この章では、LinuxまたはUNIXの稼働するホストにOracle Secure Backupをインストールする方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Secure BackupをLinuxまたはUNIXホストにインストールするには、次の3つの手順があります。
ロード
Oracle Secure Backupのインストールに必要なファイルは、管理サーバーのOracle Secure Backupホームというディレクトリにステージングされています。この手順は、setup
というスクリプトによって実行されます。
インストール
Oracle Secure Backup実行可能ファイルは、ホストでの使用のために正しくデプロイされています。この手順は、installob
というスクリプトによって実行されます。
各メディア・サーバーでの接続ポイントの作成
この手順は、Oracle Secure Backupデバイス・ドライバがテープ・デバイスにアクセスするために必要です。この作業を実行するには、SCSIデバイス・パラメータが必要です。
LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムにOracle Secure Backupをインストールするには、次の前提条件があります。
各ホストは、静的IPアドレスでネットワークに接続され、TCP/IPを実行する必要があります。
システムにuncompress
ユーティリティがインストールされている必要があります。
注意: システムにuncompressユーティリティがインストールされていない場合は、次のコマンドにより、gunzipユーティリティを指すuncompress のシンボリック・リンクを作成できます。
ln -s /bin/gunzip uncompress |
使用するLinuxまたはUNIXメディア・サーバーに接続されたテープ・ドライブおよびテープ・ライブラリごとにSCSIのパラメータが必要です。これらのパラメータは、付録C「LinuxでのSCSIパラメータの確認」の手順を使用して確認できます。この情報は、各テープ・デバイスの接続ポイントを作成する際に必要です。
Redhat Linuxシステムでは、sg3_utils
およびsg3_utils-libs
RPMパッケージをインストールしてください。これらのパッケージは、sg_map
コマンドを正常に実行するために必要です。
各ホストにroot
権限でログインしてインストールを実行する必要があります。
Linuxの各メディア・サーバーに、SCSI Generic(SG)ドライバがインストールされている必要があります。このドライバは、Oracle Secure Backupがテープ・デバイスとやり取りするために必要です。
/etc/modprobe.conf
ファイルで正しく設定すれば、カーネル・モジュールは、通常そのモジュールを必要とする機能によって直接ロードされます。ただし、場合によっては起動時にモジュールのロードを明示的に強制する必要があります。
たとえば、RedHat Enterprise Linuxでは、SCSI Genericドライバのモジュールはsg
という名前が付いています。Red Hat Enterprise Linuxでは、モジュールをロードするための各種コマンドが格納されている/etc/rc.modules
ファイルが存在するかどうかが起動時にチェックされます。
注意: 起動プロセスではrc.modules ファイルが先に実行されるため、rc.local ファイルではなく、rc.modules ファイルが必要です。 |
RedHat Enterprise Linuxでは、次のコマンドを使用して、起動時にroot
としてロードするように構成されたモジュールのリストにsg
モジュールを追加できます。
# echo modprobe sg >> /etc/rc.modules # chmod +x /etc/rc.modules
Oracle Secure Backupユーザーを、/dev/sg
デバイスに対する読取り/書込み権限を持つLinuxまたはUNIXユーザーにマップする必要があります。1つの方法として、/dev/sg
デバイスに対する権限を666
に設定することにより、この目的を果すことができます。
Oracle Secure Backupでは、SCSIおよびファイバ・チャネルの両デバイスがLinuxとUNIX用にサポートされています。メディア・サーバーに接続されたテープ・デバイスと通信するようにメディア・サーバーを構成するには、各テープ・デバイスのSCSIパラメータが必要です。
表2-1に、各プラットフォームに必要なSCSIパラメータを示します。
表2-1 必要なSCSIパラメータ
プラットフォーム | Linux | HP-UX | AIX |
---|---|---|---|
ホスト・バス・アダプタ |
x |
x |
|
SCSIバス・アドレス脚注1 |
x |
x |
|
SCSIバス名インスタンス |
x |
x |
x |
ターゲットID |
x |
x |
x |
SCSI LUN |
x |
x |
x |
脚注1 Linuxで、SCSIバス・アドレスはチャネルと呼ばれます。
各テープ・ドライブおよびテープ・ライブラリには、Oracle Secure Backup論理ユニット番号も割り当てる必要があります(「デバイスへのOracle Secure Backup論理ユニット番号の割当て」を参照)。
注意: SCSI LUNをOracle Secure Backup LUNと混同しないでください。SCSI LUNはテープ・デバイスのハードウェア・アドレスの一部であり、Oracle Secure Backup論理ユニット番号はデバイス特殊ファイルの名前の一部です。 |
各テープ・ドライブおよびテープ・ライブラリには、構成プロセス中にOracle Secure Backup LUNを割り当てる必要があります。この番号は、デバイスの構成時に一意のデバイス名を生成するために使用されます。Windowsでは、必要に応じて自動的にOracle Secure Backup論理ユニット番号が割り当てられます。ただし、UNIXまたはLinuxのメディア・サーバーの場合、管理ドメインの計画の一環として、デバイスごとにOracle Secure Backup論理ユニット番号を選択する必要があります。
Oracle Secure Backup論理ユニット番号の割当てに必須の順序はありません。通常、テープ・ライブラリまたはテープ・ドライブのいずれの場合でも、指定したタイプの各テープ・デバイスに、番号が0から順に割り当てられます。つまり、テープ・ライブラリには0、1、2の順に番号が割り当てられ、テープ・ドライブにも同様に0、1、2の順に番号が割り当てられます。Oracle Secure Backup論理ユニット番号の最大値は31です。
LinuxまたはUNIXでは、その結果、テープ・ライブラリのデバイス固有のファイル名は、/dev/obl1
、/dev/obl2
、/dev/obl3
などとなり、テープ・ドライブの名前は、/dev/obt1
、/dev/obt2
、/dev/obt3
などとなります。Windowsでは、結果のテープ・ライブラリ名は、//./obl1
、//./obl2
、//./obl3
などどなり、テープ・ドライブの名前は、//./obt1
、//./obt2
、//./obt3
などどなります。これらの名前は、WindowsでのOracle Secure Backupのインストール時に自動的に割り当てられます。
注意: Oracle Secure Backup論理ユニット番号をSCSI LUNと混同しないでください。後者はテープ・デバイスのハードウェア・アドレスの一部ですが、Oracle Secure Backup論理ユニット番号はデバイス特殊ファイルの名前の一部です。 |
