Oracle® Exalogic Elastic Cloud Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド リリースEL X2-2、X3-2、X4-2およびX5-2 E51447-02 |
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この章では、Exalogicエンタープライズ・デプロイメント向けにOracle Traffic Directorをインストールおよび構成する方法について説明します。
この章は次の項で構成されています:
Oracle Traffic Directorは、HTTP/SおよびTCPトラフィックをバックエンドのサーバーにロード・バランシングするソフトウェア・ロード・バランサです。Oracle Traffic Director内ではオリジン・サーバーと呼ばれるこれらのバックエンド・サーバーは、アプリケーション・サーバーの場合もあれば、WebサーバーまたはLDAPサーバーの場合もあります。
表7-1では、Exalogicエンタープライズ・デプロイメント向けにOracle Traffic Directorをインストールおよび構成する手順を説明しています。
表7-1 Exalogicエンタープライズ・デプロイメント向けOracle Traffic Directorのインストールおよび構成の概要
タスク | 説明 | 詳細情報 |
---|---|---|
Oracle Traffic Directorの前提条件を確認します。 |
たとえば、必要な仮想IPアドレスが設定されていること、ユーザー・アカウントにストレージ・アプライアンスに対するルート権限があること、すでにOracle SOAトポロジ用の初期Oracle WebLogic Serverドメインが作成されていることを確認します。 |
『Oracle Traffic Directorインストレーション・ガイド』の前提条件に関する項 |
Oracle Traffic DirectorソフトウェアをWEBHOST1およびWEBHOST2にインストールします。 |
第4.5項「Oracle SOA用Exalogicストレージの構成」で作成したディレクトリとマウント・ポイントを使用してソフトウェアをインストールします。 |
第7.2項「WEBHOST1およびWEBHOST2でのOracle Traffic Directorのインストール」 |
Oracle Traffic Director管理サーバーを作成し起動します。 |
Oracle Traffic Director管理サーバーは管理コンソールとコマンド行インタフェースをホストしており、それらを介してOracle Traffic Director構成を作成し、管理ノード上にインスタンスとしてその構成をデプロイして、インスタンスを管理できます。 |
第7.3項「Traffic Director管理サーバーの作成および起動」 |
インストールを検証します。 |
環境の構成を続行する前にインストールが成功したことを確認します。 |
『Oracle Traffic Directorインストレーション・ガイド』のインストールの検証に関する項 |
管理ノードとしてのWEBHOST2を登録します。 |
これにより、Oracle Traffic DirectorがWEBHOST1とWEBHOST2の両方で稼働中であることを保証します。 |
|
構成を作成します。 |
構成により、Oracle Traffic Directorインスタンスから第8章「Exalogicエンタープライズ・デプロイメントのドメインの作成」で作成したOracle WebLogic Serverドメイン内の管理対象サーバーにリクエストをルーティングする必要があります。 また、構成では、リクエストのルーティング先となる必要なオリジン・サーバー・プールも定義します。 |
|
Oracle Traffic Directorインスタンスを起動します |
この手順の早期に作成した構成に基づいて、WEBHOST1およびWEBHOST2上でインスタンスを起動します。 |
第7.6項「Oracle Traffic Directorインスタンスの起動」 |
仮想サーバーを定義します。 |
トポロジの各種管理ツールとログイン画面にアクセスするために必要な仮想サーバーを定義します。 |
第7.7項「Exalogicエンタープライズ・デプロイメント向けOracle Traffic Director仮想サーバーの定義」 |
構成をデプロイおよびテストします。 |
構成をデプロイし、仮想サーバーURLをテストして、Oracle Traffic Directorインスタンスが正常に構成されていることを確認します。 |
第7.8項「構成のデプロイと仮想サーバー・アドレスのテスト」 |
アクティブ-パッシブ・フェイルオーバー・グループを作成します。 |
