Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド 11g リリース1(11.1.1.6.0) B72085-01 |
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この章では、WebCenter Portalアプリケーションでのサービス管理の概要について説明します。また、様々なサービスに必要なバックエンド・リポジトリについても説明します。
対象読者
この章の内容は、Fusion Middleware管理者(Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してAdmin
またはOperator
ロールを付与されたユーザー)を対象としています。詳細は、第1.8項「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。
WebCenter Portalは、サービスを使用して、コラボレーション、ソーシャル・ネットワーキングおよび個人生産性の機能を公開します。かわりにサービスは、タスク・フローを使用して、それらの機能のサブセットを公開します。タスク・フローは、特定のサービスから使用可能なすべてまたは一部の機能を公開できる再利用可能な機能を提供します。
WebCenter Portalアプリケーションのバックエンド・サービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してください。
注意: Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用してサービス構成に対して加えた変更のほとんどは、動的ではありません。変更を有効にするには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。 |
表10-1は、サービスのデータが格納されている場所の一覧です。リポジトリが使用できないときに影響を受けるサービスを知っておくと便利です。
サービスによっては、接続メタデータをメタデータ・サービス・リポジトリ(MDS)に格納します。デプロイした後にアプリケーションに加えた変更は、MDSにカスタマイズとして格納されます。詳細は、第1.3.5項「WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」および第10.1.1項「MDSリポジトリの設定」を参照してください。
サービスによっては、関連情報(リレーションシップ・マッピングなど)が格納されているデータベース・スキーマとの接続が必要です。詳細は、第10.1.2項「データベース接続の設定」を参照してください。
サービスによっては、関連情報が格納されている外部データ・リポジトリ(コンテンツ・サーバー、プレゼンス・サーバーまたはメール・サーバーなど)との接続が必要です。これらの接続の設定方法の詳細は、そのサービスの章を参照してください。
表10-1 サービス・データ・リポジトリ
WebCenter Portalサービス | 説明 | MDS | データベース・スキーマ | 外部アプリケーション | 関連情報 |
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アクティビティ・グラフ |
収集された情報を活用して、検索およびソーシャル・アプリケーションを支援します。 |
ACTIVITIESスキーマ |
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分析 |
ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます。 |
ACTIVITIESスキーマ |
X |
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お知らせ |
重要なアクティビティおよびイベントに関するお知らせを投稿できる機能を、認証されたすべてのユーザーに提供します。 |
X |
X |
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ディスカッション |
スレッドで構成されるディスカッションの作成、質問の投稿と返信、および回答の検索が可能な機能を提供します。 |
X |
X |
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ドキュメント |
コンテンツのアップロード、ファイルやフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどを含めて、コンテンツの管理およびストレージの機能を提供します。 |
X |
WEBCENTERスキーマ: コメントおよびアクティビティ・ストリームを含めるドキュメント用(Wikiとブログを含む) |
X |
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イベント |
認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。 |
X |
X (個人イベント) |
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インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP) |
認証された他のユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認したり、ユーザーに即時に連絡できる機能を提供します。 |
X |
第16章「インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サービスの管理」 |
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リンク |
関連情報の表示、アクセスおよび関連付けの機能を提供します。たとえば、ディスカッションからドキュメントにリンクできます。 |
WEBCENTERスキーマ |
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リスト |
リストを作成、公開および管理できる機能を提供します。 |
X |
WEBCENTERスキーマ |
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メール |
IMAPおよびSMTPのメール・サーバーとの容易な統合を提供します。これにより、メッセージの表示、添付ファイルを含むメールの作成、メッセージの返信と転送、およびメッセージの削除などのメール機能を実行できます。 |
X |
X |
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ノート |
素早く書き留める機能、および様々な個人関連情報を保持する機能を提供します。 注意: このサービスは、Oracle WebCenter Portal: Spacesでのみ使用できます。 |
X |
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通知 |
サービスおよびアプリケーション・オブジェクトをサブスクライブして、それらのオブジェクトが変更されると1つ以上のメッセージング・チャネルから通知を受信するための手段を提供します。 |
