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Oracle® Database Applianceインストレーション、構成およびユーザーズ・ガイド
リリース2.1 for Linux x86-64
B66173-01
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4 Oracle Database Applianceのトラブルシューティング

この章では、Oracle Database Applianceのトラブルシューティング方法に関する情報について説明します。ここの内容は、次のとおりです。

Oracle Database Applianceの診断および検証ツールについて

Oracle Database Applianceには、サポートの問題を迅速に解決するのに役立つ診断および検証ツールが含まれています。Oracle Database Applianceに問題が発生した場合、このツールを使用して、環境が適切に構成されていること、およびベスト・プラクティスが有効であることを確認します。Oracleサポートでサービス・リクエストを発行する必要がある場合、Oracleサポートがデバッグ・サポートを行うのに必要なファイルを入手できるように、ツールでは、関連するすべてのログ・ファイルをアップロード用にパッケージ化します。

Oracle Database Applianceの検証ツール・コマンド・リファレンス

この項では、Oracle Database Applianceの検証ツールのリファレンスを示します。

Oracle Database Applianceの検証ツールの概要

コマンドoakcli validateを使用して、Oracle Database Applianceのステータスを検証します。

コマンドは次の構文を使用します。check1およびcheck2はカンマ区切りのチェックのリストにある2つのシステム・チェックで、output_file_nameは検証出力ファイルに指定する名前です。

oakcli validate -h 
oakcli validate [-V | -l | -h]
oakcli validate [-v] [-f output_file_name] [-a | -d | -c check1[,check2]]

権限およびセキュリティ

このコマンドは、権限のないユーザー、またはrootユーザーで実行できます。

Oracle Database Applianceの検証ツール・オプションのサマリー

表4-1 Oracle Database Applianceの検証ツール・オプション

オプション 目的

-a

DiskCalibrationなど、すべてのシステム・チェックを実行します。このコマンドを使用して、デプロイメントの前にシステムの準備状況を検証することをお薦めします。DiskCalibrationシステム・チェックによりパフォーマンスの問題が発生する可能性があるため、ロード済のシステム上で、このオプションを使用してoakcli validateを実行しないでください。

-c

カンマ区切りのチェックのリストを実行します。このコマンドを使用して、特定のチェックまたはチェックのリストを実行します。

-d

デフォルトのシステム・チェックを実行します。表4-2で説明されているように、デフォルトのシステム・チェックは、SystemComponents、OSDiskStorage、SharedStorageおよびNetworkComponentsです。

-f

出力ファイルを作成します。-fフラグの後に、ファイルの名前を指定します。検証コマンドの出力内容は、このファイルに出力されます。出力内容をファイルに送信するよう指定しない場合、ページ表示(stdout)に送信されます。

-h

ヘルプ情報を出力します。

-l

すべてのシステム・チェック・オプションをリストし、オプションの説明を示します。

-v

詳細出力を行います。

-V

検証ツール・バージョンを出力します。


表4-2 Oracle Database Applianceのシステム・チェック

チェック 目的

DiskCalibration

/opt/oracle/oak/orionを使用したストレージ・ディスクのパフォーマンスのインストール前チェック。

デプロイ済のシステム上でDiskCalibrationコマンドを実行するとパフォーマンスの問題が発生するため、Oracle Database ApplianceにOracleソフトウェアをデプロイした後でこのチェックを実行しないでください。

NetworkComponents

パブリックおよびプライベートのネットワーク・ハードウェア・コンポーネントを検証します。

OSDiskStorage

オペレーティング・システム・ディスクおよびファイル・システム情報を検証します。

SystemComponents

Oracle ILOMセンサー・データの読取りに基づいて、システム・コンポーネントを検証します。


Oracle Database Applianceの検証ツール・コマンドの例

次の項で、すべてのコマンド・オプションのリストおよび説明を示します。

$ ./oakcli validate -l

すべてのシステム・チェックを実行します。

$ ./oakcli validate -a

ディスク測定のシステム・チェックを実行します。

$ ./oakcli validate -c DiskCalibration

ハードウェア・システム・コンポーネントおよびネットワーク・コンポーネントを検証するシステム・チェックを実行します。

$ ./oakcli validate -c SystemComponents,NetworkComponents

Oracle Database Applianceのシステム・トラブルシューティング

Oracle Database Applianceの構成中にエラーが発生した場合、次のメッセージおよび処置を確認してください。

そのディレクトリのAoDB Linuxインストール・ツリーは、ご使用のブート・メディアに一致していない可能性があります。
原因: このメッセージは、両方のオペレーティング・ディスクがインストールされ、オペレーティング・システム・ディスクを再イメージするよう選択した場合に、ノード上で発生します。「デフォルト(BIOS設定を使用)」をイメージ化オプションに選択しているが、1つまたは両方のディスクが使用できない場合に発生します。
処置: 両方のオペレーティング・システム・ディスクが使用可能であることを確認します。
インストールにはハード・ドライブのパーティション化が必要です。
原因: このメッセージは、2つのオペレーティング・システム・ディスクのうち1つがインストールされていないが、オペレーティング・システムを再イメージしようとしている場合に、ノード上で発生します。
処置: 両方のオペレーティング・システム・ディスクがインストールされ、使用可能であることを確認します。
マシン・チェック例外 ...これはソフトウェアの問題ではありません。
原因: ハードウェア・システム・エラーがあります。
処置: Oracle ILOMリモート・コンソールにログインし、ハードウェア・エラーを特定します。
oracleadvm: "KsRwLockReadTry"のバージョンが見つかりません: カーネルは汚染されています。
原因: これは、バグ10229366のため、一部のシステム・ログのエラーに表示される障害メッセージです。
処置: このメッセージは無視してください。カーネル・エラーはありません。
ボリューム・コントロールのGStreamerプラグインおよび/またはデバイスが見つかりません。
原因: Oracle ILOMリモート・リダイレクション・コンソールのサウンド・カードに必要なオペレーティング・システムのプラグインがインストールされていません。
処置: このメッセージは無視してください。コンソールのボリューム・コントロールは必要ありません。
再起動して適切なブート・デバイスを選択するか、選択したブート・デバイスにブート・メディアを挿入してキーを押してください。
原因: 1つまたは両方のオペレーティング・システム・ディスクが使用できません。このメッセージは、システムの再イメージ中に「デフォルトのハード・ディスク」を選択したが、そのディスクが使用できない場合に発生します。
処置: 両方のオペレーティング・システム・ディスクがインストールされ、使用可能であることを確認します。

