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Oracle® Business Intelligence Applications Informatica PowerCenterユーザーのためのインストレーション・ガイド
リリース7.9.6.3
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E Oracle Business Analytics Warehouseの例外レポートの使用


注意:

例外レポートは、Siebel CRMソースでのみサポートしています。

この章で説明している例外レポートにより、非一貫性がETLソース・データ(ETLプロセスで使用)で特定されます。非一貫性により誤った結果がOracle Business Analytics Warehouseで発生したり、データがETLプロセス中に喪失する場合があります。これらのレポートに既知の問題領域のいくつかが出力されますが、すべての潜在的データ非一貫性をソース・データで検出するために頼ってはいけません。

この章には次のトピックが含まれます:

E.1 Oracle Business Analytics Warehouseの例外について

例外レポートで定義されるコンポーネントは、次のとおりです。

E.1.1 値リストの例外

値リストには高値と低値が含まれ、効果的な分析のためにカテゴリでバケット値として使用できます。これらの値が連続していない(定義値においてギャップや重複があるなど)と、ETLプロセスでは正確に値のカテゴリ分けができません。

値リストの例外の例を、表E-1に示します。

表E-1 値リストの例外(例)

タイプ 名前

MY_TYPE

< 100

10

100

MY_TYPE

80 ? 200

80

200

MY_TYPE

250 ? 300

250

300

MY_TYPE

350 ? 400

350

400


このMY_TYPEの例では、レコード間でオーバーラップとギャップがあることに注意してください。1行目と2行目の間の範囲でオーバーラップがあります。2行目と3行目、3行目と4行目の間でギャップがあります。

次のLOVタイプは、値リストの例外に対して分析されます。

  • ACCNT_REVENUE_SIZE

  • ACCNT_EMP_SIZE

  • LEAD_AGE_DAYS

  • OPTY_REVENUE_SIZE

  • OPTY_UNIT_SIZE

  • ACCNT_REVENUE

  • QUOTE_AGE_DAYS

  • ACCNT_REVN_GROWTH

  • APPROVAL_AUTH_SIZE

  • SR_CHART_AGE

  • ASSET_COST_CATEGORY

E.1.2 費用リストの例外

特定の製品と通貨に対する費用リストには、オーバーラップした期間が存在しないようにする必要があります。指定された期間中に複数の費用リストが1つの製品と通貨で定義された場合、Oracle Business Analytics Warehouse内で製品の費用が正しく計算されません。

費用リストの例外の例を、表E-2に示します。

表E-2 費用リストの例外(例)

費用リスト 製品名 通貨 開始日(MM-DD-YYYY) 終了日(MM-DD-YYYY) 費用

費用リスト1

製品1

USD

01-01-2000

12-31-2000

10.00

費用リスト2

製品1

USD

06-01-2000

06-01-2001

12.00

費用リスト3

製品1

USD

06-01-2001

06-01-2002

13.00


この例では、Cost List 1と2の費用の定義で、2000年6月1日から2000年12月31日がオーバーラップしています。

E.1.3 費用リストのない製品

ETLプロセスの際、製品の費用は「Cost Lists」テーブルに基づいて計算されます。費用リストが正しく定義されていないと、Oracle Business Analytics Warehouseで製品の費用が正しく計算されません。この例外マッピングによって製品テーブルがクエリーされ、最低1つの定義済の費用リストが検索されます。費用リスト定義のない製品は、例外としてフラグが立てられます。

E.1.4 為替レートの例外

Oracle Business Analytics Warehouseは、複数の異なる通貨によるトランザクションをサポートしています。Oracle Business Intelligenceは、分析のためにOracle Business Analytics Warehouseのすべての通貨を単一の通貨に変換します。「System Preferences」の「ETL Base Exchange Currency」パラメータは、すべての会計に関する金額をどの通貨に変換するかを示します。為替レートは、Oracle Business Analytics Warehouseの「Exchange Rate」テーブルから算出されます。通貨の為替レートが30日変更されないと、Oracle Business Intelligenceでは例外としてフラグが付けられます。

