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Oracle® Oracle Identity Manager Office 365コネクタ・ガイド
リリース11.1.1
E79636-03
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3 Office 365コネクタの使用

コネクタを自分の要件にかなうように構成したら、コネクタを使用してリコンシリエーションおよびプロビジョニング操作を実行できます。

この章では、次の内容について説明します。

ノート:

この項では、コネクタの構成に関する、概念的な情報と手順の情報の両方を提供します。手順を実行する前に、概念的な情報を参照することをお薦めします。

3.1 Office 365コネクタでの参照フィールド同期用のスケジュール済ジョブ

参照フィールド同期用のスケジュール済ジョブでは、ターゲット・システムの特定のフィールドから最新の値がOracle Identity Managerの参照定義にフェッチされます。これらの参照定義はOracle Identity Managerの参照フィールドの入力ソースとして使用されます。

参照フィールド同期には、次のスケジュール済ジョブが使用されます。
  • Office365 Group Lookup Reconciliation

  • Office365 Licenses Lookup Reconciliation

  • Office365 Roles Lookup Reconciliation

  • Office365 Manager Lookup Reconciliation

参照フィールド同期には、次のスケジュール済ジョブが使用されます。

これらのスケジュール済ジョブによってターゲット・システムからフェッチされた値は、Lookup.Office365.Groups、Lookup.Office365.Licenses、Lookup.Office365.RolesおよびLookup.Office365.Manager参照定義にそれぞれ移入されます。

参照フィールド同期のすべてのスケジュール済ジョブの属性は同じです。表3-1に、スケジュール済ジョブの属性の説明を示します。スケジュール済ジョブを構成する手順は、このガイドで後述します。

表3-1 参照フィールド同期のスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Code Key Attribute

コネクタの属性の名前。参照定義(Lookup Name属性の値として指定される)のコード・キー列に値を移入するために使用されます。

デフォルト値: __UID__

Decode Attribute

コネクタの属性の名前。参照定義(Lookup Name属性の値として指定される)のデコード列に値を移入するために使用されます。

デフォルト値: __NAME__

ITリソース名

ユーザー・レコードのリコンサイル元のターゲット・システム・インストールに対するITリソースの名前。

デフォルト値: Office365

Lookup Name

ターゲット・システムからフェッチした値を移入するOracle Identity Managerの参照定義の名前を入力します。

デフォルト値は、使用しているスケジュール済ジョブに応じて次のようになります。
  • Office365 Group Lookup Reconciliationの場合: Lookup.Office365.Groups

  • Office365 Licenses Lookup Reconciliationの場合: Lookup.Office365.Licenses

  • Office365 Roles Lookup Reconciliationの場合: Lookup.Office365.Roles

  • Office365 Manager Lookup Reconciliationの場合: Lookup.Office365.Manager

これらの参照定義のいずれかのコピーを作成する場合は、Lookup Name属性の値として新しい参照定義の名前を入力します。

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプを入力します。

デフォルト値は、使用しているスケジュール済ジョブに応じて次のようになります。
  • Office365 Group Lookup Reconciliationの場合: __GROUP__

  • Office365 Licenses Lookup Reconciliationの場合: __LICENSE__

  • Office365 Roles Lookup Reconciliationの場合: __ROLE__

  • Office365 Manager Lookup Reconciliationの場合: User

3.2 Office 365コネクタのリコンシリエーションの構成

コネクタを構成して、リコンシリエーションのタイプおよびそのスケジュールを指定できます。

この項では、リコンシリエーションの構成に関する次の項目について説明します。

3.2.1 Office 365コネクタの完全リコンシリエーション

完全リコンシリエーションでは、既存のすべてのユーザーまたはグループのレコードをターゲット・システムからOracle Identity Managerへリコンサイルします。

コネクタをデプロイしたら、最初の完全リコンシリエーションを実行する必要があります。完全リコンシリエーションを実行するには、ユーザーおよびグループをリコンサイルするためのスケジュール済ジョブのフィルタ属性に値を指定しないでください。ターゲット・システムに1つの応答で返せる以上の数のレコードが含まれている場合、フラット・ファイル・コネクタを使用して完全リコンシリエーションを実行します。大規模なレコードのリコンサイルを参照してください。

