Oracle® Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのためのインストレーション・ガイド リリース7.9.6.3 B66690-01 |
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注意: 例外レポートは、Siebel CRMソースでのみサポートしています。 |
この章で説明している例外レポートにより、非一貫性がETLソース・データ(ETLプロセスで使用)で特定されます。非一貫性により誤った結果がOracle Business Analytics Warehouseで発生したり、データがETLプロセス中に喪失する場合があります。これらのレポートに既知の問題領域のいくつかが出力されますが、すべての潜在的データ非一貫性をソース・データで検出するために頼ってはいけません。
この章には次のトピックが含まれます:
例外レポートで定義されるコンポーネントは、次のとおりです。
List of Values (LOV)。特定のLOVタイプのギャップやオーバーラップを特定します。
Cost Lists。定義されていない費用リストの製品を特定したり、指定された製品と通貨の費用リストで、オーバーラップした期間が存在している製品を特定します。
Exchange Rates。長期間変更されていない通貨の為替レートです。為替レートが30日を超えて定義されていない場合、例外としてフラグが立てられます。
Hierarchies。循環的な参照をしているエンティティは、例外としてフラグが立てられます。Oracle Business Analytics Warehouseは、10レベルの階層をサポートしています。10レベルを超えて定義された階層は、例外としてフラグが立てられます。
値リストには高値と低値が含まれ、効果的な分析のためにカテゴリでバケット値として使用できます。これらの値が連続していない(定義値においてギャップや重複があるなど)と、ETLプロセスでは正確に値のカテゴリ分けができません。
値リストの例外の例を、表E-1に示します。
表E-1 値リストの例外(例)
タイプ | 名前 | 低 | 高 |
---|---|---|---|
MY_TYPE |
< 100 |
10 |
100 |
MY_TYPE |
80 ? 200 |
80 |
200 |
MY_TYPE |
250 ? 300 |
250 |
300 |
MY_TYPE |
350 ? 400 |
350 |
400 |
このMY_TYPEの例では、レコード間でオーバーラップとギャップがあることに注意してください。1行目と2行目の間の範囲でオーバーラップがあります。2行目と3行目、3行目と4行目の間でギャップがあります。
次のLOVタイプは、値リストの例外に対して分析されます。
ACCNT_REVENUE_SIZE
ACCNT_EMP_SIZE
LEAD_AGE_DAYS
OPTY_REVENUE_SIZE
OPTY_UNIT_SIZE
ACCNT_REVENUE
QUOTE_AGE_DAYS
ACCNT_REVN_GROWTH
APPROVAL_AUTH_SIZE
SR_CHART_AGE
ASSET_COST_CATEGORY
特定の製品と通貨に対する費用リストには、オーバーラップした期間が存在しないようにする必要があります。指定された期間中に複数の費用リストが1つの製品と通貨で定義された場合、Oracle Business Analytics Warehouse内で製品の費用が正しく計算されません。
費用リストの例外の例を、表E-2に示します。
表E-2 費用リストの例外(例)
費用リスト | 製品名 | 通貨 | 開始日(MM-DD-YYYY) | 終了日(MM-DD-YYYY) | 費用 |
---|---|---|---|---|---|
費用リスト1 |
製品1 |
USD |
01-01-2000 |
12-31-2000 |
10.00 |
費用リスト2 |
製品1 |
USD |
06-01-2000 |
06-01-2001 |
12.00 |
費用リスト3 |
製品1 |
USD |
06-01-2001 |
06-01-2002 |
13.00 |
この例では、Cost List 1と2の費用の定義で、2000年6月1日から2000年12月31日がオーバーラップしています。
ETLプロセスの際、製品の費用は「Cost Lists」テーブルに基づいて計算されます。費用リストが正しく定義されていないと、Oracle Business Analytics Warehouseで製品の費用が正しく計算されません。この例外マッピングによって製品テーブルがクエリーされ、最低1つの定義済の費用リストが検索されます。費用リスト定義のない製品は、例外としてフラグが立てられます。
Oracle Business Analytics Warehouseは、複数の異なる通貨によるトランザクションをサポートしています。Oracle Business Intelligenceは、分析のためにOracle Business Analytics Warehouseのすべての通貨を単一の通貨に変換します。「System Preferences」の「ETL Base Exchange Currency」パラメータは、すべての会計に関する金額をどの通貨に変換するかを示します。為替レートは、Oracle Business Analytics Warehouseの「Exchange Rate」テーブルから算出されます。通貨の為替レートが30日変更されないと、Oracle Business Intelligenceでは例外としてフラグが付けられます。
