JumpStart Enterprise Toolkit (JET)を使用して、Oracle Solarisオペレーティング・システムに実装されているJumpStart機能を拡張します。
JumpStart Enterprise Toolkit (JET)は、Oracle Solarisオペレーティング・システムに実装されているJumpStart機能を単純化し、かつ拡張するフレームワークです。インストール時に、SUNWjetパッケージおよびJetFLASHパッケージがプロキシ・コントローラにインストールされます。
OSプロファイル内では、JETモジュール・パラメータを使用できます。特定のJETモジュールのパラメータの詳細は、JETモジュールに関連付けられたmodule.conf構成ファイルを参照してください。構成ファイルは、プロキシ・コントローラの/opt/SUNWjet/Products
ディレクトリにあります。たとえば、カスタム・モジュールの構成ファイルは、プロキシ・コントローラのディレクトリ/opt/SUNWjet/Products/custom/custom.conf
にあります。これらのモジュールのパラメータを確認するには、プロキシ・コントローラの/opt/SUNWjet/Templates
ディレクトリ内のsample.template
ファイルを参照します。
OSプロファイルとともにJETパラメータを指定すると、OSプロファイル内でbase_config JETモジュールの次のパラメータが自動的に更新されます。これらは変更しないでください。
base_config_ClientArch
base_config_ClientEther
base_config_client_allocation
base_config_sysidcfg_network_interface
base_config_sysidcfg_ip_address
base_config_sysidcfg_netmask
base_config_sysidcfg_nameservice
base_config_sysidcfg_system_locale
base_config_sysidcfg_terminal
base_config_sysidcfg_timeserve
base_config_sysidcfg_timezone
base_config_sysidcfg_root_password
base_config_sysidcfg_security_policy
base_config_sysidcfg_protocol_ipv6
次のリストは、base_config JETモジュールに関連付けられたパラメータを示しています。これらのパラメータは、基本的なオペレーティング・システム構成情報を示します。これらの多くのパラメータの値には、ターゲット・システムを表すtargetableComponent
という用語が使用されます。
base_config_client_allocation: このクライアントの構築に使用されるメカニズム。デフォルトでは、/opt/SUNWjet/etc/jumpstart.conf
にリストされているオプションが使用されます。このクライアントのデフォルトとは異なる処理が必要な場合以外は値は空白のままにします。Solaris 10 1/06 x86リリースをプロビジョニングする場合は、この変数の値をGRUBに設定し、GRUBベースのブートおよびインストールを有効にします。
base_config_ClientArch: sun4uやx86などのカーネル・アーキテクチャ。デフォルトでは、これはターゲット化可能なコンポーネントのカーネル・アーキテクチャに設定されます。
デフォルト値: [targetableComponent:kernel_arch]
base_config_ClientEther: イーサネットのMACアドレス。デフォルトでは、これはターゲット化可能なコンポーネントのイーサネットのMACアドレスに設定されます。
デフォルト値: [targetableComponent:ethernet_mac_address]
base_config_ClientOS: プロビジョニングするOSのバージョン。
例: Solaris9_u7_sparc
base_config_dedicated_dump_device: 設定すると、dumpadmユーティリティにより、パーティションが専用ダンプ・デバイスとして構成されます。サポートされている運用環境の詳細は、dumpadm(1M)
を参照してください。
base_config_defaultrouter: /etc/defaultrouter
に使用する値。
base_config_disable_sysid_probe: 設定すると、最初の再起動時にsysidステップをスキップします。これにより、未使用のネットワーク・アダプタが多数あるシステム上でプロビジョニングの効率を大幅に高めることができます。
デフォルト値: yes
base_config_dns_disableforbuild: DNS構成を延期します。構築環境でDNSを使用できない場合、この変数をyesに設定します。
base_config_dns_domain: /etc/resolv.conf
ファイルのDNSドメイン・エントリ。
base_config_dns_nameservers: /etc/resolv.conf
ファイル内のDNSネーム・サーバーのエントリに使用するIPアドレスのスペース区切りリスト。
