コネクタをデプロイしたら、要件に合せて構成する必要があります。この章では、次のコネクタ構成手順を説明します。
完全リコンシリエーションでのコネクタの使用ステップのサマリーを次に示します。
ノート:
前の章で説明されているすべての手順を完了したことが前提となります。
完全リコンシリエーションから増分リコンシリエーションに変更します。手順は、「増分リコンシリエーションの実行」を参照してください。
完全リコンシリエーションでは、既存のすべての個人レコードをターゲット・システムからOracle Identity Managerにリコンサイルします。コネクタをデプロイした後はまず、完全リコンシリエーションを実行する必要があります。
次の各項では、完全リコンシリエーションに関連する手順について説明します。
ターゲット・システムの既存のすべての個人に対してXMLファイルを生成する必要があります。
ノート:
XMLファイルの生成手順を実行する前に、PERSON_BASIC_FULLSYNCおよびWORKFORCE_FULLSYNCメッセージの構成を完了したことを確認する必要があります。詳細は、「Oracle Identity ManagerへのXMLファイルのインポート」を参照してください。
完全リコンシリエーション用のXMLファイルを生成するには、次のトピックで説明されている手順を実行します:
ノート:
PeopleTools 8.50およびHCM 9.0を使用している場合は、フル・データ・パブリッシュを実行する前に、Oracle Bug#824529に対応するパッチを適用する必要があります。このパッチは、Oracle Metalinkからダウンロードできます。
PERSON_BASIC_FULLSYNCメッセージを実行するには、次のようにします。
ノート:
この手順を実行した後、2-23ページのPERSON_BASIC_FULLSYNCサービス操作のセキュリティの設定の項で作成した権限リストを削除します。これは、セキュリティ上の目的で行います。
WORKFORCE_FULLSYNCメッセージを実行するには、次のようにします。
ノート:
この手順を実行した後、「WORKFORCE_FULLSYNCサービス操作のセキュリティの設定」で作成した権限リストを削除します。これは、セキュリティ上の目的で行います。
スケジュール済タスクを構成する手順は、「個人データ・リコンシリエーション用のスケジュール済タスクの構成」を参照してください。
「マネージャID」値のリコンシリエーション用のスケジュール済タスクを構成する手順は、「PeopleSoft HRMS Manager Reconciliationスケジュール済タスクの実行」を参照してください。
コネクタ・インストーラを実行すると、PeopleSoft HRMS Trusted Reconciliationスケジュール済タスクがOracle Identity Managerに自動的に作成されます。
完全リコンシリエーションを実行するには、スケジュール済タスク属性に指定した値に応じてすべての個人データがOracle Identity Managerにリコンサイルされるようにスケジュール済タスクを構成する必要があります。表3-1に、このスケジュール済タスクの属性の説明を示します。スケジュール済タスクの実行手順は、「スケジュール済タスクの構成」を参照してください。
ノート:
スケジュール済タスクを構成する前に、ターゲット・システムで実行するすべてのアクションに対するマッピングがLookup.PSFT.HRMS.WorkForceSync.EmpStatus参照定義内に定義されていることを確認する必要があります。詳細は、「Lookup.PSFT.HRMS.WorkForceSync.EmpStatus」を参照してください。
XMLファイル・データをファイルからパーサーに転送する場合は、Peoplesoft HRMS Trusted Reconciliationスケジュール済タスクを使用します。この場合、パーサーによってこのデータがリコンシリエーション・イベントに変換されます。
表3-1 Peoplesoft HRMS Trusted Reconciliationスケジュール済タスクの属性
属性 | 説明 |
---|---|
Archive Mode |
完全リコンシリエーション中に使用するXMLファイルをアーカイブする場合は、
|
Archive Path |
完全リコンシリエーション中に使用するXMLファイルをアーカイブする宛先ディレクトリのフルパスと名前を入力します。 Archive Path属性の値は、Archive Mode属性の値に サンプル値: |
File Path |
XMLデータを含むファイルのコピー先となるOracle Identity Managerホスト・コンピュータ上のディレクトリのパスを入力します。 サンプル値: |
IT Resource Name |
「ITリソースの構成」で説明されている手順を実行して作成するITリソースの名前を入力します。 デフォルト値: |
Message Name |
この属性を使用して、完全リコンシリエーションに使用する配信メッセージの名前を指定します。 サンプル値: |
Task Name |
この属性は、スケジュール済タスクの名前を保持します。 値: |
Oracle Identity Managerリリース11.1.2.x以降では、WORKFORCE_FULLSYNCメッセージのリコンシリエーションの実行後に、「部門」などの一部のユーザー属性(UDF)が表示されません。これらの属性をOracle Identity Managerユーザー・インタフェースのフォーム・フィールドとして表示するには、「Oracle Identity Manager 11.1.2.x以降でのUDFの表示」を参照してください。
