Essbaseサーバー、アプリケーションおよびデータベースの実行

この項の内容:

Essbaseの実行可能ファイル

エージェントの理解

Essbaseサーバーの開始と停止

アプリケーションの開始と停止

データベースの開始と停止

ポートの管理

SSLを使用したEssbaseとの通信

クエリーのサイズおよび実行時間の制御

Essbaseサーバーへのエージェント接続の増加

ユーザー・セッション数の制限

Essbaseの実行可能ファイル

表131は、Essbaseサーバーおよびクライアントの実行可能ファイルを示しています:

表 131. Essbaseの主要な実行可能ファイル

実行可能ファイル[1]

説明

場所

参照

essbase.exe

Essbaseサーバー・エージェント・プロセス

ESSBASEPATH /bin

エージェントの理解

esssvr.exe

アプリケーション・プロセス

ESSBASEPATH /bin

アプリケーションの開始と停止

essmsh.exe

MaxLシェル

ESSBASEPATH /bin

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

esscmd.exe

ESSCMDコマンド・ライン・クライアント・インタフェース

ESSBASEPATH /bin

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

adminsvr.exeまたはstartEAS.exe

Essbase管理サーバーの実行可能ファイル

EPM_ORACLE_HOME /products/Essbase/eas/server/bin

Oracle Essbase Administration Services Online Help

admincon.bat

管理サービス・コンソール・アプリケーション

EPM_ORACLE_HOME /products/Essbase/eas/server/bin

Oracle Essbase Administration Services Online Help

1 UNIXでは、実行可能ファイルに.exe拡張子はありません。

エージェントの理解

EssbaseエージェントはEssbaseサーバーを管理します。エージェント・プロセスは、すべてのアプリケーションを開始および停止し、Essbaseサーバーのトラフィック・コーディネータとして機能します。OPMNはEssbaseエージェントを管理します。

Essbaseサーバーの開始および停止スクリプトはOPMNにリダイレクトされます。デフォルトでは、OPMNはバックグラウンド・サービスとしてEssbaseを開始します。

インストール中、Oracle Hyperion Enterprise Performance Management SystemインストーラはOPMNをインストールし、OPMN用のEssbaseサーバーを登録します。Essbaseの管理(OPMNを使用)。を参照してください。

エージェント・ログは、Essbaseサーバー・ログと呼ばれます。Essbaseサーバー・ログおよびアプリケーション・ログの表示を参照してください。

マルチスレッド処理

essbase.exeおよびesssvr.exe(UNIXでは、ESSBASEおよびESSSVR)は、マルチスレッド処理および対称型マルチプロセッシング(SMP)アプリケーションです。マルチスレッド処理によって、クライアント・サーバー環境における高いパフォーマンスが保証されます。SMPは、1台のサーバー・コンピュータが複数のEssbaseアプリケーションをホストするときの拡張性を提供します。Essbaseサーバーは、UNIXオペレーティング・システムに含まれているPOSIXカーネル・スレッドを使用しています。

表132に示すように、デフォルトでは、スレッド数はポートの数に基づいています。ポート数は、Essbaseがサポートする同時接続の数を表します。Essbaseには、他のポートがすべて使用されているときにユーザーをログオフするために使用される、システム管理者のための予約ポートが1つ用意されています。

表 132. ポートとマルチスレッド処理

ポート数

デフォルトのスレッド数

1 - 5ポート

5

6 - 10ポート

10

11ポート以上

20

エージェントまたはEssbaseサーバーのスレッド数は、AGENTTHREADS、AGTSVRCONNECTIONSおよびSERVERTHREADS構成設定を使用してessbase.cfgファイルで設定できます。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。

注:

Essbaseサーバーが実行されているコンピュータ上でハイパースレッディングを使用可能にすることはお薦めできません。

エージェント・コマンドおよび等価なコマンドのリスト

OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力できます。表133は、各エージェント・コマンドと、等価なMaxL、ESSCMDまたはAdministration Servicesコマンドを示しています:

