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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語) |
1. Oracle Solaris Cluster 構成の計画
Oracle Solaris Cluster のインストールタスクの確認
Oracle Solaris Cluster の構成可能なコンポーネント
ゾーンクラスタにおける Trusted Extensions のガイドライン
グローバルデバイス、デバイスグループ、およびクラスタファイルシステムの計画
Solaris Volume Manager ソフトウェアのガイドライン
2. グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール
このセクションでは、クラスタ構成での Oracle Solaris ソフトウェアのインストールを計画するうえでの、次のガイドラインを説明します。
Oracle Solaris ソフトウェアの詳細については、Oracle Solaris のインストールドキュメントを参照してください。
Oracle Solaris ソフトウェアは、ローカルの DVD-ROM から、または Oracle Solaris JumpStart インストール方法を使用してネットワークインストールサーバーからインストールできます。また Oracle Solaris Cluster では、JumpStart インストール方法を使用して、Oracle Solaris OS と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの両方をインストールするカスタムの方法もあります。複数のクラスタノードをインストールする場合は、ネットワークインストールを検討してください。
scinstall JumpStart インストール方法の詳細については、「Oracle Solaris および Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールする方法 (JumpStart)」を参照してください。標準の Oracle Solaris インストール方法の詳細については、Oracle Solaris のインストールドキュメントを参照してください。
Oracle Solaris Cluster 構成で Oracle Solaris OS の使用を計画する場合は、次の点を考慮してください。
Oracle Solaris ゾーン – 大域ゾーンにのみ Oracle Solaris Cluster フレームワークソフトウェアをインストールします。
Oracle Solaris Cluster データサービスを非大域ゾーンに直接インストールできるかどうかを判断するには、データサービスのドキュメントを参照してください。
グローバルクラスタノードに非大域ゾーンを構成する場合は、ループバックファイルシステム (LOFS) を有効にする必要があります。その他の考慮事項については、LOFS に関する情報を参照してください。
ループバックファイルシステム (Loopback File System、LOFS) – クラスタの作成中、LOFS 機能はデフォルトで有効になっています。 クラスタが次の条件の両方を満たす場合、スイッチオーバーの問題やその他の障害を防ぐために、LOFS を無効にする必要があります。
クラスタがこれらの条件の 1 つだけしか満たさない場合、LOFS を有効にしても安全です。
LOFS と automountd デーモンの両方を有効にする必要がある場合は、HA for NFS によってエクスポートされる高可用性ローカルファイルシステムに含まれるファイルをすべてオートマウンタマップから除外してください。
省電力シャットダウン – 自動省電力シャットダウンは Oracle Solaris Cluster 構成ではサポートされないため、有効にしないでください。詳細は、pmconfig(1M) と power.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
IP Filter 機能 – Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、スケーラブルサービスに対して Oracle Solaris IP Filter 機能をサポートしていませんが、フェイルオーバーサービスに対して Oracle Solaris IP Filter をサポートしています。クラスタで Oracle Solaris IP Filter を構成するときには、次のガイドラインと制限に従ってください。
NAT ルーティングはサポートされていません。
NAT を使用したローカルアドレスの変換はサポートされています。NAT 変換は、送信中のパケットを書き換えるので、クラスタソフトウェアには認識されません。
ステートフルフィルタリングルールはサポートされておらず、ステートレスフィルタリングだけがサポートされています。Oracle Solaris Cluster は、パブリックネットワークのモニタリングを IP ネットワークマルチパス (IPMP) に依存していますが、これはステートフルフィルタリングルールでは機能しません。
fssnap - Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、UFS の機能である fssnap コマンドをサポートしません。ただし、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって制御されないローカルシステム上で fssnap コマンドを使用できます。fssnap サポートには、次の制限が適用されます。
fssnap コマンドは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって管理されていないローカルファイルシステム上でサポートされています。
fssnap コマンドは、クラスタファイルシステムではサポートされていません。
fssnap コマンドは、HAStoragePlus によって制御されるローカルファイルシステムではサポートされていません。
Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 ソフトウェアには、少なくとも End User Oracle Solaris ソフトウェアグループ (SUNWCuser) が必要です。ただし、クラスタ構成のほかのコンポーネントに個別の Oracle Solaris ソフトウェア要件がある場合もあります。インストールする Oracle Solaris ソフトウェアグループを判断するときには、次の情報を考慮してください。
サーバー – サーバーのドキュメントで Oracle Solaris ソフトウェア要件について確認します。
追加 Oracle Solaris パッケージ – End User Oracle Solaris ソフトウェアグループの一部ではないほかの Oracle Solaris ソフトウェアパッケージをインストールする必要がある場合もあります。Apache HTTP サーバーパッケージと Trusted Extensions ソフトウェアは、エンドユーザーより上位のソフトウェアグループに所属するパッケージを必要とする 2 つの例です。サードパーティー製ソフトウェアでも、追加の Oracle Solaris ソフトウェアパッケージが必要となる場合があります。Oracle Solaris ソフトウェア要件については、サードパーティーのドキュメントを参照してください。
ヒント - Oracle Solaris ソフトウェアのパッケージを手動でインストールしないで済むようにするには、Entire Oracle Solaris Software Group Plus OEM Support をインストールします。
Oracle Solaris パッケージの最小化 – 詳細は、 にある記事 1544605.1「Solaris Cluster and Solaris OS Minimization Support Required Packages Group」を参照してください。
Oracle Solaris OS をインストールするときは、必要な Oracle Solaris Cluster パーティションを作成し、すべてのパーティションが各領域の最小必要条件を満たすようにします。
swap – Oracle Solaris および Oracle Solaris Cluster ソフトウェアに割り当てる swap 領域の総容量は 750M バイト以上である必要があります。最適な結果を得るには、Oracle Solaris OS に必要とされる容量に少なくとも 512M バイトを Oracle Solaris Cluster ソフトウェア用に追加します。さらに、Oracle Solaris ホスト上で実行されるアプリケーションが必要とする追加の swap 容量を割り当てます。
(オプション) /globaldevices – デフォルトでは lofi デバイスはグローバルデバイスの名前空間用に使用されます。ただし、グローバルデバイスに対して scinstall ユーティリティーによって使用される少なくとも 512M バイトの大きさのファイルステムを代わりに作成することもできます。このファイルシステムを /globaldevices と名付ける必要があります。
どちらを選択しても機能とパフォーマンスは変わりません。ただし、lofi デバイスのほうが、ディスクパーティションが使用できない状況でも使いやすく柔軟に対応できます。
ボリュームマネージャー – ボリュームマネージャーによって使用される 20M バイトのパーティションをスライス 7 上に作成します。
Oracle Solaris OS を対話的にインストールする場合は、これらの必要条件を満たすためにパーティションをカスタマイズする必要があります。
その他のパーティション計画情報については、次のガイドラインを参照してください。
Oracle Solaris OS が稼働しているほかのシステムと同様に、ルート (/)、/var、 /usr、および /opt の各ディレクトリを個別のファイルシステムとして構成できます。または、すべてのディレクトリをルート (/) ファイルシステムに含めることもできます。
次に、Oracle Solaris Cluster の構成におけるルート ( /)、/var、/usr、および /opt の各ディレクトリのソフトウェアコンテンツについて説明します。パーティション分割スキームを計画するときは、この情報を考慮してください。
ルート (/) – Oracle Solaris Cluster ソフトウェア自体がルート ( /) ファイルシステムに占める領域は 40M バイト未満です。Solaris Volume Manager ソフトウェアが必要とするのは 5M バイト未満です。十分な追加領域と i ノード容量を構成するには、一般的にルート (/) ファイルシステムに割り当てる容量に、100 MB 以上を追加します。この領域は、ブロック特殊デバイスと文字特殊デバイスの両方を作成するために、ボリューム管理ソフトウェアによって使用されます。クラスタ内に多数の共有ディスクがある場合は、特に、十分な領域を割り当てる必要があります。
