Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、特定のAPIが公開されています。これらのAPIを使用すると、外部システムの管理ソリューションをOracle Enterprise Manager Ops Centerと統合できます。APIは、TLS経由のJMXRemotingとHTTPS経由のWS-Managementの2つのセキュア・プロトコルを介してTCP/IPを使用してリモートで使用できます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerソフトウェアに用意されているOracle Enterprise Manager Ops Center Software Developer's Kit (SDK)には、パブリックAPIの使用方法を示す例がいくつか含まれています。
パッケージに含まれる例を使用するには、次のようにします。
DVD/インストール・メディア上のdvd/<platform>/Product/components/packages/
ディレクトリ内のSUNWxvmoc-sdk.pkg
パッケージを検索します。
SUNWxvmoc-sdk.pkg
パッケージをインストールします。
目的の例を検索します。表F-1に、パッケージ内の例を示します。
例をコンパイルします。
適切なシェル・スクリプトを使用して例を実行します。
表F-1 SUNWxvmoc-sdk.pkgパッケージに含まれる例
例 | 説明 | コード |
---|---|---|
JMXを使用した基本クライアントの例 |
この例は、Java/JMX技術を使用したJMX Messaging Protocol (JMXMP)コネクタを示します。この例では、JavaおよびJDMK以外の外部JARは必要ありません。この例では、次の機能を実行します。
|
BasicClient.java |
WS-MANを使用したドメイン・モデル・クライアントの例 |
この例は、ドメイン・モデルの読取り専用コピーへの直接アクセスを示します。この例では、次の機能を実行します。
|
DomainModelClient.java |
WS-MANを使用した基本クライアントの例 |
この例では、JMXを使用した基本クライアントの例と同じ機能を実行します。ただし、この例では、Java/JMX技術を使用したWS-MANコネクタを使用します。 |
SimpleClient.java |
WS-MANを使用したサーバー・サービスへのアクセスの例 |
この例は、サーバー・パブリック・サービスを示します。この例では、次の機能を実行します。
|
ServerClient.java ServerClientServices.java |
WS-MANを使用したサービスへのアクセス |
この例は、特定のOracle Enterprise Manager Ops Centerパブリック・サービスを示します。この例では、次の機能を実行します。
|
OpsCenterClient.java OpsCenterClientServices.java |
WS-MANを使用した検出およびエージェントのプロビジョニングの例 |
この例は、一部のOracle Enterprise Manager Ops Centerパブリック・サービスを示します。この例では、次の機能を実行します。
|
OCProvisionClient.java Utils.java |
WS-MANを使用したサーバーの例 |
この例は、一部のOracle Enterprise Manager Ops Centerパブリック・サービスを示します。この例では、次の機能を実行します。
|
OCXVMServer.java Utils.java |
表F-2は、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで公開されているパブリックAPIの簡単な説明を示しています。パッケージ、クラス、インタフェースおよびメソッドの完全なリストについては、SDKに含まれるJavadocを参照してください。
表F-2 パブリックAPIのリスト
パッケージ | 説明 |
---|---|
com.oracle.sysman.services.bios |
BIOS構成サービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.bootenvironment |
ABEに関連する操作のパラメータを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.cloudmgmt |
仮想データ・センター(vDC)の管理およびvDC管理サービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.common |
共通の定数およびユーティリティ・クラスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.discovery |
検出を実行するサービスや検出プロファイルを管理するサービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.exadatacell |
Exadataセル管理用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.network |
ネットワーク・ドメイン・サービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.ocdoctor |
Ops Center内のOCDoctor機能のサービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.ops |
Oracleの事前エンジニアド・システムの管理サービスを提供します。 |
om.oracle.sysman.services.osanalytics |
オペレーティング・システムおよび仮想サーバー・コンテナ分析用のサービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.ovm |
OVMマネージャを介してOVMデプロイメントに対して操作を実行するためのサービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.rack |
ラック管理サービスを提供します。 |
com.oracle.sysman.services.reset |
サービス・プロセッサのリセットおよびリフレッシュを処理するためのリセット・サービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.agentprov |
エージェントのプロビジョニングを管理するためのサービスを提供します。このパッケージは、リモート・オペレーティング・システムに対するエージェント・ソフトウェアのインストール、構成および削除用のサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.agentupgrade |