フェイルオーバー・グループを作成して、WEBHOST1またはWEBHOST2が使用不能な場合でもリクエストが引き続き処理されるように確保します。 |
|
この項では、Oracle Traffic Directorソフトウェアのインストール方法を説明します。
注意: Oracle Traffic Directorをインストールしたり、アクションを実行する前に、rootユーザーとしてログインしていないことを確認します。 |
Oracle Traffic Directorをインストールする手順は次のとおりです。
インストーラzipファイルの内容をWEBHOST1上のディレクトリに抽出します。
ディレクトリを、インストーラが解凍されたディレクトリ内のDisk1
サブディレクトリに変更します。
次のコマンドを実行します。
./runInstaller
画面の指示に従ってソフトウェアをインストールします。
「インストール場所の指定」画面が表示されたら、「Oracleホーム・ディレクトリ」フィールドで、WEB_ORACLE_HOME変数の値を入力します。
WEB_ORACLE_HOME用の推奨ディレクトリの場所は、表4-3に一覧されています。
インストーラ画面の他のいずれかのオプションについてヘルプが必要な場合は、「ヘルプ」をクリックするか、または『Oracle Traffic Directorインストレーション・ガイド』のグラフィカル・モードでのOracle Traffic Directorのインストールに関する項を参照してください。
注意: i386ライブラリの不足に起因するエラーは無視してかまいません。 |
WEBHOST2に対して手順1から5を繰り返します。
Oracle Traffic DirectorをWEBHOST1およびWEBHOST2にインストールした後、Oracle Traffic Director管理サーバーを作成できます。
詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』の管理サーバーの管理に関する項を参照してください。
WEBHOST1でOracle Traffic Director管理サーバーを作成するには、次のように、WEB_ORACLE_HOME/bin
ディレクトリからtadm
コマンドを実行します。
WEBHOST1で、次のコマンドを入力します。
WEB_ORACLE_HOME/bin/tadm configure-server --host=otdadminvhn --port=8989 --user=admin --instance-home=WEB_ORACLE_ADMININSTANCE WEB_ORACLE_ADMININSTANCE
説明:
WEB_ORACLE_HOMEは、Oracle Traffic Directorインストーラで入力したOracleホームの場所です。
WEB_ORACLE_INSTANCEは、表4-3に一覧された推奨値です。
otdadminvhn
は、Oracle Traffic Director管理サーバーおよびコンソールで訴えられる仮想ホスト名です。
次に例を示します。
WEB_ORACLE_HOME/web/bin/tadm configure-server
--port=8989 --user=otd_admin
--instance-home=/u01/private/oracle/config/adminHA
--host=scan0309-1.mycompany.com
管理者パスワードを入力します。
後からこのパスワードを使用してOracle Traffic Director管理コンソールにログインします。
管理者パスワードを再入力するためのプロンプトが次のように表示されます。
Please enter admin-user-password again>
再度入力して管理者パスワードを確定します。
Oracle Traffic Directorの管理サーバー・インスタンスが作成され、手順1で指定したWEB_ORACLE_INSTANCE
ディレクトリ内のadmin-server
という名前のディレクトリにあるローカル・ホストにデプロイされます。
WEBHOST1で次のコマンドを実行して管理サーバーを起動します。
WEB_ORACLE_ADMININSTANCE/admin-server/bin/startserv
次のURLを使用して管理サーバーにログインします。
https://OTDADMINVHN:8989
前述で入力したパスワードを使用して、Oracle Traffic Directorメイン・ページを表示できることを確認します。
この項は、Oracle Traffic Directorがインストールされ、管理サーバーが起動されており、インストールが検証済であることを前提としています。