表 133. エージェント・コマンドと、等価なMaxL、ESSCMDまたはAdministration Servicesコマンド

エージェント・コマンド

関数

等価なMaxL、ESSCMDまたはAdministration Servicesコマンド

START appname

指定したアプリケーションを開始します。

  • MaxL: alter system load application appname;

  • ESSCMD: LOADAPP

  • Administration Services: 「開始」、次にエンタープライズ・ビュー内のアプリケーション・ノードの「アプリケーション」

STOP appname

指定したアプリケーションを停止します。

  • MaxL: alter system unload application appname;

  • ESSCMD: UNLOADAPP

  • Administration Services: 「停止」、次にエンタープライズ・ビュー内のアプリケーション・ノードの「アプリケーション」

USERS

Essbaseサーバーに接続しているユーザーのリストを表示します。次の情報が表示されます:

  • Essbaseサーバーに接続しているユーザーの名前

  • インストールされているポート数

  • 接続数

  • 各ユーザーが接続しているアプリケーション

  • 各ユーザーが接続しているデータベース

  • MaxL: display user;

    (すべてのユーザーをリストし、どのユーザーがログインしているかを示します)

  • ESSCMD: LISTUSERS

    (すべてのユーザーをリストします)

  • Administration Services: 「編集」、次にエンタープライズ・ビュー内のサーバー・ノードの「セッション」

PORTS

Essbaseサーバーにインストールされているポート数および使用中のポート数を表示します。

  • MaxL: display system;

    (使用可能な未使用のポートを表示します)

  • ESSCMD: 該当なし

  • Administration Services: 「編集」、次にエンタープライズ・ビュー内のサーバー・ノードの「プロパティ」(「Essbaseサーバー・プロパティ」ウィンドウ、「統計」タブ)

LOGOUTUSER user

Essbaseサーバーからユーザーを切断し、ポートを解放します。

このコマンドには、Essbaseのシステム・パスワードが必要です。

  • MaxL: alter system logout session by user username;

  • ESSCMD: LOGOUTUSER

  • Administration Services: 「編集」、次にエンタープライズ・ビュー内のサーバー・ノードの「セッション」

PASSWORD

Essbaseサーバーの開始に必要なシステム・パスワードを変更します。

このコマンドには、Essbaseのシステム・パスワードが必要です。

  • MaxL: alter user system_administrator set password password;

  • ESSCMD: SETPASSWORD

  • Administration Services: 該当なし

COMPACT

エージェント実行中のセキュリティ・ファイルのコンパクト化を使用可能にします。Essbaseセキュリティ・ファイルの断片化の管理を参照してください。

注:

Essbaseでは、エージェントが停止するたびに、セキュリティ・ファイルが自動的にコンパクト化されます。

  • MaxL: alter system compact security file;

  • ESSCMD: 該当なし

  • Administration Services: エンタープライズ・ビュー内のサーバーのセキュリティ・ノードの「セキュリティ・ファイルのコンパクト化」

DUMP filename

Essbaseのセキュリティ・ファイル(essbase.sec)から、テキスト(ASCII)フォーマットの指定されたファイルに情報をダンプします。ファイル名のパスを指定しない場合は、ファイルがARBORPATH/binディレクトリに保存されます。

このコマンドには、Essbaseのシステム・パスワードが必要です。

注:

サービスとして実行されているEssbaseサーバーに対してDUMPコマンドを使用できません。サーバーがサービスとして実行されている場合は、Administration Servicesの「セキュリティ・ファイルのエクスポート」コマンドか、またはexport security_file MaxLステートメントを使用します。

  • MaxL: export security_file;

  • ESSCMD: 該当なし

  • Administration Services: エンタープライズ・ビュー内のサーバーのセキュリティ・ノードの「セキュリティ・ファイルのエクスポート」

Essbaseセキュリティ・ファイルの読取り可能フォーマットへのエクスポートを参照してください。

注:

サービスとして実行されているEssbaseサーバーに対して「セキュリティ・ファイルのエクスポート」コマンドを使用できません。

VERSION

Essbaseサーバー・ソフトウェアのバージョン番号を表示します。

  • MaxL: display system;

  • ESSCMD: GETVERSION

  • Administration Services: 「編集」、次にエンタープライズ・ビュー内のサーバー・ノードの「プロパティ」(「Essbaseサーバー・プロパティ」ウィンドウ、「ライセンス」タブ)

