バックアップの作成に使用されるコンピュータでのデータの損失を防ぐために、Oracle Secure Backupは自らのカタログと設定データを保護します。このメタデータがなければ、Oracle Secure Backupが作成したバックアップはただのテープの山にすぎません。リアルタイムOracle Secure Backupカタログ・データが失われた場合、Oracle Secure Backupカタログ・バックアップのメタデータを使用して、Oracle Secure Backupを最後のカタログ・バックアップ時の状態にリストアできます。
Oracle Secure Backupカタログ・リカバリで保護されるのは、管理サーバー上のカタログと設定のみです。オペレーティング・システムやインストールされているその他のソフトウェアは、自動的にバックアップされません。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Secure Backupカタログ・リカバリによって、次の予約オブジェクトが作成されます。
すべての予約カタログ・リカバリ・オブジェクトは、通常のOracle Secure Backupオブジェクトのインスタンスに制限が追加されたものです。これらの予約オブジェクトは削除できず、そのプロパティの一部は変更できません。この制限は、間違ってカタログ・バックアップを無効にしたり、適切に実行されない設定にバックアップ設定を変更したりすることを防ぐためのものです。
カタログ・リカバリ・オブジェクトを変更するには、obtool
コマンド、chsched
、chmf
、chsum
およびedds
を使用できます。または、WebツールやOracle Enterprise Managerの同等機能を使用することもできます。インタフェースで変更できない部分がありますが、その他については予約オブジェクトの動作は一般オブジェクトとまったく同じです。
このオブジェクトはカタログ・リカバリのバックアップを推進します。カタログ・リカバリ・データセット・オブジェクト(バックアップ対象のデータを指定)およびカタログ・リカバリ・メディア・ファミリ・オブジェクト(テープ・ボリュームの特性を指定)と関連付けられています。
カタログ・リカバリ・スケジュール・オブジェクトはOracle Secure Backupインストーラによって作成され、毎日午前0時に全体バックアップを実行します。優先度は、デフォルトの100ではなく、50に設定されます。適切な権限を持つOracle Secure Backupユーザーは次の操作を実行できます。
デフォルトでは、Oracle Secure Backupをインストールした後、カタログ・バックアップは無効化されています。カタログのスケジュール済バックアップを有効にするトリガーの日付を明示的に設定する必要があります。
関連付けられているカタログ・オブジェクトのデータセットは変更できません。非暗号化全体バックアップのみ行えます。カタログ・データの増分バックアップは行えません。これは、カタログ・データなしで行われるため単純にしておく必要のあるリストア操作が複雑になるからです。
注意: 自動生成暗号化キーを使用したバックアップは、ディスク上にキー・ストアがないと役に立ちません。キー・ストアは、管理サーバーで障害が発生すると失われることがあります。 |
カタログ・リカバリ・メディア・ファミリ・オブジェクトは、カタログ・リカバリ・バックアップで生成されるテープ・ボリュームについて記述します。Oracle Secure Backupインストーラによって、書込みウィンドウが7日間、保存期間が14日間のカタログ・リカバリ・メディア・ファミリ・オブジェクトが作成されます。バックアップで2つのボリューム・セットを交互に使用することをお薦めします。
適切な権限を持つOracle Secure Backupユーザーは次の操作を実行できます。
書込みウィンドウの変更
保存期間の変更
ボリュームID生成パラメータの変更
ボリューム複製属性の変更
ローテーション・ポリシーの関連付け
コメントの追加または削除
カタログ・リカバリ・メディア・ファミリ・オブジェクトは、時間管理の有効期限ポリシーを持つ必要があります。ファイルシステム・データのバックアップはコンテンツ管理にできないため、カタログ・リカバリ・メディア・ファミリ・オブジェクトをコンテンツ管理にすることは、Oracle Secure Backupから許可されません。
カタログ・リカバリ・データセット・オブジェクトは、バックアップするデータを指定します。include
catalog
データセット・ディレクティブを組み込み、カタログ・データを指定します。このディレクティブは、Oracle Secure Backupによってカタログ・リカバリ・バックアップに含める必要のあるすべてのファイルとデータベースの定義に拡張されます。カタログ・データ自体は、暗号化ポリシーに関係なく、常に記憶域暗号化なしでバックアップされます。
その他のファイルやホストを、カタログ・リカバリ・データセット・オブジェクトに追加できます。管理サーバー上のファイルやパスをカタログ・バックアップに追加するには、データセットのinclude