「マネージャID」値は、完全リコンシリエーション時にリコンサイルされません。
PeopleSoft HRMS Manager Reconciliationスケジュール済タスクを構成して実行する必要があります。表3-2に、このスケジュール済タスクの属性の説明を示します。
表3-2 PeopleSoft HRMS Manager Reconciliationスケジュール済タスクの属性
属性 | 説明 |
---|---|
IT Resource Name |
ITリソースの名前を入力します。 デフォルト値: |
Resource Object |
リソース・オブジェクトの名前を入力します。 デフォルト値: |
Task Name |
この属性は、スケジュール済タスクの名前を保持します。 デフォルト値: |
Update Empty Manager Only |
個人の空のマネージャIDを更新する場合は、この値を デフォルト値: |
このスケジュール済タスクを実行する前に、「空のマネージャのみを更新」属性の値を指定する必要があります。
次のスクリーンショットに、PeopleSoft HRMS Manager Reconciliationスケジュール済タスクの属性を示します。
OIMユーザー・レコードに「マネージャID」の値がなければスケジュール済タスクでこの値を移入する場合は、yes
を入力します。他のOIMユーザー・レコードの既存の「マネージャID」値は変更されません。
OIMユーザー・レコードの「マネージャID」属性に値が含まれているどうかにかかわらず、スケジュール済タスクですべてのOIMユーザー・レコードに対する「マネージャID」値をフェッチおよび移入する場合は、no
を入力します。
このスケジュール済タスクでは、Lookup.PSFT.HRMS.ManagerRecon.Configurationを使用して、タスクの実行に必要な値を読み取ります。このスケジュール済タスクを変更する場合、たとえば、「従業員ID」フィールドをUDFにマップする場合は、タスクに対する変更に応じてこの参照内の値を変更する必要があります。この参照の詳細は、「Lookup.PSFT.HRMS.ManagerRecon.Configuration」を参照してください。
このスケジュール済タスクを実行すると、「マネージャIDのリコンシリエーション・プロセスのステップ」で説明されているプロセスが実行されます
増分リコンシリエーションに追加の構成は必要ありません。
「PeopleSoftリスナーのデプロイ」の説明に従ってPeopleSoftリスナーのデプロイを完了していることが前提となります。
ノート:
Lookup.PSFT.HRMS.WorkForceSync.EmpStatus参照定義内で、ターゲット・システムで実行されるすべてのアクションに対するマッピングを定義したことを確認する必要があります。詳細は、「Lookup.PSFT.HRMS.WorkForceSync.EmpStatus」を参照してください。
この項では、次の項目について説明します。
デフォルトでは、前回のリコンシリエーションの実行後に追加または変更されたすべてのターゲット・システム・レコードが、現在の増分リコンシリエーションの実行中にリコンサイルされます。完全リコンシリエーションでは、すべてのターゲット・システム・レコードがOracle Identity Managerにフェッチされます。
セグメント・フィルタリングを構成して、値をOracle Identity Managerにフェッチする属性を指定します。同様に、制限付きリコンシリエーションを構成して、Oracle Identity Managerにフェッチする必要のあるターゲット・システム・レコードのサブセットを指定できます。
メッセージ固有構成の参照内のカスタム問合せ属性の値として問合せ条件を指定することにより、制限付きのリコンシリエーションを構成します。
カスタム問合せ属性の値を指定するには、次の形式を使用する必要があります。
RESOURCE_OBJECT_ATTRIBUTE_NAME=VALUE
たとえば、カスタム問合せ属性の値を次のように指定したとします。
Last Name=Doe
この問合せ条件を使用すると、姓がDoeである個人のレコードのみがリコンシリエーションで考慮されます。
アンパサンド(&)をAND演算子として、縦棒(|)をOR演算子として使用して、複数の問合せ条件を追加できます。たとえば、リコンシリエーションを名がJohnで姓がDoeである個人のレコードに制限する場合は、次の問合せ条件を使用します。
First Name=John & Last Name=Doe
リコンシリエーションを名がJohnであるかユーザーIDが219786である個人のレコードに制限するには、次の問合せを使用します。
First Name=John | User ID=219786
WARファイルが実行されているかどうかにかかわらず、メッセージは生成されてOracle Identity Managerに送信されます。WARファイルが使用可能でない間は、Oracle Identity Managerに送信されたメッセージにリコンシリエーション・イベントは作成されません。ターゲット・システムで生成されたすべてのメッセージがOracle Identity Managerに到達したことを確認するには、次の手順を実行します。