HELP

有効なすべてのエージェント・コマンドとそれぞれの機能をリストします。[Enter]キーを押すのと同じです。

該当なし

QUITおよびEXIT

開いているすべてのアプリケーションをシャットダウンして、Essbaseサーバーを停止します。

  • MaxL: alter system shutdown;

  • ESSCMD: SHUTDOWNSERVER

  • Administration Services: エンタープライズ・ビュー内のサーバー・ノードの「停止」

Essbaseサーバーを開始するには、管理者権限を持っている必要があります。

注:

ESSCMDまたはMaxLからEssbaseサーバーを開始できません。

ホスト名で修飾されたポートでのEssbaseの開始

essbase.cfg内のESSBASESERVERHOSTNAME構成設定を使用することにより、Essbaseのバインド先のホスト名を指定できます。ホスト名が指定されていない場合、EssbaseはシステムAPIを使用してホスト名を取得します。ホスト名を使用すると、コンピュータのすべてのネットワーク・インタフェース上のネットワーク・トラフィックを分割できます。これは、単一のネットワーク・カードまたは複数のNICカードが装備されているコンピュータでは便利です。

HP-UXおよびSolarisでのEssbaseサーバー・パスワードの非表示

HP-UXおよびSolarisでは、ps -efユーティリティによって、システム・パスワードを含むプロセス・リストが作成されます。

注:

IBM AIXでは、Essbaseサーバーのシステム・パスワードは自動的に非表示になります。

  Essbaseサーバーのシステム・パスワードを非表示にするには:

  1. 次のコマンドを記述した、essbase.secureという名前のシェル・スクリプトを作成します:

                   #!/bin/sh
                
    
                   PASS=$1
                
    
                   ESSBASE -b -secure << EOF &
                
    
                   ${PASS} 
                
    
                   EOF
                
  2. エージェントを起動するには、次のコマンドを使用します:

                essbase.secure password
             
    • 手動で改行を入力することなくこのスクリプトをコマンド・プロンプトに戻すようにするか、またはこのスクリプトをさらに大きなスクリプト内に埋め込むには、このスクリプトを次のコマンドで実行します:

                        essbase.secure &
                     
    • (オプション)標準出力を、このスクリプトをアクティブでないターミナル・セッションで実行する場合に有効なnohup.outという名前のファイルにリダイレクトするには、次のコマンドを使用します:

                        nohup essbase.secure &
                     

Essbaseサーバーのシステム・パスワードの変更

Essbaseサーバーの開始に必要なパスワードを変更できます。

注:

システム・パスワードを変更しても、Essbaseシステム管理者の接続パスワードは変更されません。

  Essbaseサーバーのシステム・パスワードを変更するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

パスワード

OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

現在のシステム・パスワードを入力します。

新しいシステム・パスワードを入力した後、再度入力します。

MaxL

alter user system_administrator set password password

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

SETPASSWORD

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

Essbaseは、システム・パスワードが更新されたことを確認します。

Essbaseサーバーの停止

Essbaseサーバーを停止またはシャットダウンするには、管理者権限が必要です。

  Essbaseサーバーおよび実行中のすべてのアプリケーションを停止するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

quit exit

OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

MaxL

alter system shutdown

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

SHUTDOWNSERVER

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

「エージェント」ウィンドウを閉じるか、または[Ctrl] + [C]を押すことによってエージェントを停止した場合は、次回データベースを開始したときに、進行中であったすべてのトランザクションがEssbaseによってロールバックされます。コミット・アクセスでのロールバックまたはアンコミット・アクセスでのロールバックを参照してください。

注意

EssbaseサーバーをWindowsサービスとして実行している場合は、このサービスをWindowsのコントロール パネルから停止しないでください。これは、UNIXプラットフォームでkillコマンドを発行することに相当し、データ破損を引き起こす場合があります。