catalog
ディレクティブの下のブロック・デリミタ内にそれらを指定します。include
catalog
ブロックには次のディレクティブを追加できます。
include
path
exclude
path
exclude
name
これら以外のディレクティブは、include
catalog
ブロックに指定できません。次の例のディレクティブでは、管理ホストの/usr/local/bin
のファイルがすべてのカタログ・バックアップに組み込まれます。
include catalog { include path "/usr/local/bin" }
注意: include catalog ディレクティブは暗黙的に管理サーバーにのみ適用されるため、include host ブロック内に追加できません。この場合、データセット・パーサーがエラーを報告します。 |
他のデータセットにinclude
catalog
ディレクティブを追加することもできます。これが含まれるデータセットによってこれ以外に何がバックアップされるかについての制限はありません。ただし、拡張されたカタログ・ディレクティブとその子は、スケジューラでは別のジョブとして処理されます。
適切な権限を持つOracle Secure Backupユーザーは、標準データセット言語を使用してカタログ・リカバリ・データセット・オブジェクトを変更できます。ただし、Oracle Secure Backupでは、カタログ・リカバリ・データセット・オブジェクトからinclude
catalog
ディレクティブを削除することは許可されません。
関連項目: Oracle Secure Backupのデータセット言語の詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
カタログ・リカバリ・サマリー・オブジェクトでは、過去24時間以内の各バックアップ操作に関するサマリー・レポートを生成するようOracle Secure Backupに指示します。このレポートは、カタログ・リカバリ・バックアップに関する詳細情報を含めるようOracle Secure Backupに指定する--catalog
オプションを使用して生成されます。--catalog
を使用してサマリー・レポートが生成される場合、Oracle Secure Backupではカタログ・バックアップ障害がないかチェックし、検出された場合は管理者への電子メールを生成します。
注意: Oracle Secure Backupインストーラで、admin ユーザーの電子メール・アドレスの指定が要求されます。Windowsの場合は、電子メール・サーバーの情報も要求されます。電子メール・アドレスを指定しない、またはWindowsの場合に電子メール・サーバーを指定しないと、電子メール通知が送信されません。 |
--catalog
オプションを設定して生成されるレポートには、次の情報が含まれます。
カタログ・バックアップのボリュームIDとバーコード
カタログ・バックアップのファイル番号
検証ステップの結果
カタログ・バックアップは、各バックアップ・ジョブの情報を含むサマリー・レポートにも記載されますが、カタログ・バックアップとして特別に扱われるわけではなく、他のバックアップ・ジョブに混ざって表示されます。--catalog
オプションは、バックアップ管理者が、カタログ・バックアップのステータスを他のバックアップ・ジョブとは別に調べやすくするためのものです。
カタログ・リカバリ・バックアップ・ジョブには常にカタログ・バックアップが含まれます。他のファイルを含めることもできます。カタログ・バックアップ・ジョブではinclude
catalog
データセット拡張が使用され、管理サーバーのすべてのカタログ・データがバックアップに含まれるよう指定されます。各カタログ・バックアップ・ジョブは全体バックアップです。定期的なカタログ・バックアップ・ジョブを実行するように、Oracle Secure Backupはインストール時に構成されています。
記憶域暗号化は、すべてのカタログ・バックアップ・ジョブで無効です。暗号化されたバックアップ・データは暗号化ウォレットなしでリカバリできません。しかし、障害時シナリオでは、暗号化ウォレットはカタログ・データの一部であるため失われています。このため、カタログ・バックアップ・データが暗号化されていると、これを復号化する方法がありません。一時パスフレーズ暗号化はウォレットを必要としないため、カタログ・バックアップでこれを使用できます。一時パスフレーズ暗号化は、カタログ・バックアップに対してデフォルトでは有効になっていませんが、通常の方法で追加できます。
管理サーバーのOracle Secure Backupカタログが破損または消失した場合は、カタログをリストアする必要があります。この項では、メディア障害または管理サーバーの損失の場合に、admin
ディレクトリをリストアする基本手順について説明します。
