Oracle Tuxedoシステムのインストール

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Oracle Tuxedoシステムのインストール前の作業

次の項では、Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)製品ソフトウェアのインストールに必要な予備知識について説明します。

 


WebによるOracle Tuxedoの配布

Oracle Tuxedoの評価版は、Oracle社のWebサイト(http://www.oracle.com/technology/software/index.html)からダウンロードできます。

Oracle Tuxedo製品ソフトウェアのインストーラは、Oracle社のWebサイトからプラットフォームに合わせてダウンロードできます。

 


Oracle Tuxedoソフトウェア・コンポーネント

Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)ソフトウェア配布キットには、JavaクライアントがOracle Tuxedoサービスを呼び出すためのOracle Jolt製品ソフトウェアと、Oracle Tuxedoアプリケーションを集中エンタープライズ管理コンソールから制御するためのOracle SNMPエージェント製品ソフトウェアが付属しています。

Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)配布には、次のコンポーネントが含まれています。

図1-1に、Oracle Tuxedoクライアント・コンポーネントとサーバー・コンポーネントの全体像を示します。

図1-1 Oracle Tuxedoのクライアントおよびサーバー・コンポーネント

Oracle Tuxedoのクライアントおよびサーバー・コンポーネント

リモート・クライアント、ネイティブ・クライアント、LLE、SSLなどの用語については、『Oracle Tuxedo製品概要』の「クライアントおよびサーバー・コンポーネント」を参照してください。

Tuxedo .NETワークステーション・クライアント

Tuxedo .NETワークステーション・クライアントには以下のものが必要です。

 


LLEおよびSSL暗号化レベル

LLEおよびSSLには、56ビットと128/256ビットの暗号化方式があります。

 


ハードウェアとソフトウェアの前提条件

Oracle Tuxedoソフトウェアは、Tuxedoドメインとも呼ばれるOracle Tuxedoアプリケーションに参加する各サーバー・マシンにインストールする必要があります。TuxedoアプリケーションはTuxedoシステムを基盤としたビジネス・ソフトウェア・プログラムであり、UBBCONFIGという1つの構成ファイルによって定義および制御されます。Tuxedo構成ファイルについては、『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』の「UBBCONFIG(5)」を参照してください。

Tuxedoアプリケーションは、ネットワークで接続された多くのTuxedoシステム・プロセス、1つ以上のアプリケーション・クライアント・プロセス、1つ以上のアプリケーション・サーバー・プロセス、および1台以上のコンピュータ・マシンで構成されます。Oracle Tuxedoソフトウェアの異なるリリースを実行しているマルチ・マシンTuxedoアプリケーションでは、MASTERマシン (UBBCONFIGファイルのRESOURCESセクションにあるMASTERパラメータによって指定される)がアプリケーションでOracle Tuxedoソフトウェアの最新のリリースを実行する必要があります。Tuxedoアプリケーションの詳細は、『Oracle Tuxedo製品概要』の「ドメイン」を参照してください。

注意: Oracle Tuxedoシステムの実行可能ファイルは、リモート・ファイル・システム間で共有しないことをお薦めします。共有すると信頼性が損なわれます。

システムの要件

表1-1は、Oracle Tuxedo 11g リリース1 (11.1.1.3.0)のシステム要件を示しています。

表1-1 Oracle Tuxedo 11g リリース1 (11.1.1.1.0)のシステム要件
コンポーネント
要件
プラットフォーム*
ハード・ディスク・ドライブ
「Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)プラットフォーム・データ・シート」のターゲット・プラットフォームのデータ・シートのとおりです。ディスク領域の要件の詳細は、「ファイルおよびデータベースの管理とディスク領域の割当て」を参照してください。
メモリー
「Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)プラットフォーム・データ・シート」のターゲット・プラットフォームのデータ・シートのとおりです。
* Microsoft Windows XPシステムは、Oracle Tuxedoクライアント・コンポーネントのみをサポートしています。

Oracle Joltのインストール前の作業については、「Oracle Jolt 11gリリース1 (11.1.1.3.0)の概要とインストール情報」を参照してください。Oracle SNMPエージェントに関する準備作業は不要です。

注意: Oracle TuxedoソフトウェアをUNIXシステムにインストールする前に、「ファイルおよびデータベースの管理とディスク領域の割当て」に従ってハード・ディスク・デバイスのパーティションを作成し直すことをお薦めします。