この項では、Oracle Secure Backupソフトウェアをダウンロードする方法について説明します。
Oracle Secure Backupインストール・ソフトウェアをダウンロードして解凍する手順:
root
権限を保持するユーザーとしてホストにログインします。
ダウンロードしたインストール・ファイルを保存するのに十分な空き領域があるファイル・システムに、osbdownload
というディレクトリを作成します。
mkdir /tmp/osbdownload
Webブラウザを起動して、次のURLにあるOracle Technology Network(OTN)のOracle Secure BackupのWebサイトに移動します。
http://www.oracle.com//technetwork/products/secure-backup/overview/index.html
「Downloads」タブをクリックします。
表示されたページに、「Oracle Secure Backup Downloads」セクションおよび「Oracle Secure Backup Express Downloads」セクションがあります。
ダウンロードするOracle Secure Backupのバージョンをクリックします。
「Oracle Secure Backup Downloads」ページが表示されます。
「OTN License Agreement」をクリックします。
「Oracle Technology Network Developer License Terms」ページが、別のブラウザ・ウィンドウに表示されます。
「Export Controls on the Programs」を読み、ウィンドウを閉じます。
Oracle Secure Backupソフトウェアをダウンロードするには、OTN使用許諾契約を受諾する必要があります。
「Accept License Agreement」オプションを選択し、使用するオペレーティング・システム専用のOracle Secure Backupリリース10.4のバージョンのリンクをクリックします。
注意: 環境に複数のオペレーティング・システムがある場合は、Oracle Secure Backupリリース10.4ソフトウェアを複数回ダウンロードする必要があります。 |
Oracle Secure Backupリリース10.4インストール・ソフトウェアを一時ディレクトリに保存します。
圧縮されたインストール・ソフトウェアを手順2で作成したosbdownload
ディレクトリに解凍します。
これでOracle Secure Backupリリース10.4のインストールに必要なすべてのファイルが揃いました。
Oracle Secure Backupをインストールする前に、次の処理を行います。
管理サーバー、メディア・サーバーおよびクライアントのロールのホストを選択します(「インストールおよび構成の概要」を参照)。
LinuxまたはUNIXメディア・サーバーに接続された各テープ・ドライブおよびテープ・ライブラリのSCSIパラメータを収集します。この情報は、各テープ・デバイスの接続ポイントを作成する際に必要です。
Oracle Secure Backupのテープ・デバイスを管理ドメインに追加する前に、任意のSCSIターゲットをスキャンおよびオープンするシステム・ソフトウェアをすべて無効にします。テープ・ライブラリおよびドライブへのアクセス時に、Oracle Secure Backupが他のシステム・ソフトウェア(監視ソフトウェアなど)と競合すると、予期しない動作が発生する可能性があります。
Oracle RAC環境にOracle Secure Backupをインストールする場合、クラスタのノードごとにOracle Secure Backupをインストールする必要があります。
Oracle Secure Backupホームを作成する必要があります。Oracle Secure Backupのsetup
プログラムでは、ホスト固有のインストール・ファイルを格納するためにこのディレクトリを使用します。
注意: Oracle Secure Backupホームには、/usr/local/oracle/backup を使用することをお薦めします。別のディレクトリを使用すると、setupプログラムにより、選択したディレクトリの確認を求めるプロンプトが表示されます。 |
注意: obtool またはOracle Secure Backup Webツールを使用してroot 以外のユーザーを有効にするには、suid メカニズムを使用できるファイル・システムにOracle Secure Backupをインストールします。そのファイル・システムの/etc/fstab ファイル・エントリからnosuid オプションを削除することで、これが実行されます。 |
関連項目: Oracle Secure Backupホームの詳細は、「Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリ」および『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Secure Backupホームを作成するには、次のようにします。
ホストにroot
としてログインします。
次のコマンドを実行します。
# mkdir -p /usr/local/oracle/backup
setupスクリプトによって、ロード・プロセスが実行されます。このプロセスでは、Oracle Secure Backupのインストールに必要なファイルのパッケージが、インストール・メディアから抽出され、後からinstallob
インストール・スクリプトで使用するためにOracle Secure Backupホームにステージングされます。
Oracle Secure BackupをOracle Secure Backupホーム・ディレクトリにロードして、1つ以上のLinuxまたはUNIXプラットフォームに後でインストールするための手順:
LinuxまたはUNIXオペレーティング・システムにroot
としてログインします。
「Oracle Secure Backupホームの作成」で作成したOracle Secure Backupのホーム・ディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。
# cd /usr/local/oracle/backup
インストール・メディアまたは抽出したアーカイブ・ディレクトリからsetup
スクリプトを実行します。次のコマンドを入力します。ここで、/media_dir
は、CD-ROMマウント・ポイントまたはダウンロードしたアーカイブから抽出したファイルを含むディレクトリです。
# /media_dir/setup
たとえば、Oracle Technology Network(OTN)からアーカイブをダウンロードし、セットアップ・ソフトウェアを/tmp/osbdownload/OB
ディレクトリに解凍した場合は、setup
を次のように実行します。
# /tmp/osbdownload/OB/setup
Oracle Secure Backupは、インストールの際に圧縮ファイルを一時ディレクトリに解凍します。解凍先ディレクトリを指定するには、setup
コマンドで-t
オプションを使用します。たとえば、setup
で解凍にdirectory_name
を使用する場合は、次のように指定します。
# /media_dir/setup -t directory_name
setup
スクリプトで、次のメッセージが表示されます。
Oracle Secure Backupのバージョン番号を示すようこそメッセージおよび進行状況メッセージ
プラットフォームを示すメッセージ
パッケージをロードする際の各種の進行状況メッセージ
スクリプトが終了すると、インストールCD-ROMをアンマウントして取り出すよう求められます。
