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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語) |
Oracle RAC をクラスタで実行可能にするためのタスクの概要
共有ファイルシステムへのバイナリファイルと構成ファイルのインストール
Oracle 10g、11g、または 12c Oracle Clusterware のネットワークデフォルトのオーバーライド
Oracle Solaris Cluster ノードのサブセットへの Oracle Clusterware のインストール
Oracle 10g、11g、または 12c RAC のインストールを検証する方法
Oracle ASM インスタンスおよびディスクグループの作成
Oracle ASM インスタンスとディスクグループの作成方法
Oracle Clusterware フレームワークリソースの作成
Oracle Clusterware フレームワークリソースを作成する方法
Oracle 10g、11g、または 12c のための共有ファイルシステム上のデータファイルの場所を指定する方法
Oracle 9i のための共有ファイルシステム上のデータファイルの場所を指定する方法
Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成
Oracle RAC データベースインスタンスのリソースを登録および構成するためのツール
Oracle Solaris Cluster と Oracle Clusterware 10g Release 2、11g、または 12c が相互運用できるようにする方法
Oracle 9i RAC データベースインスタンスの起動と停止を自動化する方法
Oracle RAC のサポート のインストールと構成の確認
Oracle RAC フレームワークリソースグループの構成の確認方法
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの構成の確認方法
Oracle ファイル用のストレージリソースの構成の確認方法
Oracle 10g リリース 2、11g、または 12c RAC データベースインスタンスのリソースの構成を確認する方法
Oracle 9i RAC データベースインスタンスのリソースの構成を確認する方法
6. Oracle RAC のサポート のトラブルシューティング
Oracle ソフトウェアが共有ファイルシステムにインストールされている場合は、ORACLE_HOME 環境変数が指定するディレクトリ内のすべてのファイルにすべてのクラスタノードからアクセスできます。ただし、一部の Oracle ファイルおよびディレクトリはノード固有の情報を保持する必要があります。
Oracle ソフトウェアを共有ファイルシステムにインストールする場合は、ノード固有の情報を保持する必要のあるファイルおよびディレクトリのローカルコピーを作成する必要があります。これらのファイルおよびディレクトリにすべてのクラスタノードからアクセスできるようにするには、ノードに対してローカルなファイルシステム上のファイルまたはディレクトリをターゲットとするシンボリックリンクを使用します。このようなファイルシステムは、共有ファイルシステムには含まれません。
この目的にシンボリックリンクを使用するには、ローカルファイルシステム上の領域を割り当てる必要があります。Oracle アプリケーションでこの領域内のファイルへのシンボリックリンクを作成できるようにするには、そのアプリケーションがこの領域内のファイルにアクセスできる必要があります。シンボリックリンクは共有ファイルシステム上に存在するため、それらのリンクへのすべてのノードからのすべての参照が同じになります。そのため、すべてのノードに、ローカルファイルシステム上の領域に対する同じ名前空間が存在する必要があります。
管理者は、ファイルシステムがゾーンクラスタによって使用されている場合でも、そのファイルシステムをグローバルクラスタ投票ノード上に作成します。管理者は、zonecfg コマンドを使用して、ノード固有のファイルシステムをゾーンクラスタノードに構成します。
ここでは、次の手順について説明します。
この手順は、ノード固有の情報を保持するディレクトリごとに実行します。次のディレクトリは通常、ノード固有の情報を保持する必要があります。
ノード固有の情報を保持することが必要になる可能性のあるその他のディレクトリについては、Oracle のドキュメントを参照してください。
作成するローカルディレクトリ構造が、ノード固有の情報を含むグローバルディレクトリ構造に一致するようにしてください。たとえば、グローバルディレクトリ /global/oracle/network/agent には、/local ディレクトリにローカルに格納する必要のあるノード固有の情報が含まれている可能性があります。この場合は、/local/oracle/network/agent という名前のディレクトリを作成します。
# mkdir -p local-dir
存在しないすべての親ディレクトリが最初に作成されるように指定します。
作成しているディレクトリのフルパス名を指定します。
ノード固有の情報のローカルコピーが、手順 1 で作成したローカルディレクトリに含まれていることを確認してください。
# cp -pr global-dir local-dir-parent
所有者、グループ、アクセス権モード、変更時間、アクセス時間、およびアクセス制御リストが保持されることを指定します。
ディレクトリとそのすべてのファイル (すべてのサブディレクトリとそのファイルを含む) がコピーされることを指定します。
コピーしているグローバルディレクトリのフルパスを指定します。このディレクトリは、共有ファイルシステム上の ORACLE_HOME 環境変数が指定するディレクトリに存在します。
ローカルコピーを含むローカルノード上のディレクトリを指定します。このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリの親ディレクトリです。