2個の管理ノードが、WEBHOST1およびWEBHOST2でIPoIBアドレスを使用して作成されます(WEBHOST1-PRIVおよびWEBHOST2-PRIV)。適切なIP参照については、表4-3を参照してください。
ここで、次のディレクトリからtadm
コマンドを使用して、両方のWEBHOST2をOracle Traffic Director管理サーバーに登録できます。
WEB_ORACLE_HOME/bin
注意: WEBHOST1は管理サーバーの作成時に登録されます。 |
WEBHOST2をOracle Traffic Director管理サーバーに登録する手順は次のとおりです。
WEBHOST2で、configure-server
コマンドを実行し、ホストを管理ノードとしてリモート管理サーバーに登録します。
./tadm configure-server --user=admin --port=8989 --host=OTDADMINVHN
--admin-node --node-host=WEBHOST2-PRIV --node-port=8900
--instance-home=WEB_ORACLE_INSTANCE
説明:
WEB_ORACLE_HOMEは、WEBHOST2でのOracle Traffic Director Oracleホームへのパスです。
WEB_ORACLE_INSTANCEは、表4-3「プライベート・ストレージ・ディレクトリ」に一覧された推奨ディレクトリです。
詳細は、Oracle Traffic Directorコマンド行リファレンスのconfigure-serverに関する項を参照するか、configure-server --help
コマンドを使用してコマンド行オプションの説明を確認してください。
configure-server
コマンドの実行後、次のプロンプトが表示されます。
This command creates an Administration Node and register it with the following remote Administration Server: https://OTDADMINVHN.mycompany.com Enter admin-user password>
Oracle Traffic Director管理サーバーの管理ユーザー・パスワードを入力します。
configure-server
コマンドは、指定した管理サーバー・ホスト、ポート、ユーザーおよびパスワードを使用してリモート管理サーバーへの接続を試行します。WEBHOST1上で管理サーバーが稼働している必要があります。
これが管理ノードを作成するホストによる初回の管理サーバーへの接続試行の場合は、管理サーバーのサーバー証明書が表示されます。
y
と入力し、証明書を信頼します。
次のメッセージが表示されます。
OTD-70215 The administration node has been configured successfully.
The node can be started by executing:
WEB_ORACLE_INSTANCE/admin-server/bin/startserv
管理ノードの起動後に、管理ノード上でOracle Traffic Director構成のインスタンスを作成できます。作成できる構成インスタンスは管理ノードごとに1つのみである点に注意してください。
Exalogicエンタープライズ・デプロイメント向けOracle Traffic Directorをインストールおよび構成する次の手順は、Oracle WebLogic Serverドメイン内の管理対象サーバーからなるサーバー・プールにリクエストをルーティングする構成を作成することです。
新しい構成を作成する場合は、オリジン・サーバーのホストおよびポートの情報を入力する必要があります。その後、origin-server-pool-1と呼ばれるオリジン・サーバー・プールが自動的に作成され(命名され)ます。これはデフォルトのオリジン・サーバー・プールで、このプールは管理コンソールで「サーバー・プール」オプションをクリックすると確認できます。デフォルトのオリジン・サーバー・プールの名前は変更できません。
管理コンソールを使用してSOAEXAという名前の構成を作成する手順は次のとおりです。
次のURLを使用して管理コンソールにログインします。
https://OTDADMINVHN:8989
「共通のタスク」ペインで、「新規構成」をクリックします。
「新規構成」ウィザードが起動します。
「ステップ1 構成情報」画面で、次の情報を入力します。
名前: SOAEXA
サーバー・ユーザー: oracle
オリジン・サーバー・タイプ: HTTPが選択されていることを確認します。
「ステップ2 リスナー情報」画面で、ポートを7777に変更します。その他のデフォルト値を受け入れ、「次」をクリックします。
「ステップ3 サーバー・プール情報」画面で次の手順を実行します。