為替レート・データに期間のギャップがある場合、ETLプロセスは記録されている最新の為替レートをデフォルトとします。実際の為替レートのほうがデータベースに記録されているものより事実上かなり有利な場合、古くなった為替レートは、Oracle Business Analytics Warehouseの通貨額の実際の値をゆがめるものとなってしまいます。
注意: 為替レートは、Oracle Business Analytics Warehouseにおいてタイプが「Daily」のレコードから算出されます。それ以外のタイプが定義された場合、カスタマイズしないと処理されません。 |
アカウント、部署、製品、商談は、すべて階層関係を持つことができます。これらのエンティティは、Oracle Business Analytics Warehouseデータベース内で固定されたレベル数に非正規化されています。Oracle Business Intelligenceは、Oracle Business Analytics Warehouseでの10までの階層レベルをサポートします。階層がこの数字より深く拡張された場合、結果は一貫性のないものか不完全なものとなります。
Oracle Business Analytics Warehouseを初めてロードしてから以後リフレッシュする前に、例外レポートを使用してトランザクション・データベースのデータをクレンジングする時間をかける計画を立案する必要があります。プロセスは反復的で、トランザクション・データベースのデータを担当する他のチーム・メンバー(Siebelデータベース管理者など)と調整が必要です。初期クレンジングの後、例外レポートを定期的に生成し、データの整合性を維持する必要があります。
注意: 例外レポートを再実行すると、このビューに含まれるすべてのデータが上書きされます。 |
Oracle Business Analytics Warehouseをクレンジングするには、次のアクションを例外レポートが空になるまで繰り返します。
DACで、例外レポートの実行プランを実行します。
使用しているOracle Siebelアプリケーションで、「Analytics Administration」→「Exception Reports」の順にナビゲートします。
注意: Siebel Financial Servicesでは、この画面は「DataMart Administration」と呼ばれます。 |
「ETL Exception Reports」リストの各行で、問題の原因を修正します。問題の修正については、第E.2.1項 「データのクレンジング」を参照してください。
「Exception Reports」ビューおよび「Diagnosis」ビューの組合せを使用して、外部からOracle Business Analytics Warehouseに対して行う必要がある変更と、Oracle Business Analytics Warehouseへの直接の変更にアクセスします。
「ETL Exception Reports」リストには、Oracle Business Analytics Warehouseでフラグが付けられている各例外に対して、1つのレコードが含まれています。「ETL Exception Reports」リストの下の「ETL Exception Explanation」フォームは、選択された例外のOracle Business Analytics Warehouseの構築プロセスへの影響を説明し、データの修復に関する提案を提供します。
例外を修正するには:
「ETL Exception Explanation」フォーム内のテキストを読み、内容を理解します。
レポートのリンクをクリックします。
オブジェクトのデータが表示されます。(たとえば、オブジェクトがアカウントの場合、「Account」フォームが表示されます。オブジェクトが費用リストの場合、「Cost List」リストが表示されます。)
「ETL Exception Explanation」フォームのテキストを参考として使用して、問題を修復します。
「ETL Exception Reports」リストに戻って「Fixed」カラムにチェック・マークを付け、この例外が修正済であることを他の人に示します。
次の図で示すように、「List of Values」ビューを使用して、Oracle Business Analytics Warehouseから抽出された値リストのデータをOracle Business Analytics Warehouseにロードされる値と調整する方法を視覚的に比較します。ETLプロセスでは、重複とオーバーラップが削除され、データのギャップが埋められます。値は、値リスト(LOV)の最小値から最大値まで拡張されます。「Duplicates」、「Range Gaps」、「Overlaps」は、例外レポートによってフラグが付けられます。