為替レート・データに期間のギャップがある場合、ETLプロセスは記録されている最新の為替レートをデフォルトとします。実際の為替レートのほうがデータベースに記録されているものより事実上かなり有利な場合、古くなった為替レートは、Oracle Business Analytics Warehouseの通貨額の実際の値をゆがめるものとなってしまいます。


注意:

為替レートは、Oracle Business Analytics Warehouseにおいてタイプが「Daily」のレコードから算出されます。それ以外のタイプが定義された場合、カスタマイズしないと処理されません。

E.1.5 無効階層の例外

アカウント、部署、製品、商談は、すべて階層関係を持つことができます。これらのエンティティは、Oracle Business Analytics Warehouseデータベース内で固定されたレベル数に非正規化されています。Oracle Business Intelligenceは、Oracle Business Analytics Warehouseでの10までの階層レベルをサポートします。階層がこの数字より深く拡張された場合、結果は一貫性のないものか不完全なものとなります。

E.1.6 循環階層の例外

循環階層は、親子関係で循環参照がある場合に発生します。例については、表E-3を参照してください。

表E-3 循環階層の例1

A1

A2

A2

A1


Oracle Business Intelligenceでは、2つのレベルに例外フラグが付けられます。3つ以上の階層の循環参照には、フラグは付けられません。例については、表E-4を参照してください。

表E-4 循環階層の例2

A1

A2

A2

A3

A3

A1


これにより、無限レベルの階層が生成されます。階層の深さが10レベルを超えるため、同じレコードが無効階層の例外の下でも取得されます。

E.2 Oracle Business Analytics Warehouseの例外レポートの実行

Oracle Business Analytics Warehouseを初めてロードしてから以後リフレッシュする前に、例外レポートを使用してトランザクション・データベースのデータをクレンジングする時間をかける計画を立案する必要があります。プロセスは反復的で、トランザクション・データベースのデータを担当する他のチーム・メンバー(Siebelデータベース管理者など)と調整が必要です。初期クレンジングの後、例外レポートを定期的に生成し、データの整合性を維持する必要があります。


注意:

例外レポートを再実行すると、このビューに含まれるすべてのデータが上書きされます。

Oracle Business Analytics Warehouseをクレンジングするには、次のアクションを例外レポートが空になるまで繰り返します。

E.2.1 データのクレンジング

「Exception Reports」ビューおよび「Diagnosis」ビューの組合せを使用して、外部からOracle Business Analytics Warehouseに対して行う必要がある変更と、Oracle Business Analytics Warehouseへの直接の変更にアクセスします。

「ETL Exception Reports」リストには、Oracle Business Analytics Warehouseでフラグが付けられている各例外に対して、1つのレコードが含まれています。「ETL Exception Reports」リストの下の「ETL Exception Explanation」フォームは、選択された例外のOracle Business Analytics Warehouseの構築プロセスへの影響を説明し、データの修復に関する提案を提供します。

例外を修正するには:

  1. 例外レコードを選択します。

  2. 「ETL Exception Explanation」フォーム内のテキストを読み、内容を理解します。

  3. レポートのリンクをクリックします。

    オブジェクトのデータが表示されます。(たとえば、オブジェクトがアカウントの場合、「Account」フォームが表示されます。オブジェクトが費用リストの場合、「Cost List」リストが表示されます。)

  4. 「ETL Exception Explanation」フォームのテキストを参考として使用して、問題を修復します。

  5. 「ETL Exception Reports」リストに戻って「Fixed」カラムにチェック・マークを付け、この例外が修正済であることを他の人に示します。

E.2.2 「List of Values」ビューの使用

次の図で示すように、「List of Values」ビューを使用して、Oracle Business Analytics Warehouseから抽出された値リストのデータをOracle Business Analytics Warehouseにロードされる値と調整する方法を視覚的に比較します。ETLプロセスでは、重複とオーバーラップが削除され、データのギャップが埋められます。値は、値リスト(LOV)の最小値から最大値まで拡張されます。「Duplicates」、「Range Gaps」、「Overlaps」は、例外レポートによってフラグが付けられます。

図E-1 「List of Values」ビュー

このイメージは、値が入力された画面の例です。

上の「List of Values」リストはOracle Business Analytics Warehouseからの値を示し、下の「List of Values (Data Warehouse)」リストはETLプロセスで使用されるデータを示します。Oracle Business Analytics Warehouseのデータは直接このビューで編集できますが、Oracle Business Analytics Warehouseのリストは読取り専用です。


