9 ACRNの設定

この章には次のトピックがあります。

9.1 ACRNについて

米国連邦政府との契約の契約条件で、米国連邦政府の資金調達の追跡を要求される場合があります。これを遂行するには、資金調達レベル契約のACRNを設定します。ACRNは、米国連邦政府によって提供される番号であり、資金調達源を識別します。資金調達金額の一部を契約からACRNに割り当て、請求書を生成すると、契約で設定されている消費方法に基づいて金額が消費されます。ACRNの消費には3つの方法を使用できます。

  • 先入先出(FIFO)

    資金調達レベル契約の各ACRNに順序番号を割り当てると、指定した順序でACRNが消費されます。

  • 比率

    資金調達レベル契約の各ACRNにパーセントを割り当てると、ACRNの基本方式に基づいて請求書金額を累計し、各ACRNに指定するパーセントを金額に乗算することで、ACRNの消費方式が決定されます。パーセントの合計が100になる必要があります。

  • 手動

    請求書ごとに、ACRNを消費する金額を手動で入力します。

ACRNを入力する際に、入力する5つのタブのうち1つを選択します。5つのタブは、ACRNの入力に関する異なる基本方式を表します。基本方式によって、ACRNを消費する請求書金額が決定されます。5つの基本方式は次のとおりです。

  • 合計

    資金調達した原価および手数料金額の合計の一部を使用してACRNを設定します。請求書の原価および手数料金額を使用してACRNが消費されます。

  • 総計

    資金調達した原価、手数料および報酬金額の合計の一部を使用してACRNを設定します。請求書の原価、手数料および報酬金額の合計を使用してACRNが消費されます。

  • 報酬

    資金調達した報酬金額の一部を使用してACRNを設定します。請求書の報酬金額を使用してACRNが消費されます。

  • 原価

    資金調達した原価金額の合計の一部を使用してACRNを設定します。請求書の原価金額を使用してACRNが消費されます。

  • 手数料

    資金調達した手数料金額の一部を使用してACRNを入力します。請求書の手数料金額を使用してACRNが消費されます。

選択する基本方式に応じて、1つのタブまたは複数のタブに金額を入力します。たとえば、「By Total」タブを選択した場合は、そのタブにのみ金額を入力します。「By Cost」タブを選択した場合は「By Cost」タブに原価金額を入力しますが、「By Fee」タブに手数料金額も入力します。

基本方式を変更する必要がある場合は、最初に「ACRN Detail Revisions」フォームの「フォーム」メニューから「Base Method Revision」フォームを選択することで基本方式を改訂する必要があります。ACRNは、選択した新しい方式に対応するタブに移動されます。

資金調達レベル契約のACRNの総計が契約の資金調達済金額を超えた場合は、警告が生成されます。

ACRNの詳細情報はACRN詳細テーブル(F52G05)に格納されます。ACRN履歴はACRN履歴テーブル(F52G05H)に格納されます。ACRN履歴の照会プログラムを使用して、請求書別のACRN履歴を検討します。

9.1.1 伝票予算科目符号情報プログラム(R52G509)

ACRNを使用した契約の請求書を米国連邦政府に送信する場合は、請求書金額および関連金額のACRNをリストするレポートも送信する必要があります。このリストには伝票予算科目符号情報レポート(R52G509)を使用します。請求書のACRNごとに、R52G509レポートはACRN番号、説明および関連する資金調達金額、現行金額、累計金額、残高をリストします。

米国公共事業1034請求書印刷(R52G508)プログラムを実行すると、R52G509レポートが実行されます。米国公共事業1035請求書印刷プログラム(R52G507)を実行するとR52G508プログラムが実行されますが、実行されるのはR52G507プログラムの処理オプションで設定されている場合だけです。米国連邦政府との契約の請求書を印刷するときにR52G509レポートが生成されるようにするには、次のいずれかのアクションを実行します。

  • 資金調達レベル契約で、R52G508プログラムを実行するように処理オプションを設定したR52G507プログラムのバージョンを使用する請求書フォーマット・コードを入力します。

  • R48504プログラムの「プロジェクトおよび公共事業の印刷」タブの処理オプションで、R52G508プログラムを実行するように処理オプションが設定されているR52G507プログラムのバージョンを実行するように設定します。