一時ストレージ領域の要件

Oracleインストール・プログラムは、Oracle Tuxedoをターゲット・システムにインストールするために必要なファイルをアーカイブから抽出する一時ディレクトリを使用します。インストール時には、インストーラに同梱の圧縮されたJava Runtime Environment (JRE)と圧縮解除されたJREを格納するための十分な領域を持つ一時ディレクトリが必要になります。インストールの最後に、インストール・プログラムはJREを一時ディレクトリからOracleホーム・ディレクトリに移動します。Oracleホーム・ディレクトリについては、「Oracleホーム・ディレクトリ」を参照してください。

必要な一時ストレージ領域の容量は、ターゲット・プラットフォームによって異なります。詳細は、「Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)プラットフォーム・データ・シート」のデータ・シートを参照してください。

デフォルトでは、インストール・プログラムは表1-2の一時ディレクトリを使用します。

表1-2 一時ディレクトリ
プラットフォーム
ディレクトリ
Windows
TMPシステム変数が参照するディレクトリ
UNIX
/tmp

適切な一時領域を確保するには、代替ディレクトリをインストール用の一時ディレクトリとして割り当ててください。その場合、表1-3の適切な手順を実行してからOracleインストール・プログラムを起動します。

表1-3 実行手順
プラットフォームの種類
実行手順
Windows
TMPシステム変数を選択したディレクトリに設定します。
UNIX
シェル・プロンプトで次のコマンドを入力します。
export IATEMPDIR=tmpdirname
tmpdirnameには選択した一時ディレクトリの名前を入力します。

 


プロセス間通信リソースの構成

プロセス間通信(IPC)とはWindowsおよびUNIXオペレーティング・システムがサポートしている機能の1つで、プロセスどうしの通信を可能にします。プロセスは同じコンピュータで実行されていても、ネットワーク上の別のコンピュータで実行されていてもかまいません。

Windows 2003 Serverシステムでは、Oracle Tuxedoシステムはプロセス間通信を容易にするOracle ProcMGR (プロセス・マネージャ)と呼ばれるIPCサービスを提供します。Oracle ProcMGRサービスを使用すると、IPCパラメータを調整して、Oracle Tuxedoアプリケーションのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

UNIXシステムでは、UNIXシステムに固有の方法でIPCパラメータを調整して、Oracle Tuxedoアプリケーションのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。ほとんどのUNIXシステムのデフォルト値はOracle Tuxedoアプリケーションには低すぎるため、「Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)プラットフォーム・データ・シート」で説明されている方法に従ってIPCパラメータを調整する必要があります。IPCの推奨値については、「UNIXシステムでのIPCリソースの構成」を参照してください。

Oracle Tuxedoソフトウェアをインストールし、構成ファイル(UBBCONFIGファイル)を作成したら、tmloadcf(1)コマンドを使用して、アプリケーションの実行に必要最低限のIPCリソースを計算してリストに出力します。Oracle Tuxedoアプリケーションを分散化する場合は、そのアプリケーションに参加するすべてのマシンに必要最低限なIPC資源を割り当てておく必要があります。tmloadcf(1)コマンドを使用してIPCリソースを計算する方法については、「インストール後のタスクの実行」を参照してください。

注意: Oracle TuxedoソフトウェアをUNIXシステムにインストールする前に、「UNIXシステムでのIPCリソースの構成」に従って、ターゲット・マシンのIPCパラメータを調整しておくことをお薦めします。

 


Oracleインストール・プログラム

Oracle Tuxedoソフトウェアは、インストーラ・ファイルとして配布されます。このファイルにはOracleインストール・プログラムのコピーも含まれています。Oracleインストール・プログラムは、Oracle Tuxedo製品をWindowsまたはUNIXシステムにインストールするためのOracleの標準ツールです。

注意: Windowsプラットフォームでは、Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)のインストール後にシステムに再ログインする必要があります。

Tuxedoの旧バージョン

WindowsシステムでGUIモードおよびサイレント・インストール中に旧バージョンのTuxedoソフトウェアが検出された場合、Tuxedoインストーラは、以下の旧バージョンのTuxedoのProcMGRとリスナー・サービスを自動的に停止します。

注意: GUIインストール中、次の確認メッセージが表示されます。
「Stopping Previous Version Tuxedo Services」
注意: 3050以外のポートに構成されているリスナー・サービスは手動で削除する必要があります。

このTuxedo配布キットを使用する場合、これらのサービスを停止しなければ、同じマシンで複数のTuxedoバージョンを実行できません。ProcMGRサーバーの停止に必要な時間はわずかですが、リスナー・サービスの停止に必要な時間は数分にわたる場合があります。