「オリジン・サーバー: ホスト:」フィールドで、SOAHOST1-PRIV-V1
、ポート8001
と入力し、「サーバーの追加」をクリックします。
SOAHOST2-PRIV-V1
および必要なポートを入力して、「サーバーの追加」をクリックし、さらに「次」をクリックします。
「ステップ4 デプロイメント情報」画面で、WEBHOST2-PRIVノードおよびデプロイメント用の管理サーバー・ノードを選択します。
「確認」画面が表示されます。
情報を確認し、「構成の作成」をクリックします。
「結果」画面が表示されます。
構成が作成された後、「新規構成」ウィザードの「結果」画面に構成が正常に作成されたことを確認するメッセージが表示されます。構成のインスタンスを作成するように選択した場合は、インスタンスの正常な作成を確認するメッセージも表示されます。
「結果」画面で「閉じる」をクリックします。
「新規構成」ウィザードで、構成のインスタンスを作成するように選択しなかった場合は、「アンデプロイ済構成」メッセージが表示され、作成された構成がまだデプロイされていないことが示されます。
OTD管理コンソールを使用してOracle Traffic Directorインスタンスを起動または再起動できます。
Oracle Traffic Directorインスタンスを起動する手順は次のとおりです。
次のURLを使用して管理コンソールにログインします。
https://OTDADMINVHN:8989
ページの左上角に位置している「構成」ボタンをクリックします。
使用可能な構成のリストが表示されます。
インスタンスを起動する構成を選択します。
ナビゲーション・ペインで、「インスタンス」を選択します。
起動するインスタンスの「起動/再起動」ボタンをクリックします。
注意: 選択した構成のすべてのインスタンスを起動または再起動するには、「共通のタスク」ペインで「インスタンスの起動/再起動」をクリックします。構成のすべてのインスタンスを停止するには、「インスタンスの停止」をクリックします。 |
管理コンソールを使用して仮想サーバーを作成および構成するには、最初にそれらが使用するプールを作成してから、管理コンソールを使用して仮想サーバーを作成し、作成プロセスでこれらのプールを割り当てます。各仮想サーバーによって処理される適切なホスト・パターンも更新する必要があります。これらの仮想サーバーに必要なルートは、このガイドの関連する章にそれぞれ割り当てられています。
詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』の仮想サーバーの作成に関する項を参照してください。デフォルトで、SOAEXA構成が作成されたときに、外部soa.mycompany.comアクセス用の新しい仮想サーバーが作成されました(soaexaという名前)。この項では、Oracle SOA構成用に次の追加の仮想サーバーが作成されます。
admin.mycompany.com
soainternal.mycompany.com
osb.mycompany.com
osbinternal.mycompany.com
この項の内容は次のとおりです。
管理コンソールを使用して仮想サーバーを作成および構成するには、次の手順を実行します。
管理コンソールを使用して次のオリジン・サーバー・プールを作成します。
admin-pool
soa-pool
osb-pool
注意: 構成が作成されると、origin-server-pool1という名前のsoa.mycompany.com仮想サーバー用のプールが作成されます。 |
管理コンソールを使用してオリジン・サーバー・プールを作成するには、次の手順を実行します。
次のURLを使用して管理コンソールにログインします。
https://OTDADMINVHN:8989
ページの左上角に位置している「構成」ボタンをクリックします。
使用可能な構成のリストが表示されます。
仮想サーバーを作成するSOAEXA構成を選択します。
「共通のタスク」ペインで、「新規サーバー・プール」をクリックします。
新規オリジン・サーバー・プール・ウィザードが起動します。
「ステップ1: サーバー・プール情報」画面で、表7-2の情報を使用して次のオリジン・サーバー・プールを作成し、「追加」をクリックします。
表7-2 オリジン・サーバー・プールおよびオリジン・サーバー
オリジン・サーバー・プール | オリジン・サーバー・タイプ | オリジン・サーバー |
---|---|---|
admin-pool |
HTTP |
ADMINVHN.mycompany.com:7001 |
osb-pool |
HTTP |
SOAHOST1-PRIV-V2.mycompany.com:8011 SOAHOST2-PRIV-V2.mycompany.com:8011 |