Oracle Secure Backupのデバイス接続の記録を保持することをお薦めします。特に、障害時リカバリに使用するデバイスは、障害後のOracle Secure Backupの再インストール時にきわめて重要となるため、この記録を強くお薦めします。カタログ・リカバリという緊急事態に備える方法としては、次の方法が推奨されます。
obtool
のlsdevice
--long
の出力のコピーをとっておきます。
接続情報のリストをメモしておきます。
最新のカタログ・バックアップのジョブ・サマリー・レポートの電子メール・コピーを保存しておきます。カタログ・バックアップのジョブ・サマリーは、最新のカタログ・バックアップが保存されているボリュームおよびファイル番号を特定するのに必要な情報を提供します。
この項では、リモート・メディア・サーバーを使用していることを前提にしています。管理サーバー上のローカルに接続されたテープ・ドライブを使用している場合は、ローカルに接続されたドライブ用の手順をリモート・テープ・ドライブ用の手順と置き換えることができます。これらの手順は、必要に応じて示されます。
Oracle Secure Backupカタログをリストアするには、次のタスクを順に実行します。
カタログをリストアするには、Oracle Secure Backup管理サーバーを最初からインストールしておく必要があります。カタログ・バックアップをリストアする最も簡単な方法は、テープ・ドライブを管理サーバーに接続することです。ただし、この方法がいつも使用できるとはかぎりません。管理サーバーにテープ・デバイスが接続されていない場合は、新しく作成されたドメインに、リモート・メディア・サーバーを追加する必要があります。
Oracle Secure Backupカタログのリストアを準備するには、次のようにします。
次のいずれかのオプションを選択します。
テープ・ドライブが管理サーバーにローカルに接続されている場合は、手順3に進みます。
テープ・ドライブがリモート・メディア・サーバーに接続されていて、このリモート・ホストがOracle Secure Backupソフトウェアを実行していない場合は、手順3に進みます。
テープ・ドライブがリモート・メディア・サーバーに接続されていて、このリモート・ホストがOracle Secure Backupソフトウェアを実行している場合は、手順2に示されたタスクを実行します。
次の手順を実行します。
リモート・メディア・サーバーで、Oracle Secure Backupプロセスを停止します。
Oracle Secure Backupサービスの起動および停止のオペレーティング・システム固有のコマンド構文については、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
/usr/etc/ob
ディレクトリをこれを保存するための別の場所に移動します。
UNIX/Linuxでは、次のコマンドを使用します。
# mv /usr/etc/ob /usr/etc/ob.save
Windowsでは、次のコマンドを使用します。
C:\> cd C:\Program Files\Oracle\Backup
C:\Program Files\Oracle\Backup > move /Y db db-save
リモート・メディア・サーバーでOracle Secure Backupプロセスを再起動します。
管理サーバー・ホストで、次の操作を実行します。
Oracle Secure Backupをインストールし、管理サーバー・ドメインを選択します。
Windowsにインストールしていて、テープ・デバイスがローカルに接続されている場合は、プログラム機能の選択ダイアログ・ボックスで、ローカルに接続されたメディア・デバイスの構成を選択します。
Oracle Secure Backupのインストール手順の詳細は、『Oracle Secure Backupインストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。
管理サーバーで、管理権限を持つユーザーとしてobtool
にログインし、ドメイン内のホストをリスト表示します。
次の例では、ホストbrhost1
でOracle Secure Backupにログインします。
$ obtool Oracle Secure Backup 10.4.0.3.0 login: admin ob> lshost brhost1 admin,client (via OB) in service
メディア・サーバーが管理サーバーと別であるかどうかによって、次のオプションのいずれかを選択します。
リモート・メディア・サーバーが使用される場合、mkhost
コマンドを使用してメディア・サーバー・ホストを作成します。
次のいずれかを実行します。
リモート・ホストがNDMPテープ・サーバーでない場合は、次の例に示す構文を使用して管理ドメインに追加します。
ob> mkhost --role mediaserver brhost2 Info: waiting for host to update certification status...