3.2.2 Office 365コネクタの制限付きリコンシリエーション

制限付きつまりフィルタ済リコンシリエーションは、設定されたフィルタ基準に基づいてリコンサイルすることによりレコードの数を制限するプロセスです。

デフォルトでは、前回のリコンシリエーションの実行後に追加または変更されたすべてのターゲット・システム・レコードが、現在のリコンシリエーションの実行中にリコンサイルされます。リコンサイルする必要のある追加または変更されたターゲット・システム・レコードのサブセットを指定して、このプロセスをカスタマイズできます。これは、リコンシリエーション・モジュールのフィルタを作成して行います。

リコンシリエーション・モジュールのフィルタを作成して、制限付きリコンシリエーションを実行できます。このコネクタのFilter Suffix属性(スケジュール済タスクの属性)により、ターゲット・システムの任意の属性を使用してターゲット・システム・レコードをフィルタ処理できます。ユーザー・リコンシリエーション・スケジュール済ジョブの構成中に、Filter Suffix属性に値を指定します。

ノート:

ターゲット・システムに1つの応答で返せる以上の数のレコードが含まれている場合、フラット・ファイル・コネクタを使用して制限付きリコンシリエーションを実行します。大規模なレコードのリコンサイルを参照してください。

Office 365フィルタの詳細は、次のMicrosoft Developer Networkページを参照してください: https://msdn.microsoft.com/library/azure/ad/graph/howto/azure-ad-graph-api-supported-queries-filters-and-paging-options

3.2.3 大規模なレコードのリコンサイル

リコンシリエーションの実行中に、ターゲット・システムに1つの応答で返せる以上の数のレコードが含まれている場合、フラット・ファイル・コネクタを使用してすべてのレコードをOracle Identity Managerにフェッチする必要があります。

大規模なレコードをターゲット・システムからOracle Identity Managerへリコンサイルするには、次のようにします。
  1. ターゲット・システムのすべてのユーザーをフラット・ファイルにエクスポートします。
  2. そのフラット・ファイルをOracle Identity Managerからアクセスできる場所にコピーします。
  3. フラット・ファイルの構造を表すスキーマ・ファイルを作成します。Oracle Identity Managerフラット・ファイル・コネクタ・ガイドでスキーマ・ファイルの作成を参照してください。
  4. フラット・ファイル・コネクタをインストールします。Oracle Identity Managerフラット・ファイル・コネクタ・ガイドでコネクタ・インストーラの実行を参照してください。
  5. フラット・ファイルITリソースを構成します。Oracle Identity Managerフラット・ファイル・コネクタ・ガイドでITリソースの構成を参照してください。
  6. 信頼できるソースのリコンシリエーションを実行する場合、Flat File Users Loaderスケジュール済ジョブを構成および実行します。
    このスケジュール済ジョブの構成の際は、Target IT Resource Name属性の値をOffice365に、Target Resource Object NameOffice365 User Trustedに設定してください。
    フラット・ファイル・ユーザー・ローダーのスケジュール済ジョブの属性の詳細は、Oracle Identity Managerフラット・ファイル・コネクタ・ガイドのフラット・ファイル・ユーザー・ローダーおよびIT_RES_NAMEフラット・ファイル・ユーザー・ローダーに関する項を参照してください。
  7. ターゲット・リソースのリコンシリエーションを実行する場合、Flat File Accounts Loaderスケジュール済ジョブを構成および実行します。
    このスケジュール済ジョブの構成の際は、Target IT Resource Name属性の値をOffice365に、Target Resource Object NameOffice365 Userに設定してください。
    フラット・ファイル・アカウント・ローダーのスケジュール済ジョブの属性の詳細は、Oracle Identity Managerフラット・ファイル・コネクタ・ガイドのフラット・ファイル・アカウント・ローダーおよびIT_RES_NAMEフラット・ファイル・アカウント・ローダーに関する項を参照してください。

3.2.4 Office 365コネクタのリコンシリエーション・スケジュール済ジョブ

コネクタ・インストーラを実行すると、リコンシリエーション・スケジュール済ジョブが自動的にOracle Identity Managerで作成されます。これらのスケジュール済ジョブを、その属性の値を指定して必要に合うように構成する必要があります。

この項では、リコンシリエーションのために構成可能な次のスケジュール済ジョブについて説明します。

3.2.4.1 Office365 User Reconciliation

Office365 Target Resource User Reconciliationスケジュール済ジョブを使用して、コネクタのリソース(アカウント管理)モードでターゲット・システムからユーザー・アカウント・データをリコンサイルします。

表3-2 Office365 User Reconciliationスケジュール済タスクの属性

属性 説明

Filter Suffix

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるユーザー・レコードの検索フィルタを入力します。「Office 365コネクタの制限付きリコンシリエーション」を参照してください。