オリジン・サーバー・プールが作成された後、新規オリジン・サーバー・プール・ウィザードの「結果」画面にオリジン・サーバー・プールが正常に作成されたことを確認するメッセージが表示されます。
「結果」画面で「閉じる」をクリックします。
作成したオリジン・サーバー・プールの詳細は、オリジン・サーバー・プール・ページに表示されます。
さらに、メイン・ペインの上部に「デプロイメント保留中」メッセージが表示されます。「変更のデプロイ」をクリックして更新された構成を即座にデプロイすることもできれば、第7.8項「構成のデプロイと仮想サーバー・アドレスのテスト」で説明されているようにさらに変更を加えた後にデプロイすることもできます。
追加の仮想サーバーを作成します。
admin.mycompany.com
soainternal.mycompany.com
osb.mycompany.com
osbinternal.mycompany.com
注意:
|
管理コンソールを使用し仮想サーバーを作成する手順は次のとおりです。
次のURLを使用して管理コンソールにログインします。
https://OTDADMINVHN:8989
ページの左上角に位置している「構成」ボタンをクリックします。
使用可能な構成のリストが表示されます。
仮想サーバーを作成する構成を選択します。
「共通のタスク」ペインで、「新規仮想サーバー」をクリックします。
「新規仮想サーバー」ウィザードが起動します。
これらの仮想サーバーを作成し、表7-3の情報を入力します。
デフォルト(7777)のリスナーを選択します。
仮想サーバーが作成された後、「新規仮想サーバー」ウィザードの「結果」画面に仮想サーバーが正常に作成されたことを確認するメッセージが表示されます。
「結果」画面で「閉じる」をクリックします。
作成した仮想サーバーの詳細が「仮想サーバー」ページに表示されます。
さらに、メイン・ペインの上部に「デプロイメント保留中」メッセージが表示されます。「変更のデプロイ」をクリックして更新された構成を即座にデプロイすることもできれば、第7.8項「構成のデプロイと仮想サーバー・アドレスのテスト」で説明されているようにさらに変更を加えた後にデプロイすることもできます。
仮想サーバーが作成されると、適切にリクエストをルーティングするために、各仮想サーバーによって処理されるホスト・パターンが使用されます。soa.mycompany.com
仮想サーバーのHOSTS
フィールドを更新します。仮想サーバー名をクリックして、HOSTS
の値をsoa.mycompany.comに更新します。別の異なる仮想サーバーについては、表7-4で値を確認します。
表7-4 仮想サーバーおよびホスト名
名前 | ホスト |
---|---|
SOAEXA |
soa.mycompany.com |
admin.mycompany.com |
admin.mycompany.com |
soainternal.mycompany.com |
WEBHOST1-PRIV-V1 |
osbinternal.mycompany.com |
WEBHOST2-PRIV-V1 |
仮想サーバーのルートは、ドメインの作成と拡張の章ごとに作成されます。
構成をデプロイし、管理ノード上にそのインスタンスを作成します。構成をデプロイすると、実行中のインスタンスは構成の変更を反映するために再構成されます。
管理コンソールを使用し構成をデプロイする手順は次のとおりです。
次のURLを使用して管理コンソールにログインします。
https://OTDADMINVHN:8989
ページの左上角の「構成」ボタンをクリックします。
使用可能な構成のリストが表示されます。
SOAEXA構成を選択します。
「デプロイ」をクリックします。
更新された構成が正常にデプロイされたことを確認するメッセージが表示されます。
「閉じる」をクリックします。
デプロイメントの検証
次のURLにアクセスしてデプロイメントを検証します。
https://OTDADMINVHN.mycompany.com:8989
リクエストが仮想ホストadmin.mycompany.com、osb.mycompany.comおよびsoa.mycompany.comのいずれかに送信されると、フロント・エンド・ロード・バランサがリクエストのロード・バランスを担うように構成されたIPアドレスにリクエストをリダイレクトします。このIPアドレスは1つのOTDインスタンス上で有効ですが、障害が発生した場合は別のOTDインスタンスに移行できます。2つのOracle Traffic Directorインスタンスを組み合せて、1つまたは2つの仮想IP (VIP)アドレスで表される1つのフェイルオーバー・グループを形成することで、Oracle Traffic Directorインスタンスの高可用性を確保できます。
IPアドレスのアクティブ-パッシブ・フェイルオーバー・グループを作成することで、これを実行します。このフェイルオーバー・グループには、1つのプライマリ・インスタンスと多数のセカンダリ・インスタンスが一覧されます。
