この項の内容:
表131は、Essbaseサーバーおよびクライアントの実行可能ファイルを示しています:
表 131. Essbaseの主要な実行可能ファイル
実行可能ファイル[1] |
場所 | ||
---|---|---|---|
ESSBASEPATH /bin | |||
ESSBASEPATH /bin | |||
ESSBASEPATH /bin | |||
ESSBASEPATH /bin | |||
EPM_ORACLE_HOME /products/Essbase/eas/server/bin | |||
EPM_ORACLE_HOME /products/Essbase/eas/server/bin |
EssbaseエージェントはEssbaseサーバーを管理します。エージェント・プロセスは、すべてのアプリケーションを開始および停止し、Essbaseサーバーのトラフィック・コーディネータとして機能します。OPMNはEssbaseエージェントを管理します。
Essbaseサーバーの開始および停止スクリプトはOPMNにリダイレクトされます。デフォルトでは、OPMNはバックグラウンド・サービスとしてEssbaseを開始します。
インストール中、Oracle Hyperion Enterprise Performance Management SystemインストーラはOPMNをインストールし、OPMN用のEssbaseサーバーを登録します。Essbaseの管理(OPMNを使用)。を参照してください。
エージェント・ログは、Essbaseサーバー・ログと呼ばれます。Essbaseサーバー・ログおよびアプリケーション・ログの表示を参照してください。
essbase.exeおよびesssvr.exe(UNIXでは、ESSBASEおよびESSSVR)は、マルチスレッド処理および対称型マルチプロセッシング(SMP)アプリケーションです。マルチスレッド処理によって、クライアント・サーバー環境における高いパフォーマンスが保証されます。SMPは、1台のサーバー・コンピュータが複数のEssbaseアプリケーションをホストするときの拡張性を提供します。Essbaseサーバーは、UNIXオペレーティング・システムに含まれているPOSIXカーネル・スレッドを使用しています。
表132に示すように、デフォルトでは、スレッド数はポートの数に基づいています。ポート数は、Essbaseがサポートする同時接続の数を表します。Essbaseには、他のポートがすべて使用されているときにユーザーをログオフするために使用される、システム管理者のための予約ポートが1つ用意されています。
エージェントまたはEssbaseサーバーのスレッド数は、AGENTTHREADS、AGTSVRCONNECTIONSおよびSERVERTHREADS構成設定を使用してessbase.cfgファイルで設定できます。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。
注: | Essbaseサーバーが実行されているコンピュータ上でハイパースレッディングを使用可能にすることはお薦めできません。 |
OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力できます。表133は、各エージェント・コマンドと、等価なMaxL、ESSCMDまたはAdministration Servicesコマンドを示しています:
表 133. エージェント・コマンドと、等価なMaxL、ESSCMDまたはAdministration Servicesコマンド
エージェント実行中のセキュリティ・ファイルのコンパクト化を使用可能にします。Essbaseセキュリティ・ファイルの断片化の管理を参照してください。 | ||
Essbaseのセキュリティ・ファイル(essbase.sec)から、テキスト(ASCII)フォーマットの指定されたファイルに情報をダンプします。ファイル名のパスを指定しない場合は、ファイルがARBORPATH/binディレクトリに保存されます。 このコマンドには、Essbaseのシステム・パスワードが必要です。 注: サービスとして実行されているEssbaseサーバーに対してDUMPコマンドを使用できません。サーバーがサービスとして実行されている場合は、Administration Servicesの「セキュリティ・ファイルのエクスポート」コマンドか、またはexport security_file MaxLステートメントを使用します。 |
Essbaseセキュリティ・ファイルの読取り可能フォーマットへのエクスポートを参照してください。 注: サービスとして実行されているEssbaseサーバーに対して「セキュリティ・ファイルのエクスポート」コマンドを使用できません。 | |
Essbaseサーバーを開始するには、管理者権限を持っている必要があります。
essbase.cfg内のESSBASESERVERHOSTNAME構成設定を使用することにより、Essbaseのバインド先のホスト名を指定できます。ホスト名が指定されていない場合、EssbaseはシステムAPIを使用してホスト名を取得します。ホスト名を使用すると、コンピュータのすべてのネットワーク・インタフェース上のネットワーク・トラフィックを分割できます。これは、単一のネットワーク・カードまたは複数のNICカードが装備されているコンピュータでは便利です。
HP-UXおよびSolarisでは、ps -efユーティリティによって、システム・パスワードを含むプロセス・リストが作成されます。
