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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
E51909-01
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5 Discoverer Plus OLAPの構成

この章では、DiscovererカタログおよびDiscoverer Plus OLAPの構成方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。

Discoverer Plus OLAPの詳細は、次のドキュメントを参照してください。

5.1 Discovererカタログの概要

Discoverer Plus OLAPは、Discoverer Plusのインストール時に自動的にインストールされます。Discoverer Plus OLAPでは、ユーザーによるデータの分析に必要なオブジェクトの格納にDiscovererカタログが使用されます。Discovererカタログは自動的にはインストールされません。かわりに、Fusion Middleware Controlを使用してDiscovererカタログをインストールおよび管理します。

注意: Discovererカタログは、Discoverer Plus OLAPを使用する場合にのみ必要になります。

ヒント: エンド・ユーザーがDiscoverer Plus Relationalを実行するときは、このガイドの別の項で説明するEULを使用します。Discoverer Plus OLAPを実行するときは、EULではなくDiscovererカタログを使用します。

5.1.1 Discovererカタログ

Discovererカタログは、Discoverer Plus OLAP用のオブジェクトの定義を格納および取得するためのリポジトリです。データベースごとに1つのDiscovererカタログがあります。Discovererカタログは、Oracle Business Intelligence Beans (BI Beans)で作成されるアプリケーションで使用される場合もあります。Discoverer Plus OLAPでは、エンド・ユーザーはワークブック、ユーザー定義アイテム、保存済選択などのオブジェクトをDiscovererカタログに格納し、Discovererカタログにアクセス可能な他のユーザーと共有します。BI Beansアプリケーションでは、ユーザーはグラフを作成して、Discovererカタログに格納できます。別のユーザーに適切なアクセス権がある場合、そのユーザーはDiscovererカタログに格納されたグラフを取得し、Discoverer Plus OLAPの新規ワークシートに挿入できます。Oracle Business Intelligenceでは、Discovererカタログを格納するために、D4OSYSと呼ばれる、Oracle Business Intelligence中間層インストールに新規ユーザーが作成されます。

Discovererカタログでは、オブジェクト・レベルでセキュリティが提供され、ユーザーおよびシステム管理者は特定のオブジェクトに対する権限を指定できます。オブジェクトは、XMLフォーマットでOracleデータベースに保存されます。

注意: オブジェクト定義が含まれるDiscovererカタログと、OLAPカタログを混同しないでください。

5.1.2 OLAPカタログ

OLAPカタログでは、スター・スキーマまたはスノーフレーク・スキーマのテーブル内の列、またはアナリティック・ワークスペース内のマルチディメンション・オブジェクトにマップ可能な論理的なマルチディメンション・オブジェクトが定義されます。各データベース・インスタンスには、OLAPカタログが1つのみ含まれます。

アナリティック・ワークスペースには、マルチディメンション・データ・オブジェクトと、OLAP DMLで作成されるプロシージャが格納されます。OLAP DMLは、Oracle OLAP計算エンジンによって理解されるデータ操作言語です。OLAP DMLは、SQLなどのクエリー言語やOLAP APIの分析機能を、予測、モデリングおよびwhat-ifシナリオが含まれるように拡張します。

詳細は、『Oracle OLAPリファレンス』を参照してください。

5.1.3 Discovererカタログのオブジェクトに設定可能なプロパティ

Discovererカタログのオブジェクトには、多数のプロパティが含まれます。「名前」、「説明」および「キーワード」プロパティは、エンド・ユーザーが変更できます。「作成日」、「作成者」、「変更日」、「変更者」および「タイプ」プロパティは、ユーザーによる変更はできません。これらのプロパティの値は、Discoverer Plus OLAPによって割り当てられます。

5.1.4 Discovererカタログのアーキテクチャ

Discovererカタログは、OLAPカタログやEULスキーマとともにOracleデータベースに存在します。次のリストでは、Discoverer Plus RelationalおよびDiscoverer Plus OLAPでこれらの情報にアクセスする方法を説明します。

  • Discoverer Plus Relationalは、データおよびワークブックにEULからアクセスします。データベースには、複数のEUL、ビジネスエリアおよびフォルダが含まれます。