注意: この時点で、ロード・プロセスは完了です。Oracle Secure Backupのインストールに必要なファイルは、このホストのOracle Secure Backupホームに格納されています。 |
setupスクリプトで、installob
スクリプトを起動してOracle Secure Backupをローカル・ホストにインストールするように求められます。次のいずれかのオプションを選択します。
後でinstallob
を実行する場合、またはobparameters
ファイルを使用してインストール・プロセスの一部をカスタマイズする必要がある場合は、no
を入力します(「obparametersファイルでのインストール・パラメータの構成」を参照)。
noと入力すると、setup
により後からインストールを続行する方法が示され、setupは終了します。
installob
スクリプトを起動する場合は、yes
と入力します。installob
の実行手順は、「LinuxまたはUNIXでのinstallobによるOracle Secure Backupのインストール」で説明しています。
注意: setupスクリプトが中断された場合、OB nnnn またはOB nnnn .Z という一時ファイルが/usr/tmp に残される可能性があります。これらのファイルは安全に削除できます。 |
setupスクリプトにより、Oracle Secure Backupホームのインストール・サブディレクトリにobparameters
というファイルが作成されます。たとえば、Oracle Secure Backupホームがデフォルトの/usr/local/oracle/backup
にある場合、obparameters
ファイルは、/usr/local/oracle/backup/install/
に保存されます。
setupスクリプトでは、インストール・プロセス中に、obparameters
ファイルのデフォルト設定を受け入れるか、それらの設定をカスタマイズするかを選択できます。ほとんどの場合、obparameters
ファイルのデフォルト設定を変更する必要はありません。ただし、インストール計画の一環として、このファイルで制御できるパラメータを確認し、それらを変更するかどうかを決定する必要があります。
obparameters
ファイルは、標準的なテキスト・エディタを使用して編集できるプレーン・テキストです。
obparameters
ファイルのパラメータを変更する理由は、次のとおりです。
異なる鍵のサイズを指定することで、セキュリティやパフォーマンスを強化できます。
異なるプラットフォームへのインストール時に作成されるインストール・ディレクトリやシンボリック・リンクをカスタマイズできます。
Oracle Secure Backupを使用してOracle Databaseファイルをテープにバックアップする場合、RMANバックアップ用にoracle
というOracle Secure Backupユーザーを作成できます。obparameters
にパラメータを設定して、このユーザーをLinuxまたはUNIXのオペレーティング・システム資格証明と関連付けることができます。
注意:
|
関連項目:
|
LinuxまたはUNIXでOracle Secure Backupソフトウェアをインストールするには、次のようにします。
各テープ・デバイスのSCSIパラメータが使用可能かどうかを確認します。
最初のインストールの一部として、これらのパラメータを入力して各SCSIデバイスの接続ポイントを作成できます。Solaris 10システムには、特殊なデバイス構成手順があります。「Oracle Secure Backupの接続ポイントを提供するSolaris sgenドライバの構成」を参照してください。
installob
スクリプトを起動します。
Oracle Secure Backupのsetupスクリプトは、installob
スクリプトを使用したインストール・プロセスを起動するかどうかを質問して終了します。この質問にyes
と入力すると、setupスクリプトによって自動的にinstallob
スクリプトが実行されます。
それ以外の場合は、コマンド・プロンプトからinstallob
スクリプトを起動します。root
としてログインして、Oracle Secure Backupホームに移動し、次のコマンドを入力します。
install/installob
installob
スクリプトのようこそメッセージが表示され、質問の大部分にはデフォルトの答えがあり、[Enter]を押せば選択できることが示されます。
この手順は、「obparametersファイルでのインストール・パラメータの構成」で説明されているobparameters
ファイルのcustomized
obparameters
パラメータの値によって異なります。次の2つの場合が考えられます。
obparameters
ファイルを編集し、customized
obparameters
をyes
に設定されている。
この場合、installob
スクリプトでは、ユーザーがobparameters
ファイルで必要な変更を行ったとみなし、インストール時にそれらのパラメータを使用します。手順4に進んでください。
customized
obparameters
パラメータがデフォルトのno
に設定されている。
この場合、installob
スクリプトによって、obparameters
ファイルを確認し、カスタマイズするかどうかが尋ねられます。次のいずれかのオプションを選択します。
obparameters
ファイルをカスタマイズしない場合は、yes
と入力するか、[Enter]キーを押します。手順4に進んでください。
obparameters
ファイルをカスタマイズする場合は、no
と入力します。installob
スクリプトから、obparameters
の確認後にスクリプトを再実行するよう示されます。その後、installob
スクリプトは終了します。
各ホストのロールは、管理ドメインの計画時に決定しました。次のいずれかのオプションを選択します。
管理サーバー用のソフトウェアをインストールする場合は、aと入力します。
このオプションを選択すると、installob
はメディア・サーバーおよびクライアントのロールに必要なソフトウェアもインストールします。
メディア・サーバー用のソフトウェアをインストールする場合は、bと入力します。
このオプションを選択すると、installob
はクライアントのロールに必要なソフトウェアもインストールします。
クライアント用のソフトウェアをインストールする場合は、cと入力します。
ロールは、obtoolのchhost
コマンドを使用して後から追加または削除できます。
注意:
|
この手順では、管理サーバーのインストールについて説明します。
Oracle Secure Backupキーストアのパスワードを作成します。
installob
スクリプトで、キーストアのパスワードの入力およびパスワードの再入力を求められます。英数字の混在する8文字以上のパスワードを指定することをお薦めします。入力中のパスワードは、画面に表示されません。
Oracle Secure Backup管理サーバーのパスワードを作成します。
installob
スクリプトで、admin
ユーザーのパスワードの入力を求められ、確認のための再入力を求められます。英数字の混在する8文字以上のパスワードを指定することをお薦めします。入力中のパスワードは、画面に表示されません。
最小パスワード長は、minuserpasswordlen
セキュリティ・ポリシーにより決定されています。デフォルト値は0で、これはNULLパスワードが許可されることを意味します。minuserpasswordlen
の値は、obparameters
ファイルのminimum
user
password
length