注: | IBM AIXでは、Essbaseサーバーのシステム・パスワードは自動的に非表示になります。 |
Essbaseサーバーのシステム・パスワードを非表示にするには:
次のコマンドを記述した、essbase.secureという名前のシェル・スクリプトを作成します:
#!/bin/sh PASS=$1 ESSBASE -b -secure << EOF & ${PASS} EOF
essbase.secure password
手動で改行を入力することなくこのスクリプトをコマンド・プロンプトに戻すようにするか、またはこのスクリプトをさらに大きなスクリプト内に埋め込むには、このスクリプトを次のコマンドで実行します:
essbase.secure &
(オプション)標準出力を、このスクリプトをアクティブでないターミナル・セッションで実行する場合に有効なnohup.outという名前のファイルにリダイレクトするには、次のコマンドを使用します:
nohup essbase.secure &
Essbaseサーバーを停止またはシャットダウンするには、管理者権限が必要です。
「エージェント」ウィンドウを閉じるか、または[Ctrl] + [C]を押すことによってエージェントを停止した場合は、次回データベースを開始したときに、進行中であったすべてのトランザクションがEssbaseによってロールバックされます。コミット・アクセスでのロールバックまたはアンコミット・アクセスでのロールバックを参照してください。
アプリケーションが開始されると、Essbaseは、そのアプリケーションおよび関連付けられたすべてのデータベースをEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにロードします。データ・ロード、計算、レポート、スプレッドシートのロックや送信などの、データに対するクライアント要求はすべて、アプリケーション・プロセス(ESSSVR)を介して処理されます。アプリケーション・プロセスは常に、エージェント・プロセス(ESSBASE)によって開始されます。
Essbaseサーバー上で、複数のアプリケーション・プロセスを同時に実行できます。Windowsでは、実行されているアプリケーション・プロセスごとに個別のウィンドウが開きます。アプリケーションに複数の実行中データベースが含まれている場合は、すべてのデータベースが1つのアプリケーション・プロセスによって管理されます。
アプリケーションを停止すると、Essbaseは、Essbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーからすべての情報およびデータベースをアンロードし、アプリケーション・プロセスを閉じます。
アプリケーションを開始すると、次のアクションが可能になります:
アプリケーションが開始し、さらにWindows上で実行している場合は、Essbaseサーバー・コンピュータ上でアプリケーション・サーバー・ウィンドウが開きます。
また、次のいずれかのアクションを実行した場合にも、アプリケーションを開始できます:
アプリケーション内でのデータベースの開始。データベースの開始を参照してください。
アプリケーションの開始方法を制御する次のオプションを設定できます:
startup (アプリケーションの開始をユーザーに許可): アプリケーションが停止されているときに、ユーザーがそのアプリケーション内の任意のデータベースからデータを取得しようとすると、そのアプリケーションがEssbaseサーバー・コンピュータ上で自動的に開始されます。
autostartup (Essbaseの開始時にアプリケーションを開始): ユーザーがそのアプリケーション内のデータベースを要求したときの初期パフォーマンスが向上する場合があります。これは、アプリケーションおよびデータベースがEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにすでにロードされているためです。
含まれているデータベースが破損しないように、アプリケーションを正しく停止してください。アプリケーションを停止するときに、トランザクションが実行されている可能性があります。いずれかの正しい方法(次の表を参照)を使用してアプリケーションを停止した場合は、計算またはデータ・ロードが進行中であると、アプリケーションは停止されません。かわりに、Essbaseによって、エージェント・ウィンドウにメッセージが表示されます。
ウィンドウを閉じるか、または[Ctrl] + [C]を押してエージェントを停止した場合は、アプリケーションが停止し、次回アプリケーションを開始したときに、進行中であったすべてのトランザクションがEssbaseによってロールバックされます。コミット・アクセスでのロールバックまたはアンコミット・アクセスでのロールバックを参照してください。
「アプリケーション・サーバー」ウィンドウを閉じることによって、アプリケーション・サーバー・プロセスを不正に停止することが必要な場合があります。たとえば、アプリケーション・サーバーが破損しており、クライアント要求を処理していない場合などです。
アプリケーションを正しい方法以外で停止するには、Essbaseサーバーが実行されているオペレーティング・システムのメソッドを使用します:
UNIXプラットフォームでは、ESSSVRプロセスを強制終了します。
psの出力を使用して、個々のアプリケーションを識別できます。アプリケーションがフリーズした場合は、次のコマンドを使用してそのアプリケーションを停止できます:
kill -9 <pid>