リモート・ホストがNDMPテープ・サーバーである場合は、次の例に示す構文を使用して管理ドメインに追加し、pingします。
ob> mkhost -r mediaserver -u root --ndmppass passwd -a ndmp brhost2 ob> pinghost brhost2
管理サーバーがメディア・サーバーとして動作している場合は、メディア・サーバーのロールを管理サーバーに追加します。
たとえば、次のコマンドを入力して、メディア・サーバーのロールを管理サーバーbrhost1
に追加します。
ob> chhost --addrole mediaserver brhost1
カタログ・バックアップを含むライブラリとテープ・ドライブを構成または検出します。
次のいずれかを実行します。
メディア・サーバーがNDMPテープ・サーバーでない場合は、mkdev
コマンドを実行してデバイスを構成します。
たとえば、LinuxまたはUNIXで、ライブラリlib1
およびテープ・ドライブtape1
をリモート・メディア・サーバーbrhost2
に追加するには、次のコマンドを入力します。
ob> mkdev --type library --attach brhost2:/dev/obl0 lib1 ob> mkdev --type tape --attach brhost2:/dev/obt0 -d 1 -l lib1 tape1
次の例では、Windowsメディア・サーバーでの類似のコマンドを示します。
ob> mkdev --type library --attach brhost2://./obl0 lib1 ob> mkdev --type tape --attach brhost2://./obt0 -d 1 -l lib1 tape1
メディア・サーバーがNDMPテープ・サーバーでない場合は、discoverdev
コマンドを実行してNDMPで接続されたテープ・デバイスを検出します。
次の例では、NDMPテープ・サーバーbrhost2
のテープ・デバイスを検出します。
ob> discoverdev --host brhost2 Info: beginning device discovery for brhost2. lib1 (new library) WWN: [none] new attach-point on brhost2, rawname mc0 tape1 (new drive) WWN: [none] new attach-point on brhost2, rawname nrst1a
テープ・ライブラリのpingを実行して、アクセス可能であることを確認します。
たとえば、次のコマンドを入力して、ライブラリlib1
をpingします。
ob> pingdev lib1 Info: library lib1 accessible. Info: drive 1 tape1 accessible.
ボリュームを含むライブラリを初めて使用する前に、最初にinventoryを実行してください。
たとえば、ライブラリlib1
で次のコマンドを実行します。
ob> inventory --force -L lib1
この手順は、どのボリュームにOSB_CATALOG
バックアップが含まれているかがわかっている場合でも必要です。
テープ・ライブラリのボリュームをリスト表示します。
たとえば、次のコマンドを入力して、ライブラリlib1
のボリュームをリスト表示します。
ob> lsvol -L lib1 Inventory of library lib1: in 3: occupied in 4: unlabeled in 5: unlabeled in 6: unlabeled in 7: unlabeled in 8: unlabeled in 9: unlabeled
カタログ・バックアップを含むボリュームを特定します。
次のいずれかのオプションを選択します。
カタログ・バックアップのジョブ・サマリーがある場合、カタログ・バックアップのボリュームID、バー・コードおよびファイル番号をサマリーから取得します。
カタログ・バックアップのジョブ・サマリーの例を次に示します。
Job ID Scheduled At Completed At Content Backup Size File # Volume ID (Bar Code) admin/1.1 2008/03/26.11:48 2008/03/26.11:49 *catalog brhost1 455 KB 1 OSB-CATALOG-MF-000002 (e744f09c4eeb4dabf3ac02ae2d332c0)
カタログ・バックアップを含むボリュームがテープ・ライブラリにあり、どのボリュームにバックアップが含まれているか不明な場合は、identifyvol
コマンドとlsvol
コマンドを実行してボリュームを検出します。
カタログ・ボリュームを特定する方法の例を次に示します。
ob> identifyvol --import -D tape1 3-9 Seq Volume Volume Archive Client Backup # ID Tag File Sect Host Level 1 OSB-CATALOG-MF-000002 1 1 brhost1 0 Archive Create Date & Time 2008/03/23 10:39:54s ob> lsvol -L lib1 Inventory of library lib1: in 3: volume OSB-CATALOG-MF-000002, 6891336 kb remaining, expires 2008/04/13.10:39
カタログ・バックアップを含むボリュームがテープ・ライブラリになく、どのボリュームにバックアップが含まれているか不明な場合は、追加のタスクを実行する必要があります。正しいボリュームを特定できるまで、次の手順を実行してください。
ライブラリのボリュームをアンロードする。
新しいボリュームをロードする
手順8からinventory
コマンドを実行する
ボリュームごとにidentifyvol
コマンドを実行する
OSB-CATALOG-MF
バックアップ・ボリュームをテープ・ドライブにロードします。
たとえば、次のコマンドを入力して、記憶域要素3からテープをドライブtape1
にロードします。
ob> loadvol -D tape1 3
この項の例では、ロードされたテープのファイル番号1に必要なカタログ・バックアップが含まれているものとします。
ファイル番号の確認方法の詳細は、「ロードされたテープでのファイル番号の確認」を参照してください。
ファイルをリストアするときは、管理サーバーの新規Oracle Secure Backupインストールに上書きしないようにするため、obtar
コマンドの構文および空白の指定に正確に従ってください。上書きすると、ソフトウェアをアンインストールしてから、再インストールが必要になります。
コマンド構文は次のとおりです。ここで、nはテープ上のファイル番号、tape_path
はリストア対象のディレクトリ名、disk_dir
はリストアされたディレクトリの保存先です。
obtar -R -Fn -xvf drive -s,tape_path,disk_dir, tape_path
-s、
tape_path
、
disk_dir
およびtape_path
の文字列と2番目のインスタンスの間に空白を1つ入れます。
注意: 管理サーバー上の重要なデータやオペレーティング・システム・ファイルの上書きを回避するために、代替パスを指定する必要があります。 |