PGCA契約の請求書処理の追加設定」を参照してください。

9.2 PGCA契約のACRNの設定

この項では、ACRNの処理の例と次の方法について説明します。

  • ACRNの設定。

  • ACRNの基本方式の改訂。

  • ACRN履歴詳細の検討。

9.2.1 PGCA契約のACRNの設定に使用するフォーム

フォーム名
フォームID ナビゲーション
用途
Search for ACRN Details W52G05A 「Daily Processing-Project and Government Contract Accounting」(G5215)、「Work With ACRNs」を選択します。 ACRNを検討します。
ACRN Detail Revisions W52G05C 「ACRN Detail Revisions」フォームで、「追加」をクリックします。 資金調達レベル契約のACRNを設定します。
ACRN Base Method Revisions W52G05D 「フォーム」メニューから「Base Method Revision」を選択します。 ACRNの基本方式の改訂。
ACRN History Inquiry W52G05HA 「Daily Processing-Project and Government Contract Accounting」(G5215)、「ACRN History Inquiry」を選択します。 資金調達レベル契約のACRN履歴詳細を検討します。

9.2.2 例: ACRNの処理

この例では、ACRNを使用するように資金レベル契約を設定し、ACRNを設定してから、契約について2つの請求書を生成します。

9.2.2.1 契約の設定

この例は、ACRNを使用するように資金調達レベル契約を設定する方法を示しています。

図 9-1 契約のACRN設定の例

図 9-1 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-1 契約のACRN設定の例"

契約は、原価および手数料金額の消費にFIFO方式を使用し、報酬金額の消費に比率方式を使用するように設定されています。

この例は、契約の資金調達済金額を示しています。

図 9-2 契約の資金調達済金額の例

図 9-2 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-2 契約の資金調達済金額の例"

9.2.2.2 ACRN設定: 原価および手数料金額

資金調達レベル契約600に4つのACRNを設定し、最初の3つのACRNには$50,000.00 USD(米ドル)、4つ目のACRNには$70,000.00 USDを割り当てます。この例は、4つのACRN、金額および順序番号を示しています。

図 9-3 原価および手数料金額のACRN設定の例

図 9-3 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-3 原価および手数料金額のACRN設定の例"

「By Sum」タブを選択し、資金調達した原価および手数料金額の合計の一部を使用して4つのACRNを設定します。請求書の原価および手数料金額を使用してACRNが消費されます。各ACRNに順序番号も割り当てて、4つのACRNを消費する順序を指定します。

9.2.2.3 ACRN設定: 報酬金額

「By Award Fee」タブを選択し、報酬金額に3つのACRNを設定します。資金調達レベル契約600は報酬に比率方式を使用するように設定されているため、各ACRNにパーセントを割り当てます。この例は、報酬金額のACRNを示しています。

図 9-4 報酬金額のACRN設定の例

図 9-4 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-4 報酬金額のACRN設定の例"

9.2.2.4 ACRNの消費: 初回請求書

資金調達レベル契約600の初回請求書の原価および手数料金額の合計は$87,000.00 USDです。この例は、システムが初回請求書の原価および手数料金額のACRNを消費する方法を示しています。

図 9-5 初回請求書の原価および手数料金額のACRN消費の例

図 9-5 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-5 初回請求書の原価および手数料金額のACRN消費の例"

ACRN 1001が最初に消費され、残高($37,000.00 USD)がACRN 1002から消費されます。

初回請求書の報酬金額は$8,000.00 USDです。この例は、システムが初回請求書の報酬のACRNを消費する方法を示しています。

図 9-6 初回請求書の報酬金額のACRN消費の例

図 9-6 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-6 初回請求書の報酬金額のACRN消費の例"

報酬ACRNは次のように消費されます。

  • $1,600.00 USDをACRN 2001から消費します。

    $8,000.00 USDの20% = $1,600.00

  • $2,400.00 USDをACRN 2002から消費します。

    $8,000.00 USDの30% = $2,400.00

  • $4,000.00 USDをACRN 2003から消費します。

    $8,000.00 USDの50% = $4,000.00 USD

9.2.2.5 ACRNの消費: 2番目の請求書

契約600の2番目の請求書の原価および手数料金額の合計は$62,000.00 USDです。この例は、システムが2番目の請求書の原価および報酬金額のACRNを消費する方法を示しています。

図 9-7 2番目の請求書の原価および手数料金額のACRN消費の例

図 9-7 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-7 2番目の請求書の原価および手数料金額のACRN消費の例"