  • Discoverer Plus OLAPは、データにはOLAPカタログから、ワークブックと関連オブジェクトにはDiscovererカタログからアクセスします。OLAPカタログには、OLAPデータのメジャー・フォルダおよびキューブが含まれます。D4OSYSスキーマには、Discovererカタログとそのオブジェクト(ワークブック、ユーザー定義アイテム、保存済選択など)が格納されます。

図5-1は、このアーキテクチャを視覚的に表現しています。

図5-1 Discovererカタログのアーキテクチャ

図5-1の説明が続きます
「図5-1 Discovererカタログのアーキテクチャ」の説明

5.1.5 DiscovererカタログとBI Beansカタログの相違点

Discovererカタログ内のオブジェクトは、BI Beansアプリケーションで使用できます。ただし、Discovererカタログには、BI Beansカタログと異なる点があります。相違点は、次のとおりです。

  • BI Beansカタログには、多数の種類のオブジェクトが格納されます。Discovererカタログに格納されるのは、フォルダ、ワークブック、保存済選択、ユーザー定義アイテム、ショートカット、ユーザー・プリファレンスおよびフォーマットのみです。

  • データベース・インスタンスごとにDiscovererカタログは1つしか設定できませんが、BI Beansカタログは複数設定できます。Discovererカタログは、D4OSYSと呼ばれる固有のスキーマにあります。Discovererカタログ内のオブジェクトは、同じデータベース・インスタンス内のOLAPメタデータ・オブジェクトのみを参照します。

  • BI Beansカタログには、それ自体にユーザーおよびロールの情報が格納されています。Discovererカタログでは、ユーザーおよびロールの情報はデータベースから取得されます。データベース・ユーザーおよびロールは、D4OPUBロールの割当てによって、Discovererカタログの使用が承認される必要があります。

  • BI Beansカタログではユーザー管理は提供されないため、アプリケーション開発者がユーザーを管理する必要があります。Discovererカタログには、強力なユーザー管理機能があります。

  • BI Beansでは、リモートのカタログおよびローカル(ファイルベース)のカタログを使用できます。Discovererカタログは、BI Beansのリモートのカタログと同様に機能します。Discovererカタログの検索は、現行リリースではDiscoverer Plus OLAPで公開されていませんが、Discoverer Viewerでは使用可能です。

BI Beansカタログの詳細は、BI Beansヘルプ・システムを参照してください。

5.2 Discovererカタログの管理

Discovererカタログの管理には、Fusion Middleware ControlまたはDiscoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用します。

Discovererカタログのインストール、アンインストール、エクスポート、インポート、および承認ユーザーとロールの管理などのタスクを実行します。Fusion Middleware ControlまたはDiscoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティでは、Discovererカタログに対してオブジェクトまたはフォルダの作成、削除、名前の変更、コピーまたは移動は実行しません。これらのタスクはDiscoverer Plus OLAPで実行します。これらのタスクはViewerでも実行しません。Viewerでは、Discovererカタログへのオブジェクトの保存のみを実行します。

5.2.1 D4OSYSユーザーに割り当てられるデータベース権限

Discovererカタログをインストールするときは、DBAユーザーでログインし、次の特性を持つD4OSYSユーザーを作成します。

  • Discovererカタログの管理者

  • OLAP_DBA、RESOURCEおよびCONNECTのロールを所有

  • Discovererカタログ・ユーザーの承認およびユーザーへのロールの割当ての実行

  • Discovererカタログ内の全フォルダおよび全オブジェクトに対する完全制御権限の所有

5.2.2 Discovererカタログのインストール

Discovererカタログのインストール時には、D4OSYSユーザーが自動的に作成され、D4OSYSスキーマに、ワークブック、ワークシートおよびDiscoverer Plus OLAPのその他のオブジェクトで必要になるスキーマ・オブジェクトが移入されます。


注意:

Oracle OLAP 11gを使用している場合は、Discoverer Plus OLAPの11gデータベース・インスタンスとの動作を保証する必要があります。この手順の詳細は、第5.2.2.2項「Discoverer Plus OLAPのOracle Database 11gリリース2 (11.2)との動作保証」を参照してください。


