Live Upgrade の要件

Live Upgrade のインストールおよび使用を開始する前に、次の要件をよく理解してください。

Live Upgrade のシステム要件

Live Upgrade は Oracle Solaris ソフトウェアに含まれています。現在の OS に Live Upgrade パッケージをインストールする必要があります。Live Upgrade パッケージのリリースは、アップグレード後の OS のリリース番号と一致する必要があります。たとえば、現在使用している OS が Solaris 9 リリースで、Oracle Solaris 10 8/11 リリースにアップグレードする場合、Oracle Solaris 10 8/11 リリースの Live Upgrade パッケージをインストールする必要があります。

次の表に、Live Upgrade でサポートされるリリースを示します。

表 3-1 サポートされる Oracle Solaris リリース

Live Upgrade のインストール

次のいずれかの方法を使用して Live Upgrade パッケージをインストールできます。

• pkgadd コマンド。Live Upgrade パッケージは SUNWlucfg、SUNWlur、および SUNWluu です。この順序でインストールする必要があります。

• Oracle Solaris Operating System DVD、Oracle Solaris Software - 2 CD、またはネットワークインストールイメージ上にあるインストーラ。

Live Upgrade が正しく動作するためにインストールすることが必要になる場合があるパッチについて、次の情報に注意してください。

Live Upgrade が正しく動作するためには、特定の OS バージョン用の特定のパッチリビジョンのセットがインストールされている必要があります。Live Upgrade をインストールまたは実行する前に、これらのパッチをインストールする必要があります。

ERROR: Cannot find or is not executable: 
</sbin/biosdev>.
ERROR: One or more patches required 
by Live Upgrade has not been installed.

http://support.oracle.com (My Oracle Support) を調べて最新の更新済みパッチリストであることを確認してください。My Oracle Support で、ナレッジドキュメント 1004881.1 - Live Upgrade Software Patch Requirements (以前の 206844) を検索してください。

My Oracle Support のナレッジドキュメント 1004881.1 – Live Upgrade Software Patch Requirements (以前の 206844) に記載されているパッチは、いつでも変更されることがあります。これらのパッチにより、Live Upgrade の欠陥が修正される可能性があると同時に、Live Upgrade が依存するコンポーネントの欠陥も修正される可能性があります。Live Upgrade で問題が発生した場合は、最新の Live Upgrade パッチがインストールされていることを確認してください。

Solaris 8 または Solaris 9 OS を実行している場合は、Live Upgrade インストーラを実行できないことがあります。これらのリリースには、Java 2 Runtime Environment の実行に必要なパッチのセットが含まれていません。Live Upgrade インストーラを実行してパッケージをインストールするには、Java 2 Runtime Environment の推奨パッチクラスタが必要です。Live Upgrade パッケージをインストールするには、pkgadd コマンドを使用します。または、Java 2 Runtime Environment 推奨パッチクラスタをインストールします。パッチクラスタは、http://support.oracle.com (My Oracle Support) にあります。

Live Upgrade ソフトウェアのインストール手順については、「Live Upgrade のインストール」を参照してください。

必要なパッケージ

Live Upgrade に問題がある場合は、パッケージが不足している可能性があります。表 3-2 に、各 OS リリースが Live Upgrade を使用するために必要とするパッケージの一覧を示しています。

Oracle Solaris 10 リリースの場合:

• 次のソフトウェアグループには、必要なすべての Live Upgrade パッケージが含まれています。

  • 全体ディストリビューションと OEM サポート

  • 全体ディストリビューション

  • 開発者システムサポート

  • エンドユーザーシステムサポート

• 次のソフトウェアグループには、Live Upgrade を使用するために必要なすべてのパッケージが含まれていないことがあります。

  • コアシステムサポート

  • 限定ネットワークシステムサポート

ソフトウェアグループについては、『Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: インストールとアップグレードの計画』の「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。

表 3-2 Live Upgrade に必要なパッケージ

¹SUNWj2rt パッケージは次の状況でのみ必要になります。

• Live Upgrade インストーラを実行して Live Upgrade パッケージを追加する場合

• アップグレードの際に CD メディアを使用する場合

²SUNWj5rt パッケージは次の状況でのみ必要になります。

• Live Upgrade インストーラを実行して Live Upgrade パッケージを追加する場合

• アップグレードの際に CD メディアを使用する場合

システム上のパッケージを確認するには、次のコマンドを入力します。

% pkginfo package-name

Live Upgrade のディスク容量の要件

アップグレードのためのディスク容量の要件については、『Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: インストールとアップグレードの計画』の第 3 章「システム要件、ガイドライン、およびアップグレード情報」を参照してください。

ブート環境の作成に必要なファイルシステムのサイズを見積もるには、新しいブート環境の作成を開始し、サイズが計算されていることを確認します。ここでプロセスを終了できます。

新しいブート環境上のディスクをブートデバイスとして使用する必要があります。システムの中には、ブートデバイスとして機能するディスクを限定するものがあります。ブート制限が適用されるかどうかを判断するには、システムのドキュメントを参照してください。

新しいブート環境を作成する前に、ディスクの準備が必要になることもあります。ディスクが正しくフォーマットされていることを次のように確認します。

• スライスがファイルシステムをコピーできるだけの十分な大きさであることを確認します。

• ブート環境間でコピーするのではなく、共有するディレクトリが入っているファイルシステムを確認します。ディレクトリを共有する場合、そのディレクトリを固有のスライスに配置して新しいブート環境を作成する必要があります。こうすることにより、ディレクトリは、将来のブート環境と共有可能なファイルシステムになります。独立したファイルシステムを作成して共有する方法についての詳細は、「共有可能なファイルシステムのスライスを選択するための指針」を参照してください。

RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成する場合の Live Upgrade の要件

Live Upgrade は Solaris Volume Manager テクノロジを使用して、RAID-1 ボリューム (ミラー) であるファイルシステムを持つブート環境のコピーを作成します。Live Upgrade では、Solaris Volume Manager のすべての機能が実装されるわけではありませんが、Solaris Volume Manager の次のコンポーネントが必要になります。

表 3-3 Live Upgrade と RAID-1 ボリュームに必要なコンポーネント