base_config_dns_searchpath: /etc/resolv.conf
ファイル内のDNS検索行に入力するエントリのリスト。
base_config_dumpadm_minfree: クラッシュ・ダンプによってダンプ・ファイルシステムがいっぱいにならないようにするための制限を設定します。使用可能な値の詳細は、dumpadm(1M) -m
オプションを参照してください。
例: 20000k
base_config_enable_altbreak: 設定すると、代替ブレーク・シーケンスが有効になります。
base_config_enable_rootftp: 任意の値に設定すると、ルートFTPアクセスが有効になります。
base_config_enable_rootlogin: 任意の値に設定すると、telnet、rshおよびsshからのネットワーク・ルート・ログインが有効になります。
base_config_enable_savecore: 任意の値に設定すると、Solaris 2.6システムのコアの保存が有効になります。
デフォルト値: yes
base_config_grub_append: Solaris 10 1/06 x86システムの場合、GRUBブートローダーに渡す追加オプションまたは引数を指定します。
base_config_ipmp_networkifs: IPMPの制御下で定義するインタフェースのスペース区切りリスト。リストされているインタフェースごとに、インタフェースのネットグループ、モード、テスト1、テスト2、ネットマスク、ホスト名、ログIP、ホスト名2およびログIP2を示す変数セットを定義します。
例: qfe0_qfe4!database-net l 10.0.0.1 10.0.0.2 24 oracle-db 10.0.0.3 apache 10.0.0.4
base_config_networkifs: 定義する追加ネットワーク・インタフェースのスペース区切りリスト。論理インタフェースの場合、コロン(:)ではなくアンダースコア(_)を使用します。c_ntndnという形式を使用します。リストされているインタフェースごとに、インタフェースのネット名、ネットマスク、ホスト名およびIPアドレスを示す変数セットを定義します。
例: le1!netB 255.255.255.0 myhost-netB 192.168.1.0
base_config_nfs_mounts: リモートNFSマウント・ポイントのスペース区切りリスト。例のように、?を使用して、マウント・ソースをマウント・ターゲットと区切ります。
例: fs?1.1.1.1:/fs
base_config_nfsv4_domain: 最初の再起動時にプロンプトが表示されないようにNFSv4ドメインを設定します。設定されていない場合、最初はbase_config_dns_domain内のエントリ、2回目は/etc/default/nfs
のドメイン値を検索します。
base_config_noautoshutdown: 任意の値に設定すると、電力管理が無効になります。
デフォルト値: pm_disabled
base_config_nodename: デフォルトのホスト名以外のときに/etc/nodename
に使用する値。
base_config_notrouter: yに設定すると、IPv4の転送が無効になり、/etc/notrouter
ファイルが作成されます。
base_config_ntp_servers: NTPサーバーの名前またはIPアドレスのスペース区切りリスト。最初のサーバーにpreferタグが付与されます。このセクションにより、server [prefer]という形式の行が/etc/inet/ntp.conf
ファイルに配置されます。NTP制御を強化するには、カスタム・モジュールを使用して独自のカスタムntp.confファイルをデプロイします。
base_config_patchdir: パッチへのパス。空白の場合、jumpstart.confファイルの情報およびJETサーバーのIPアドレスを使用します。パッチ・ファイルがJETサーバーに格納されていない場合、パッチの場所へのNFSスタイルのパスを指定します。
base_config_poweroff_afterbuild: 設定すると、構築の完了後にシステムが停止します。
base_config_productdir: 製品へのパス。空白の場合、jumpstart.confファイルの情報およびJETサーバーのIPアドレスを使用します。パッケージ・ファイルがJETサーバーに格納されていない場合、パッケージの場所へのNFSスタイルのパスを指定します。
base_config_products: プロビジョニングするJETモジュール。
base_config_profile: 独自のカスタムJumpStartプロファイルを作成します。デフォルトでは、この変数を空白のままにすると、OSプロビジョニング・プラグインにより、他のbase_config_profile変数に基づいて/opt/SUNWjet/Clients/hostname/profile
が作成されます。または、独自のカスタムJumpStartプロファイルを作成できます。手動で作成したプロファイルを使用するには、base_config_profile変数を、作成したプロファイルの名前に設定します。デフォルトでは、OSプロビジョニング・プラグインにより、/opt/SUNWjet/Clients/hostname