エージェント・アップグレード用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.alarm |
アラーム管理用のサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.authorization |
認可管理用の操作を提供します。 |
com.sun.xvm.services.bootenvironment |
ブート環境サービスのインタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.cachemanager |
ドメイン・モデルのキャッシュ済ビューを管理するためのサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.cluster |
クラスタ管理用のサービス・インタフェースを提供します。このサービスは、Solarisクラスタ・インスタンスとそれらのノードを表示および管理する機能を果します。 |
com.sun.xvm.services.common |
各種パブリックAPIに共通するサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.componentmgmt |
ハードウェア・コンポーネント管理用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.datamodel |
低レベルのデータ・モデルにアクセスするためのサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.deleteasset |
サーバー、オペレーティング・システム、サービス・タグおよびシャーシなどのアセットを削除するためのサービス・インタフェースを提供します。ホスト、ゲスト、仮想イメージ・ライブラリおよびネットワークなどの仮想化アセットを削除するには、それらの各サービスに適したメソッドをコールします。 |
com.sun.xvm.services.discovery |
アセットを検出するためのサービスを提供します。検出サービスのインタフェースには、一連のIPアドレスに対して検出操作を開始する機能が用意されています。 |
com.sun.xvm.services.event |
イベント・サービスのインタフェースを提供します。イベント・サービスのインタフェースを使用すると、クライアントはドメイン・モデルから発行される通知をサブスクライブできます。 |
com.sun.xvm.services.fabricmgmt |
ファブリック管理用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.fwdeployment |
ファームウェア・デプロイメント管理用のサービスを提供します。このパッケージでは、サーバーおよびシャーシに対するファームウェア更新のデプロイメントを管理します。 |
com.sun.xvm.services.gear |
サービス・タグおよび一般ギア管理インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.grouping |
アセット・グループ管理サービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.guest |
ゲスト管理用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.guest.provision |
ゲスト・プロビジョニング用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.jobmanager |
ジョブ・アクションの実行、ジョブ・ステータスの制御、およびジョブ・アクションとジョブ履歴に関する情報の取得用のジョブ管理サービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.migration |
移行サービスのサービス・インタフェースを提供します。このパッケージは、ゲスト・ドメインのライブ、ウォームおよびコールド移行用のサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.mos |
My Oracle Supportサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.network |
ネットワーク管理サービスを提供します。このパッケージは、ゲストのネットワークをするためのサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.notification |
通知管理サービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.oemgc |
OEM Grid Controlリポジトリ統合用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.operation |
操作プロファイル機能のサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.opscenter |
XMV更新ジョブ・マネージャのサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.osdeployment |
サーバーに対するオペレーティング・システムのデプロイメントを管理するためのサービスおよびタイプを提供します。このパッケージは、インストールされているオペレーティング・システムに関して集約された詳細な情報へのアクセス、OSアクティビティの監視、およびOSのプロビジョニング用のサービスを提供します。このパッケージは、エンタープライズ・コントローラでのみ使用できます。 |
com.sun.xvm.services.osmonitoring |
OS監視プロファイルの値オブジェクト作成用のパラメータを提供します。 |
com.sun.xvm.services.pis |
アセットを製品名や階層に応じて分類するために使用する製品およびアセット情報のサービス・インタフェースとタイプ・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.productupdate |
更新カタログ・ファイルおよびバンドルに対するサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.profile |
プロファイルを作成、削除および更新するためのプロファイル・サービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.provisioning |