注意:

DACソース・システム・パラメータで設定されているデフォルトのETL言語と同じ言語のOracle Business Analytics Warehouseや、変換フラグがNに設定されていたりそれらがアクティブなOracle Business Analytics Warehouseに値リストが抽出されます。DACソース・システム・パラメータを設定する方法の詳細は、次を参照してください。

E.2.3 「Exchange Rates」ビューの使用

「Exchange Rates」ビューを使用して、Oracle Business Analytics Warehouseでの通貨換算に関する問題を診断します。ETLプロセスでは、重複が削除され、データのギャップが埋められ、オーバーラップが削除されます。ETLプロセスは、生産率やリバース・レートなどの交換法則および結合法則に基づいて為替レートを計算します。

上の「Exchange Rates」リストは通貨を示し、中央の「Exchange Rates」リストはアクティブな通貨に対するOracle Business Analytics Warehouseの値を示し、下の「Exchange Rates (Data Warehouse)」リストは「ETL Base Exchange Currency」に対して上の「Exchange Rates」リストで選択された通貨でOracle Business Analytics Warehouseにロードされる値を示します。「Exchange Rates (Data Warehouse)」リストは読取り専用です。

  • 「Active Currencies」で事前定義済のクエリーにより、このリストはOracle Business Analytics Warehouseのアクティブな通貨に制限されます。

  • 例外レポートでは、DACソース・システム・パラメータで指定された一定の期間内(30日)に定義されなかった「ETL Base Exchange Currency」に対するいずれの為替レートにもフラグが付けられます。

E.2.4 「Cost List」ビューの使用

「Cost List」ビューを使用して、製品の観点から作成されたOracle Business Analytics Warehouseの費用リストと、Oracle Business Analytics Warehouseにロードされる読取り専用ビューの値を表示します。ETLプロセスでは、重複とオーバーラップが削除され、データのギャップが埋められます。

「Cost List」リスト(上)は製品を示し、「Cost List Line Items」リスト(中央)は選択された製品に関連付けられた費用リストを示します。「Cost List (Data Warehouse)」リスト(下)は、Oracle Business Analytics Warehouse用に変換されたデータを示します。

  • 例外レポートでは、「Cost List」リストに表示されない製品、または「Cost List」に時間のギャップやオーバーラップがある製品にフラグが付けられます。

  • Oracle Business Analytics Warehouseには、1つの製品および1つの通貨に対する「Cost List」が一度に1つだけ格納されます。

E.2.5 ETLの「History」ビューの使用

すべての例外が修正された後で、データ・ウェアハウスの構築を開始できます。このビューには、ETLプロセスの履歴とステータスのリストが表示されます。各ETLバッチが開始されると、プロセスの名前がタイムスタンプとともに設定され、ステータスがSTARTEDに設定されます。バッチが完了すると、ステータスはCOMPLETEDに更新されます。

E.2.6 追加の例外

追加の例外を次に示します。

  • DACソース・システム・パラメータの分析開始日と終了日は、トランザクションが発生した期間全体にまたがっている必要があります。たとえば、最初と最後の日付範囲を選択して、分析を行っている期間全体を対象とするとします。DACソース・システム・パラメータの最初と最後の日付は、日付次元の構築、為替レートのフラット化、費用リスト、およびKPU(キー・パフォーマンス・インディケータ要素)の計算に不可欠です。

  • DACソース・システム・パラメータ(ETL Date Format、ETL Analysis Start、ETL Analysis Endの各パラメータおよびList of Values)のETL_UNSPEC_DATEは、同一のデータ形式で定義される必要があります。1つが変更された場合、それに応じて他の値も変更する必要があります。

  • 「List of Value」は、適切に定義されている必要があります。「List of Value」に適切なエントリがない場合、Oracle Business Analytics Warehouseの「List of Value」に依存する文字列は翻訳されません。

  • 組織が取扱う通貨の為替レートが定義されている必要があります。適切な変換値が見つからない場合、ETLプロセスではDACソース・システム・パラメータで定義された「ETL Unknown Exchange Rate」が使用されます。