インストール方法

Oracleインストール・プログラムは、3通りのインストール方法をサポートしています。上記のいずれの方法を使用してもOracle Tuxedo製品ソフトウェアをインストールできます。

インストールの取消し

GUIモードで「取消」ボタンまたはウィンドウの「閉じる」ボタンを押す、あるいはコンソール・モードでquitを入力すると、Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)のインストールが不完全になります。Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)の再インストールが必要です。

Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)を前のTuxedo製品ディレクトリにインストールしていて、元の構成に戻す場合には、前のTuxedoバージョンを再インストールする必要があります。

インストール・セット

インストール・セットとは、機能で関連付けられた、製品のソフトウェア・コンポーネントのセットのことです。Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)では、以下の7つのインストール・セットが用意されています。

Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)のインストール時にインストール・セットを選択するだけでなく、選択したインストール・セットから1つ以上のソフトウェア・コンポーネントを選択(追加)または選択解除(削除)することでインストールをさらにカスタマイズすることもできます。カスタマイズはGUIモードおよびコンソール・モードのインストールでのみ可能です。詳細は、「Oracle TuxedoのGUIモード・インストール」および「UNIXシステム上でのOracle Tuxedoのコンソール・モード・インストール」を参照してください。サイレント・インストールでは行うことができません。

 


Oracleホーム・ディレクトリ

Oracle Tuxedoをインストールする場合、Oracleホーム・ディレクトリを指定する必要があります。Oracleホーム・ディレクトリは、同じマシン上にインストールされた複数のOracle製品が使用する共通ファイルのリポジトリです。このため、Oracleホーム・ディレクトリを、システムにインストールされているOracle製品の「中央サポート・ディレクトリ」と見なすことができます。

Oracleソフトウェアがシステム上で正しく動作するには、Oracleホーム・ディレクトリ内のファイルが不可欠です。これらのファイルは以下の機能を果たします。

次の図に、Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)のインストーラ・プログラムで作成されるOracleホーム・ディレクトリの構造を示します。

Oracle Tuxedoのクライアントおよびサーバー・コンポーネント

Oracleホーム・ディレクトリの選択

Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)のインストール時に、既存のOracleホーム・ディレクトリを選択するか、新しいOracleホーム・ディレクトリのパスを指定するようにメッセージが表示されます。新しいディレクトリを作成する場合、Oracle Tuxedoインストーラ・プログラムによってディレクトリが自動的に作成されます。

Oracleホーム・ディレクトリを選択する際には、インストールするOracle Tuxedo用のOracle製品ディレクトリを選択するようにメッセージが表示されます。Oracle製品ディレクトリをOracleホーム・ディレクトリの下に作成することもできますが、それ以外の場所に作成してもかまいません。

Oracleホーム・ディレクトリの機能について

Oracle Tuxedoインストーラによって作成されるOracleホーム・ディレクトリのファイルとディレクトリを表1-4に示します。

表1-4 説明
コンポーネント
説明
registry.xmlファイル
ターゲット・システムの、このOracleホーム・ディレクトリにインストールされているすべてのOracle製品の永続的なレコードを格納するXMLレジストリ・ファイル。このレジストリには、バージョン・レベル、サービス・パック・レベル、製品インストール・ディレクトリなどの製品関連の情報が格納されます。
logsディレクトリ
Oracleホーム・ロケーション・ファイルとOracleホーム・ディレクトリのインストールおよびアンインストールの履歴を記録したファイルを格納するディレクトリ。これらのファイルの詳細は、「Windowsシステム上のOracle Tuxedoのショートカットについて」を参照してください。

複数のOracleホーム・ディレクトリの作成

複数のOracleホーム・ディレクトリを作成することは可能ですが、作成しないことをお薦めします。ほとんどの場合、Oracleホーム・ディレクトリは1つで十分です。ただし、開発環境と本番環境を分けてそれぞれに製品スタックを持たせる場合には複数のディレクトリを作成すると便利です。2つのディレクトリがあれば、一方のOracleホーム・ディレクトリで開発環境を更新しても、準備が整うまで本番環境を変更しなくて済みます。

 


インストール作業のロード・マップ

以上で、インストールを開始する準備は完了です。Oracle Tuxedo 11gリリース1 (11.1.1.3.0)をインストールするには、以下の節を参照してください。

Oracle WebLogic EnterpriseまたはOracle Tuxedo 9.1以前のソフトウェアからアップグレードする場合は、「Oracle Tuxedoシステムの11gリリース1 (11.1.1.3.0)へのアップグレード」を参照してください。

Oracle Tuxedoソフトウェアをアンインストールする場合は、「インストール後のタスクの実行」を参照してください。


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