パラメータの設定によって変更できます。
関連項目: minuserpasswordlenセキュリティ・ポリシーの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
注意: コマンドラインまたはコマンド・スクリプトでのクリア・テキストによるパスワードの指定は推奨されません。セキュリティの脆弱性です。推奨される方法は、ユーザーがパスワードの入力の要求に応じる方法です。 |
installob
スクリプトによって、Oracle Secure Backupによる通知の送信先の電子メール・アドレスが求められます。
注意: Oracle Secure Backupによって生成される電子メールのデフォルトの送信元アドレスは、root@ fqdn です(fqdn は、Oracle Secure Backup管理サーバーの完全修飾ドメイン名)。このデフォルトの送信元アドレスは、インストール後に変更できます。詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
これでinstallob
スクリプトにより、インストール先ホストでのOracle Secure Backupソフトウェアのインストールおよび構成時に、情報メッセージが表示されるようになります。このプロセスは、完了までに数分かかる場合があります。
管理サーバーまたはメディア・サーバーにOracle Secure Backupをインストールする場合、installob
スクリプトでは、テープ・ドライブまたはテープ・ライブラリを構成するかどうかが尋ねられます。
注意: installob では、構成とは、Oracle Secure Backupがテープ・デバイスと通信するために必要な接続ポイントを作成することを指します。この手順を、第5章「管理ドメインの構成および管理」で説明されている、テープ・デバイスおよびメディア・サーバーに関する情報による管理ドメインの構成と混同しないでください。 |
installob
スクリプトには、管理サーバーのインストールで、管理サーバーとメディア・サーバーのどちらのロールにも必要なソフトウェアが含まれています。したがって、このプロンプトは、テープ・ドライブまたはテープ・ライブラリが接続されていなくても、管理サーバーでのインストール時に表示されます。
この手順では、SCSIテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブについて説明していますが、ファイバ・チャネル・テープ・デバイスにも適用されます。
次のいずれかのオプションを選択します。
今すぐテープ・デバイス用の接続ポイントを作成しない場合、またはテープ・デバイスが接続されていない管理サーバーにインストールする場合は、no
と入力します。
注意: LinuxおよびSolarisシステムでは、インストール時にテープ・ライブラリまたはテープ・ドライブを構成するかどうかを尋ねられた場合、no と入力することをお薦めします。
Linuxでは、接続ポイントに |
後から接続ポイントを作成する場合、または将来メディア・サーバーにテープ・デバイスを追加する場合、この作業を完了する別の2つの方法については、「接続ポイントの作成」を参照してください。
この時点でテープ・デバイスを構成する場合は、yes
と入力します。
接続ポイントを作成する場合、installob
では、このホストにテープ・ライブラリが接続されているかどうかが尋ねられます。また、接続されている場合は、各テープ・ライブラリのSCSIパラメータを求められます。テープ・ライブラリSCSIパラメータを入力すると、installob
スクリプトから入力の確認を求められます。
このホストに接続されているテープ・ライブラリに関する情報を入力すると、installob
スクリプトは、スタンドアロン・テープ・デバイスについて同じ質問をします。
表2-2に、installob
で各プラットフォームに必要な情報を示します。デバイス・タイプの場合、テープ・ドライブにはd
、テープ・ライブラリにはl
(L
の小文字)を入力します。
表2-2 installobで必要な情報
プラットフォーム | Linux | HP-UX | Solaris | AIX |
---|---|---|---|---|
Oracle Secure Backup LUN脚注1 |
x |
x |
x |
x |
デバイス・タイプ |
x |
x |
x |
x |
ホスト・バス・アダプタ |
x |
x |
||
SCSIバス・アドレス脚注2 |
x |
x |
||
SCSIバス名インスタンス |
x |
x |
x |
x |
ターゲットID |
x |
x |
x |
x |
SCSI LUN |
x |
x |
x |
x |
脚注1 Oracle Secure Backup論理ユニット番号とSCSI LUNを混同しないでください。
脚注2 Linuxで、SCSIバス・アドレスはチャネルと呼ばれます。
installob
スクリプトで入力を求められたら、各パラメータの値を入力します。[Enter]を押すとデフォルト値を受け入れることができますが、スクリプトで提供されるデフォルトのSCSIパラメータは正しくないことがあります。
このホストに接続されているすべてのテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブについてSCSIパラメータを入力すると、installob
スクリプトは、デバイス・ドライバの構成とデバイス固有のファイルの作成を開始します。
各テープ・デバイス用に作成されたデバイス固有のファイルの名前を控えておきます。ファイル名は、Oracle Secure Backupドメインの構成の一環としてテープ・デバイス用にアタッチメントを構成する際に必要です。ファイル名は、/dev/obt
n
(テープ・ドライブの場合)および/dev/obl
n
(テープ・ライブラリの場合)です。nは、テープ・デバイスに対して入力したOracle Secure Backup LUNです。
間違ったパラメータを入力すると、デバイス特殊ファイルの作成は失敗します。その結果発生するエラーを解決するには、installob
を再実行し、正しい値を入力するか、「接続ポイントの作成」で説明されているように、makedev
スクリプトを使用します。
installob
スクリプトにより、このホストに接続されたすべてのテープ・デバイスの接続ポイントが作成されると、Oracle Secure Backup Webインタフェースを使用するか、コマンドラインでobtool
のmkdev
コマンドを使用して、これらのテープ・デバイスを構成する必要があると示されます。
installob
スクリプトは、このセッションのインストール・アクティビティのサマリーを表示して終了します。このインストール・サマリーには、installob
のセッション中に実行されたデバイス特殊ファイル作成に関する情報は含まれません。
AIXおよびLinux/UNIXのインストールおよびアンインストールの手順は同じです。
Oracle Secure Backupをインストールする際、Oracle Secure Backup admin
ユーザーは、デフォルトで、UNIXユーザーroot
およびUNIXグループroot
にマップされます。Oracle Secure Backupでは、この構成で、ファイル・システムのバックアップに成功するには、ユーザーroot
がグループroot
のメンバーである必要があります。デフォルトでは、AIXではグループroot
は定義されません。AIXシステムにグループroot
が存在しない場合は、それを作成して、ユーザーroot
をそのメンバーにする必要があります。
注意: インストール後に、このOracle Secure Backupadmin のマッピングを変更できます。 |
HP-UXおよびLinux/UNIXのインストールおよびアンインストールの手順は同じです。