Windowsの場合は、次のメソッドを選択します:
Windowsオペレーティング・システムの「タスクの終了」を実行します。
Windowsでは、個々のEssbaseアプリケーションのプロセスIDは表示されません。実行中のすべてのEssbaseアプリケーションが、区別されないESSSVRプロセスとして表示されるため、単一のアプリケーションがフリーズした場合にはそのアプリケーションを停止できません。
個々のアプリケーション・サーバーのプロセスIDは、EPM_ORACLE_HOME/logs/essbase/essbase.logファイル内にあります。サーバーが開始したとき、Essbaseサーバー・ログに次のような行が表示されます:
Application [Sample] started with process id [225]
データベースを開始すると、そのデータベースがEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにロードされます。データベースを停止すると、メモリーからすべてのデータベース情報がアンロードされます。
Essbaseによってデータベースが開始され、メモリーにロードされると、そのデータベースのインデックス・キャッシュ全体がメモリー内に自動的に割り当てられます。データ・キャッシュとデータ・ファイル・キャッシュは、Essbaseクライアントから要求されたブロックとして割り当てられます。
アプリケーションを開始すると、Essbaseによって、そのアプリケーションおよびそのアプリケーションのデータベースがEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにロードされます。まだ開始されていないアプリケーションのデータベースを開始すると、そのアプリケーションが、関連するすべてのデータベースとともにメモリーにロードされます。
データベースを停止すると、メモリーからすべてのデータがアンロードされ、更新済のデータはすべてディスクにコミットされます。データベースが停止されているときに、ユーザーがそのデータベースからデータを取得しようとすると、明示的なコマンドを発行しなくても、そのデータベースがEssbaseサーバー上で自動的に開始されます。
データベースを停止するとき、トランザクションが現在実行されている可能性があります。いずれかの正しい方法(次の表を参照)を使用してデータベースを停止した場合は、計算またはデータ・ロードが進行中であると、データベースは停止されません。かわりに、Essbaseによって、Essbaseサーバー・ウィンドウにメッセージが表示されます。
Essbaseサーバー・ウィンドウを閉じるか、または[Ctrl] + [C]を押してエージェントを停止した場合は、データベースが停止し、次回データベースを開始したときに、進行中であったすべてのトランザクションがEssbaseによってロールバックされます。コミット・アクセスでのロールバックまたはアンコミット・アクセスでのロールバックを参照してください。
エージェントを使用すると、Essbaseサーバー上のポートを管理できます。
任意の時点でEssbaseサーバーに接続しているユーザーのリスト、使用可能なポート数および接続数を表示できます。
Essbaseサーバーに接続しているユーザーのリストを表示するには、次のツールを使用します:
ツール |
トピック |
場所 |
---|---|---|
エージェント |
USERS |
Oracle Process Manager and Notification Serverコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。 |
Administration Services |
Essbaseサーバー・ユーザーおよびグループの表示 |
Oracle Essbase Administration Services Online Help |
MaxL |
display user |
『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』 |
ESSCMD |
LISTUSERS |
『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』 |
エージェントおよびサーバー・ポートに関連付けられたデフォルト値を1つ以上変更したり、MaxLを使用してポートの範囲を拡張する必要がある場合は、『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。
Essbaseで、使用されているポート数を指定した間隔でログに記録するように指定できます。このログの情報を分析することによって、ポートの使用率を監視したり、ユーザーが接続不可能になる前にポート数を増やす必要性を識別したりできます。
Essbaseサーバーでポート使用の統計を確認し、これらの統計をEssbaseサーバー・ログに書き込むようにするには、PORTUSAGELOGINTERVAL構成設定を使用します:
PORTUSAGELOGINTERVAL
n
ここで、nは使用中のポート数を確認する間隔(分数)を表します。nの値には、1から60までの任意の整数を指定できます。5が推奨される最小値であり、またデフォルト値でもあります。Essbaseでは、整数以外の部分はすべて無視されます。たとえば、Essbaseでは2.5は2分として評価されます。統計は、それぞれの確認の直後にEssbaseサーバー・ログに書き込まれます。ログ・ファイルの出力は次のようになります:
[Mon Apr 22 00:48:50 2003]Local/ESSBASE0///Info(1056214) [3] ports in use, [10] ports allowed
Essbase管理サーバーには、Essbaseサーバー・ポートとは別の構成可能な通信ポートがいくつかあります。Essbase管理サーバーについてを参照してください。
Essbaseは、すべてのクライアント/サーバー間およびサーバー/サーバー間通信のためのセキュア・ソケット・レイヤー(SSL)プロトコルをサポートしています。SSLにより、Essbaseは、傍受および改ざんを回避しながらProvider Services、Administration Services、Essbase StudioなどのEssbaseクライアントと一方向ネットワーク通信を行うことができます。エンドポイント認証および通信では、CipherSuite暗号化を使用してインターネット上で機密性が保持されます。
次の構成設定は、SSL通信を可能にするパラメータを提供します:
AGENTSECUREPORT
CLIENTPREFERREDMODE
ENABLECLEARMODE
ENABLESECUREMODE
NETSSLHANDSHAKETIMEOUT
SSLCIPHERSUITES
WALLETPATH
保護モード(SSL)でパーティション化する場合は、次の考慮事項が適用されます:
パーティションのソースとターゲットのセキュリティ・プロトコルは同じである必要があります(両方ともがSSLを使用するか、どちらもSSLを使用しない)。
EssbaseがSSL接続を使用できるようにするには、ENABLESECUREMODEをTRUEに設定する必要があります。
CLIENTPREFERREDMODEをSECUREに設定することを検討します。
CLIENTPREFERREDMODEが設定されていないか、または、FALSEに設定されているが、ENABLESECUREMODEがTRUEに設定されている場合は、:secureをHOST-NAME文字列に追加することにより、MaxLでパーティションを安全に作成およびリフレッシュできます。たとえば、
login esbuser esbpassword on “localhost:6423:secure”;
保護モード(SSL)でロケーション別名を使用する場合は、次の考慮事項が適用されます:
EssbaseがSSL接続を使用できるようにするには、ENABLESECUREMODEをTRUEに設定する必要があります。
保護ポートにロケーション別名が設定されている場合は、サーバー名の指定に:secureを追加する必要があります。たとえば、MaxLを使用した場合、
create location alias EasternDB from Sample.Basic to East.Sales at Easthost:6423:secure as User1 identified by password1;
EssbaseをProvider Servicesとの暗号化(SSL)通信用に構成するには、Essbase libcurlライブラリを有効にしてProvider Servicesへのセキュア・チャネルを設定するための構成タスクを実行する必要があります。Provider ServicesとのSSL暗号化通信のための構成を参照してください。
SSLとEssbaseの使用の詳細は、Oracle Enterprise Performance Management System User Security Administration Guideを参照してください。
取得するには大きすぎるか、または複雑すぎるためにクエリーのパフォーマンスが低下するか、または正常に完了できない情報を、ユーザーが誤って要求する可能性があります。クエリー・サイズまたは実行時間を制御するには、QRYGOVEXECTIMEおよびQRYGOVEXECBLK構成設定(クエリー・ガバナーと呼ばれます)を使用します:
これらの設定を、Essbaseサーバー上のすべてのアプリケーションおよびデータベース、単一のアプリケーション上のすべてのデータベース、または1つのデータベースに適用できます。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。
Essbaseサーバーとエージェントの間の可能性のある最大スレッド数を増やすと、複数のユーザーがアプリケーションやデータベースに同時にログオンしたり、接続したりできるようになります。
Essbaseサーバーへの初期接続を実行するために作成されるスレッドの最大数を制御するには、AGENTTHREADSおよびAGTSVRCONNECTIONS構成設定を使用します:
Essbaseサーバーへの同時ユーザー・セッション接続の最大数を制限するには、MAXLOGIN構成設定を使用します。この数には、同じユーザーの複数のインスタンスが含まれます。たとえば、同じEssbaseサーバーに接続してExcelワークシートを5つ開いている1人のユーザーは、使用しているポートは1つですが、5つのセッションを使用しています。
MAXLOGINの値を、コンピュータ・リソースに一致するように、または同時ポートおよびユーザー・セッションをより緊密に管理するために調整できます。同時ポートは、クライアント・コンピュータ、Essbaseサーバーおよびログイン名の各固有の組合せに対して使用されます。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。