アプリケーションの開始と停止

アプリケーションが開始されると、Essbaseは、そのアプリケーションおよび関連付けられたすべてのデータベースをEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにロードします。データ・ロード、計算、レポート、スプレッドシートのロックや送信などの、データに対するクライアント要求はすべて、アプリケーション・プロセス(ESSSVR)を介して処理されます。アプリケーション・プロセスは常に、エージェント・プロセス(ESSBASE)によって開始されます。

Essbaseサーバー上で、複数のアプリケーション・プロセスを同時に実行できます。Windowsでは、実行されているアプリケーション・プロセスごとに個別のウィンドウが開きます。アプリケーションに複数の実行中データベースが含まれている場合は、すべてのデータベースが1つのアプリケーション・プロセスによって管理されます。

アプリケーションを停止すると、Essbaseは、Essbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーからすべての情報およびデータベースをアンロードし、アプリケーション・プロセスを閉じます。

アプリケーションの開始

アプリケーションを開始すると、次のアクションが可能になります:

  • ユーザーはアプリケーションに接続できます。

  • アプリケーションはエージェント・コマンドに応答できます。

  • ユーザーはアプリケーションの設定を変更できます。

  • データとユーザーのセキュリティが使用可能になります。

  • アプリケーション内の個々のデータベースを開始できます。

  アプリケーションを開始するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

START appname

OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

Administration Services

アプリケーションの開始

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

alter system load application

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

LOADAPPまたはSELECT

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

アプリケーションが開始し、さらにWindows上で実行している場合は、Essbaseサーバー・コンピュータ上でアプリケーション・サーバー・ウィンドウが開きます。

また、次のいずれかのアクションを実行した場合にも、アプリケーションを開始できます:

  • アプリケーション内でのデータベースの開始。データベースの開始を参照してください。

  • アウトラインのEssbaseサーバーへの保存。(アウトラインを開いても、アプリケーションは開始されません。)

アプリケーションの開始方法を制御する次のオプションを設定できます:

  • startup (アプリケーションの開始をユーザーに許可): アプリケーションが停止されているときに、ユーザーがそのアプリケーション内の任意のデータベースからデータを取得しようとすると、そのアプリケーションがEssbaseサーバー・コンピュータ上で自動的に開始されます。

  • autostartup (Essbaseの開始時にアプリケーションを開始): ユーザーがそのアプリケーション内のデータベースを要求したときの初期パフォーマンスが向上する場合があります。これは、アプリケーションおよびデータベースがEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにすでにロードされているためです。

  アプリケーションの開始方法を制御するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

Administration Services

アプリケーションの自動開始の構成

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

alter application enable startup

alter application enable autostartup

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

アプリケーションの停止

含まれているデータベースが破損しないように、アプリケーションを正しく停止してください。アプリケーションを停止するときに、トランザクションが実行されている可能性があります。いずれかの正しい方法(次の表を参照)を使用してアプリケーションを停止した場合は、計算またはデータ・ロードが進行中であると、アプリケーションは停止されません。かわりに、Essbaseによって、エージェント・ウィンドウにメッセージが表示されます。

ウィンドウを閉じるか、または[Ctrl] + [C]を押してエージェントを停止した場合は、アプリケーションが停止し、次回アプリケーションを開始したときに、進行中であったすべてのトランザクションがEssbaseによってロールバックされます。コミット・アクセスでのロールバックまたはアンコミット・アクセスでのロールバックを参照してください。

  アプリケーションを正しく停止するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

stop appname

OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

Administration Services

アプリケーションの停止

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

alter system unload application

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

UNLOADAPP

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

アプリケーションの誤った停止

「アプリケーション・サーバー」ウィンドウを閉じることによって、アプリケーション・サーバー・プロセスを不正に停止することが必要な場合があります。たとえば、アプリケーション・サーバーが破損しており、クライアント要求を処理していない場合などです。

  アプリケーションを正しい方法以外で停止するには、Essbaseサーバーが実行されているオペレーティング・システムのメソッドを使用します:

  • UNIXプラットフォームでは、ESSSVRプロセスを強制終了します。

    psの出力を使用して、個々のアプリケーションを識別できます。アプリケーションがフリーズした場合は、次のコマンドを使用してそのアプリケーションを停止できます:

                   kill -9 <pid>
                
  • Windowsの場合は、次のメソッドを選択します:

    • Windowsオペレーティング・システムの「タスクの終了」を実行します。

      Windowsでは、個々のEssbaseアプリケーションのプロセスIDは表示されません。実行中のすべてのEssbaseアプリケーションが、区別されないESSSVRプロセスとして表示されるため、単一のアプリケーションがフリーズした場合にはそのアプリケーションを停止できません。

    • アプリケーション・サーバー・ウィンドウの「閉じる」ボタンをクリックします。

    • プロセスIDに対してTaskkillを実行します。

      個々のアプリケーション・サーバーのプロセスIDは、EPM_ORACLE_HOME/logs/essbase/essbase.logファイル内にあります。サーバーが開始したとき、Essbaseサーバー・ログに次のような行が表示されます:

                           Application [Sample] started with process id [225]
                        

データベースの開始と停止

データベースを開始すると、そのデータベースがEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにロードされます。データベースを停止すると、メモリーからすべてのデータベース情報がアンロードされます。

データベースの開始

Essbaseによってデータベースが開始され、メモリーにロードされると、そのデータベースのインデックス・キャッシュ全体がメモリー内に自動的に割り当てられます。データ・キャッシュとデータ・ファイル・キャッシュは、Essbaseクライアントから要求されたブロックとして割り当てられます。

アプリケーションを開始すると、Essbaseによって、そのアプリケーションおよびそのアプリケーションのデータベースがEssbaseサーバー・コンピュータ上のメモリーにロードされます。まだ開始されていないアプリケーションのデータベースを開始すると、そのアプリケーションが、関連するすべてのデータベースとともにメモリーにロードされます。

  データベースを開始するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

START appname

OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

Administration Services

データベースの開始

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

alter application load database

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

LOADDBまたはSELECT

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

  データベースを、その親アプリケーションの開始時に自動的に開始するように構成するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

Administration Services

データベースの自動開始の構成

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

alter database enable autostartup

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

データベースの停止

データベースを停止すると、メモリーからすべてのデータがアンロードされ、更新済のデータはすべてディスクにコミットされます。データベースが停止されているときに、ユーザーがそのデータベースからデータを取得しようとすると、明示的なコマンドを発行しなくても、そのデータベースがEssbaseサーバー上で自動的に開始されます。

データベースを停止するとき、トランザクションが現在実行されている可能性があります。いずれかの正しい方法(次の表を参照)を使用してデータベースを停止した場合は、計算またはデータ・ロードが進行中であると、データベースは停止されません。かわりに、Essbaseによって、Essbaseサーバー・ウィンドウにメッセージが表示されます。

Essbaseサーバー・ウィンドウを閉じるか、または[Ctrl] + [C]を押してエージェントを停止した場合は、データベースが停止し、次回データベースを開始したときに、進行中であったすべてのトランザクションがEssbaseによってロールバックされます。コミット・アクセスでのロールバックまたはアンコミット・アクセスでのロールバックを参照してください。

  データベースを停止するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

STOP appname

OPMNコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

Administration Services

データベースの停止

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

alter application unload database

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

UNLOADDB

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

エージェントを使用すると、Essbaseサーバー上のポートを管理できます。

ユーザーおよび使用可能ポートのリストの表示

任意の時点でEssbaseサーバーに接続しているユーザーのリスト、使用可能なポート数および接続数を表示できます。

  Essbaseサーバーに接続しているユーザーのリストを表示するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

USERS

Oracle Process Manager and Notification Serverコマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

Administration Services

Essbaseサーバー・ユーザーおよびグループの表示

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

display user

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

LISTUSERS

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

  Essbaseサーバーにインストールされているポート数および使用中のポート数を表示するには、次のツールを使用します:

ツール

トピック

場所

エージェント

PORTS

コマンドライン・インタフェースにエージェント・コマンドを入力します。

Administration Services

使用可能なポートの確認

「Essbaseの接続およびポートについて」も参照してください

Oracle Essbase Administration Services Online Help

MaxL

display user

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

ESSCMD

LISTUSERS

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』

非デフォルト・ポート値の指定

エージェントで使用されるデフォルトのポート値を変更するには、次の構成設定を1つ以上設定する必要があります:

  • AGENTPORTを使用して、エージェントが使用するポートを指定します。

  • SERVERPORTBEGINを使用して、コンピュータ上のエージェントが、最初のサーバー・プロセスで最初に使用を試みるポート番号を指定します。

  • SERVERPORTENDを使用して、エージェントが、サーバー・プロセスを開始しようとするときにポートに対して使用を試みる最も大きな値を指定します。この値が使用できない場合、このサーバー・プロセスは失敗します。

  • PORTINCを使用して、エージェントが使用するポート番号の増分値を指定します。

デフォルト値の変更が必要になる場合もあります。これには、次の2つの理由が考えられます:

  • デフォルト値が、すでに使用されているポート番号を指定している場合。

  • テストを容易にするために、コンピュータにEssbaseサーバーの2番目のインスタンスをインストールする必要があるとします。最初とは異なるポートに2番目のEssbaseサーバー・インスタンスを割り当てるには、Oracle Hyperion Enterprise Performance Management Systemコンフィグレータを使用します。Oracle Enterprise Performance Management System Deployment Options Guideを参照してください。

ポートのデフォルト値の変更

エージェントおよびサーバー・ポートに関連付けられたデフォルト値を1つ以上変更したり、MaxLを使用してポートの範囲を拡張する必要がある場合は、『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。

ポート統計の表示

Essbaseで、使用されているポート数を指定した間隔でログに記録するように指定できます。このログの情報を分析することによって、ポートの使用率を監視したり、ユーザーが接続不可能になる前にポート数を増やす必要性を識別したりできます。

Essbaseサーバーでポート使用の統計を確認し、これらの統計をEssbaseサーバー・ログに書き込むようにするには、PORTUSAGELOGINTERVAL構成設定を使用します:

      PORTUSAGELOGINTERVAL 
      n
   

ここで、nは使用中のポート数を確認する間隔(分数)を表します。nの値には、1から60までの任意の整数を指定できます。5が推奨される最小値であり、またデフォルト値でもあります。Essbaseでは、整数以外の部分はすべて無視されます。たとえば、Essbaseでは2.5は2分として評価されます。統計は、それぞれの確認の直後にEssbaseサーバー・ログに書き込まれます。ログ・ファイルの出力は次のようになります:

      [Mon Apr 22 00:48:50 2003]Local/ESSBASE0///Info(1056214)
[3] ports in use, [10] ports allowed 
   

『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。

Essbase管理サーバーの通信ポートの管理

Essbase管理サーバーには、Essbaseサーバー・ポートとは別の構成可能な通信ポートがいくつかあります。Essbase管理サーバーについてを参照してください。

SSLを使用したEssbaseとの通信

Essbaseは、すべてのクライアント/サーバー間およびサーバー/サーバー間通信のためのセキュア・ソケット・レイヤー(SSL)プロトコルをサポートしています。SSLにより、Essbaseは、傍受および改ざんを回避しながらProvider Services、Administration Services、Essbase StudioなどのEssbaseクライアントと一方向ネットワーク通信を行うことができます。エンドポイント認証および通信では、CipherSuite暗号化を使用してインターネット上で機密性が保持されます。

次の構成設定は、SSL通信を可能にするパラメータを提供します:

  • AGENTSECUREPORT

  • CLIENTPREFERREDMODE

  • ENABLECLEARMODE

  • ENABLESECUREMODE

  • NETSSLHANDSHAKETIMEOUT

  • SSLCIPHERSUITES

  • WALLETPATH

保護モード(SSL)でパーティション化する場合は、次の考慮事項が適用されます:

  • パーティションのソースとターゲットのセキュリティ・プロトコルは同じである必要があります(両方ともがSSLを使用するか、どちらもSSLを使用しない)。

  • EssbaseがSSL接続を使用できるようにするには、ENABLESECUREMODEをTRUEに設定する必要があります。

  • CLIENTPREFERREDMODEをSECUREに設定することを検討します。

    CLIENTPREFERREDMODEが設定されていないか、または、FALSEに設定されているが、ENABLESECUREMODEがTRUEに設定されている場合は、:secureをHOST-NAME文字列に追加することにより、MaxLでパーティションを安全に作成およびリフレッシュできます。たとえば、

                
    login esbuser esbpassword on “localhost:6423:secure”;
             