$13,000.00 USDがACRN 1002から消費され、$49,000.00 USDが次のACRN 1003から消費されます。

2番目の請求書の報酬金額は$6,000.00 USDです。この例は、システムが2番目の請求書の報酬金額のACRNを消費する方法を示しています。

図 9-8 2番目の請求書の報酬金額のACRN消費の例

図 9-8 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-8 2番目の請求書の報酬金額のACRN消費の例"

報酬ACRNは次のように消費されます。

  • $1,200.00 USDをACRN 2001から消費します。

    $6,000.00 USDの20% = $1,200.00

  • $1,800.00 USDをACRN 2002から消費します。

    $6,000.00 USDの30% = $1,800.00

  • $3,000.00 USDをACRN 2003から消費します。

    $6,000.00 USDの50% = $3,000.00

9.2.3 ACRNの設定

「ACRN Detail Revisions」フォームにアクセスします。

図 9-9 「ACRN Detail Revisions」フォーム

図 9-9 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-9 「ACRN Detail Revisions」フォーム"

  1. 使用する基本方式に応じて、次のいずれかのタブを選択します。

    • By Sum

    • By Total

    • By Award Fee

    • By Cost

    • By Fee

  2. 次のフィールドに入力します。

    • Accounting Class Reference Number

      顧客から提供されたACRN番号を入力します。

    • 記述

      ACRNについての説明を入力します。

    • ACRN Group(予算科目符号参照番号グループ)

      将来使用のためにOracleによって予約されています。

    • Sequence

      ACRNを消費する順序を表す数値を入力します。このフィールドは、米国公共事業契約の作成/編集プログラム(P52G01M)で資金調達レベル契約の消費方式として「FIFO」を選択した場合にのみ有効になります。入力した順序番号を使用してACRNが消費されます。

    • Percent

      ACRNのパーセントを入力します。資金調達レベル契約のすべてのACRNのパーセントは合計で100になる必要があります。このフィールドは、P52G01Mプログラムで資金調達レベル契約の消費方式として「FIFO」を選択した場合にのみ有効になります。ACRNの基本方式に基づいて請求書金額を累計し、指定したパーセントを金額に乗算することで、ACRNの消費金額が決定されます。

    • Funded Amount

      ACRNの金額を入力します。

    • 現行請求金額

      顧客に請求した現行金額を表示します。

    • Cumulative Billed Amount

      顧客に請求した累計金額を表示します。

    • Active Flag

      ACRNがアクティブか非アクティブかを決定します。請求書の生成時にはアクティブなACRNのみ消費されます。ACRNが非アクティブな場合は0またはNを入力します。

    • Expiration Date

      ACRNの期限が満了する日付を入力します。このフィールドは参照専用です。

    • 「ACRN Category 1」から「ACRN Category 5」

      ACRNを識別する追加情報を入力します。これらのフィールドに対して有効な値は、ユーザー定義コード・テーブル52G/A1から52G/A5に格納されます。

    • 「ユーザー日付1」から「ユーザー日付5」

      ACRNを識別する追加日付を入力します。

    • Invoice Number

      ACRNの資金調達レベル契約が請求書バッチに含まれている場合に請求書の番号を表示します。

    • Invoice Type

      ACRNの資金調達レベル契約が請求書バッチに含まれている場合に請求書の伝票タイプを表示します。

    • Invoice Co(請求書会社)

      ACRNの資金調達レベル契約が請求書バッチに含まれている場合に請求書の会社番号を表示します。

9.2.4 ACRNの基本方式の改訂

「ACRN Base Method Revisions」フォームにアクセスします。

図 9-10 「ACRN Base Method Revisions」フォーム

図 9-10 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-10 「ACRN Base Method Revisions」フォーム"

ACRNの基本方式を改訂するか、順序番号またはパーセントを改訂します。

Base Method

このフィールドを改訂して、ACRNの基本方式を変更します。

Sequence

ACRNの順序番号を改訂します

Percent

ACRNのパーセントを改定します。

9.2.5 ACRN履歴詳細の検討

「ACRN History Inquiry」フォームにアクセスします。

図 9-11 「ACRN History Inquiry」フォーム

図 9-11 の説明は次にあります
次の説明: "図 9-11 「ACRN History Inquiry」フォーム"