ストレージ容量の拡張

ファイルシステムにストレージ容量を追加するには、連結ボリュームを作成します。既存のストライプにストレージ容量を追加するには、連結ストライプボリュームを作成します。

既存のデータのストレージ容量を拡張する方法

注意 - 32 ビットカーネルで Solaris ソフトウェアを実行することを予定している場合は、1T バイトを超えるボリュームを作成しないでください。さらに、Solaris 9 4/03 リリースより前のバージョンの Solaris OS の使用を予定している場合は、1T バイトを超えるボリュームを作成しないでください。Solaris Volume Manager でのマルチテラバイトボリュームのサポートの詳細は、「Solaris Volume Manager でのマルチテラバイトのサポートの概要」を参照してください。

始める前に

「Solaris Volume Manager コンポーネントを作成するための前提条件」および「RAID-0 ボリュームを作成するための背景情報」を確認してください。

ファイルシステムをマウント解除します。
```
# umount /filesystem
```
連結を作成するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ボリューム」ノードを開きます。「アクション」、「ボリュームを作成」の順に選択したあと、ウィザードの指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
- 次の形式の metainit コマンドを使用します。
```
# metainit volume-name number-of-stripes
 components-per-stripe
component-names
```
  volume-name
  
  作成するボリュームの名前を指定します。
  
  number-of-stripes
  
  作成するストライプの数を指定します。
  
  components-per-stripe
  
  各ストライプに含めるコンポーネントの数を指定します。
  
  component-names
  
  使用されるコンポーネントの名前を指定します。複数のコンポーネントが使用される場合は、各コンポーネントをスペースで区切ります。
  
  詳細は、metainit(1m) のマニュアルページを参照してください。
/etc/vfstab ファイルを編集して、ファイルシステムが連結の名前を参照するようにします。
ファイルシステムを再マウントします。
```
# mount /filesystem
```

例 9-5 連結を作成することによるファイルシステムの拡張

# umount /docs
# metainit d25 2 1 c0t1d0s2 1 c0t2d0s2
d25: Concat/Stripe is setup
(Edit the /etc/vfstab file so that the file system references the volume d25 instead of slice c0t1d0s2)
# mount /docs

この例は、2 つのスライス /dev/dsk/c0t1d0s2 (/docs 上にマウントされたファイルシステムを含む) と /dev/dsk/c0t2d0s2 からの連結 d25 の作成を示しています。最初にファイルシステムをアンマウントする必要があります。metainit コマンドの最初のスライスは、ファイルシステムを含むスライスである必要があることに注意してください。そうでない場合は、データが破損します。

次に、/etc/vfstab ファイル内のファイルシステムのエントリが、その連結を参照するように変更 (はじめての場合は入力) されます。たとえば、最初、/etc/vfstab ファイルに次の行があったとします。

/dev/dsk/c0t1d0s2 /dev/rdsk/c0t1d0s2 /docs ufs 2 yes -

この行は、次のように変更されるはずです。

/dev/md/dsk/d25 /dev/md/rdsk/d25 /docs ufs 2 yes -

最後に、ファイルシステムが再マウントされます。

参照

UFS ファイルシステムの場合は、連結に対して growfs コマンドを実行します。「ファイルシステムを拡張する方法」を参照してください。

データベースなどの一部のアプリケーションは、ファイルシステムを使用しません。データベースなどのアプリケーションは raw 連結を使用するため、この連結を認識するか、または追加された容量を拡張するための独自の方法を備えている必要があります。

既存の RAID-0 ボリュームを拡張する方法

連結ストライプを使用すると、既存のストライプを拡張できます。たとえば、ストライプのストレージ容量が不足している場合は、そのストライプを連結ストライプに変換できます。これにより、データのバックアップや復元を行わなくてもストレージ容量を拡張できるようになります。

この手順では、既存のストライプにストライプを追加していることを前提にしています。

注意 - 32 ビットカーネルで Solaris ソフトウェアを実行することを予定している場合は、1T バイトを超えるボリュームを作成しないでください。さらに、Solaris 9 4/03 リリースより前のバージョンの Solaris OS の使用を予定している場合は、1T バイトを超えるボリュームを作成しないでください。Solaris Volume Manager でのマルチテラバイトのサポートの詳細は、「Solaris Volume Manager でのマルチテラバイトのサポートの概要」を参照してください。

始める前に

「Solaris Volume Manager コンポーネントを作成するための前提条件」および「RAID-0 ボリュームを作成するための背景情報」を確認してください。

連結ストライプを作成するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ボリューム」ノードを開きます。「アクション」、「ボリュームを作成」の順に選択したあと、ウィザードの指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
- コマンド行から既存のストライプを連結するには、次の形式の metattach コマンドを使用します。
```
# metattach volume-name component-names
```
  volume-name
  
  拡張するボリュームの名前を指定します。
  
  component-names
  
  使用されるコンポーネントの名前を指定します。複数のコンポーネントが使用される場合は、各コンポーネントをスペースで区切ります。
  
  詳細は、metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 9-6 1 つのスライスを接続することによる連結ストライプの作成

# metattach d2 c1t2d0s2
d2: components are attached

この例は、既存のストライプ d2 にスライスを接続する方法を示しています。システムは、スライスが接続されていることを確認します。

例 9-7 複数のスライスを追加することによる連結ストライプの作成

# metattach d25 c1t2d0s2 c1t2d1s2 c1t2d3s2
d25: components are attached

この例では、既存の 3 方向のストライプ d25 を取得し、それに別の 3 方向のストライプを連結します。接続されるスライスのインタレース値が指定されていないため、このストライプは、d25 に対して構成されているインタレース値を継承します。システムは、ボリュームが設定されていることを確認します。

参照

UFS ファイルシステムの場合は、ボリュームに対して growfs コマンドを実行します。「ファイルシステムを拡張する方法」を参照してください。

データベースなどの一部のアプリケーションは、ファイルシステムを使用しません。データベースなどのアプリケーションは raw ボリュームを使用するため、このボリュームを認識するか、または追加された容量を拡張するための独自の方法を備えている必要があります。

新しく作成された連結ストライプをファイルシステム用に準備するには、『Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム』の第 15 章「ファイルシステムの作成およびマウント (タスク)」を参照してください。

ナビゲーションリンクをスキップ
印刷ビューの終了
	Solaris Volume Manager 管理ガイド Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語)