Oracle Secure Backupのmakedev
スクリプトは、単一のテープ・デバイスに接続ポイントを作成するために使用されます。内部では、installob
スクリプトが、インストール時に指定したテープ・デバイスごとに1回makedev
をコールします。または、installob
の外部でmakedev
を実行して、すべての必要な接続ポイントを作成することもできます。
makedev
スクリプトは、新しい接続ポイントを作成するのではなく、古い接続ポイントを置き換えることもできます。テープ・ライブラリまたはテープ・ドライブのOracle Secure Backup LUNを再利用すると、古いテープ・デバイスの接続ポイントは上書きされます。
表2-3に、makedevで各プラットフォームに必要な情報を示します。デバイス・タイプの場合、テープ・ドライブにはd
、テープ・ライブラリにはl
(L
の小文字)を入力します。
表2-3 makedevで必要な情報
プラットフォーム | Linux | HP-UX | AIX |
---|---|---|---|
Oracle Secure Backup LUN脚注1 |
x |
x |
x |
デバイス・タイプ |
x |
x |
x |
ホスト・バス・アダプタ |
x |
x |
|
SCSIバス・アドレス |
x |
x |
|
SCSIバス名インスタンス |
x |
x |
x |
ターゲットID |
x |
x |
x |
SCSI LUN |
x |
x |
x |
脚注1 Oracle Secure Backup論理ユニット番号とSCSI LUNを混同しないでください。
関連項目: makedev の構文は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
この項の内容は次のとおりです。
Oracle Secure Backupは、SCSIまたはファイバ・チャネル・テープ・デバイスにアクセスするために、デバイスとホストの接続方法に関して次の識別情報が必要です。
SCSIバス名
ターゲットID
LUN
標準のオペレーティング・システム・コマンドでは、接続されたすべてのデバイスに関する情報をすぐに入手できない場合があります。
AIXの切替え環境でファイバ・チャネル・テープおよびメディア・チェンジャ・デバイスを使用する場合、スタンドアロン・ツールobscan
を使用して、デバイス情報を収集できます。SCSI IDおよびLUNにより、Oracle Secure Backupで使用するためにデバイスを正しく構成する必要があります。
obscan
ツールは、AIX環境でデバイスを識別するオプションのツールとして提供されています。obscan
実行可能ファイルは、Oracle Secure Backup CDまたはCDイメージのcdtools
ディレクトリにあります。構文は次のとおりです。ここで、dname
は、対象のSCSIバスまたはファイバ・チャネル・ファブリックです。
obscan dname
obscan
ツールは、各テープおよびメディア・チェンジャ・デバイスのSCSI IDおよびLUNを判別します。
obscanおよびmakedevを使用してAIXデバイスを識別および構成するには、次のようにします。
root
としてログインします。
obscan
を実行するには、デバイスにアクセス(多くの場合はrootアクセス)するオペレーティング・システム権限が必要です。
Oracle Secure Backupによって使用されるテープ・デバイスを持つ各SCSIおよびファイバ・チャネル・アダプタに対してobscan
を実行します。
次の例では、obscan
は、デバイス・ファイル/dev/scsi2
によって識別されるSCSIバスに接続されたテープ・デバイスに関する情報を収集します。
obscan /dev/scsi2 obscan version 10.4.0.3 (AIX) Copyright (c) 1992, 2012, Oracle. All rights reserved. DEVICE information for /dev/scsi2 Target-id : 0, Lun : 0 Vendor : ADIC Product : FastStor 2 Target-id : 5, Lun : 0 Vendor : HP Product : Ultrium 2-SCSI Total count of Media Changers and/or Tape devices found : 2
この2番目の例では、obscan
は、/dev/fssci0
によって識別されるファイバ・チャネル・ファブリックに接続されたテープ・デバイスに関する情報を収集します。
obscan /dev/fscsi0DEVICE information for /dev/fscsi0 Target-id : 6423827, Lun : 0 Vendor : ADIC Product : Scalar 24 World Wide Name : 2001006045175222 Target-id : 6423827, Lun : 1 Vendor : IBM Product : ULTRIUM-TD2 World Wide Name : 2001006045175222 Target-id : 6423827, Lun : 2 Vendor : IBM Product : ULTRIUM-TD2 World Wide Name : 2001006045175222 Target-id : 6491411, Lun : 0 Vendor : ADIC Product : Scalar i500 World Wide Name : 2400005084800672 Target-id : 6491411, Lun : 1 Vendor : IBM Product : ULTRIUM-TD3 World Wide Name : 2400005084800672 Target-id : 6491411, Lun : 2 Vendor : IBM Product : ULTRIUM-TD3 World Wide Name : 2400005084800672 Target-id : 6491411, Lun : 3 Vendor : IBM Product : ULTRIUM-TD3 World Wide Name : 2400005084800672 Target-id : 6491411, Lun : 4 Vendor : IBM Product : ULTRIUM-TD3 World Wide Name : 2400005084800672 Total count of Media Changers and/or Tape devices found : 8
Oracle Secure Backupホームのinstall
ディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。
# cd /usr/local/oracle/backup/install
シェル・プロンプトでmakedev
コマンドを入力します。
# makedev
バックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、プロンプトで、Oracle Secure Backup内で使用される接続ポイントの作成に必要な情報を入力します。
次の例では、ターゲットID 0
およびlun 0
を持つscsi2
に接続されたADIC FastStor 2ライブラリの接続ポイント/dev/obl8
を作成します。