# rm -r global-dir
ディレクトリとそのすべてのファイル (すべてのサブディレクトリとそのファイルを含む) が削除されることを指定します。
削除しているグローバルディレクトリのファイル名とフルパスを指定します。このディレクトリは、手順 2 でコピーしたグローバルディレクトリです。
# ln -s local-dir global-dir
例 4-1 ノード固有のディレクトリの作成
この例は、2 ノードクラスタ上でノード固有のディレクトリを作成するために必要な一連の操作を示しています。このクラスタは、次のように構成されます。
ORACLE_HOME 環境変数は、/global/oracle ディレクトリを指定します。
各ノード上のローカルファイルシステムは、/local ディレクトリに配置されています。
次の操作は、各ノードで実行されます。
ローカルファイルシステム上の必要なディレクトリを作成するには、次のコマンドが実行されます。
# mkdir -p /local/oracle/network/agent
# mkdir -p /local/oracle/network/log
# mkdir -p /local/oracle/network/trace
# mkdir -p /local/oracle/srvm/log
# mkdir -p /local/oracle/apache
ノード固有の情報を保持するグローバルディレクトリのローカルコピーを作成するには、次のコマンドが実行されます。
# cp -pr $ORACLE_HOME/network/agent /local/oracle/network/.
# cp -pr $ORACLE_HOME/network/log /local/oracle/network/.
# cp -pr $ORACLE_HOME/network/trace /local/oracle/network/.
# cp -pr $ORACLE_HOME/srvm/log /local/oracle/srvm/.
# cp -pr $ORACLE_HOME/apache /local/oracle/.
次の操作は、1 つのノードでのみ実行されます。
グローバルディレクトリを削除するには、次のコマンドが実行されます。
# rm -r $ORACLE_HOME/network/agent
# rm -r $ORACLE_HOME/network/log
# rm -r $ORACLE_HOME/network/trace
# rm -r $ORACLE_HOME/srvm/log
# rm -r $ORACLE_HOME/apache
ローカルディレクトリからそれに対応するグローバルディレクトリへのシンボリックリンクを作成するには、次のコマンドが実行されます。
# ln -s /local/oracle/network/agent $ORACLE_HOME/network/agent
# ln -s /local/oracle/network/log $ORACLE_HOME/network/log
# ln -s /local/oracle/network/trace $ORACLE_HOME/network/trace
# ln -s /local/oracle/srvm/log $ORACLE_HOME/srvm/log
# ln -s /local/oracle/apache $ORACLE_HOME/apache
この手順は、ノード固有の情報を保持するファイルごとに実行します。次のファイルは通常、ノード固有の情報を保持する必要があります。
ノード固有の情報を保持することが必要になる可能性のあるその他のファイルについては、Oracle のドキュメントを参照してください。
# mkdir -p local-dir
存在しないすべての親ディレクトリが最初に作成されるように指定します。
作成しているディレクトリのフルパス名を指定します。
# cp -p global-file local-dir
所有者、グループ、アクセス権モード、変更時間、アクセス時間、およびアクセス制御リストが保持されることを指定します。
コピーしているグローバルファイルのファイル名とフルパスを指定します。このファイルは、共有ファイルシステム上の ORACLE_HOME 環境変数が指定するディレクトリにインストールされました。
ファイルのローカルコピーを含むディレクトリを指定します。このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリです。
例 4-2 ノード固有のファイルの作成
この例は、2 ノードクラスタ上でノード固有のファイルを作成するために必要な一連の操作を示しています。このクラスタは、次のように構成されます。
ORACLE_HOME 環境変数は、/global/oracle ディレクトリを指定します。
各ノード上のローカルファイルシステムは、/local ディレクトリに配置されています。
次の操作は、各ノードで実行されます。
ノード固有の情報を保持するファイルを含むローカルディレクトリを作成するには、次のコマンドが実行されます。
# mkdir -p /local/oracle/network/admin
ノード固有の情報を保持するグローバルファイルのローカルコピーを作成するには、次のコマンドが実行されます。
# cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora \ /local/oracle/network/admin/.
# cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora \ /local/oracle/network/admin/.
次の操作は、1 つのノードでのみ実行されます。
グローバルファイルを削除するには、次のコマンドが実行されます。
# rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora
# rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
ファイルのローカルコピーからそれに対応するグローバルファイルへのシンボリックリンクを作成するには、次のコマンドが実行されます。
# ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_ro.ora \ $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
# ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_rw.ora \ $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora
次の手順
「Oracle RAC のインストールの確認」に進みます。