ディレクトリ内のプロファイルが検索されます。プラグインを別のディレクトリ内のプロファイルに向けるには、base_config_profile変数に絶対パス名を指定します。
注意: x86ターゲット・ホストでSolaris OSをプロビジョニングする場合、既存のパーティションを削除するためのカスタムJumpStartプロファイルを作成し、base_config_profile変数でこのプロファイルを指し示す必要があります。 |
base_config_profile_add_clusters: 追加するクラスタ・パッケージのスペース区切りリスト。
base_config_profile_add_geos: 追加する地理的リージョンのカンマ区切りリスト。
例: N_Europe、C_Europe
base_config_profile_add_locales: 追加するロケールのカンマ区切りリスト。
例: fr_FR、ja_JP.UTF-8
base_config_profile_add_packages: 追加するパッケージのスペース区切りリスト。
base_config_profile_additional_disks: ブート・ディスク以外に使用および構成するディスクのリスト。cntndnの形式を使用します。リストされているディスクごとに、マウント・ポイントおよびサイズを識別する各スライスの変数セットを定義します。
base_config_profile_cluster: Solarisソフトウェア・グループのパッケージ。
デフォルト値: SUNWCreq
例: SUNWCreqSUNWCuserSUNWCprogSUNWCallSUNWCXallSUNWCrnet
base_config_profile_del_clusters: 削除するクラスタ・パッケージのスペース区切りリスト。
例: SUNWCpm SUNWCpmx SUNWCdial SUNWCdialx
base_config_profile_del_geos: 削除する地理的リージョンのカンマ区切りリスト。
base_config_profile_del_locales: 削除するロケールのカンマ区切りリスト。
base_config_profile_del_packages: 削除するパッケージのスペース区切りリスト。Solaris x86ヘッドレス・ターゲット・ホストへの対話型インストールを阻止するには、この値をSUNWxwssu SUNWxwscfに設定します。
base_config_profile_dontuse: 使用を禁止するディスクのカンマ区切りリスト。cntndnの形式を使用します。この変数が適用されるのは、base_config_profile_usediskが設定されていない場合のみです。
base_config_profile_root: ルート領域(free、またはMB単位のサイズ)。
デフォルト値: free
base_config_profile_s3_mtpt: スライス3のマウント・パス。
注意: VxVMを使用しているときに、ブート・ディスクがミラーのように見えるようにするには、スライス3および4を空のままにします。 |
base_config_profile_s3_size: スライス3のサイズ(MB単位)。
base_config_profile_s4_mtpt: スライス4のマウント・パス。
base_config_profile_s4_size: スライス4のサイズ(MB単位)。
base_config_profile_s5_mtpt: スライス5のマウント・パス。
デフォルト値: /var
base_config_profile_s5_size: スライス5のサイズ(MB単位)。
base_config_profile_s6_mtpt: スライス6のマウント・パス。
デフォルト値: /usr
base_config_profile_s6_size: スライス6のサイズ(MB単位)。
base_config_profile_s7_mtpt: スライス7のマウント・パス。
注意: Solaris Volume Manager (SVM)を使用している場合、デフォルトの動作では、スライス7がメタ状態データベースの場所として使用されます。SVMのデフォルト構成を使用している場合は、スライス7をデータ用に使用しないでください。 |
デフォルト値: /opt
base_config_profile_s7_size: スライス7のサイズ(MB単位)。
base_config_profile_swap: スワップ領域(MB単位)。
デフォルト値: 256
base_config_profile_usedisk: OSのロード先のブート・ディスクを定義します。cntndnの形式またはキーワードrootdiskを使用します。値がrootdiskである場合、現在のブート・ディスクが使用されます。
デフォルト値: rootdisk
base_config_shutup_sendmail: 設定すると、別名のホスト名を作成し、sendmailが無効になります。
デフォルト値: yes
base_config_sysidcfg_default_route: Solaris 9以上の環境でのJumpStart時に使用するルーターIPアドレス。空白の場合、defaultrouter_base_config
変数の値の使用が試行されます。これも空白の場合、または別のネット・インタフェースの場合、JumpStart sysidcfgにはJETサーバーのルーターIPが使用されます。
