コネクタをデプロイする手順は、次の段階に分けることができます。
ノート:
この章に記載されている一部の手順は、ターゲット・システムで実行する必要があります。これらの手順を実行するには、管理者権限を持つServiceNowアカウントを使用する必要があります。コネクタがServiceNow REST APIにアクセスできるように、クライアント・アプリケーションをターゲット・システムに登録します。また、ユーザー・アカウントを作成し、ACL値を変更して、ユーザーに特定のロールを追加することも関係しています。
ノート:
これらのインストール前タスクを実行する詳細な手順は、https://docs.servicenow.comにあるServiceNow製品のマニュアルで説明されています。コネクタのインストールには、コネクタ・インストーラを実行してITリソースを構成する必要があります。
このコネクタ・コードは、Oracle Identity Managerでローカルに実行することも、コネクタ・サーバーでリモートで実行することもできます。
コネクタ・コード(バンドル)を実行する場所に応じて、コネクタのインストール・オプションは次のようになります。
Oracle Identity Managerでコネクタ・コードをローカルに実行します。
このシナリオでは、Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイします。Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイするには、コネクタ・インストーラの実行およびターゲット・システムのITリソースの構成で説明されている手順を実行します。
コネクタ・サーバーでコネクタ・コードをリモートに実行します。このシナリオでは、Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイしてから、コネクタ・サーバーにコネクタ・バンドルをデプロイします。コネクタ・サーバーのインストール・構成および実行、ならびにコネクタ・サーバーでのコネクタのインストールの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのアイデンティティ・コネクタ・サーバーの使用を参照してください。
コネクタ・インストーラを実行すると、コネクタ・ファイルがOracle Identity Managerのディレクトリに自動的にコピーされ、コネクタXMLファイルがインポートされ、プロビジョニングに使用されるアダプタがコンパイルされます。
ノート:
このガイドでは、コネクタ・インストーラという用語は、Oracle Identity System Administrationのコネクタ・インストーラ機能を示すために使用されます。コネクタ・インストーラを実行するには、次のようにします。
ターゲット・システムのITリソースは、コネクタのインストール後に作成されます。このITリソースを構成することで、コネクタによりOracle Identity Managerをターゲット・システムと接続できます。
このセクションの内容は次のとおりです。
ITリソースは、ターゲット・システムに関する接続やその他の汎用情報を格納するパラメータで構成されます。Oracle Identity Managerはこの情報を使用して、ターゲット・システムの特定のインストールまたはインスタンスに接続します。
表2-1 ITリソースのパラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
Configuration Lookup |
リコンシリエーションおよびプロビジョニング時に使用される構成情報を格納する参照定義の名前。 デフォルト値: |
Connector Server Name |
コネクタ・サーバーにServiceNowコネクタをデプロイしている場合、コネクタ・サーバーのITリソースの名前を入力します。 |
authenticationServerUrl |
リソース所有者のユーザー名およびパスワードを認証するのに使用される認証サーバーのURLを入力します。 サンプル値: https://ven01622.service-now.com/ |
authenticationType |
認証のタイプ。 デフォルト値: このパラメータの値は変更しないでください。 ノート: このサンプル値はOAuth 2.0のリソース所有者パスワードです。ServiceNowターゲット・インスタンスはOAuth 2.0リソース所有者パスワード・タイプのみをサポートします。 |
clientId |
登録処理中にクライアントに対して発行されるクライアント識別子。 サンプル値: |
clientSecret |
クライアント・アプリケーションのアイデンティティを認証するのに使用されるクライアント・シークレットを入力します。 サンプル値: clientSecretは、「クライアント・アプリケーションの登録」で説明されている手順の実行中に取得されます。 |
host |
ターゲット・システムのホストであるコンピュータのホスト名またはIPアドレス。 サンプル値: |
password |
OAuth 2.0リソース所有者パスワード認証に使用されるパスワード。 |
port |
ターゲット・システムがリスニングしているポート番号。 サンプル値: |
sslEnabled |
ターゲット・システムでSSL接続が必要な場合、このパラメータの値を |
username |
OAuth 2.0認証用のユーザー名を入力します。このユーザー名はリソース所有者のパスワード認証において使用されます。 サンプル値: |