Oracle Secure Backupカタログをリストアするには、次のようにします。
ロードされたボリュームの内容をリスト表示し、正しいボリュームおよびファイル・セクションであることを確認します。
たとえば、LinuxおよびUNIXでは、次のようにobtar
を実行してtape1
(サンプル出力が含まれている)のテープの内容をリスト表示します。
$ obtar -R -tf tape1 -F 1 Searching tape for requested file. Please wait... /usr/local/oracle/backup/admin/ /usr/local/oracle/backup/admin/config/ /usr/local/oracle/backup/admin/config/class/ . . . /usr/etc/ob/wallet/b64certificate.txt /usr/etc/ob/wallet/crl.txt /usr/etc/ob/wallet/ewallet.p12 /usr/etc/ob/wallet/nscreq.txt /usr/etc/ob/xcr/
たとえば、Windowsでは、次のようにobtar
を実行してtape1
(サンプル出力が含まれている)のテープの内容をリスト表示します。
C:\>obtar -R -F1 -tf tape1 C:/Program Files/Oracle/Backup/admin/ C:/Program Files/Oracle/Backup/admin/config/ C:/Program Files/Oracle/Backup/admin/config/class/ C:/Program Files/Oracle/Backup/admin/config/class/admin C:/Program Files/Oracle/Backup/admin/config/class/operator C:/Program Files/Oracle/Backup/admin/config/class/oracle . . . C:/Program Files/Oracle/Backup/db/xcr/1195 C:/Program Files/Oracle/Backup/db/xcr/1198 C:/Program Files/Oracle/Backup/db/xcr/1200
obtar
を使用してob
ディレクトリ(LinuxおよびUNIXの場合)またはdb
ディレクトリ(Windowsの場合)をディスクにリストアします。
例11-1では、テープ上のLinuxまたはUNIXのディレクトリ/usr/etc/ob
をディスク上の/usr/etc/ob-restored
にリストアします。2番目の/usr/etc/ob
の前の空白に注意してください。
例11-1 LinuxおよびUNIXのobディレクトリのリストア
$ obtar -R -F1 -xvf drive1 -s,/usr/etc/ob,/usr/etc/ob-restored, /usr/etc/ob /usr/etc/ob-restored/ /usr/etc/ob-restored/.hostid . . . /usr/etc/ob-restored/wallet/nscreq.txt /usr/etc/ob-restored/xcr/
例11-2では、テープ上のWindowsのディレクトリC:\Program Files\Oracle\Backup\db
をディスク上のC:\db-restored
にリストアします。2番目のC:\Program Files\Oracle\Backup\db
の前の空白に注意してください。カレット(^
)は行が続いていることを示すもので、構文の要素ではありません。
例11-2 Windowsのdbディレクトリのリストア
C:\>obtar -R -xvf tape1 -F1 ^ -s,"C:\Program Files\Oracle\Backup\db",C:\db-restored, "C:\Program Files\Oracle\Backup\db" C:\db-restored/ C:\db-restored/.hostid C:\db-restored/obconfig.txt C:\db-restored/report/ . . . C:\db-restored/xcr/1195 C:\db-restored/xcr/1198 C:\db-restored/xcr/1200
obtar
を使用してadmin
ディレクトリをディスクにリストアします。
例11-3では、テープ上のLinuxまたはUNIXのディレクトリ/usr/local/oracle/backup/admin
をディスク上の/usr/local/oracle/backup/admin-restored
にリストアします。バックスラッシュ(\
)は行が続いていることを示すもので、構文の要素ではありません。
例11-3 LinuxおよびUNIXのadminディレクトリのリストア
$ obtar -R -F1 -xvf tape1 \ -s,/usr/local/oracle/backup/admin,/usr/local/oracle/backup/admin-restored, /usr/local/oracle/backup/admin
例11-4では、テープ上のWindowsのディレクトリC:\Program Files\Oracle\Backup\admin
をディスク上のC:\admin-restored
にリストアします。カレット(^
)は行が続いていることを示すもので、構文の要素ではありません。
例11-4 Windowsのadminディレクトリのリストア
C:\>obtar -R -xvf tape1 -F1 ^ -s,"C:\Program Files\Oracle\Backup\admin",C:\admin-restored, "C:\Program Files\Oracle\Backup\admin" C:\admin-restored/ C:\admin-restored/.hostid C:\admin-restored/obconfig.txt C:\admin-restored/report/ . . . C:\admin-restored/xcr/1195 C:\admin-restored/xcr/1198 C:\admin-restored/xcr/1200
管理サーバーで、Oracle Secure Backupプロセスを停止します。
Oracle Secure Backupサービスの起動および停止のオペレーティング・システム固有のコマンド構文については、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
メディア・サーバーで、Oracle Secure Backupプロセスを停止します。
Oracle Secure Backupサービスの起動および停止のオペレーティング・システム固有のコマンド構文については、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
リストア済のディレクトリの内容をリスト表示して、カタログ・ファイルが正常にリストアされたことを確認します。
次のLinuxおよびUNIXの例は、リストアされたob
ディレクトリとadmin
ディレクトリの一覧を示します。