Oracle ILOM構成のトラブルシューティング

次に、インストール中に発生するOracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)の構成におけるエラーのリストを示します。

Oracle ILOMの一般的なトラブルシューティングのガイドライン

Oracle ILOMの構成でエラーが発生した場合、次のタスクを最初に実行してください。

  1. 必要なJDKバージョンがサーバーにインストールされていることを確認します。jdk-6u24-linux-i586.rpmなどの32ビットJDKが必要です。JDKをダウンロードするには、次の場所にアクセスしてください。http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html.

  2. 環境をチェックして、リモート・コンソールが起動できるように、必要なJavaアプリケション(たとえば、Java Web Start、javaws)がインストールされていることを確認します。

Oracle ILOMのエラー・メッセージおよび処置

次に、Oracle Integrated Lights Out Managerリモート・コンソールの使用時に発生するメッセージを示します。

CD-ROMイメージをリダイレクトできません。
原因: リモート・コンソールにログインしようとすると、「CD-ROMイメージのリダイレクションは、ご使用のクライアントOSでサポートされていません」というエラー・メッセージを示した、「CD-ROMイメージをリダイレクトできません」というタイトルのメッセージ・ウィンドウが表示されます。このエラーは、リモート・コンソールに必要なJava Development Kit (JDK)がインストールされていない場合に発生します。CD-ROMのリダイレクションには、32ビットJDKが必要です。リモート・コンソールは、32ビットJDKおよび64ビットJDKの両方で動作します。
処置: 使用しているリモート・コンソールのバージョンに必要なJDKキットをインストールします。JDKをダウンロードするには、次の場所にアクセスしてください。http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html.
Class fault.memory.intel.dimm_ueエラー
原因: ノードがオフラインであるためOracle ILOMリモート・コンソールを開くと、class fault.memory.intel.dimmエラーが発生します。このエラーは、デュアル・インライン・メモリー・モジュール(DIMM)が失敗していることを示しています。
処置: 失敗したDIMMを置き換える方法に関する手順は、『Oracle Database Applianceサービス・マニュアル』のメモリー・モジュール(DIMM)の提供に関する項を参照してください。
ステップ14 RunRootScriptsでエラーが発生しました。エラー・コード(1)
原因: デプロイメント・スクリプトでは、デフォルトのBMCパスワードは"changeme"と予期されていますが、デプロイメントの開始前にデフォルトのパスワードが変更されていました。
処置: Oracle Appliance Managerの拡張デプロイメントGUIインタビューで、新しいBMCパスワードを入力します。
システム概要でシステム・ステータスが失敗しました。
原因: システム・エラーが発生しました。
処置: 「表示」をクリックして、システム・エラーの詳細を確認します。
再起動して適切なブート・デバイスを選択してください。
原因: システムをリセットして、システム起動ファイルを読み込む必要があります。
処置: 次のIPMIツール・コマンドを入力して、システムをリセットします。servernameはシステムの名前です。
ipmitool -U root -P changeme -H servername chassis power off
ipmitool -U root -P changeme -H servername chassis power on
JNLPファイルであるjnipgenerator-16を開くよう選択しています。
原因: リモート・コンソールを開くのに必要なアプリケーションが、システムにインストールされていません。リモート・コンソールを起動すると、このメッセージが表示されます。「OK」をクリックして、デフォルトのブラウザで開くと、Javaコンソールのソース・コードが表示されます。
処置: リモート・コンソール・インタフェースが起動できるように、欠落したJavaアプリケション(たとえばjavaws)をインストールします。

Oracleサポート用パッケージ・ログ・ファイル

システム・フォルトが発生し、Oracleサポートにログ・ファイルを送信する必要がある場合、コマンドoakcli manage diagcollectを使用して、Oracle Database Applianceからログ・ファイル情報を収集します。コマンドによって、Applianceに格納されたログ・ファイル情報が収集され、オラクル社に送信可能なログ・ファイルにパッケージ化されます。ファイルの場所は、コマンド出力で指定されます。

Oracleソフトウェアのアンインストールおよびストレージの再初期化

Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Real Application Clustersをアンインストールする必要がある場合、Oracle Appliance ManagerユーティリティcleanupDeploy.plを使用して、アンインストールを実行します。


注意:

このコマンドを実行すると、ストレージが再初期化され、既存のデータは破棄されます。

Oracleソフトウェアをアンインストールするには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーでログインします。

  2. ディレクトリを/opt/oracle/oak/onecmdに変更します。

  3. コマンドcleanupDeploy.plを実行します。次に例を示します。

    # ./cleanupDeploy.pl