makedev Enter logical unit number 0-31 [0]: 8 Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable tape library [d]: l Enter SCSI bus name: scsi2 Enter SCSI target id 0-16777215: 0 Enter SCSI logica l unit number (lun) 0-7 [0]: 0 /dev/obt8 created
この2番目の例では、ターゲットID 6423827
およびlun 0
を持つfsci0
に接続されたADIC Scalar 24ライブラリの接続ポイント/dev/obl9
を作成します。
makedev Enter logical unit number 0-31 [0]: 9 Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable tape library [d]: l Enter SCSI bus name: fscsi0 Enter SCSI target id 0-16777215: 6423827 Enter SCSI logical unit number (lun) 0-7 [0]: 0 /dev/obl9 created
makedev
スクリプトで、接続ポイントが作成され、その進行状況を示すメッセージが表示されます。
Point-to-PointまたはFC-AL構成では、SCSI IDおよびLUNを判別できるツールが用意されていません。ただし、これらの構成でIBM社がサポートしているデバイスの場合、lsattr
コマンドを使用できます。
lsattrおよびmakedevを使用してAIXデバイスを識別および構成するには、次のようにします。
root
としてログインします。
lsattr
を実行するには、デバイスにアクセス(多くの場合はrootアクセス)するオペレーティング・システム権限が必要です。
Oracle Secure Backupによって使用されるテープ・デバイスを持つ各SCSIおよびファイバ・チャネル・アダプタに対してlsattr
を実行します。
次のlsattr
の例では、rmt0
デバイスの属性名、現在の値、説明およびユーザー設定可能フラグの値が表示されます。
user: lsattr -El rmt0 block_size 512 BLOCK size (0=variable length) True delay 45 Set delay after a FAILED command True density_set_1 0 DENSITY setting #1 True density_set_2 0 DENSITY setting #2 True extfm yes Use EXTENDED file marks True location Location Label True lun_id 0x1000000000000 Logical Unit Number ID False mode yes Use DEVICE BUFFERS during writes True node_name 0x1000006045175222 FC Node Name False res_support no RESERVE/RELEASE support True ret_error no RETURN error on tape change or reset True rwtimeout 144 Set timeout for the READ or WRITE commandTrue scsi_id 0x2 SCSI ID False var_block_size 0 BLOCK SIZE for variable length support True ww_name 0x2001006045175222 FC World Wide Name False
Oracle Secure Backupのmakdev
コマンドで使用できるように、lun_id
およびscsi_id
の16進値(太字で表示)を10進値に変換できます。変換後は、SCSI LUN IDは281474976710656で、SCSI IDは2です。
Oracle Secure Backupホームのinstall
ディレクトリに移動します。たとえば、次のようになります。
# cd /usr/local/oracle/backup/install
シェル・プロンプトでmakedev
コマンドを入力します。
# makedev
バックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、プロンプトで、Oracle Secure Backup内で使用される接続ポイントの作成に必要な情報を入力します。
makedev
スクリプトで、接続ポイントが作成され、その進行状況を示すメッセージが表示されます。
makedev
スクリプトを使用してHP-UXのSCSIまたはファイバ・チャネル・テープ・デバイスにアクセスするには、デバイスとホストの接続方法に関して次の識別情報が必要です。
SCSIバス番号インスタンス
ターゲットID
LUN
HP-UXのデバイス情報を収集するには、HP-UXオペレーティング・システムの/usr/sbin
にあるioscan
ユーティリティを使用できます。ioscan
コマンドはシステムを検索して、検出したすべてのデバイスを示します。ioscan
を実行するには、rootアクセス権限が必要です。
注意: ioscan ツールは、HP-UX環境でデバイスを識別するオプションのツールとして提供されています。ioscan ツールは、Oracle Secure Backupインストールの一部として含まれるものではありません。 |
HP-UXデバイスを識別および構成するには、次のようにします。
root
としてログインします。
次のコマンドを実行します。
/usr/sbin/ioscan -f
-f
オプションを指定してコマンドを実行すると、デバイス・クラス、インスタンス番号、デバイスまたはインタフェース・ドライバ、ソフトウェアの状態、ハードウェア・タイプなどのシステム構成に関する完全な情報が表示されます。
例2-1は、ioscan -f
のサンプル出力を示しています。各デバイスのバス番号インスタンス、ターゲットID、SCSI LUNおよびデバイスの説明が太字で示されています。
例2-1 ioscan -f
$ /usr/sbin/ioscan -f Class I H/W Path Driver S/W State H/W Type Description ... ext_bus 3 0/1/1/1 mpt CLAIMED INTERFACE SCSI Ultra320 target 11 0/1/1/1.1 tgt CLAIMED DEVICE autoch 4 0/1/1/1.1.0 schgr CLAIMED DEVICE ADIC FastStor 2 target 10 0/1/1/1.2 tgt CLAIMED DEVICE tape 8 0/1/1/1.2.0 stape CLAIMED DEVICE HP Ultrium 2-SCSI ... fcp 2 0/2/1/0.99 fcp CLAIMED INTERFACE FCP Domain ext_bus 9 0/2/1/0.99.15.255.1 fcpdev CLAIMED INTERFACE FCP Device Interface target 1 0/2/1/0.99.15.255.1.3 tgt CLAIMED DEVICE autoch 8 0/2/1/0.99.15.255.1.3.0 schgr CLAIMED DEVICE ADIC Scalar 24 tape 19 0/2/1/0.99.15.255.1.3.1 stape CLAIMED DEVICE IBM ULTRIUM-TD3 tape 20 0/2/1/0.99.15.255.1.3.2 stape CLAIMED DEVICE IBM ULTRIUM-TD3
ioscan
