設定」を参照してください。
通貨書式を追加するには:
「追加」アイコンをクリックします。
USD、JPY、EUR、GBP、INRのように、ISO通貨コードを入力します。
この通貨に対して適用する書式マスクを入力します。
書式マスクは、Oracleの数値書式である必要があります。Oracleの数値書式では、たとえば、「9」、「0」、「D」、および「G」という要素を使用して9G999D00のような書式を構成します。
説明:
9がデータに存在するときは、表示数を表します。
Gは、グループ・セパレータを表します。
Dは、小数点セパレータを表します。
0は、着信データにかかわらず明示的に表示される数値を示します。
これらの書式マスク・コンポーネントの詳細は、第4.15.6項「Oracle書式マスクの使用」を参照してください。
図2-9は、通貨書式の例を示しています。
この項では、PDF/AおよびPDF/X出力を生成するための要件について説明します。内容は次のとおりです。
PDF/AはPDFファイル形式の一種で、電子ドキュメントの長期保存向けに設計されています。一部の政府機関や標準化組織では、文書を確実に保存するためにPDF/Aの使用が要求されます。PDF/Aファイルは、Adobe ReaderなどのPDFビューアで表示できるPDFファイルですが、ISO標準で指定されている追加要件に従う必要があります。これらの要件では、必須オブジェクトと、長期アーカイブではサポートされていない機能の両方が指定されます。BI Publisherは、PDF/A標準のバリエーション、PDF/A-1bを生成します。
次の一覧は、PDF/A出力の生成に関する制限および要件を示しています。
サポートされるテンプレート・タイプ: PDF/Aの生成は、RTF、FOおよびXSLのテンプレート・タイプでサポートされます。PDF/Aの生成時に、追加されるテンプレート要件はありません。
フォント要件: デフォルトでは、テンプレート内のすべてのフォントは出力時にAlbanyフォントに置換されます。出力で異なるフォントを使用するには、レポートの構成でフォント・マッピングを指定します。JVMフォント・ディレクトリでAlbanyフォントを使用できず、フォント・マッピングを指定していない場合、出力は有効なPDF/Aファイルになりません。この場合、Helveticaフォントが使用されます。
次のPDF機能は、PDF/Aドキュメントではサポートされません。
オーディオおよびビデオ・コンテンツすべて(Flash埋込みコンテンツを含む)
透過性(透明色は不透明なものとしてレンダリングされます)
暗号化
BI Publisherユーティリティによる再処理はサポートされません。BI PublisherユーティリティPDFBookBinder、PDFDocMergerまたはPDFSignature (デジタル署名)を使用したPDF/Aファイルの再処理はサポートされません。再処理されたPDFファイルは、PDF/A標準への適合性が失われる可能性があります。
必須レポート構成プロパティ: レポートの実行時プロパティは、表2-11に示すとおりに設定する必要があります。
表2-11 PDF/Aの必須レポート・プロパティ設定
プロパティ | 必須設定 |
---|---|
pdf-version |
1.4以降である必要があります。 |
PDFセキュリティ有効化 (pdf-security) |
Falseに設定する必要があります。 |
暗号化レベル (pdf-encryption-level) |
0に設定する必要があります。 |
PDFフォントの埋込み(pdf-font-embedding) |
Trueに設定する必要があります。 |
PDF/A出力固有の書式設定プロパティは、「レポート・プロパティ」ダイアログで設定できます。詳細は次の項を参照してください。
PDF/A標準の詳細は、次のリソースを参照してください。
ISO 190005-1 ドキュメント管理 — 長期保存のための電子ドキュメント・ファイル形式: パート1: PDF 1.4の使用(PDF/A-1); Addendum Cor 1:2007
PDF/Xは、PDFの使用によるデジタル・グラフィック・データの交換方法を定義したISO標準のコレクションで、プロフェッショナルな印刷環境において予測可能で安定した印刷を保証します。PDF/Xドキュメントは、Adobe ReaderなどのPDFリーダーで表示できるPDFファイルですが、ISO仕様で定義されている一連の追加ルールに従う必要があります。これらのルールでは、必須オブジェクトと、グラフィック交換ではサポートされていない機能の両方が指定されます。PDF/X標準は、色管理に関して厳密なルールに従っています。BI Publisherは、PDF/X標準のバリエーション、PDF/X-1a:2003をサポートします。
