この項では、Oracle VM Managerの使用時に発生する可能性があるいくつかの問題およびその解決方法について説明します。
この項では、Oracle VM Managerユーザー・インタフェースの動作の構成に対して可能な変更について説明します。
「showLoginCoreServerUri」のデフォルト値がfalseに設定されている可能性があります。Oracle VM Managerの「Tools and Resources」タブの「Preferences Pane」にある「Show Management Server URI」チェック・ボックスを選択します。
Oracle VM Manager UIのプリファレンスの詳細は、3.10項「デフォルトのUI動作の変更」を参照してください。
使用可能なファイル・システムが大量にあるストレージ・サーバーでは、使用可能なファイル・システムのリストのリフレッシュ中にUIがタイムアウトし、「No File Systems Available」のメッセージが表示される場合があります。これは通常、UIがリフレッシュする必要のあるファイル・システムの数に対して、タイムアウト値の設定が低すぎることを意味します。Oracle VM Managerユーザー・インタフェースの「Tools and Resources」タブの「Preferences Pane」にある「Refresh Timeout Value」の設定を変更します。
Oracle VM Manager UIのプリファレンスの詳細は、3.10項「デフォルトのUI動作の変更」を参照してください。
Oracle VM Managerのエラー・メッセージは、ユーザー・インタフェース、「Jobs」タブおよびオブジェクトの「Events」リストに表示され、さらにログ・ファイルでも確認できます。ログ・ファイルは、Oracle VM Managerホスト・コンピュータの次のディレクトリに格納されます。
/u01/app/oracle/ovm-manager-3/machine1/base_adf_domain/servers/AdminServer/logs
ここには、次のいくつかの関連ファイルがあります。
access.log: Oracle VM ManagerのWebインタフェースおよび基礎となるWebLogic HTTPインタフェースへのHTTPアクセスを追跡するのに使用されます。このログは、アクセス問題のデバッグおよびOracle VM Managerへのアクセスの監査を目的とする、Oracle VM Manager内のアクセスとHTTP操作の追跡に使用できます。
AdminServer.log: 基礎となるWebLogicフレームワーク内のイベント(Oracle VM Managerによってトリガーされるイベントを含む)を追跡するために使用されます。このログは、Oracle VM Manager内の様々な問題(TLS/SSL証明書の問題、サーバーの可用性の問題、Oracle VM Manager内で実行されるすべてのアクションを含む)の追跡に使用することができ、通常、これらの問題は文字列「com.oracle.ovm.mgr」を含む項目の検索で特定できます。(不正な資格証明とは対照的に)ロックされたアカウントが原因のログイン障害も、このファイルに格納されます。
AdminServer-diagnostic.log: 基礎となるWebLogicフレームワーク内の例外(不正な資格証明が原因のログイン障害など、Oracle VM Managerによってトリガーされる特定のイベントを含む)の追跡に使用されます。このログは、結果として例外またはログイン障害になったOracle VM Managerの動作の追跡に対して使用でき、これらは文字列「An incorrect username or password was specified」の検索により追跡できます。
ログ・ファイル形式はWebLogicによって決定されるため、これらのファイルの多くは読取りが困難な場合があります。実際のログ・ファイルから役立つ情報を抽出するために、Oracle VM Managerにはログ解析ツールが含まれています。ログ解析ツールの名前はOvmLogTool.pyであり、次の場所にあります。
/u01/app/oracle/ovm-manager-3/ovm_shell/tools
OvmLogTool.pyは、次の3つの役立つ処理を行うことができます。
すべてのAdminServerログ・ファイルを、より判読性の高い1つのファイルに変換して組み合わせます。
エラーのみをリストする、フィルタ処理されたサマリー・ログ・ファイルを作成します。
AdminServerログを処理し、オンザフライでフィルタ処理を適用します。
通常、ログの分析は、エラー・サマリー・ログの生成によって開始されます。サマリー・ファイルは、フィルタ処理されたファイルの索引として機能し、エラーの調査と分析を行うことが可能であり、詳細調査が必要となる可能性のある各エラーのタイムスタンプおよび短いサマリーを提供します。サマリー・ログ・ファイルを生成するには、次の手順を実行します。
# python OvmLogTool.py -s -o summary
processing input file: /u01/app/oracle/ovm-manager-3/machine1/base_adf_domain/servers/AdminServer/
logs/AdminServer.log00001
processing input file: /u01/app/oracle/ovm-manager-3/machine1/base_adf_domain/servers/AdminServer/
logs/AdminServer.log
これにより、summaryという名前のファイルがローカル・ディレクトリに生成されます。これを使用して、Oracle VM Manager内で発生したエラーを検索できます。
Oracle VM Manager内のすべてのイベントおよびエラーの完全なログを取得するには、次の手順を実行します。
# python OvmLogTool.py -o filteredlog
processing input file: /u01/app/oracle/ovm-manager-3/machine1/base_adf_domain/servers/AdminServer/
logs/AdminServer.log00001
