この項では、Oracle VMでの主な不具合の修正について説明します。このリリースでの不具合の修正は他にも多数ありますが、この項では、より重要なものを重点的に説明します。この情報は、以前のリリースのOracle VMを使用していたユーザーに役立ちます。
Oracle VMリリース3.2.1で修正された主な不具合は次のとおりです。
サーバーの検出時の問題(ファイル・サーバーの管理サーバー・リストに、そのサーバーがない場合でも、Oracle VMがすべてのファイル・サーバー・マウントを検出しようとする)を修正しています。 (14573204)
ボンド作成中に異なるMTU設定を持つスレーブ・ポートの処理を向上させます。 (13929346)
ネットワーク・ポート値のチェックを追加し、nullポインタ例外がスローされるのを防止します。 (14653155)
VLANダイアログ・ボックスで「Escape」ボタンを押したときの「Object Not Found」問題を修正します。 (15827079)
クラスタ・ストアのキャッシュ・サイズの動的な変更がサポートされています。デフォルトのキャッシュ・サイズは現在150Kです。(15850684)
Microsoft Internet Explorerバージョン7、8および9の最新の更新がHTTPS経由でOracle VM Managerに接続できない問題を修正します。 [1] (14754924)
ブラウザを閉じるとOracle VM Managerでジョブが開いたままで不正な状態になる問題を修正します。 (15838028)
マルチスレッド操作でVNICを作成する際の不要なロックは発生しなくなります。 (14054156)
未検出のリポジトリ内にディスクがある仮想マシン、または未検出の物理ディスクがある仮想マシンを検出する際の問題を修正します。 (14104117)
特定のマルチスレッド操作で仮想ディスク(vdisks)が失効したままでオブジェクトが検出されません。(14043681)
様々なタスクがグローバル・コンテキストでジョブを実行しているため、Oracle VM Managerが再起動後にハングアップします。 (14175298)
マルチスレッド・サーバーでの失効ロックの問題(まれにオブジェクトが見つからないというエラーが発生します)。 (14108096)
サーバーのハードウェア構成(BIOS)が変更された後に、Oracle VM Managerがサーバーの検出またはサーバーの起動に失敗します。 (14169237)
HTTPを無効にできません。 (13524729)
Oracle VM ManagerのUIタイムアウトの問題(デフォルト値の時間では記憶域リポジトリの作成には十分ではありません)。 (13925232)
仮想マシンを移行する際のターゲット・サーバー(および他のサーバー)のリストが名前順ではありません。 (14160596)
「Edit Vlan Group」ウィンドウが、すべての情報が適切に表示されるサイズである必要があります。 (14160610)
ナビゲーション・ツリー(サーバー)が名前順ではありません。 (14160581)
Oracle VM Managerを停止できない場合に、アップグレード処理が続行されないようにする必要があります。 (14305714)
YumリポジトリのURLの再設定が原因のサーバーの再検出における問題。 (14228607)
Oracle VM Managerの再起動後に、iSCSIイニシエータがZFS Storage Applianceアクセス・グループに関連付けられなくなります。 (14180913)
Oracle VMリリース3.1.1で修正された主な不具合は次のとおりです。
停止シナリオでは、複数のオブジェクトの複数のイベントを確認する必要があります。(13845733)
インストーラでは、既存のデータベースを再利用できません。(13744793)
サーバー・プール・ファイル・システムが破損している場合、Oracle VM Managerからサーバー・プール・ファイル・システムを削除できません。(13601257)
すでにパーティションが存在するLUNではリポジトリを作成できません。(13596838)
HVMゲストは、MEMがMAXMEMと等しくない場合、起動に失敗するかパニックが発生します。(13560881)
Oracle VM Serverを解放した場合、Oracle VM ManagerからVMおよびOracle VM Serverを削除できません。(13473061)
リポジトリがリフレッシュされても、コア・インタフェースおよびユーザー・インターフェースのOCFS2記憶域リポジトリ・サイズは更新されません。(13449381)
マルチパスSANで起動したOracle VM Serverでは、DM MPデバイスの初期化に失敗します。(13341598)
VMの起動が保留になります。(13044663)
CPU使用率のAPIで負の値が返されます。(12999197)
物理ディスク/LUNのサイズを変更してもファイル・システムのサイズは変更されません。(12962538)
Oracle VM Serverは、マルチパスSANディスクからの起動に失敗します。(12682785)
HP ProLiant BL680c G5 Server上で、Oracle VM Server Release 3.0.3からOracle VM Server Release 3.1.1にアップグレードできません。(14690247)
Oracle VMリリース3.0.3で修正された主な不具合は次のとおりです。
Oracle VM Managerのアップグレードの改善により、アップグレード時間が大幅に削減されました。
Oracle VM Managerで入力されたIPアドレスは、常に正常な形式であるよう検証されます。IPアドレスが誤った形式である場合、エラー・メッセージが表示されます。
Linuxカーネル・デバイス・マネージャ(udev)が改善され、パフォーマンスが向上しました。最も大きな変更は、サーバーの起動後、udevの実行までにかかる時間が2、3分から数秒に短縮されたことで、システムのハングアップやその他の起動時間に依存するシステムでの問題が削減されました。
管理ネットワークが仮想マシン・ネットワークの役割も果たす場合、環境に追加されるときにOracle VM Serverに仮想マシン・ネットワーク接続のブリッジが作成されます。結果として、仮想マシンは、新しいOracle VM Serverに移行されても正常に動作します。
DHCPはVLANグループ・インタフェースに使用できます。(13322814)
Oracle VM ServerおよびUnbreakable Enterprise Kernel (UEK)は、特定のBroadcom NetXtreme II XGb (bnx2x
)ネットワーク・コントローラの不正な構成によって生じる大量のカーネル警告メッセージを防ぐようパッチ処理されています。無効な構成が検出された場合、コントローラ・カードごとに1つの警告メッセージが表示されます。
Oracle VM Serverの特定のBroadcom NetXtreme II XGb (bnx2x
)ネットワーク・コントローラに関する一部のネットワーク・スループットの問題は解決され、デフォルトのTPA設定はネットワーク・スループットに悪影響を与えず、仮想マシンおよびNFS記憶域間のネットワークでのbnx2x
コントローラのハングアップはもう発生しません。
タグ付けされていないVLANセグメントを使用する場合、ユーザーは、VLANインタフェースではなく、NICポートにIPアドレス情報を構成する必要があります。これにより、重複した構成や他の構成ミスのリスクを削減します。
仮想マシン・クローンのネットワークに遅延スキームが実装され、仮想マシンの仮想NIC接続はクローン操作の最後にのみロックされます。結果として、複数の仮想マシンが同じテンプレートからパラレルでクローンされる場合には、イーサネット・ネットワークでのロックの問題は発生しなくなります。
Oracle VM Managerでは、「Acknowledge All Events」ボタンで、現在のリスト・ビューで表示されているアイテムだけでなく、すべてのイベントを効率的にクリアします。
[1] この問題は、http://support.microsoft.com/kb/2661254で入手可能な最新のセキュリティ・パッチを適用した後に発生します。この修正の実装手順については、『Oracle VMインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください。