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Oracle® Exalogic Elastic Cloud管理者ガイド
リリースEL X2-2、X3-2、X4-2およびX5-2
B71910-08
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vServerテンプレートの作成

既存のvServer (pwtestなど)からサーバー・テンプレートを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「vServerの停止」の説明に従って、vServerを停止します。

  2. OVMMのWebインタフェースにrootユーザーとしてログインして、次の手順を実行します。

    注意:

    • この手順では、vServerのクローニングと起動にOVMMを使用します。この付録のように特に記載のないかぎり、vServerの作成やvServer上でのライフサイクル操作の実行には、OVMMを使用しないでください。vServerの管理にはExalogic Controlのみを使用してください。

    • ここで説明する手順のステップは、Exalogic Elastic Cloud Software 2.0.6.x.xに同梱されているOracle VMリリース3.2のOVMM Webインタフェースのものです。Exalogic Elastic Cloud Software 2.0.4 (またはそれ以前のリリース)を使用している場合は、対応するOracle VMリリースは3.0.3です。また、OVMM Webインタフェースはここでの説明とは異なる場合があります。

    1. 「Servers and VMs」タブを選択します。

    2. 左側のナビゲーション・ペインで「Server Pools」を開き、そこに表示されるサーバー・プールを選択します。

    3. メイン表示ペインのツール・バーで、「Perspective」「Virtual Machines」に変更します。

      すべてのVMのリストが表示されます。

    4. ステップ1で停止したvServerを探します。VMのステータスは「Stopped」になっています。

    5. VM上で右クリックして、表示されるコンテキスト・メニューから「Clone or Move」を選択します。

      仮想マシンのクローニングまたは移動ウィザードが起動します。

    6. 「Create a clone of this VM」オプションが選択されたままにして、「Next」をクリックします。

    7. 次の画面で、次の手順を実行します。

      i.「Clone to a Virtual Machine」オプションが選択されたままにします。

      ii.「Clone Count」の値を1のままにします。

      iii.クローンの名前(pw-test2など)と説明を入力します。

      iv.「OK」をクリックします。

      OVMMジョブが終了するまで待機します。クローニングされるVMの仮想ディスクのサイズによっては、ジョブに数分かかることがあります。

      OVMMは新しいvServer (pw-test2)をプール内の使用可能なサーバーの1つに割り当てます。

    8. 新しいVMを選択してから右クリックし、「Start」を選択します。

    9. 最初の列をダブルクリックして、新しいVMに対応する行を開きます。

      表示されるペインでID (0004fb000006000030c6ec27dd5a2327など)を探します。これは、VMのUUIDです。後で使用するため、このUUIDをメモしておきます。

      注意:

      この手順では、このIDをVM_CLONE_UUIDと表記します。

  3. クローンのVM (pw-test2)が起動した後、VMをホストしているOracle VMサーバーのノード(この例ではslce02cn02)に、rootとしてログインします。

    次のコマンドを実行して、ノード上で実行されているVMのリストを表示します。

    [root@slce02cn02 ~]#xm list

    このコマンドにより、次の例のような出力が表示されます。

    Name                                        ID  Mem  VCPUs    State   Time(s)
    0004fb00000600009c75583293d01d04            1   4096   2       -b---- 139169.3
    0004fb000006000030c6ec27dd5a2327            24  4096   1       -b----    36.8
    Domain-0                                    0   2002   24       r----- 115451.5
    

    xm console <ID>コマンドを使用してVM (pw-test2)にログインします。この<ID>は、<VM_CLONE_UUID>という名前のVMのIDです。たとえば、slce02cn02xm console 24コマンドを実行します。このコマンドにより、次の例のような出力が表示されます。

    Oracle Linux Server release 5.6
    Kernel 2.6.32-200.21.2.el5uek on an x86_64
    
    pw-test login: root
    Password:
    Last login: Thu May 24 12:35:35 on ttyS0
    [root@pw-test ~]#

    注意:

    出力では、ホスト名は元のVM (pw-test)と同じものになります。これはクローンの名前(pw-test2)ではありません。また、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bond*で初期化されたネットワーク・インタフェースも、元のVMと同じものになります。次のステップではVMの構成を解除するため、これをテンプレートの作成に使用できます。vServerがこのテンプレートで作成されたとき、Exalogic Controlがホスト名およびネットワーク・スクリプトを構成します。

  4. 次に示すように、クローンのVM (pw-test2)の構成を解除して、このVMを停止します。

    1. /etc/sysconfig/ovmdファイルを編集して、INITIAL_CONFIG=noパラメータをINITIAL_CONFIG=yesに変更します。この変更を行ってから、ファイルを保存します。