Oracle Solaris 10 OS では、グローバルデバイス名前空間用の lofi デバイスは 100M バイトの空き領域を必要とします。
/var – Oracle Solaris Cluster ソフトウェアがインストール時に /var ファイルシステムに占める領域はごくわずかです。ただし、ログファイル用に十分な領域を別途用意しておく必要があります。また、クラスタ化されたノードでは、標準的なスタンドアロンサーバーよりも、ログに記録されるメッセージが増えることがあります。したがって、/var ファイルシステムには最低でも 100 MB の余裕を設けてください。
/usr – Oracle Solaris Cluster ソフトウェアが /usr ファイルシステムに占める領域は 25M バイト未満です。Solaris Volume Manager ソフトウェアが必要とするのは 15M バイト未満です。
/opt – Oracle Solaris Cluster フレームワークソフトウェアが /opt ファイルシステムで使用するのは 2M バイト未満です。ただし、それぞれの Oracle Solaris Cluster データサービスが 1M バイトから 5M バイトを使用する可能性があります。Solaris Volume Manager ソフトウェアは /opt ファイルシステム内の領域をまったく使用しません。
さらに、ほとんどのデータベースおよびアプリケーションソフトウェアは /opt ファイルシステムにインストールされます。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアでは、グローバルデバイス名前空間をホストする場所として 2 つの選択肢を提示します。
lofi デバイス (デフォルト)
いずれかのローカルディスク上にある専用のファイルシステム
グローバルデバイス名前空間用に lofi デバイスを使用する場合は、次の要件に従ってください。
専用 – グローバルデバイス名前空間をホストする lofi デバイスは、ほかの目的には使用できません。ほかで使用するために lofi デバイスが必要な場合は、その目的用の新しい lofi デバイスを作成してください。
マウント要件 – lofi デバイスはアンマウントしてはいけません。
名前空間の識別 – クラスタを構成したあとで、lofiadm コマンドを使用して、グローバルデバイス名前空間 (/.globaldevices) に対応する lofi デバイスを識別できます。
代わりに、グローバルデバイス名前空間専用の /globaldevices を構成する場合は、次のガイドラインと要件に従ってください。
場所 - /globaldevices ファイルシステムは通常、ルートディスク上に置かれています。ただし、グローバルデバイスファイルシステムを配置するために別のストレージを使用する場合 (論理ボリュームマネージャーのボリュームなど)、これを Solaris Volume Manager 共有ディスクセットの一部にしないでください。このファイルシステムはあとから、UFS クラスタファイルシステムとしてマウントされます。このファイルシステムに /globaldevices という名前を付けますが、これが、scinstall(1M) コマンドで認識されるデフォルト名になります。
必須のファイルシステムタイプ - UFS 以外のファイルシステムタイプで、グローバルデバイスファイルシステムで有効なものはありません。グローバルデバイスファイルシステムの作成後は、ファイルシステムタイプを変更しようとしないでください。
ただし、UFS グローバルファイルシステムは、ZFS を使用するほかのルートファイルシステムと、ノード上で共存できます。
構成済みの名前空間名- scinstall コマンドはあとからファイルシステムの名前を /global/.devices/node@nodeid に変更します (nodeid は Oracle Solaris ホストがグローバルクラスタのメンバーになったときに割り当てられる番号を表します)。元の /globaldevices マウントポイントは削除されます。
領域の要件 - /globaldevices ファイルシステムには、ブロック特殊デバイスと文字特殊デバイスの両方を作成するための十分な領域と十分な i ノード容量が必要です。このガイドラインは、特にクラスタ内に多数のディスクがある場合に重要です。次のように、最低 512M バイトのサイズと 512 の密度のファイルシステムを作成します。
# newfs -i 512 globaldevices-partition
この数の i ノードであれば、ほとんどのクラスタ構成で十分なはずです。
Solaris Volume Manager ソフトウェアの場合、状態データベースの複製を作成するときに使用できるように、ルートディスク上でスライスを取っておく必要があります。特に、各ローカルディスク上に、このためのスライスを用意しておきます。ただし、1 つの Oracle Solaris ホストにローカルディスクが 1 つしかない場合は、Solaris Volume Manager ソフトウェアが正しく動作するように、同じスライス内に 3 つの状態データベースの複製を作成する必要が生じることがあります。詳細については、Solaris Volume Manager のドキュメントを参照してください。