base_config_sysidcfg_ip_address: 初回ブート時に使用するIPアドレス。デフォルトでは、これはターゲット化可能なコンポーネントのIPアドレスに設定されます。
デフォルト値: [targetableComponent:ethernet_ip_address]
base_config_sysidcfg_nameservice: 初回ブート時に構成するネーム・サービス。
デフォルト値: NIS
base_config_sysidcfg_netmask: 初回ブート時に使用するネットマスク。デフォルトでは、これはターゲット化可能なコンポーネントのネットマスクに設定されます。
デフォルト値: [targetableComponent:ethernet_netmask]
base_config_sysidcfg_network_interface: 初回ブート時に使用するネットワーク・インタフェース。
デフォルト値: NONE
base_config_sysidcfg_protocol_ipv6: 初回ブート時にIPv6プロトコルを使用するかどうか。
デフォルト値: no
base_config_sysidcfg_root_password: 暗号化たルート・パスワード。
base_config_sysidcfg_security_policy: 初回ブート時に使用するKerberosセキュリティ・ポリシー。
デフォルト値: NONE
base_config_sysidcfg_system_locale: 初回ブート時に使用するシステム・ロケール。
例: en_US.ISO8859-1
base_config_sysidcfg_terminal: 初回ブート時に設定するターミナル・エミュレータ。
デフォルト値: vt100
base_config_sysidcfg_timeserver: 初回ブートのシステム時間を取得する場所。空白の場合、JETサーバーのシステム時間が使用されます。または、この変数をlocalhostに設定し、クライアント上のハードウェア・クロックからシステム時間を取得することもできます。
base_config_sysidcfg_timezone: 初回ブート時に使用するシステム・タイムゾーン。
例: US/Pacific
base_config_sysidcfg_x86_kdmfile: Solaris x86システムの場合、sysidcfgファイルに追加するキーボード、ディスプレイおよびマウス構成ファイルの名前を指定します。
デフォルト値: /sysidcfg-addon-file
base_config_ufs_logging_filesys: Solaris 7以上のシステムの場合、ロギングに使用するマウント・ポイントのスペース区切りリスト。すべてのUFSファイルシステムでロギングを有効にするには、キーワードallを使用します。Solaris 9 09/04の場合、デフォルトではロギングは有効です。特定のファイルシステムでロギングを無効にするには、マウント・ポイントの前にハイフンを追加します。すべてのファイルシステムでロギングを無効にするには、キーワードnoneを使用します。
注意: キーワードとマウント・ポイントを混在させることはできません。ルート・ファイルシステム(/)を指定できますが、ルート・ファイルシステムはallおよびnoneキーワードの一部として含まれます。 |
デフォルト値: all
base_config_update_terminal: 設定すると、sysidcfg端末タイプをinittabに配置します。
デフォルト値: yes
base_config_x86_confflags:Solaris 9 x86システムの場合、add_install_client
コマンドのconfflags属性とともに使用する引数を指定します。
例: -f -P /boot/solaris/dca
base_config_x86_console: x86システムの場合、キーボードおよびモニターをクライアントに接続しない場合、コンソールを正しいttyポートに設定します。この変数を設定すると、シリアル・ポートを介してインポートを実行できるようになります。b1600、v20zおよびv40zシステムの場合、ttyaを使用します。lx50、v60xおよびv65xシステムの場合は、ttybを使用します。
base_config_x86_disable_acpi: x86システムの場合、任意の値によってACPIが無効になります。ACPIを無効にすると、割込みの処理方法によってインストール・プロセスの動作が向上する可能性があります。
base_config_x86_disable_kdmconfig: Solaris x86システムの場合、ターゲット・ホストのキーボード、ディスプレイおよびマウスを構成するためのkdmconfig対話型ユーティリティが無効になります。GRUBブートローダーを使用してSolaris OSをインストールする場合、この変数値をyesに設定します。
base_config_x86_nowin: x86システムの場合、インストール時にSolarisがWindowsを実行しないようにします。
デフォルト値: yes
base_config_x86_safetoreboot: x86システムの場合、システムが自動的に再起動するかどうかを制御します。PXEブートが1回のみのオプションであるときに、次回の再起動でディスクからのブートが試行される場合、このオプションをyesに設定する必要があります。