次の手順は、構成内の異なる仮想サーバーに関連付けられたIPアドレスのフェイルオーバー・グループを作成する方法を示しています。
Exalogic上のこのSOAエンタープライズ・デプロイメントは、4つのフェイルオーバー・グループを使用します。SOAサーバーの内部/IPoIBリクエストのロード・バランシングに使用されるリスニング・アドレス用に1つのフェイルオーバー・グループが作成されます。OSBサーバーの内部/IPoIBリクエストのロード・バランシングに使用されるリスニング・アドレス用にもう1つのフェイルオーバー・グループが作成されます。さらに2つのフェイルオーバー・グループが、各ノードのOTDリスナーによって使用されるEoIB (外部アクセス可能)アドレス用に作成されます。
Oracle Traffic Director用のフェイルオーバー・グループまたはその他の高可用性構成の作成方法の詳細は、『Oracle Traffic Director管理者ガイド』の高可用性を実現するためのOracle Traffic Directorの構成に関する項を参照してください。
フェイルオーバー・グループを作成する手順は次のとおりです。
次のURLを使用して管理コンソールにログインします。
https://OTDADMINVHN:8989
ページの左上角の「構成」ボタンをクリックします。
使用可能な構成のリストが表示されます。
フェイルオーバー・グループを作成する構成を選択します。
ナビゲーション・ペインで、「フェイルオーバー・グループ」を選択します。
「フェイルオーバー・グループ」ページが表示されます。
「新規フェイルオーバー・グループ」をクリックします。
「新規フェイルオーバー・グループ」ウィザードが表示されます。
「仮想IP (VIP)」フィールドに、soainternal.mycompany.com (WEBHOST1-PRIV-V1)に関連付けられた仮想IPアドレスを入力します。「カスタム」を選択し、IPが有効なサブネットを識別するためのビット数を入力して、「次」をクリックします。
注意: 仮想IPアドレスは、手順7で提供されたメインNICと同じサブネットに属している必要があります。 |
ステップ2の「Failover Nodes Information」画面で、プライマリ・ノードとバックアップ・ノード(OTD管理サーバー、WEBHOST2-PRIV-V1)を選択し、さらに仮想IPのNIC (通常、bond0)も選択して、「Next」をクリックします。
作成したフェイルオーバー・グループの詳細は、「フェイルオーバー・グループ」ページに表示されます。
「結果」画面で「閉じる」をクリックします。
作成したフェイルオーバー・グループの詳細は、「フェイルオーバー・グループ」ページに表示されます。表7-5の値に従って手順を繰り返し、必要なホスト名の適切なフェイルオーバー・グループを作成します。
各フェイルオーバー・グループのルーターIDは一意です。
表7-5 フェイルオーバー・グループ・ノードおよびネットワーク・インタフェース情報
フェイルオーバー・グループ | プライマリ・ノード | プライマリ・ネットワーク・インタフェース | バックアップ・ノード | バックアップ・ネットワーク・インタフェース |
---|---|---|---|---|
WEBHOST1-PRIV-V1 |
OTD管理サーバー |
BOND0 |
WEBHOST2-PRIV |
BOND0 |
WEBHOST2-PRIV-V1 |
WEBHOST2-PRIV |
BOND0 |
OTD管理サーバー |
BOND0 |
WEBHOST1-VHN1 |
OTD管理サーバー |
BOND1 |
WEBHOST2-VHN1 |
BOND1 |
WEBHOST2-VHN1 |
WEBHOST2-PRIV |
BOND1 |
OTD管理サーバー |
BOND1 |
注意: ロード・バランサは2つのOracle Traffic Directorインスタンス間でリクエストをフェイルオーバーしますが、それらは通常のロード・バランサ・モニターより高速な障害検出とフェイルオーバーを提供するため、外部仮想IPアドレスのフェイルオーバー・グループはオプションです。 |
注意: 権限が不十分なために呼び出したノードでフェイルオーバー・グループを起動できないことを示すメッセージが表示される場合があります。これを解決するには、各ノードにrootとしてログインし、次のコマンドを実行します。 WEB_ORACLE_HOME/bin/tadm start-failover --instance-home=WEB_INSTANCE_HOME/ --config=SOAEXA |
Oracle Traffic Directorの構成をバックアップします。詳細は、第14.8項「Oracle SOAエンタープライズ・デプロイメントのバックアップ」を参照してください。