PDF/X出力を生成するには、International Color Consortium (ICC)プロファイル・データ・ファイルを取得し、このファイルを<bi publisher repository>/Admin/Configuration
の下に置く必要があります。
ICCプロファイルは、想定される出力デバイスの色特性を記述したバイナリ・ファイルです。本番環境では、カラー・プロファイルは、生成されたPDF/Xファイルを印刷する印刷会社により提供されます。ICCプロファイル・データ・ファイルの例として、CoatedFOGRA27.iccなどがあります。
プロファイルはAdobe(http://www.adobe.com/support)またはcolormanagement.org (http://www.colormanagement.org/
)から入手することもできます。
次の一覧は、PDF/X出力の生成に関する制限および要件を示しています。
サポートされるテンプレート・タイプ: PDF/Xの生成は、RTF、FOおよびXSLのテンプレート・タイプでサポートされます。PDF/Xの生成時に、追加されるテンプレート要件はありません。
色要件: テンプレートの色データ(テキストの色、イメージおよびSVG)はRGBデータとして格納されますが、PDF/Xファイルの生成時に、色データは、ICCプロファイルを使用してCMYKに変換されます。ICCプロファイルはユーザーがBI Publisherに提供する必要があります。ICCプロファイルの指定には、「PDF/X ICCプロファイル・データ>」プロパティを使用します。表2-12を参照してください。
次のPDF機能は、PDF/Xドキュメントではサポートされません。
透過性(透明色は不透明なものとしてレンダリングされます)
暗号化
フォント要件: デフォルトでは、すべてのフォントがAlbanyフォントに置き換えられます。出力で異なるフォントを使用するには、レポートの構成でフォント・マッピングを指定します。JVMフォント・ディレクトリにAlbanyフォントがなく、フォント・マッピングを指定していない(つまり、使用できる埋込みフォントがない)場合、出力は有効なPDF/Xファイルにはなりません。この場合、Helveticaフォントが使用されます。
BI Publisherユーティリティによる再処理はサポートされません。BI PublisherユーティリティPDFBookBinder、PDFDocMergerまたはPDFSignatureを使用したPDF/Xファイルの再処理はサポートされません。再処理後のファイルは通常のPDFファイルとなり、PDF/X標準への適合性が失われる可能性があります。
必須レポート構成プロパティ: レポートの実行時プロパティは、表2-11に示すとおりに設定する必要があります。
表2-12 PDF/Xの必須レポート・プロパティ設定
プロパティ | 必須設定 |
---|---|
pdf-version |
1.4より前である必要があります。 |
PDFセキュリティ有効化 (pdf-security) |
Falseに設定する必要があります。 |
暗号化レベル (pdf-encryption-level) |
0に設定する必要があります。 |
PDFフォントの埋込み(pdf-font-embedding) |
Trueに設定する必要があります。 |
PDF/X出力固有の書式設定プロパティは、「レポート・プロパティ」ダイアログで設定できます。書式設定プロパティのうち、次の2つが必須です。
表2-13 PDF/Xの必須書式設定プロパティ設定
プロパティ | 説明 | 有効な値 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
PDF/X ICCプロファイル・データ |
<BI Publisher repository>/Admin/Configurationの下に配置されたICCプロファイル・データ・ファイルの名前です。 |
ICCプロファイル・データ・ファイル名(CoatedFOGRA27.iccなど) |
なし |
PDF/X出力条件識別子 |
ICCに登録された標準印刷条件のいずれか1つの名前です。PDF/X-1aで使用する標準のCMYK印刷条件のリストは、次のICC Webサイトで提供されています: |
有効な参照名(FOGRA43など) |
なし |
詳細は次の項を参照してください。
PDF/X標準の詳細は、次のリソースを参照してください。
ISO 15930-4:2003グラフィック・テクノロジ -- PDFを使用したプリプレス・デジタル・データ交換 -- パート4: PDF 1.4を使用したCMYKおよびスポット・カラー印刷データの完全交換(PDF/X-1a)