proxyHost |
外部ターゲットに接続するのに使用されるプロキシ・ホストの名前。 サンプル値: www.example.com |
proxyPort |
プロキシ・ポート番号。 サンプル値: 80 |
proxyUser |
ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Managerにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザー名。 |
proxyPassword |
ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Managerにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザーIDのパスワード。 |
ターゲット・システムのITリソースには、ターゲット・システムに関する接続情報が含まれます。Oracle Identity Managerでは、プロビジョニングおよびリコンシリエーション時にこの情報を使用します。
ServiceNow ITリソースは、コネクタ・インストーラを実行すると自動的に作成されます。次のようにして、パラメータの値を指定する必要があります。
このトピックでは、次のインストール後の手順について説明します。
リコンシリエーションおよびプロビジョニング操作を実行するリソースに対し、UIフォームおよびアプリケーション・インスタンスを作成する必要があります。さらに、権限およびカタログ同期化ジョブを実行する必要があります。
これらの手順について、次の各項で説明します。
カスタマイズおよびフォーム管理機能の使用を開始するには、サンドボックスを作成してアクティブにする必要があります。次に、サンドボックスを公開してそのカスタマイズを他のユーザーが使用できるようにします。
Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのサンドボックスの作成に関する項 および サンドボックスのアクティブ化および非アクティブ化に関する項を参照してください。
Oracle Identity System Administrationのフォーム・デザイナを使用して、アプリケーション・インスタンス・フォームを作成および管理できます。Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理 の フォーム・デザイナを使用したフォームの作成に関する項を 参照してください。
UIフォームを作成するときは、必ずそのフォームを関連付けるServiceNowコネクタに対応するリソース・オブジェクトを選択します。また、「権限フォームの生成」チェック・ボックスを選択します。
フォーム・デザイナで行うすべての変更に対して、新しいUIフォームを作成し、アプリケーション・インスタンスでその変更を更新する必要があります。新規フォームにより既存のアプリケーション・インスタンスを更新するには、次のようにします。
使用する言語に対応するリソース・バンドルを使用して、UIフォーム・フィールド・ラベルをローカライズできます。リソース・バンドルはコネクタ・インストール・メディアに用意されています。
コネクタをデプロイすると、リソース・バンドルがインストール・メディアのresourcesディレクトリからOracle Identity Managerデータベースにコピーされます。connectorResourcesディレクトリに新しいリソース・バンドルを追加したり、既存のリソース・バンドルに変更を加えた場合は、コネクタ・リソース・バンドルに関連するコンテンツをその都度サーバー・キャッシュから消去する必要があります。
サーバー・キャッシュからコネクタ・リソース・バンドル関連コンテンツをクリアするには、Oracle Identity Managerを再起動するか、PurgeCacheユーティリティを実行します。次に、PurgeCacheユーティリティを実行してサーバー・キャッシュをクリアする手順を示します。
Oracle Java Diagnostic Loggingに基づいてログ・レベルを設定し、Oracle WebLogic Serverへのログインを有効にできます。次の各トピックでは、詳細を説明します。
Oracle Identity Managerでは、ロギングにOracle Java Diagnostic Logging (OJDL)が使用されます。OJDLは、java.util.loggerに基づいています。ロギングを行うイベントのタイプを指定するには、ログを次のいずれかのレベルに設定します。
SEVERE.intValue()+100
このレベルでは、致命的エラーに関する情報のロギングが有効化されます。
SEVERE
このレベルでは、Oracle Identity Managerの実行を続行できる可能性があるエラーに関する情報のロギングが有効化されます。
WARNING
このレベルでは、障害を引き起こす可能性のある状況に関する情報のロギングが有効化されます。
INFO
このレベルでは、アプリケーションの進行状況を示すメッセージのロギングが有効化されます。
CONFIG
このレベルでは、デバッグに役立つ詳細なイベントに関する情報のロギングが有効化されます。
FINE、FINER、FINEST
これらのレベルでは詳細なイベントに関する情報のロギングが有効化され、FINESTではすべてのイベントに関する情報が記録されます。
これらのログ・レベルは、表2-2に示すODLメッセージ・タイプとレベルの組合せにマップされます。