表 1-2 に、物理メモリーが 750M バイト未満の Oracle Solaris ホストでのパーティション分割スキームを示します。このスキームは、End User Oracle Solaris ソフトウェアグループ、Oracle Solaris Cluster ソフトウェア、および Oracle Solaris Cluster HA for NFS データサービスでインストールされます。ディスク上の最後のスライスであるスライス 7 には、ボリュームマネージャーが使用する少量の領域が割り当てられています。
グローバルデバイス名前空間用に lofi デバイスを使用する場合は、スライス 3 を別の目的に使用することも、未使用のラベルを付けたままにしておくこともできます。
Solaris Volume Manager ソフトウェアを使用する場合、状態データベースの複製にスライス 7 を使用します。このレイアウトでは、必要な 2 つの空きスライス 4 および 7 が提供され、同時にディスクの終端に未使用の領域も提供されます。
表 1-2 ファイルシステムの割り当て例
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クラスタでの Oracle Solaris ゾーンの目的および機能については、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Support for Oracle Solaris Zones」を参照してください。
非大域ゾーンのクラスタを構成するためのガイドラインについては、「ゾーンクラスタ」を参照してください。
グローバルクラスタノードで Oracle Solaris 10 非大域ゾーン (単にゾーンと呼びます) を作成する場合は、次の点を考慮してください。
複数のノードでのゾーン名の再使用 - クラスタ管理を簡単にするために、対象となるリソースグループに含まれるゾーンに対して、ノード間で同じ名前を使用することができます。
プライベート IP アドレス - クラスタで使用できるよりも多くのプライベート IP アドレスを使用しようとしないでください。
マウント - グローバルマウントをゾーンに含めないでください。ループバックマウントだけを含めてください。
フェイルオーバーサービス - 複数ホストのクラスタでは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアはフェイルオーバーリソースグループのノードリストに、同じ Oracle Solaris ホストの異なるゾーンを指定できますが、これが便利なのはテスト中だけです。単一ホストにノードリスト内のすべてのゾーンが含まれる場合、ノードはそのリソースグループの単一障害点になります。可用性を最大にするために、フェイルオーバーリソースグループのノードリストのゾーンは、別のホストに置く必要があります。
単一ホストのクラスタでは、フェイルオーバーリソースグループのノードリストで複数のゾーンを指定しても機能的なリスクはありません。
スケーラブルサービス - 同じ Oracle Solaris ホストの同じスケーラブルサービスで使用する非大域ゾーンを作成しないでください。スケーラブルサービスの各インスタンスは、別々のホストで実行する必要があります。
クラスタファイルシステム - UFS を使用するクラスタファイルシステムの場合、zonecfs コマンドを使用して、クラスタファイルシステムを非大域ゾーンに直接追加しないでください。代わりに、HAStoragePlus リソースを構成してください。このリソースは、大域ゾーンでクラスタファイルシステムのマウントを管理し、非大域ゾーンでクラスタファイルシステムのループバックマウントを実行します。
LOFS - Oracle Solaris ゾーンでは、ループバックファイルシステム (LOFS) を有効にする必要があります。ただし、Oracle Solaris Cluster HA for NFS データサービスでは、スイッチオーバーの問題やその他の障害を避けるために、LOFS を無効にする必要があります。クラスタで非大域ゾーンと Oracle Solaris Cluster HA for NFS の両方を構成する場合、データサービスの問題の発生を防ぐために次のいずれかの手順を実行してください。
automountd デーモンを無効にする。
Oracle Solaris Cluster HA for NFS からエクスポートされた高可用ローカルファイルシステムに含まれるすべてのファイルをオートマウンタマップから除外します。
排他的 IP ゾーン - 排他的 IP の非大域ゾーンには、特に次のガイドラインが適用されます。
論理ホスト名リソースグループ - LogicalHostname リソースが含まれるリソースグループでは、ip-type プロパティーが exclusive に設定された非大域ゾーンがノードリストに含まれる場合、そのノードリスト内のすべてのゾーンのこのプロパティーが exclusive に設定されている必要があります。大域ゾーンの ip-type プロパティーは常に shared に設定されているため、ip-type=exclusive のゾーンが含まれるノードリストで共存できない点に注意してください。この制限は、Oracle Solaris ゾーンの ip-type プロパティーを使用する Oracle Solaris OS のバージョンにのみ適用されます。
IPMP グループ - 非大域ゾーンのデータサービストラフィックに使用されるすべてのパブリックネットワークアダプタについては、ゾーン上のすべての /etc/hostname.adapter ファイルで IPMP グループを手動で構成する必要があります。この情報は、大域ゾーンから継承されません。IPMP グループの構成のガイドラインと手順については、『Oracle Solaris の管理: IP サービス』のパート V「IPMP」の手順に従います。