    2. 次のコマンドを実行して、DNS情報を削除します。

      cd /etc

      sed -i '/.*/d' resolv.conf

    3. 次のコマンドを実行して、SSH情報を削除します。

      rm -f /root/.ssh/*

      rm -f /etc/ssh/ssh_host*

    4. 次のコマンドを実行して、/etc/sysconfig/networkファイルをクリーンアップします。

      cd /etc/sysconfig

      sed -i '/^GATEWAY/d' network

    5. 次のコマンドを実行して、hostsファイルをクリーンアップします。

      cd /etc

      sed -i '/localhost/!d' hosts

      cd /etc/sysconfig/networking/profiles/default

      sed -i '/localhost/!d' hosts

    6. 次のコマンドを実行して、ネットワーク・スクリプトを削除します。

      cd /etc/sysconfig/network-scripts

      rm -f ifcfg-*eth*

      rm -f ifcfg-ib*

      rm -f ifcfg-bond*

    7. 次のコマンドを実行して、新しいvServerに伝播する必要のない情報を含むログ・ファイルを削除します。

      cd /var/log

      rm -f messages*

      rm -f ovm-template-config.log

      rm -f ovm-network.log

      rm -f boot.log*

      rm -f cron*

      rm -f maillog*

      rm -f messages*

      rm -f rpmpkgs*

      rm -f secure*

      rm -f spooler*

      rm -f yum.log*

    8. 次のコマンドを実行して、カーネル・メッセージを削除します。

      cd /var/log

      rm -f dmesg

      dmesg -c

      > ovm-network.log

    9. /etc/modprobe.confファイルを編集して、次に示す行(および、alias bondで始まる他の行)を削除します。

      options bonding max_bonds=11
      alias bond0 bonding
      alias bond1 bonding
      

      これらの変更を行ってから、ファイルを保存します。

    10. /etc/sysconfig/hwconfファイルを編集して、driver: mlx4_enエントリをdriver: mlx4_coreに変更します。この変更を行ってから、ファイルを保存します。

    11. 次のコマンドを実行して、Exalogic構成ファイルを削除します。

      rm -f /etc/exalogic.conf

    12. 次のコマンドを実行して、bashの履歴を削除します。

      rm -f /root/.bash_history

      history -c

      これを最後に実行して、クリーンアップのコマンドが記録されないようにします。

      注意:

      手順を進める前に、次の点について検討してください。

      • ベースのVM (pw-test)にアタッチされた記憶域ボリュームは、そのボリュームのすべてのコンテンツを含めて、クローンのVM (pw-test2)にクローニングされます。これは、次のステップで作成するテンプレートと、このテンプレートで作成するvServerにも当てはまります。テンプレートの作成を進める前に、不要なファイルを削除しているか、記憶域ボリュームをドロップしていることを確認してください。

      • vServerの作成時、アタッチされている記憶域ボリュームのうち「Server Type」での記憶域サイズよりも小さいものは、指定されている記憶域サイズにExalogic Controlによってリサイズされます。たとえば、サイズが2 GBのボリュームをアタッチしていても、記憶域サイズが4 GBの「Server Type」を選択すると、新しくアタッチされるボリュームのサイズは4 GBになります。そのボリュームのファイル・システムが変更されることはありません。

  5. Exalogic Controlにアップロードするために、次に示すように、テンプレートをパッケージ化します。

    1. 任意のOracle VMサーバー・ノード(たとえば、slce02cn01)に、rootユーザーとしてログインします。

    2. Sun ZFSストレージ・アプライアンス(Exalogicマシンに組込済)に作業領域を作成します。

      次に示す例では、/export/common/images共有内のディレクトリを使用します。

      [root@slce02cn01 ~]# mkdir -p /u01/common/images
      [root@slce02cn01 ~]# mount -t nfs slce02sn01:/export/common/images /u01/common/images
      [root@slce02cn01 ~]# mkdir /u01/common/images/pw-template
      
    3. ディレクトリを、VMクローン用のOracle VMサーバー(OVS)リポジトリに変更して、正しいディレクトリに移動していることを確認します。

      [root@slce02cn01 ~]# cd /OVS/Repositories/*/VirtualMachines/<VM_CLONE_UUID>
      [root@slce02cn02 0004fb000006000030c6ec27dd5a2327]# grep simple_name vm.cfgOVM_simple_name = 'pw-test2'
      
    4. 構成ファイルを、Sun ZFSストレージ・アプライアンスの作業領域にコピーします。

      [root@slce02cn01 0004fb000006000030c6ec27dd5a2327]# cp vm.cfg /u01/common/images/pw-template
      
    5. クローニングしたVMで使用するディスクを表示します。

      [root@slce02cn01 0004fb000006000030c6ec27dd5a2327]# grep disk vm.cfg
      disk = ['file:/OVS/Repositories/0004fb0000030000169d06eb2fdfcc6f/VirtualDisks/0004fb00001200004e5b424a5f5965bf.img,hda,w', 'file:/OVS/Repositories/0004fb0000030000169d06eb2fdfcc6f/VirtualDisks/0004fb00001200008d2bc3496683e1c4.img,xvdb,w']
      