保護モード(SSL)でロケーション別名を使用する場合は、次の考慮事項が適用されます:

  • EssbaseがSSL接続を使用できるようにするには、ENABLESECUREMODEをTRUEに設定する必要があります。

  • 保護ポートにロケーション別名が設定されている場合は、サーバー名の指定に:secureを追加する必要があります。たとえば、MaxLを使用した場合、

                create location alias EasternDB from Sample.Basic to East.Sales at Easthost:6423:secure as User1 identified by password1;
             

EssbaseをProvider Servicesとの暗号化(SSL)通信用に構成するには、Essbase libcurlライブラリを有効にしてProvider Servicesへのセキュア・チャネルを設定するための構成タスクを実行する必要があります。Provider ServicesとのSSL暗号化通信のための構成を参照してください。

SSLとEssbaseの使用の詳細は、Oracle Enterprise Performance Management System User Security Administration Guideを参照してください。

クエリーのサイズおよび実行時間の制御

取得するには大きすぎるか、または複雑すぎるためにクエリーのパフォーマンスが低下するか、または正常に完了できない情報を、ユーザーが誤って要求する可能性があります。クエリー・サイズまたは実行時間を制御するには、QRYGOVEXECTIMEおよびQRYGOVEXECBLK構成設定(クエリー・ガバナーと呼ばれます)を使用します:

  • QRYGOVEXECTIME [appname [dbname]] n

    クエリーが終了されるまでに、Essbaseサーバーによってそのクエリーの実行が許可される時間を制限します。

  • QRYGOVEXECBLK [ appname [dbname]] n

    クエリーが終了されるまでに、そのクエリーがアクセスできるブロック数を制限します。

これらの設定を、Essbaseサーバー上のすべてのアプリケーションおよびデータベース、単一のアプリケーション上のすべてのデータベース、または1つのデータベースに適用できます。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。

Essbaseサーバーへのエージェント接続の増加

Essbaseサーバーとエージェントの間の可能性のある最大スレッド数を増やすと、複数のユーザーがアプリケーションやデータベースに同時にログオンしたり、接続したりできるようになります。

Essbaseサーバーへの初期接続を実行するために作成されるスレッドの最大数を制御するには、AGENTTHREADSおよびAGTSVRCONNECTIONS構成設定を使用します:

  • AGENTTHREADS maximum_number_of_threads

  • AGTSVRCONNECTIONS maximum_number_of_threads

    AGTSVRCONNECTIONSのmaximum_number_of_threads値は、リソースの浪費を防ぐために、AGENTTHREADSの値以下に維持してください。各接続にはサーバーとエージェントからのスレッドがそれぞれつ必要であるため、AGTSVRCONNECTIONSの値の方を大きくする必要はありません。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。

注:

初期接続から切断までに行われるすべての要求は、サーバー・スレッドの異なるセットによって処理されます。サーバー・スレッドの最大数は、SERVERTHREADS構成パラメータによって制御されます。

ユーザー・セッション数の制限

Essbaseサーバーへの同時ユーザー・セッション接続の最大数を制限するには、MAXLOGIN構成設定を使用します。この数には、同じユーザーの複数のインスタンスが含まれます。たとえば、同じEssbaseサーバーに接続してExcelワークシートを5つ開いている1人のユーザーは、使用しているポートは1つですが、5つのセッションを使用しています。

MAXLOGINの値を、コンピュータ・リソースに一致するように、または同時ポートおよびユーザー・セッションをより緊密に管理するために調整できます。同時ポートは、クライアント・コンピュータ、Essbaseサーバーおよびログイン名の各固有の組合せに対して使用されます。『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』を参照してください。

注:

ユーザー・セッションでは、最大数がSERVERTHREADS構成設定で制御されるスレッドが使用されます。最大数がAGENTTHREADSおよびAGTSVRCONNECTIONS構成設定で制御されるスレッドには関連していません。