上の「List of Values」リストはOracle Business Analytics Warehouseからの値を示し、下の「List of Values (Data Warehouse)」リストはETLプロセスで使用されるデータを示します。Oracle Business Analytics Warehouseのデータは直接このビューで編集できますが、Oracle Business Analytics Warehouseのリストは読取り専用です。
注意: DACソース・システム・パラメータで設定されているデフォルトのETL言語と同じ言語のOracle Business Analytics Warehouseや、変換フラグがNに設定されていたりそれらがアクティブなOracle Business Analytics Warehouseに値リストが抽出されます。DACソース・システム・パラメータを設定する方法の詳細は、次を参照してください。 |
「Exchange Rates」ビューを使用して、Oracle Business Analytics Warehouseでの通貨換算に関する問題を診断します。ETLプロセスでは、重複が削除され、データのギャップが埋められ、オーバーラップが削除されます。ETLプロセスは、生産率やリバース・レートなどの交換法則および結合法則に基づいて為替レートを計算します。
上の「Exchange Rates」リストは通貨を示し、中央の「Exchange Rates」リストはアクティブな通貨に対するOracle Business Analytics Warehouseの値を示し、下の「Exchange Rates (Data Warehouse)」リストは「ETL Base Exchange Currency」に対して上の「Exchange Rates」リストで選択された通貨でOracle Business Analytics Warehouseにロードされる値を示します。「Exchange Rates (Data Warehouse)」リストは読取り専用です。
「Active Currencies」で事前定義済のクエリーにより、このリストはOracle Business Analytics Warehouseのアクティブな通貨に制限されます。
例外レポートでは、DACソース・システム・パラメータで指定された一定の期間内(30日)に定義されなかった「ETL Base Exchange Currency」に対するいずれの為替レートにもフラグが付けられます。
「Cost List」ビューを使用して、製品の観点から作成されたOracle Business Analytics Warehouseの費用リストと、Oracle Business Analytics Warehouseにロードされる読取り専用ビューの値を表示します。ETLプロセスでは、重複とオーバーラップが削除され、データのギャップが埋められます。
「Cost List」リスト(上)は製品を示し、「Cost List Line Items」リスト(中央)は選択された製品に関連付けられた費用リストを示します。「Cost List (Data Warehouse)」リスト(下)は、Oracle Business Analytics Warehouse用に変換されたデータを示します。
例外レポートでは、「Cost List」リストに表示されない製品、または「Cost List」に時間のギャップやオーバーラップがある製品にフラグが付けられます。
Oracle Business Analytics Warehouseには、1つの製品および1つの通貨に対する「Cost List」が一度に1つだけ格納されます。
すべての例外が修正された後で、データ・ウェアハウスの構築を開始できます。このビューには、ETLプロセスの履歴とステータスのリストが表示されます。各ETLバッチが開始されると、プロセスの名前がタイムスタンプとともに設定され、ステータスがSTARTEDに設定されます。バッチが完了すると、ステータスはCOMPLETEDに更新されます。
DACソース・システム・パラメータの分析開始日と終了日は、トランザクションが発生した期間全体にまたがっている必要があります。たとえば、最初と最後の日付範囲を選択して、分析を行っている期間全体を対象とするとします。DACソース・システム・パラメータの最初と最後の日付は、日付次元の構築、為替レートのフラット化、費用リスト、およびKPU(キー・パフォーマンス・インディケータ要素)の計算に不可欠です。
DACソース・システム・パラメータ(ETL Date Format、ETL Analysis Start、ETL Analysis Endの各パラメータおよびList of Values)のETL_UNSPEC_DATEは、同一のデータ形式で定義される必要があります。1つが変更された場合、それに応じて他の値も変更する必要があります。
「List of Value」は、適切に定義されている必要があります。「List of Value」に適切なエントリがない場合、Oracle Business Analytics Warehouseの「List of Value」に依存する文字列は翻訳されません。
組織が取扱う通貨の為替レートが定義されている必要があります。適切な変換値が見つからない場合、ETLプロセスではDACソース・システム・パラメータで定義された「ETL Unknown Exchange Rate」が使用されます。