の出力を使用して、テープ・デバイスのバス番号、ターゲットIDおよびSCSI LUNをメモしておきます。
Oracle Secure Backupでバックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、makedev
を使用して接続ポイントを作成します。
次の例では、表2-4の情報を使用してmakedev
を実行します。次の例では、ターゲットID 1およびSCSI LUN 0を持つSCSIバス・インスタンス3のADIC FastStor 2ライブラリの接続ポイント/dev/obl8
を作成します。
% makedev Enter logical unit number 0-31 [0]: 8 Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable tape library [d]: l Enter SCSI bus instance: 3 Enter SCSI target id 0-16777215: 1 Enter SCSI logical unit number (lun) 0-7 [0]: 0 /dev/obl/8 created
次の例では、表2-4の情報を使用してmakedev
を実行します。次の例では、ターゲットID 2およびSCSI LUN 0を持つSCSIバス・インスタンス3のHP Ultrium 2テープ・ドライブの接続ポイント/dev/obt/9m
を作成します。
% makedev Enter logical unit number 0-31 [0]: 9 Enter 'd' if this device is a tape drive or 'l' if a SCSI-2 addressable tape library [d]: d Enter SCSI bus instance: 3 Enter SCSI target id 0-16777215: 2 Enter SCSI logical unit number (lun) 0-7 [0]: 0 /dev/obt/9m created
Linuxでは、Oracle Secure Backupとの接続ポイントとして/dev/sg
デバイスを使用することをお薦めします。Oracle Secure Backup /dev/ob
デバイスの使用には、一部の環境では受け入れられない、いくつかの制限があります。たとえば、LUNには7より大きい値、SCSIバス番号には1より大きい値を指定できません。/dev/ob*
デバイスを使用する従来の方法は、制限カテゴリに該当しないテープ・デバイスには引き続き有効です。
目的のテープ・デバイスに対応する/dev/sg
を識別するには、sg_map
コマンドを使用します。
Linuxの接続ポイントを構成するには、次のようにします。
次のLinuxコマンドを実行します。
sg_map -i -x
例2-2は、サンプル出力を示しています。
例2-2 sg_map -i -x
sg_map -i -x /dev/sg0 0 0 0 0 0 /dev/sda DELL PERC Stripe V1.0 /dev/sg1 0 0 1 0 0 /dev/sdb DELL PERC Stripe V1.0 /dev/sg2 0 0 2 0 0 /dev/sdc DELL PERC Volume V1.0 /dev/sg3 1 0 1 0 8 ADIC FastStor 2 G12r /dev/sg4 1 0 2 0 1 /dev/nst0 HP Ultrium 2-SCSI F53A /dev/sg5 2 0 0 0 1 /dev/nst1 IBM ULTRIUM-TD2 5AT0 /dev/sg6 2 0 0 1 8 ADIC Scalar 24 310A /dev/sg7 2 0 1 0 1 /dev/nst2 IBM ULTRIUM-TD2 5AT0 /dev/sg8 2 0 1 1 8 ADIC Scalar 24 310A /dev/sg9 2 0 2 0 1 /dev/nst3 IBM ULTRIUM-TD3 54K1 /dev/sg10 2 0 3 0 1 /dev/nst4 IBM ULTRIUM-TD3 54K1 /dev/sg11 2 0 3 1 8 ADIC Scalar 24 310A
sg_map
の出力を使用して、構成する各テープ・デバイスの接続ポイントをメモしておきます。
Oracle Secure Backupでバックアップおよびリストア操作のデバイスを識別するために、obtool
のmkdev
コマンドを使用して接続ポイントを作成します。
次の例では、表2-5に示されているテープ・ドライブおよびテープ・ライブラリの接続ポイントを作成します。
ob> mkdev -t library -o -a node1:/dev/sg3 lib1 ob> mkdev -t tape -o -a node1:/dev/sg4 -l lib1 -d 1 tape1
Oracle Secure Backupリリース10.3.0.3より前は、ライブラリ(チェンジャ)およびテープ(順次)デバイスを制御するために、ロード可能なカーネル・ドライバが提供されていました。Oracle Secure Backup 10.3.0.3以降では、このカーネル・ドライバは削除されています。Solarisに付属の標準のsgenドライバで、カーネル・ドライバで提供されていた機能が提供されるようになりました。
Oracle Secure Backupをインストールする前に、チェンジャおよび順次デバイス用のSolaris sgenドライバを有効にする必要があります。
順次およびチェンジャ・デバイス用のSolaris sgenドライバを有効にするには、次の手順を使用します。
ホストにOracle Secure Backupの既存のインストールがない場合は、手順2に進んでください。
Oracle Secure BackupがすでにインストールされているホストでSolaris sgenドライバを有効にすると、接続ポイントおよびデバイス構成は失われます。「LinuxまたはUUNIXでのOracle Secure Backupのアンインストール」で説明されている手順を使用して、まず、Oracle Secure Backupをアンインストールする必要があります。
アンインストール中に、backup
ディレクトリを削除することをお薦めします。admin
ディレクトリは保持してもかまいません。
順次(01)およびチェンジャ(01)デバイスを有効にするには、/kernel/drv/sgen.conf
ファイルに次の行を追加します。
device-type-config-list="sequential","changer";
注意: すでに、他のデバイス用のdevice-type-config-list が定義されている場合は、sgen.conf ファイルの既存のリストに"sequential"と"changer"を追加します。 |
/etc/minor_perm
にsgenドライバのエントリがあることを確認します。
このファイルのエントリ例は次のとおりです。
"sgen:* 0600 root sys"
/etc/name_to_major
にsgenドライバのエントリがあることを確認します。
このファイルのエントリ例は次のとおりです。
"sgen 151"
次のコマンドを使用して、/dev/scsi/changer
および/dev/scsi/sequential
内のリンクを削除します。
rm -r /dev/scsi/changer rm -r /dev/scsi/sequential
次のコマンドを使用して、タイプ01のデバイスに対するstドライバの構成を解除します。
update_drv -d -i '"scsiclass,01"' st
次のコマンドを使用して、タイプ01およびタイプ08のsgenドライバを構成します。
