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アプリケーションパッケージ開発者ガイド Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語) |
例--pkgproto コマンドを使用した prototype ファイルの作成
pkgproto コマンドで作成した prototype ファイルの微調整
ファイルタイプ v、e、x、および i を指定したオブジェクトのエントリの作成
例--pkgproto コマンドを使用して作成した prototype ファイルの微調整
mode フィールド、owner フィールド、および group フィールドのデフォルト値の設定
pkginfo ファイルは、パッケージの特性を説明するASCII ファイルです。インストールの流れを制御するのに役立つ情報を提供します。
pkginfo ファイルの各エントリは、PARAM=value の形式を使用してパラメータの値を設定するための行です。PARAM には、pkginfo(4) のマニュアルページで説明されている標準のパラメータのいずれかを指定できます。パラメータの指定には、必要な順序はありません。
注 - それぞれの value は、単一引用符または二重引用符で囲むことができます (例: 'value' または "value")。シェル環境に固有であるとみなされる文字が value に含まれる場合、引用符を使用するようにしてください。本書の例およびケーススタディーでは、引用符を使用しません。二重引用符を使用する例については、pkginfo(4) のマニュアルページを参照してください。
また、独自のパッケージパラメータを作成するには、pkginfo ファイル内でパッケージパラメータに値を割り当てます。パラメータは、大文字で始めて、その後ろに大文字または小文字を続けます。大文字の場合、パラメータ (変数) は、構築時ではなく、インストール時に評価されます。逆に、小文字の場合は構築時に評価されます。インストール変数と構築変数の違いについては、「パッケージ環境変数」を参照してください。
注 - パラメータ値のあとにある空白は無視されます。
pkginfo ファイルには、 PKG、NAME、ARCH、VERSION、および CATEGORY という 5 つのパラメータを定義します。PATH、PKGINST、および INSTDATE の各パラメータは、パッケージの構築時にソフトウェアによって自動的に挿入されます。これら 8 つのパラメータは変更しないでください。残りのパラメータについては、pkginfo(4) のマニュアルページを参照してください。
同一のパッケージに、異なるバージョンを含めたり、異なるアーキテクチャーとの互換性を持たせたり、あるいはその両方を組み合わせることができます。パッケージの各バリエーションは、パッケージインスタンスと呼ばれています。パッケージインスタンスは、pkginfo ファイル内で PKG、ARCH、および VERSION の各パラメータ定義を組み合わせて決定します。
pkgadd コマンドは、インストール時にパッケージ識別子を各パッケージインスタンスに割り当てます。パッケージ識別子は、たとえば SUNWadm.2 のように、数値の接尾辞を含むパッケージの省略名です。この識別子は、同じパッケージのインスタンスを含め、その他のパッケージとパッケージインスタンスを区別します。
パッケージの省略名は、パッケージの名前を短くしたものであり、pkginfo ファイル内で PKG パラメータによって定義されています。パッケージの省略名には、次の特性を持たせてください。
省略名は 32 文字の長さを超えることはできません。
省略名には、 予約された省略名である install、new、および all は使用できません。
注 - 最初の 4 文字は、会社に特有のものでなければなりません。たとえば、Sun Microsystems によって構築されたパッケージはすべて、パッケージの省略名の最初の 4 文字に「SUNW」の文字を含みます。
pkginfo ファイル内のパッケージ省略名エントリの一例は PKG=SUNWcadap です。
pkginfo ファイル内の ARCH パラメータは、パッケージに関連付けるアーキテクチャーを特定します。アーキテクチャー名の最大長は、英数字で 16 文字です。パッケージが複数のアーキテクチャーに関連付けられている場合、アーキテクチャーをコンマ区切りのリストで指定します。
pkginfo ファイル内でパッケージアーキテクチャーを指定する例を次に示します。
ARCH=sparc
pkginfo ファイル内の SUNW_ISA パラメータは、Sun Microsystems パッケージに関連付けられている命令セットアーキテクチャーを特定します。パラメータの値は次のとおりです。
64 ビットオブジェクトを含むパッケージの場合: sparcv9
32 ビットオブジェクトを含むパッケージの場合: sparc
たとえば、64 ビットオブジェクトを含むパッケージの場合、pkginfo ファイル内の SUNW_ISA 値は次のようになります。
SUNW_ISA=sparcv9
SUNW_ISA が設定されていない場合、パッケージの命令セットアーキテクチャーはデフォルトで ARCH パラメータの値に設定されます。
pkginfo ファイル内の VERSION パラメータは、パッケージのバージョンを特定します。バージョンの最大長は、ASCII 文字で 256 文字です。また、バージョンは、左括弧で始めることはできません。
pkginfo ファイル内でバージョンを指定する例を次に示します。
VERSION=release 1.0
パッケージ名は、パッケージの完全な名前であり、pkginfo ファイル内の NAME パラメータによって定義されます。
システム管理者は多くの場合、パッケージのインストールが必要であるかどうかを決定するためにパッケージ名を使用するので、明瞭かつ簡潔で完全なパッケージ名を記述することが重要です。パッケージ名は、次の条件を満たすようにしてください。
パッケージが必要なタイミングを記述します。たとえば、特定のコマンドまたは機能を提供する場合や、特定のハードウェアに対してパッケージが必要かどうかを記述します。
デバイスドライバの開発など、パッケージを使用する目的を記述します。
パッケージの省略名のニーモニックについての説明を記載します。これには、省略名が説明の短縮形であることを示すキーワードを使用します。たとえば、SUNWbnuu というパッケージの省略名に対するパッケージ名は、"BasicNetworking UUCP Utilities, (Usr)" となります。
パッケージをインストールするパーティションを記述します。
業界での意味に沿うように用語を使用します。
256 文字の制限を最大限に活用します。
次に示すのは、pkginfo ファイル内で定義されるパッケージ名の例です。
NAME=Chip designers need CAD application software to design abc chips. Runs only on xyz hardware and is installed in the usr partition.
pkginfo ファイル内の CATEGORY パラメータは、パッケージが属するカテゴリを指定します。少なくとも、パッケージは system または application のカテゴリに属します。カテゴリ名は、英数字で構成されます。カテゴリ名は最大長が 16 文字であり、大文字と小文字が区別されません。
パッケージが複数のカテゴリに属する場合、カテゴリをコンマ区切りのリストで指定します。
次に示すのは、pkginfo ファイル内で CATEGORY を指定する例です。
CATEGORY=system
5 つの必須パラメータは、 PKG、NAME、ARCH、VERSION、および CATEGORY です。これらのパラメータの詳細については、「pkginfo ファイルの作成」を参照してください。
独自のパラメータを作成します。また、標準パラメータについては、pkginfo(4) のマニュアルページを参照してください。
例 2-1 pkginfo ファイルの作成
次の例では、有効な pkginfo ファイルのコンテンツを示しています。ここでは、5 つの必須パラメータを定義し、BASEDIR パラメータを指定しています。BASEDIR パラメータは、「path フィールド」で詳細に説明されています。
PKG=SUNWcadap NAME=Chip designers need CAD application software to design abc chips. Runs only on xyz hardware and is installed in the usr partition. ARCH=sparc VERSION=release 1.0 CATEGORY=system BASEDIR=/opt
参照
「パッケージのコンテンツの編成方法」を参照してください。