$ ls /usr/local/oracle/backup/admin-restored config encryption history log security state $ ls /usr/etc/ob-restored osbdevs report wallet xcr
次のWindowsの例は、リストアされたob
ディレクトリとadmin
ディレクトリの一覧を示します。
C:\>dir /w c:\admin-restored Volume in drive C has no label. Volume Serial Number is 240F-6921 Directory of c:\admin-restored [.] [..] [config] [encryption] [history] [log] [security] [state] 0 File(s) 0 bytes 8 Dir(s) 254,307,901,952 bytes free C:\>dir /w c:\db-restored Volume in drive C has no label. Volume Serial Number is 240F-6921 Directory of c:\db-restored [.] [..] .hostid obconfig.txt [report] [wallet] [xcr] 2 File(s) 488 bytes 5 Dir(s) 254,307,901,952 bytes free
管理サーバーで、Oracle Secure Backupホームから次のディレクトリを削除します。
ob
ディレクトリ(LinuxおよびUNIXの場合)またはdb
ディレクトリ(Windowsの場合)
admin
ディレクトリ
次のLinuxおよびUNIXの例では、/usr/etc/ob
および/usr/local/oracle/backup/admin
ディレクトリを削除します。
$ rm -rf /usr/etc/ob $ rm -rf /usr/local/oracle/backup/admin
次のWindowsの例では、C:\Program Files\Oracle\Backup\admin
およびC:\Program Files\Oracle\Backup\db
を削除します。
C:\>cd C:\Program Files\Oracle\Backup C:\Program Files\Oracle\Backup>del /S admin C:\Program Files\Oracle\Backup>del /S db
リストアしたOracle Secure Backupディレクトリを管理例の元の場所に移動します。
次のLinuxおよびUNIXの例では、リストアされたディレクトリの名前を変更します。
$ mv /usr/local/oracle/backup/admin-restored /usr/local/oracle/backup/admin $ mv /usr/etc/ob-restored /usr/etc/ob
次のWindowsの例では、リストアされたディレクトリの名前を変更します。
C:\>cd C:\Program Files\Oracle\Backup C:\Program Files\Oracle\Backup>move /Y C:\db-restored db C:\Program Files\Oracle\Backup>move /Y C:\admin-restored admin
ロードされたテープでのファイル番号の確認
次のobtar
コマンドを使用して、テープ上のアーカイブ・ラベルをリストします。このコマンドでは、ロードされたテープのファイル番号も示されます。
# obtar -zzvf tape1 Volume label: Volume UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Volume ID: OSB-CATALOG-MF-00001 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Mon Sep 12 11:17:07 2011 Original UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Archive label: File number: 1 File section: 1 Owner: root Client host: brhost1 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Mon Sep 12 11:17:07 2011 Encryption: off Volume label: Volume UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Volume ID: OSB-CATALOG-MF-00001 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Mon Sep 12 11:17:07 2011 Original UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Archive label: File number: 2 File section: 1 Owner: root Client host: storabck40 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Mon Sep 12 13:55:04 2011 Encryption: off Volume label: Volume UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Volume ID: OSB-CATALOG-MF-00001 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Mon Sep 12 11:17:07 2011 Original UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Archive label: File number: 3 File section: 1 Owner: root Client host: storabck40 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Tue Sep 13 14:01:09 2011 Encryption: off Volume label: Volume UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Volume ID: OSB-CATALOG-MF-00001 Volume sequence: 1 Volume set owner: root Volume set created: Mon Sep 12 11:17:07 2011 Original UUID: c61e34d4-bfa1-102e-aaa1-080020a47bd5 Archive label: File number: 4 File section: 1 Owner: root Client host: brhost1 Backup level: 0 S/w compression: no Archive created: Tue Sep 13 14:04:57 2011 Encryption: off End of volume set.