ITリソース名

ユーザー・レコードのリコンサイル元のターゲット・システム・インストールに対するITリソースの名前を入力します。

デフォルト値: Office365

Object Type

この属性は、リコンシリエーションの実行用のオブジェクト・タイプの名前を保持します。

デフォルト値: User

このデフォルト値は変更しないでください。

リソース・オブジェクト名

リコンシリエーションを実行するリソース・オブジェクトの名前。

デフォルト値: Office365 User

このデフォルト値は変更しないでください。

Incremental Recon Attribute

トークン・レコードが変更されたタイムスタンプを保持する属性。

Latest Token

この属性は、Incremental Recon Attribute属性の値として指定された属性の値を保持します。Latest Token属性は内部目的で使用されます。デフォルトでは、この値は空です。

ノート: この属性に値を入力しないでください。リコンシリエーション・エンジンにより、値はこの属性に自動的に入力されます。

サンプル値: 1354753427000

3.2.4.2 Office365 Group Recon

Office365 Group Reconスケジュール済ジョブを使用して、コネクタのリソース(アカウント管理)モードでターゲット・システムからグループ・データをリコンサイルします。

表3-3 Office365 Group Reconスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Filter Suffix

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるユーザー・レコードの検索フィルタを入力します。この属性の詳細は、Office 365コネクタの制限付きリコンシリエーションを参照してください。

ITリソース名

ユーザー・レコードのリコンサイル元のターゲット・システム・インストールに対するITリソースの名前を入力します。

デフォルト値: Office365

Object Type

この属性は、リコンシリエーションの実行用のオブジェクト・タイプの名前を保持します。

デフォルト値: Group

ノート: デフォルト値は変更しないでください。

Organization Name

リコンサイルするグループを作成または更新するOracle Identity Manager組織の名前を指定します。

リソース・オブジェクト名

この属性は、リコンシリエーションに使用されるリソース・オブジェクトの名前を保持します。

デフォルト値: Office365 Group

ノート: デフォルト値は変更しないでください。

Scheduled Task Name

リコンシリエーションに使用されるスケジュール済タスクの名前。

デフォルト値: Office365 Group Recon

Incremental Recon Attribute

トークン・レコードが変更されたタイムスタンプを保持する属性。

Latest Token

この属性は、Incremental Recon Attribute属性の値として指定された属性の値を保持します。Latest Token属性は内部目的で使用されます。デフォルトでは、この値は空です。

ノート: この属性に値を入力しないでください。リコンシリエーション・エンジンにより、値はこの属性に自動的に入力されます。

サンプル値: 1354753427000

3.2.4.3 Office365 Trusted User Reconciliation

Office365 Trusted User Reconciliationスケジュール済ジョブを使用して、コネクタの信頼できるソース(アイデンティティ管理)モードでユーザー・アカウント・データをリコンサイルします。

表3-4 Office365 User Reconciliationスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Filter Suffix

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるユーザー・レコードの検索フィルタを入力します。「Office 365コネクタの制限付きリコンシリエーション」を参照してください。

ITリソース名

ユーザー・レコードのリコンサイル元のシステム・インストールに対するITリソースの名前を入力します。

デフォルト値: Office365

Object Type

この属性は、リコンシリエーションの実行用のオブジェクト・タイプの名前を保持します。

デフォルト値: User

ノート: デフォルト値は変更しないでください。

リソース・オブジェクト名

この属性は、リコンシリエーションに使用されるリソース・オブジェクトの名前を保持します。

デフォルト値: Office365 User Trusted

ノート: デフォルト値は変更しないでください。

Incremental Recon Attribute

トークン・レコードが変更されたタイムスタンプを保持する属性。

Latest Token

この属性は、Incremental Recon Attribute属性の値として指定された属性の値を保持します。Latest Token属性は内部目的で使用されます。デフォルトでは、この値は空です。

ノート: この属性に値を入力しないでください。リコンシリエーション・エンジンにより、値はこの属性に自動的に入力されます。

サンプル値: 1354753427000

3.3 スケジュール済ジョブの構成

ターゲット・システムで定期的に新しい情報をチェックしてOracle Identity Managerにそのデータを複製するリコンシリエーションを実行するスケジュール済ジョブを構成します。