サーバー・プロビジョニングを管理するためのサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.proxyservice |
プロキシ・コントローラのプロビジョニングを管理するためのサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.report |
使用率の傾向に関するレポートを取得するためのサービスおよびタイプを提供します。 |
com.sun.xvm.services.reportsmanager |
レポート・マネージャのサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.storagemgmt |
ストレージ・サーバー管理用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.svrmgmt |
サーバー管理用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.switchmgmt |
物理および仮想スイッチ管理サービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.topology |
管理対象リソースのトポロジ情報を取得するためのトポロジのサービス・インタフェースとタイプ・インタフェースを提供します。このパッケージは、Ops Centerアセットのツリー・ベースのナビゲーション・ビューを提供します。 |
com.sun.xvm.services.user |
ユーザー・プリファレンスを管理するためのサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.virtimagelib |
仮想イメージ・ライブラリおよび仮想イメージ管理用のサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.virtpool |
同じライブラリまたはネットワークを共有し同じプロセッサ・アーキテクチャを持つ仮想プールのライフサイクルの管理、およびストレージ、ネットワークおよび仮想化ホストと仮想プールの統合用のサービスを提供します。 |
com.sun.xvm.services.virtservercontainer |
仮想サーバー・コンテナを管理するためのサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.win |
Windowsサービスに対してサポートされるフィルタを提供します。 |
com.sun.xvm.services.winpm |
Windowsコンプライアンス・レポートおよびWindowsソフトウェア更新デプロイメント用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.wme |
Windows管理の拡張管理用のサービス・インタフェースを提供します。 |
com.sun.xvm.services.xvmserver |
XVMサーバーのシステム・レベル面を管理するためのXVMサーバー管理サービスを提供します。 |
パブリックAPIにアクセスする方法は、2通りあります。
Java Management Extensions (JMX)技術は、デバイス、アプリケーションおよびネットワークを管理および監視するための分散型の動的なモジュラ・ソリューションを構築するためのツールを提供します。JMX APIにより、リモート管理アプリケーションがアクセスできるように属性および操作を公開するMBean (管理可能オブジェクト)の概念を定義します。Java Platform, Standard Edition 7 (Java SE 7)のJMX APIの重要な新機能は、Standard MBeanが大幅に改善されたMXBeanを作成する機能です。JMXの詳細は、Java Management Extensions (JMX)技術のWebサイト(http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/tech/javamanagement-140525.html
)を参照してください。
Web Services for Management (WS-MAN)は、Webサービス標準を使用してサーバー、デバイスおよびアプリケーションを管理するための仕様です。これにより、ITインフラストラクチャ全体にわたって管理情報にアクセスし、それを交換するための、共通の方法が各種システムに提供されます。これは、一般的にWindows管理スタックで使用され、Visual BasicやC#から使用可能なCOMオブジェクトおよびwinrmコマンドライン・インタフェースを含むMicrosoft管理ツールによってサポートされます。
パブリックAPIと対話する最も簡単な方法として、Javaクライアントを使用する方法をお薦めします。このJavaクライアントは、セキュアなリモートJMXクライアントを使用してパブリックAPIと通信します。リモートJMXクライアントを使用することにより、厳密に型指定されたJava MXBeanインタフェース・クラス・ライブラリを使用してJavaのサービスMXBeanと直接対話できます。JMX MXBeanインタフェースは、SDKに含まれるJavadocに記載されています。サポートされているリモートJMX管理プロトコルは、JMXMPとWS-MANです。
仮想化管理スタックは、3層の管理パラダイムです。スタックは、プレゼンテーション層、サービス層および基礎となるドメイン・モデルで構成されています。
サービス層には、コア管理ロジックがすべて含まれます。この層では、プレゼンテーション層および外部システム管理ソリューションによって使用される一連のパブリックAPIを介して管理機能が公開されます。これらのパブリックAPIは、Enterprise Manager Ops Centerソフトウェアを制御または監視するためのサード・パーティ・ソフトウェアにとって理想的な統合ポイントです。
サービス層では、管理APIが一連のJava Management Extensions (JMX) MXBeanインタフェースとして公開されます。これらのインタフェースは、JMXRemoting (JSR 160)とWS-Management (JSR 262)を含む複数のリモート・プロトコルを介してパブリックAPIとしてアクセスできます。
サービスはMXBean ObjectNameとして識別されます。これらの形式は、次のとおりです。
com.sun.xvm.services:type=<service name>
パブリックAPIに対するメイン・エントリ・ポイントは、com.sun.xvm.servicesに定義されているMXBeanインタフェースです。