6.5 サーバー・プールのポリシー

6.5.1 分散リソース・スケジューラ(DRS)
6.5.2 分散電源管理(DPM)
6.5.3 DRS/DPMネットワーク・ポリシー

この項では、サーバー・プール、サーバー・プール内のOracle VM Serverと仮想マシンおよびサーバー・プールで使用するネットワークを管理するために設定可能なポリシーについて説明します。

6.5.1 分散リソース・スケジューラ(DRS)

分散リソース・スケジューラ(DRS)によって、サーバー・プールの仮想マシンのリソース使用率が最適化されます。指定した期間、指定したCPUしきい値をいずれかのOracle VM Serverが超えた場合は、DRSによって、実行中の仮想マシンがサーバー・プール内の別のOracle VM Serverに自動的に移動されます。DRSでは、すべてのOracle VM Serverおよびすべての仮想マシンのパフォーマンス・データが継続的にサンプリングされます。

仮想マシンの移動はポリシー駆動型です。しきい値に達すると、実行中の仮想マシンは、Oracle VM Managerによって1つのOracle VM Serverから別のOracle VM Serverにライブ・マイグレーションされ、停止時間は発生しません。Oracle VM Managerでは、サーバー・プールごとにDRSしきい値を指定して、ポリシーに含めるOracle VM Serverを選択できます。

サーバー・プールでのDRSの有効化および構成の詳細は、6.8.5項「サーバー・プールのポリシーの編集」を参照してください。

6.5.2 分散電源管理(DPM)

分散電源管理(DPM)は、リソース使用率が比較的低い期間がある場合に、より少ない数のOracle VM Serverで統合の比率を増加させるために使用されます。DPMによって、使用率の低いOracle VM Serverから仮想マシンが動的に移行されます。仮想マシンが実行されていないOracle VM Serverがある場合は、再度必要になるまでそのOracle VM Serverを停止して電力を節約できます。

DPMの目的は、必要最小限の数のOracle VM Serverのみが実行されるようにすることです。定期的なチェックでOracle VM ServerのCPU使用率がユーザーが設定したレベルを下回っていることが判明した場合、仮想マシンは同じサーバー・プール内の他のOracle VM Serverにライブ・マイグレーションされます。

すべての仮想マシンが移行されると、Oracle VM Serverは停止されます。

Oracle VM ServerがDPMポリシーのCPUしきい値を超える場合は、Oracle VM Managerによって、ビジー状態のOracle VM Serverからの仮想マシンの移行先となる他のOracle VM Serverが検索されます。電源が入ったOracle VM Serverが使用可能でない場合は、Oracle VM Managerによって、起動する停止中のOracle VM Serverが検索されて起動されます。そのOracle VM Serverが実行されていると、Oracle VM Managerによって、ビジー状態のOracle VM Serverから、新しく起動されたOracle VM Serverに仮想マシンがオフロードされます。

Oracle VM Managerでは、サーバー・プールごとにDPMしきい値を指定して、ポリシーに含めるOracle VM Serverを選択できます。

サーバー・プールでのDPMの有効化および構成の詳細は、6.8.5項「サーバー・プールのポリシーの編集」を参照してください。

6.5.3 DRS/DPMネットワーク・ポリシー

DRSポリシーおよびDPMポリシーは、サーバー・プールのOracle VM Serverが使用するネットワークにも設定できます。Oracle VM Serverが使用するネットワークがそのしきい値を超えると、使用されるリソースのバランスをとるために(DRS)、または使用される電力を削減するために(DPM)、仮想マシンが他のOracle VM Serverに移行されます。Oracle VM Server上の各ネットワークにしきい値を設定できます。しきい値は、受信データまたは送信データに適用されます。しきい値が50%に設定されている場合、Oracle VM Serverのそのネットワーク上の受信または送信トラフィックがネットワークの理論上の容量の50%を超えると、Oracle VM Serverはしきい値を超えたとみなされます。Oracle VM Server上のネットワークの理論上の容量は、Oracle VM Serverの物理イーサネット・アダプタのポート速度に等しくなります。ネットワークがフェイルオーバー構成でボンディングされている場合、ポートの容量はいずれかのイーサネット・アダプタのポート速度に等しくなります。ネットワークがリンクの集約を使用してOracle VM Serverでボンディングされている場合、ネットワークの容量はボンディングされたイーサネット・アダプタの速度の合計に等しくなります。

サーバー・プールのポリシーを設定する際、DRSおよびDPMのネットワーク・ポリシーを設定します。サーバー・プールでのネットワークDRSおよびDPMのポリシーの有効化および構成の詳細は、6.8.5項「サーバー・プールのポリシーの編集」を参照してください。