Java バインディングの概要

Java 言語は、セキュリティー保護されたマルチレベル領域で実行する、ラベルに対応したアプリケーションを作成するための未利用リソースです。これらの試験的な Java バインディングによって、システム監査ログ生成やシステムリソース制御といった多くのアプリケーションを開発するための基盤が提供されます。

Java 環境にプラットフォームサービスを追加することによって、Java アプリケーションがマルチレベルの機密データを処理できるようになります。

Trusted Extensions は、ラベルデーモン labeld を介してラベルサービスを提供します。このデーモンは、大域ゾーンおよびラベル付きゾーンで実行するプロセスから利用できます。

この章で説明する Java バインディングは、一部の Trusted Extensions ラベル API の Java Native Interface (JNI) 実装です。試験的な JNI コードは Trusted Extensions ラベルライブラリ関数を呼び出し、一部のラベル機能を Java 言語に拡張します。これらの Java クラスのコンストラクタおよびメソッドは、C で記述されたプライベート JNI インタフェースを呼び出し、これが今度は Trusted Extensions API を呼び出します。たとえば、SolarisLabel.dominates メソッドは、bldominates() ルーチンを呼び出す C で記述されたプライベート JNI インタフェースを呼び出します。これらの試験的な Java バインディングは、Java 2 Platform, Standard Edition 5.0 を使用して開発されました。JNI の詳細については、Java Native Interface のドキュメントを参照してください。