この手順は、参照フィールド同期およびリコンシリエーションのためのスケジュール済ジョブを構成する場合に適用できます。
スケジュール済ジョブを構成するには:
  1. Oracle Identity System Administrationにログインします。
  2. 左ペインの「システム管理」で、「スケジューラ」をクリックします
  3. 次のようにして、スケジュール済ジョブを検索して開きます。
    1. 「検索」フィールドに、検索基準としてスケジュール済ジョブの名前を入力します。「拡張検索」をクリックして検索基準を指定することもできます。
    2. 左ペインの検索結果表で、「ジョブ名」列のスケジュール済ジョブをクリックします。
  4. 「ジョブの詳細」タブで、スケジュール済タスクのパラメータを変更できます。
    • 再試行: このフィールドには整数値を入力します。この数値は、ジョブに「停止済」ステータスを割り当てるまでに、スケジューラがジョブの開始を試行する回数を表します。
    • スケジュール・タイプ: ジョブを実行する頻度に応じて、適切なスケジュール・タイプを選択します。『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理』のジョブの作成に関する項を参照してください。

    ジョブ詳細を変更する他に、ジョブを有効化または無効化できます。

  5. 「ジョブの詳細」タブの「パラメータ」領域で、スケジュール済タスクの属性の値を指定します。

    ノート:

    • 属性値はインポートしたコネクタのXMLファイルで事前定義されています。変更する属性にのみ値を指定してください。

    • すべての属性に値(デフォルトまたはデフォルト以外)を割り当てる必要があります。属性値を1つでも空白のままにした場合、リコンシリエーションは実行されません。

    • スケジュール済タスクと属性のリストは、Office 365コネクタのリコンシリエーション・スケジュール済ジョブを参照してください。

  6. 「適用」をクリックして変更を保存します。

    ノート:

    「実行停止」オプションが、管理およびユーザー・コンソールで使用できます。「スケジューラのステータス」ページを使用して、スケジューラを起動、停止または再初期化できます。

3.4 プロビジョニング操作の実行に関するガイドライン

これらのガイドラインは、プロビジョニング操作を実行するときに何をする必要があるかを説明します。

プロビジョニング操作を実行する際に適用する必要があるガイドラインを次に示します。

  • ユーザーの作成プロビジョニング操作の場合、「ユーザー・プリンシパル名」フィールドの値をドメイン名とともに指定する必要があります。たとえばjdoe@example.comのように指定し、これは必須フィールドです。このほかにも、「表示名」、「パスワード」、メール・ニックネームおよび使用場所が必須フィールドです。

  • グループのプロビジョニング操作では、「表示名」およびメール・ニックネーム・フィールドの値を入力する必要があります。メール・ニックネーム・フィールドの値にスペースを含めることはできません。

3.5 プロビジョニング操作の実行

「ユーザーの作成」ページを使用して、Oracle Identity Self Serviceに新規ユーザーを作成できます。アカウントのプロビジョニングやリクエストは「ユーザーの詳細」ページの「アカウント」タブで実行します。

Oracle Identity Managerでプロビジョニング操作を実行するには、次のようにします。
  1. Oracle Identity Self Serviceにログインします。
  2. 次のようにユーザーを作成します。
    1. Identity Self Serviceで、「管理」をクリックします。「ホーム」タブには、異なる「管理」オプションが表示されます。「ユーザー」をクリックします。「ユーザーの管理」ページが表示されます。
    2. 「アクション」メニューから「作成」を選択します。または、ツールバーにある「作成」をクリックします。「ユーザーの作成」ページが表示され、ユーザー・プロファイル属性の入力フィールドが表示されます。
    3. 「ユーザーの作成」ページに、ユーザーの詳細を入力します。
  3. 「アカウント」タブで、「アカウントのリクエスト」をクリックします
  4. 「カタログ」ページで、アプリケーション・インスタンスの作成で作成したアプリケーション・インスタンスを検索してカートに追加し、「チェックアウト」をクリックします。
  5. アプリケーション・フォームの各フィールドの値を指定し、「送信準備ができています」をクリックします
  6. 「送信」をクリックします。
  7. 権限をプロビジョニングする場合は、次の手順を実行します。
    1. 「権限」タブで、「権限のリクエスト」をクリックします
    2. 「カタログ」ページで、権限を検索してカートに追加し、「チェックアウト」をクリックします
    3. 「送信」をクリックします。

関連項目:

「ユーザーの作成」ページ内のフィールドの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerでのセルフ・サービス・タスクの実行のユーザーの作成を参照してください。

3.6 コネクタのアンインストール

コネクタのアンインストールでは、コネクタのリソース・オブジェクトに関連付けられているすべてのアカウント関連データを削除します。

なんらかの理由でコネクタをアンインストールする場合は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理のコネクタのアンインストールを参照してください。