シナリオ — 状態データベースの複製

状態データベースの複製は、Solaris Volume Manager 構成全体に関する冗長データを提供します。次の例は、第 5 章Solaris Volume Manager の構成と使用 (シナリオ)に示すシナリオのサンプルシステムに基づいています。この例では、適切な冗長性を得るために、状態データベースの複製を分散する方法を示しています。

サンプルシステムには 1 つの内蔵 IDE コントローラとドライブ、さらに 2 台の SCSI コントローラがあります。SCSI コントローラにはそれぞれ 6 つのディスクが接続されています。3 つのコントローラによって、単一点障害を防止するように、システムを構成できます。2 つのコントローラしかないシステムでは、Solaris Volume Manager に関する単一点障害を防止することはできません。複製を 3 つのすべてのコントローラと各コントローラの少なくとも 1 つ (可能であれば 2 つ) のディスクに均一に分散することによって、システムはどのようなハードウェアの単一点障害にも耐えることができます。

最小限の構成では、1 つの状態データベースの複製をルートディスクのスライス 7 に置き、追加の複製を他の 2 つの各コントローラの 1 つのディスクのスライス 7 に置くことができます。きわめて可能性の低いメディアの障害に対して保護するために、ルートディスクにもう 1 つの複製を追加すると、各コントローラの 2 つのディスク上の 2 つの複製 (合計で 6 つの複製) によって十分な安全性が確保されます。

さらに完全性を得るには、2 つのミラーのそれぞれの側の 6 つのディスクに均等に分散された 12 個の複製を追加します。この構成の結果、複製はルートディスクに 2 つ、各 SCSI コントローラ上のディスクに分散された 8 つずつで合計 18 になります。