プライベートホスト名の依存関係 - 排他的 IP ゾーンは、クラスタのプライベートホスト名とプライベートアドレスに依存できません。
共有アドレスリソース - 共有アドレスリソースは、排他的 IP ゾーンを使用できません。
SPARC ハイパーバイザ対応の物理的にクラスタ化されたマシン上で、Oracle VM Server for SPARC I/O ドメインまたはゲストドメインを作成する場合は、次の点を考慮してください。
SCSI LUN の必要条件 - Oracle VM Server for SPARC ゲストドメインの仮想共有ストレージデバイス、または仮想ディスクバックエンドは、I/O ドメイン内の完全な SCSI LUN である必要があります。 任意の仮想デバイスは使用できません。
フェンシング – デバイスのフェンシングも無効にしないかぎり、同じ物理マシン上の複数のゲストドメインにストレージ LUN をエクスポートしないでください。そうしないと、同じマシン上の 2 つの異なるゲストドメインの両方があるデバイスで認識される場合、ゲストドメインの 1 つが停止すると、そのデバイスがフェンシングされます。デバイスがフェンシングされると、そのあとでデバイスへのアクセスを試みるほかのゲストドメインでパニックが発生する可能性があります。
ネットワークの分離 - 同じ物理マシン上にあるが、異なるクラスタに構成されているゲストドメインは、互いに別のネットワークにある必要があります。次のいずれかの方法を使用します。
プライベートネットワークの I/O ドメイン内で異なるネットワークインタフェースを使用するように、クラスタを構成する。
それぞれのクラスタに別々のネットワークアドレスを使用します。
ゲストドメイン内のネットワーク - ゲストドメイン間で送受信するネットワークパケットは、仮想スイッチを介してネットワークドライバに到達するためにサービスドメインをトラバースします。仮想スイッチでは、システムの優先度に従って実行されるカーネルスレッドを使用します。仮想スイッチスレッドは、ハートビート、メンバーシップ、チェックポイントなど、重要なクラスタ操作を実行するために必要な CPU リソースを取得します。mode=sc 設定で仮想スイッチを構成すると、クラスタのハートビートパケットを迅速に処理できます。ただし、次のワークロードの下では CPU リソースをサービスドメインに追加して、重要なほかのクラスタ操作の信頼性を向上させることができます。
ネットワークやディスクの I/O などに起因する高い割り込み負荷。過剰な負荷の下では、仮想スイッチのために、仮想スイッチスレッドを含むシステムスレッドが長時間実行できなくなる可能性があります。
CPU リソースを保持することに過度に積極的なリアルタイムスレッド。リアルタイムスレッドは、仮想スイッチスレッドよりも高い優先度で実行されるため、長時間仮想スイッチスレッドを使用する場合の CPU リソースを制限できます。
非共有ストレージ - Oracle VM Server for SPARC ゲストドメイン OS イメージ用などの非共有ストレージの場合、どのタイプの仮想デバイスも使用できます。I/O ドメインにファイルやボリュームを実装すれば、そうした仮想デバイスを強化できます。ただし、同じクラスタの別のゲストドメインにマッピングする目的で、ファイルまたは複製ボリュームを I/O ドメインにコピーしないでください。作成される仮想デバイスの別のゲストドメインに同じデバイスが確認されるため、そのようなコピーまたは複製は問題を発生させる場合があります。I/O ドメインには常に新しいファイルまたはデバイスを作成してください。一意のデバイスを割り当てて、その新しいファイルまたはデバイスを別のゲストドメインにマッピングしてください。
I/O ドメインからのストレージのエクスポート - Oracle VM Server for SPARC I/O ドメインからなるクラスタを構成する場合、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを実行しているほかのゲストドメインにストレージデバイスをエクスポートしないでください。
Oracle Solaris I/O マルチパス – ゲストドメインから Oracle Solaris I/O マルチパスソフトウェア (MPxIO) を実行しないでください。その代わりに、I/O ドメインで Oracle Solaris I/O マルチパスソフトウェアを実行し、それをゲストドメインにエクスポートしてください。
仮想ディスクマルチパス - クラスタノードとして構成されている論理ドメイン上で、Oracle VM Server for SPARC の仮想ディスクマルチパス機能を構成しないでください。
プライベートインターコネクト IP アドレス範囲 – プライベートネットワークは、同じ物理マシン上に作成されるすべてのゲストドメインで共有され、これらのすべてのドメインで認識されます。ゲストドメインクラスタで使用するプライベートネットワーク IP アドレス範囲を、scinstall ユーティリティーに指定する前に、そのアドレス範囲が、同じ物理マシン上の別のゲストドメインでまだ使用されていないことを確認します。
Oracle VM Server for SPARC の詳細については、『Logical Domains (LDoms) 1.0.3 Administration Guide 』を参照してください。