カタログ・ファイルのリストアが完了しても、管理ドメインはまだ正常に機能する準備ができていません。この項では、ドメインが正常に機能するように戻す方法について説明します。
管理ドメインを機能させるには、次のようにします。
次のいずれかのオプションを選択します。
テープ・ドライブが管理サーバーにローカルに接続されている場合は、手順3に進みます。
テープ・ドライブがリモート・メディア・サーバーに接続されていて、このリモート・ホストがOracle Secure Backupソフトウェアを実行していない場合は、手順3に進みます。
テープ・ドライブがリモート・メディア・サーバーに接続されていて、このリモート・ホストがOracle Secure Backupソフトウェアを実行している場合は、手順2のタスクを実行します。
次の手順を実行します。
リモート・メディア・サーバーで、observiced
デーモンを停止します。
オペレーティング・システムに固有のobserviced
コマンドの構文は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
/usr/etc/obディレクトリを元の場所に戻します。
UNIXでは、次のコマンドを使用します。
# mv /usr/etc/ob.sav /usr/etc/ob
Windowsでは、次のコマンドを使用します。
C:\>cd C:\Program Files\Oracle\Backup
C:\Program Files\Oracle\Backup>del /S db
C:\ Program Files\Oracle\Backup> move /Y db-save db
リモート・メディア・サーバーで、observiced
デーモンを起動します。
管理サーバーで、不明瞭化された暗号化ウォレットを再作成します。
Oracle Secure Backupでは、パスワードで保護された暗号化ウォレットも管理サーバーにリストアされますが、セキュリティ上の理由から、不明瞭化ウォレットはバックアップされません。リストア操作後に、元の暗号化ウォレットの作成時に使用したパスワードを指定して、手動でウォレットを再作成する必要があります。
注意: このタスクを実行するには、元の暗号化ウォレット・パスワードが必要です。 |
次の例では、obcm
コマンドを使用してウォレットを再作成し、キーストア・パスワードを変更します。
obcm chpass --keywallet
旧パスワードと新規パスワードの入力を求められたら、入力します。
前述のコマンドの実行後、obtool
を実行しようとすると、次のエラーが表示される場合があります。
obtool: Error: can't connect to administrative observiced - Network is unreachable
このエラーは、observiced
デーモンを停止して再起動すると、解決します。
管理サーバーで、observiced
デーモンを停止し、再起動します。
オペレーティング・システムに固有のobserviced
コマンドの構文は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
リモート・メディア・サーバーを使用してカタログ・リストアを行った場合、そのサーバーでOracle Secure Backupデーモンを再起動します。
デーモンを再起動していない場合、管理ドメインを機能させるには、まずデーモンを再起動する必要があることを示す次のエラー・メッセージが表示されます。
Error: can't connect to Oracle Secure Backup service daemon on brhost2 - observiced not running
brhost2: no services are available
管理サーバーで、ボリュームを含むライブラリを初めて使用する前に、最初にinventoryを実行してください。
たとえば、ライブラリlib1
で次のコマンドを実行します。
ob> inventory -L lib1
リストアされたOracle Secure Backup管理ドメインが問題ないことを確認します。
デバイス、データセット、ボリューム、ジョブ、メディア・ファミリおよびその他の関連するOracle Secure Backupオブジェクトを調べて、それらが存在しており、リストアされたドメインで実行中であることを確認します。