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ピープル・コネクション |
個人プロファイルの作成、現在のステータスの表示、および他のユーザーの最新アクティビティの表示などのソーシャル・ネットワーキング機能を提供します。 |
WEBCENTERスキーマ |
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パーソナライズ |
選択した条件に基づいて、アプリケーション内のコンテンツをターゲットのアプリケーション・ユーザーに配信できます。 |
第20章「WebCenter Portalのパーソナライズの管理」 |
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投票 |
関係者の調査(意見および経験レベルなど)、重要な情報を思い出すことができるかどうかの確認、およびフィードバックの収集ができます。 |
WEBCENTERスキーマ |
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最近のアクティビティ |
ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせに対する最新の変更のサマリー・ビューを提供します。 |
X |
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RSS |
単一の場所(ニュース・リーダー)から多数の異なるWebサイトのコンテンツにアクセスできる機能を提供します。 |
X |
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検索 |
サービス、アプリケーションまたはサイト全体を検索できる機能を提供します。 (これにはOracle Secure Enterprise Searchの統合が含まれます。) |
X |
X |
第22章「WebCenter PortalでのOracle SES検索の管理」 |
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タグ |
1つ以上の個人関連キーワードを特定のページまたはドキュメントに割り当てる機能を提供します。 |
X |
WEBCENTERスキーマ |
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ワークリスト |
注目する必要のあるビジネス・プロセスの個人ビューを提供します。 |
X |
X |
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サービスによっては、メタデータ・サービス・リポジトリ(MDS)に情報を格納します。WebCenter Portalアプリケーションでこれらのサービスを有効化するには、MDSリポジトリを構成する必要があります。詳細は、第7.1.5項「メタデータ・サービス・リポジトリの作成および登録」を参照してください。
関連項目: 『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Metadata Repositoryの管理に関する項およびOracle WebCenter Portalデータのパージに関する項を参照してください。 |
多数のサービスは、WebCenter Portalリポジトリに情報を格納します。このリポジトリは、WebCenter Portalスキーマ(WEBCENTER)がインストールされているデータベースです。たとえば、リンク・サービスでは、どのオブジェクトがどのオブジェクトにリンクされているかといった、関連マッピング情報をデータベースに格納します。WebCenter Portalスキーマは製品に含まれています。
WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションでは、WebCenter Portalリポジトリとのデータベース接続を設定する必要があります。このデータベース接続は、JDBCデータ・ソースまたはJDBC URLのどちらかのタイプにできます。
注意: WebCenter Portal: Spacesの場合、WebCenter Portalリポジトリは出荷時に構成されているため、リポジトリ接続を再構成する必要はありません。 |
関連項目:
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アプリケーションで使用される接続タイプに応じて、次のいずれかを実行します。
間接パスワードを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソースがアプリケーションに含まれていない場合、グローバル・データ・ソースを作成します。グローバル・データ・ソースの作成手順の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理のJDBCデータ・ソースの作成に関する項を参照してください。
間接パスワードを使用するアプリケーションレベルのデータ・ソースをアプリケーションが使用している場合、接続資格証明をマップします。パスワードの設定は、Oracle WebLogic管理コンソールを使用して、「セキュリティ」の「資格証明マッピング」タブで行います。「構成」の「接続プール」タブで間接データ・ソースのパスワードを変更しても、影響はありません。資格証明マッピングの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理のJDBCデータ・ソースの作成に関する項でJDBCデータ・ソースのセキュリティの資格証明マッピングに関する記載を参照してください。
アプリケーションがJDBC URL接続を使用する場合、グローバル・アプリケーション・ストアの情報とアプリケーション資格証明ストアに格納されている情報をマージします。資格証明の移行動作の詳細は、Oracle Fusion Middlewareアプリケーション・セキュリティ・ガイドの資格証明ストアの構成に関する項を参照してください。
典型的なビジネスのシナリオでは、アプリケーションは別々の管理対象サーバーにデプロイされて、それらのアプリケーションのために複数のデータベースがリポジトリとして使用されます。開発環境で使用するリポジトリは、本番環境で使用するリポジトリとは異なります。そのため、WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションを開発環境から本番環境に移行するときは、データベース接続を再構成する必要があります。
リポジトリ接続を再構成すると、WARファイルのWEB-INF
ディレクトリにあるローカルのdatasource
ファイルおよび*-jdbc.xml
ファイルは、新しい接続詳細で更新されます。ただし、JNDI Name
およびdata source
名は変更されません。なんらかの理由でJNDI Name
を変更したら、adf-config.xml
ファイルも更新する必要があります。JNDI名は、jdbc/
connection-name
DS
の形式で指定する必要があります。たとえば、connection1
という接続名がアプリケーションで使用されている場合、JNDI名はjdbc/connection1DS
となります。