    6. 前述の手順で表示されたファイル名を使用して、Sun ZFSストレージ・アプライアンスの作業領域にディスクをコピーします。

      [root@slce02cn01 0004fb000006000030c6ec27dd5a2327]# cp /OVS/Repositories/0004fb0000030000169d06eb2fdfcc6f/VirtualDisks/0004fb00001200004e5b424a5f5965bf.img /u01/common/images/pw-template/
      [root@slce02cn01 0004fb000006000030c6ec27dd5a2327]# cp /OVS/Repositories/0004fb0000030000169d06eb2fdfcc6f/VirtualDisks/0004fb00001200008d2bc3496683e1c4.img /u01/common/images/pw-template/
      
    7. 次に示すように、テンプレート構成とディスクを含む圧縮tarファイルを作成します。

      [root@slce02cn01 0004fb000006000030c6ec27dd5a2327]# cd /u01/common/images/pw-template
      [root@slce02cn01 pw-template]# tar zcvf pw-template.tgz * 0004fb00001200004e5b424a5f5965bf.img 0004fb00001200008d2bc3496683e1c4.img vm.cfg

      この結果ファイルは、Exalogic Controlにアップロードできる状態のサーバー・テンプレートになります。

    8. 不要になったVMクローンを削除します。OVMMで、VMのクローン上で右クリックしてから「Delete」を選択します。「Delete Confirmation」画面で、このVMで使用される仮想ディスクを選択して「OK」をクリックます。

  6. 作業領域にアクセスするためのHTTPプロトコルが、Sun ZFSストレージ・アプライアンス側で有効化されていない場合は、次のステップを完了します。

    1. SSHを使用してストレージ・ノード(たとえば、slce02sn01)にログインし、HTTPサービスを有効にします。次に例を示します。

      slce02sn01:> configuration services http
      slce02sn01:configuration services http> enable
      slce02sn01:configuration services http> show
      Properties:
                       <status> = online
                       require_login = false
                       protocols = http/https
                       listen_port = 80
                       https_port = 443
      
    2. テンプレート・パッケージを含む作業領域に、HTTPでアクセスできることを確認します。

      slce02sn01:configuration services http> cd /
      slce02sn01:> shares
      slce02sn01:shares> select common
      slce02sn01:shares common> get sharedav
                            sharedav = off
      slce02sn01:shares common> set sharedav=ro
                            sharedav = ro (uncommitted)slce02sn01:shares common> commit
      slce02sn01:shares common> select images
      slce02sn01:shares common/images> get sharedav
                            sharedav = off
      slce02sn01:shares common/images> set sharedav=ro
                            sharedav = ro (uncommitted)
      slce02sn01:shares common/images> commit
      

      sharedavプロパティがrwまたはroに設定されている場合は、このプロパティを変更する必要はありません。

    3. Sun ZFSストレージ・アプライアンスからログアウトします。

      slce02sn01: shares common/images> exit
      Connection to slce02sn01 closed.
      
  7. Exalogic Controlを使用して、次に示すように、新しいサーバー・テンプレートをアカウントにアップロードします。

    1. Exalogic ControlのWebインタフェースに、Cloud AdminまたはCloud Userとしてログインします。

    2. 左側のナビゲーション・ペインで、「vDC Management」をクリックします。「vDC Accounts」で、アカウントの名前をクリックします。vDCアカウントのダッシュボードが表示されます。

    3. 上部のナビゲーション・バーで「Server Templates」をクリックします。アカウントで使用可能なサーバー・テンプレートがリストされます。

    4. 「Server Templates」で、「Upload Server Template」アイコンをクリックします。または、「Actions」ペインの「Operate」「Upload Server Template」をクリックします。図G-1に示すように、サーバー・テンプレートのアップロード・ウィザードが表示されます。

      図G-1 サーバー・テンプレートの識別

      図G-1の説明が続きます
      「図G-1 サーバー・テンプレートの識別」の説明
    5. 「Identify Server Template」画面で、アップロードするサーバー・テンプレートの名前と説明を入力します。たとえば、「Name」フィールドにTemplate1と入力します。「Description」フィールドに、簡単な説明を入力します。後で識別および検索するために、タグを追加できます。

    6. 「Next」をクリックします。図G-2に示すように、「Specify Server Template Details」画面が表示されます。

      図G-2 サーバー・テンプレートの詳細の指定

      図G-2の説明が続きます
      「図G-2 サーバー・テンプレートの詳細の指定」の説明
    7. 「Image SubType」オプションを選択して、「Template」を選択します。

    8. 「Upload Source」として、「URL」を選択します。URLを指定するには、「Server Template URL」フィールドに、ステップ6で作成したテンプレート・パッケージのHTTP URLを入力します。

      このドキュメントの説明と同じ作業領域を使用している場合、このURLは次のようになります。

      http://<zfssa-host>/shares/export/common/images/<workspace>/<template>.tgz

      「Next」をクリックします。

    9. サマリーを確認し、「Upload」をクリックするとサーバー・テンプレートがアップロードされます。

    10. 上部のナビゲーション・バーで「Server Templates」をクリックします。新しくアップロードされたサーバー・テンプレートがリストされているはずです。このサーバー・テンプレートを基にして、vServerの作成を開始できます。