表2-2 ログ・レベルおよびODLメッセージ・タイプとレベルの組合せ
| ログ・レベル | ODLメッセージ・タイプ:レベル |
|---|---|
SEVERE.intValue()+100 |
INCIDENT_ERROR:1 |
SEVERE |
ERROR:1 |
WARNING |
WARNING:1 |
INFO |
NOTIFICATION:1 |
CONFIG |
NOTIFICATION:16 |
FINE |
TRACE:1 |
FINER |
TRACE:16 |
FINEST |
TRACE:32 |
OJDLの構成ファイルはlogging.xmlであり、次のパスにあります。
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/OIM_SERVER/logging.xml
ここで、DOMAIN_HOMEとOIM_SERVERは、Oracle Identity Managerのインストール時に指定されたドメイン名とサーバー名です。
Oracle WebLogic Serverのロギングを有効化するには、次のようにします。
次のようにしてlogging.xmlファイルを編集します。
ファイル内に次のブロックを追加します。
<log_handler name='Servicenow-handler' level='[LOG_LEVEL]' class='oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory'> <property name='logreader:' value='off'/> <property name='path' value='[FILE_NAME]'/> <property name='format' value='ODL-Text'/> <property name='useThreadName' value='true'/> <property name='locale' value='en'/> <property name='maxFileSize' value='5242880'/> <property name='maxLogSize' value='52428800'/> <property name='encoding' value='UTF-8'/> </log_handler>
<logger name="ORG.IDENTITYCONNECTORS.SERVICENOW" level="[LOG_LEVEL]" useParentHandlers="false">
<handler name="servicenow-handler"/>
<handler name="console-handler"/>
</logger>
[LOG_LEVEL]が出現したら両方を必要なODLのメッセージ・タイプとレベルの組合せに置き換えます。
同様に、[FILE_NAME]を、記録するコネクタ操作に特有のメッセージを記録するログ・ファイルの名前とフルパスに置き換えます。
次のブロックは、[LOG_LEVEL]および[FILE_NAME] のサンプル値を示しています。
<log_handler name='Servicenow-handler' level='NOTIFICATION:1' class='oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory'> <property name='logreader:' value='off'/> <property name='path' value='/<%OIM_DOMAIN%>/servers/oim_server1/logs/serviceNowScriptLogs.log>" <property name='format' value='ODL-Text'/> <property name='useThreadName' value='true'/> <property name='locale' value='en'/> <property name='maxFileSize' value='5242880'/> <property name='maxLogSize' value='52428800'/> <property name='encoding' value='UTF-8'/> </log_handler> <logger name="ORG.IDENTITYCONNECTORS.SERVICENOW" level="NOTIFICATION:1" useParentHandlers="false"> <handler name="Servicenow-handler"/> <handler name="console-handler"/> </logger>
Oracle Identity Managerをこれらのサンプル値とともに使用すると、このコネクタに対して生成された、ログ・レベルがNOTIFICATION:1レベル以上のすべてのメッセージが、指定したファイルに記録されます。
保存してファイルを閉じます。
サーバー・ログをファイルにリダイレクトするには、次の環境変数を設定します。
Microsoft Windowsの場合:
set WLS_REDIRECT_LOG=FILENAME
UNIXの場合:
export WLS_REDIRECT_LOG=FILENAME
FILENAMEを、出力のリダイレクト先ファイルの場所と名前に置き換えます。
アプリケーション・サーバーを再起動します。