processing input file: /u01/app/oracle/ovm-manager-3/machine1/base_adf_domain/servers/AdminServer/
logs/AdminServer.log
これにより、filteredlogという名前のファイルがローカル・ディレクトリに生成されます。これを使用して、Oracle VM Manager内で発生したすべてのイベントを検索できます。
最後に、OvmLogTool.pyを使用して、ログの処理中にオンザフライで結果をフィルタ処理できます。
# python OvmLogTool.py -t
tailing log file: /u01/app/oracle/ovm-manager-3/machine1/base_adf_domain/servers/AdminServer/
logs/AdminServer.logログ・ファイルの処理が完了した後、[Ctrl]を押しながら[C]を使用してプログラムを終了します。
Oracle VMコマンドライン・ユーティリティのセットをダウンロードできます。これらのOracle VMユーティリティは、Oracle VM環境のOracle VM Serverおよび仮想マシンでの一連の基本的な管理タスクの実行が可能なコマンドライン・スクリプトのコレクションです。これらのユーティリティは、特定の操作を迅速にまたは繰り返し行う必要のある管理者にとって特に便利です。コマンドライン・スクリプトを使用することで、これらのタスクをすばやく簡単に実行できます。これらのユーティリティの詳細は、『Oracle VMユーティリティ・ガイド』を参照してください。
また、ユーザー・インタフェースの機能を反映したOracle VM Managerへのコマンドライン・インタフェースを使用して、Oracle VM環境への非定型でスクリプト化されたプログラムによるアクセスを有効化することもできます。コマンドライン・インタフェースの詳細は、Oracle VMコマンドライン・インタフェース・ユーザーズ・ガイドを参照してください。
Oracle VM Managerの仮想マシン・コンソールを起動するとエラーが表示される場合、Oracle VM Managerホスト・コンピュータにVNC Viewerをインストールしていない可能性があります。この問題を解決するには、Oracle VM Managerホスト・コンピュータにVNC Viewerをインストールします。詳細は、仮想マシン・コンソール・ユーティリティのインストールと構成に関する説明を参照してください。
Oracle VM Managerユーザー・インタフェースにアクセスするクライアントにVNC Viewerをインストールすることもできます。クライアントにVNC Viewerがない場合でも、この問題が発生しないように、Oracle VM Managerホスト・コンピュータにVNC Viewerをインストールすることをお薦めします。
「Error: There is no server supporting hardware virtualization in the selected server pool.」というメッセージが表示されます。
この問題を解決するために、Oracle VM Serverがハードウェア仮想化をサポートしていることを確認します。
確認するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを実行して、ハードウェア仮想化がCPUでサポートされているかどうかを確認します。
# cat /proc/cpuinfo |grep -E 'vmx|smx'
vmxまたはsmxを含む情報が表示される場合、CPUはハードウェア仮想化をサポートしています。返されるメッセージの例は、次のとおりです。
flags : fpu tsc msr pae mce cx8 apic mtrr mca cmov pat pse36 clflush dts acpi mmx fxsr sse sse2 ss ht tm pbe nx lm constant_tsc pni monitor ds_cpl vmx est tm2 cx16 xtpr lahf_lm
Linux 2.6.15 (Intel®)およびLinux 2.6.16 (AMD)以降、/proc/cpuinfoコマンドは仮想化機能のみを示します。カーネルのバージョンを問い合せるには、uname -rコマンドを使用します。
BIOSのハードウェア仮想化が有効になっていることを確認します。
次のコマンドを実行して、オペレーティング・システムがハードウェア仮想化をサポートしているかどうかを確認します。
# xm info |grep hvm
返されるメッセージの例は、次のとおりです。
xen_caps : xen-3.0-x86_64 xen-3.0-x86_32p hvm-3.0-x86_32 hvm-3.0-x
CPUでハードウェア仮想化がサポートされていない場合は、準仮想化の方法を使用して仮想マシンを作成してください。詳細は7.7項「仮想マシンの作成」を参照してください。
仮想マシンのCDを変更するには、次の手順を実行します。
最初のCDをアンマウントします。
# umount mount-point2番目のISOファイルを選択し、「Change CD」をクリックします。
2番目のCDをマウントします。
# mount /dev/cdrom mount-point
Oracle VM 2.xテンプレートから仮想マシンを作成する場合、クローン・ジョブは失敗し、次のエラーが表示されます。
OVMAPI_9039E Cannot place clone VM:template_name.tgz, in Server Pool: server-pool-uuid. That server pool has no servers that can run the VM.
これは、仮想マシンの構成ファイルのvif = ['bridge=xenbr0']エントリとのネットワーク構成の不一致が原因です。
この問題を解決するには、仮想マシン・テンプレートの既存のネットワークを削除し、仮想マシン・ロールを持つ有効なネットワークで置換します。クローン・ジョブを開始すると、仮想マシン・クローンが作成されます。または、テンプレートの既存のネットワークをすべて削除し、クローン・ジョブを再開し、クローン・ジョブの完了後に任意のネットワークに追加します。