メッセージの公開時にOracle Identity Managerが実行中でない場合、メッセージはキューに追加されます。「メッセージ インスタンス」タブで、キュー内のメッセージのステータスを確認できます。このタブには、キュー内のすべての公開メッセージが表示されます。特定のメッセージの詳細を確認すると、ステータスは「エラー」
または「タイムアウト」
として表示されています。
Oracle Identity Managerにキュー内のメッセージを公開するには、Oracle Identity Managerが実行中であるときにメッセージを再送信します。
メッセージのステータスがNew
またはStarted
であり、Timeout
またはDone
に変更されない場合は、Oracle Identity Managerを再起動した後にPeopleSoftアプリケーション・サーバーを再起動する必要があります。
ノート:
PeopleSoftでは、「制限付き権限ユーザー用のロールの作成」で作成した制限付き権限ユーザーに対してこの機能がサポートされています。ただし、組織のセキュリティ・ポリシーに基づいて、このタスクを実行する権限を持つ個人を指定できます。
「エラー」または「タイムアウト」ステータスのメッセージを手動で再送信するには、次のようにします。
この項では、スケジュール済タスクの構成手順について説明します。この手順は、リコンシリエーション用のスケジュール済タスクを構成する場合に適用できます。
この項では、次の項目について説明します。
表3-3に、構成する必要のあるスケジュール済タスクをリストします。
表3-3 リコンシリエーション用のスケジュール済タスク
スケジュール済タスク | 説明 |
---|---|
PeopleSoft HRMS Trusted Reconciliation |
このスケジュール済タスクは、完全リコンシリエーション中に使用されます。XMLファイルの内容が解析され、レコードごとにリコンシリエーション・イベントが作成されます。このスケジュール済タスクの詳細は、「個人データ・リコンシリエーション用のスケジュール済タスクの構成」を参照してください。 |
PeopleSoft HRMS Manager Reconciliation |
このスケジュール済タスクは、完全リコンシリエーション中に「マネージャID」値をリコンサイルするために使用されます。このスケジュール済タスクの詳細は、「PeopleSoft HRMS Manager Reconciliationスケジュール済タスクの実行」を参照してください。 |
スケジュール済タスクを構成するには、次のようにします。
使用しているOracle Identity Managerリリースに応じて、次のステップのいずれかを実行する必要があります。
Oracle Identity Managerリリース11.1.1.xの場合:
管理およびユーザー・コンソールにログインします。
Oracle Identity Managerセルフサービスへようこそページの右上隅にある「拡張」をクリックします。
Oracle Identity Managerリリース11.1.2.xの場合:
Identity System Administrationにログインします。
左ペインの「システム管理」で、「スケジューラ」をクリックします。
次のようにして、スケジュール済ジョブを検索して開きます。
Oracle Identity Managerリリース11.1.1.x,を使用している場合は、Oracle Identity Manager拡張管理へようこそページの「システム管理」領域で、「スケジュール済ジョブの検索」をクリックします。
「検索」フィールドに、検索基準としてスケジュール済ジョブの名前を入力します。あるいは、「拡張検索」をクリックして検索基準を指定することもできます。
左ペインの検索結果表で、「ジョブ名」列のスケジュール済ジョブをクリックします。
「ジョブの詳細」タブで、次のパラメータを変更できます。
再試行: このフィールドには整数値を入力します。この数値は、ジョブに「停止済」ステータスを割り当てるまでに、スケジューラがジョブの開始を試行する回数を表します。
スケジュール・タイプ: ジョブを実行する頻度に応じて、適切なスケジュール・タイプを選択します。
ノート:
スケジュール・タイプの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理のジョブの作成を参照してください。
スケジュール済タスクの属性の値を指定します。これを行うには:
「ジョブの詳細」ページの「パラメータ」セクションで、スケジュール済タスクの属性の値を指定します。スケジュール済タスクの属性の詳細は、表3-1を参照してください。
ノート:
属性値は、コネクタのインストール時にインポートされるコネクタXMLに事前定義されています。変更する属性にのみ値を指定してください。
実行中のスケジュール済タスクを停止する場合、プロセスは実行中のファイルの処理が完了した後に終了します。たとえば、5つのXMLファイルからデータをリコンサイルするとします。しかし、3番目のファイルからデータをリコンサイルしている間にスケジュール済タスクを停止すると、リコンシリエーションは3番目のファイルの処理の完了後に停止します。
属性の指定後、「適用」をクリックして変更を保存します。
ノート:
「Stop Execution」オプションは、管理およびユーザー・コンソールでは使用できません。タスクを停止する場合は、Design Consoleの「Task Scheduler」フォームで「Stop Execution」をクリックします。