add_drv -m '* 0666 bin bin' -i '"scsiclass,01" "scsiclass,08" "scsa,01.bmpt" "scsa,08.bmpt"' sgen
sgenドライバを有効にする手順を完了すると、/dev/scsi/changer
に各ライブラリのエントリが、/dev/scsi/sequential
に各テープ・デバイスのエントリが確認できます。これらのエントリが見つからない場合は、次のコマンドを使用してホスト・システムを再起動します。
touch /reconfigure reboot
Solaris sgenドライバを有効にする際に、/dev/scsi/changer
ディレクトリおよび/dev/scsi/sequential
ディレクトリに指定されたエントリは、/dev/ob
リンクのOracle Secure Backupターゲットとして使用されます。これらのエントリはSolarisのバージョンによって異なります。
/dev/obl
n
および/dev/obt
n
の形式で、/dev/scsi/changer
または/dev/scsi/sequential
内のエントリを指すリンクを/dev
に作成することをお薦めします。Oracle Secure Backupが使用するデバイスごとに、一意の/dev/obl
n
エントリまたは/dev/obt
n
エントリである必要があります。/dev
内のこれらのエントリは、Oracle Secure Backupのデバイス構成時にobtool
mkdev
コマンドで接続ポイントとして使用されます。
アップグレードの準備として、次の手順を実行することをお薦めします。
$OSB_HOME/admin
ディレクトリを容易にアクセスできる安全な場所にコピーします。
obparameters
ファイルをカスタマイズした場合は、そのコピーを保存します。
アクティブなジョブおよび保留中のジョブをすべて取り消します。
すべてのOracle Secure Backupデーモンを停止します。
新しいCD-ROMからsetupスクリプトを実行します。
アップグレード処理の実行中に、次のプロンプトが表示されます。
Oracle Secure Backup is already installed on this machine (myhostname). Would you like to re-install it preserving current configuration data[no]?
以前の構成を保持してアップグレード・インストールを実行するにはyes
を入力します。
この項では、LinuxまたはUNIXのホストからOracle Secure Backupをアンインストールする方法について説明します。次の手順では、管理サーバーからOracle Secure Backupをアンインストールします。管理サーバーを使用して他のホストからOracle Secure Backupをアンインストールする場合にも同じ手順が適用されます。
管理サーバーにroot
としてログインします。
次のコマンドを使用して、Oracle Secure Backup関連のプロセスを識別します。
# /bin/ps -ef |grep ob
Oracle Secure Backup Webツールのhttp
プロセスなど、Oracle Secure Backup関連のプロセスを停止します。
『Oracle Secure Backupリファレンス』の付録「Oracle Secure Backupサービスの起動と停止」に、LinuxおよびUNIXでのOracle Secure Backupプロセスの停止と起動のためのオペレーティング・システム固有のコマンドが記載されています。
あるいは、observiced
を終了させ、すべてのプロセスを停止することもできます。次のコマンドを使用して、Oracle Secure Backupに関連付けられているリスト内の各プロセスを停止します。ここで、pid
は、observiced
のプロセスIDです。
kill pid
Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリにディレクトリを変更します。たとえば、次のようになります。
# cd /usr/local/oracle/backup
注意: Oracle Secure Backupを管理サーバーからアンインストールする場合、un installob スクリプトは、アンインストール処理後、Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを削除します。 |
uninstallob
スクリプトを実行します。
# ./install/uninstallob
uninstallob
スクリプトのようこそメッセージが表示され、Oracle Secure Backupから削除するホストの名前を尋ねられます。
Oracle Secure Backupをアンインストールするホストの名前を入力します。
uninstallob
スクリプトから、インストールに使用されたobparameters
ファイルの名前を求められます。
デフォルト以外の場所にobparameters
ファイルを作成した場合は、正しいパス情報を入力します。それ以外の場合は、[Enter]キーを押して、デフォルトの値install/obparameters
を受け入れます。
uninstallob
スクリプトにより、Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを削除するかどうかを尋ねられます。次のオプションのいずれかを選択します。
no
Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを削除しない場合は、このオプションを選択します。
yes
Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを削除する場合は、このオプションを選択します。ホーム・ディレクトリのすべてのファイルが削除されます。ただし、admin
ディレクトリのみは例外で、このディレクトリは、次のプロンプトでyes
と回答することで維持できます。
この手順では、Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリを保存すると想定します。
Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリ全体を保存しないよう選択した場合でも、uninstallob
スクリプトはOracle Secure Backup admin
ディレクトリを保存するよう求めます。次のいずれかのオプションを選択します。
no
adminディレクトリを削除するには、このオプションを選択します。
yes
adminディレクトリを保存するには、このオプションを選択します。adminディレクトリを保存すると、Oracle Secure Backupソフトウェアを後で再インストールしたときに管理ドメインを維持できます。
この手順では、Oracle Secure Backup admin
ディレクトリを保存すると想定します。
uninstallob
スクリプトは、選択内容を表示し、このホストでのアンインストールを続けるよう求めます。次のオプションのいずれかを選択します。
yes
このオプションを選択すると、uninstallob
スクリプトは、Oracle Secure Backupをアンインストールし、その間進捗メッセージを表示します。終了すると、次のメッセージが表示されます。
Oracle Secure Backup has been successfully removed from host_name.
no
このオプションを選択すると、uninstallob
スクリプトは、このホストからOracle Secure Backupをアンインストールしません。