Discoverer Catalogをインストールするためにログインすると、D4OSYSユーザーのパスワードを作成するように求めるプロンプトが表示されます。このパスワードは他の誰にも知られないように、安全な場所に保管します。

Discovererカタログをインストールするには:

  1. Fusion Middleware Controlのデータベース管理ツールを使用して、Discovererカタログをインストールする表領域を作成します。

    表領域に適切なブロック・サイズがあることを確認します。この手順の詳細は、第5.2.2.1項「Discovererカタログをインストールする際のブロック・サイズの確認」を参照してください。

  2. Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページに移動します。

    詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。

  3. 「Discoverer」メニューから、「カタログ」「インストール」を選択します。

    「カタログのインストール」ページが表示されます。

  4. カタログをインストールするデータベースのホスト名、ポート番号およびSIDを入力します。


    注意:

    「ホスト」フィールドでは、次のフォーマットで、完全なJDBC文字列を指定できます。

    jdbc:oracle:thin:@HOST:PORT:SID
    

    「ホスト」フィールドに完全なJDBC文字列を指定する場合は、「ポート」フィールドと「SID」フィールドを空欄にしておきます。


  5. "system"のDBAユーザー名と、それに対応するパスワードを入力します。

    Oracleデータベース(Enterprise Editionリリース11.1以降)では、パスワードの大文字と小文字が区別されることに注意してください。

  6. 「続行」をクリックします。

    指定したデータベースに既存のDiscovererカタログがある場合は、インストール・プロセスを続行すると既存のカタログが上書きされることを示す警告メッセージが表示されます。

  7. 「はい」をクリックして続行します。

    「カタログのインストール: D4OSYS詳細」ページが表示されます。

  8. D4OSYSユーザーに使用するパスワードを入力します。「表領域」フィールドで、Discovererカタログをインストールする表領域を選択します。この表領域は、手順1で作成したものです。

  9. 「終了」をクリックします。

    Discovererカタログをインストールするかどうかの確認を求めるウィンドウが表示されます。

  10. 「はい」をクリックして、インストール・プロセスを完了します。


注意:

Discovererカタログのインストールには、Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用することもできます。詳細は、第5.9項「Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理」を参照してください。


5.2.2.1 Discovererカタログをインストールする際のブロック・サイズの確認

アナリティック・ワークスペースの推奨ブロック・サイズは8KBであるため、通常はDiscovererカタログをインストールする表領域のブロック・サイズの指定を使用します。ただし、使用しているキャラクタ・セットなどの要件によっては、ブロック・サイズの変更が必要な場合があります。

ブロック・サイズが8KBのカスタム表領域を作成する場合、ブロック・サイズの値に8192を指定します。

ブロック・サイズが足りない場合は、Discovererカタログをインストールしようとしたときに、次のようなエラー・メッセージが表示される場合があります。

oracle.dss.d4o.administration.D4OInstallationException: D4O-1125 インストール後の検証に失敗しました。一部のDiscovererカタログ・オブジェクトはインストールされていません。予測xx、検出yy

xxは、予測されたオブジェクト数を表します。

yyは、検出されたオブジェクト数を表します。

このエラー・メッセージは、Discovererカタログの作成中に、最大許容値を超えるキー・サイズを使用した索引を作成しようとしたことを示します。キー値は複数のブロックにまたがることができないため、索引キー・サイズはデータベースまたは表領域のブロック・サイズ値によって制限されます。

ヒント: 表領域およびデータベースのブロック・サイズの詳細は、データベース管理者に問い合せてください。

5.2.2.2 Discoverer Plus OLAPのOracle Database 11gリリース2 (11.2)との動作保証

Oracle Database 11.2でDiscoverer Plus OLAPインストールの動作を保証するには:

  1. Oracle Database 11.2のインストール後に、My Oracle Supportから最新のOracle OLAPパッチをダウンロードしてインストールします。


    注意:

    パッチをダウンロードするには、My Oracle Supportにログインして、「パッチと更新版」を選択します。


  2. OLAP 10.2アナリティック・ワークスペースをOracle Database 11.2インスタンスに接続するために、次のいずれかのモードを設定します。

    • SupportMTM = FALSE, MetadataReaderMode = DEFAULT

      次のスクリプトを実行します。

      alter system set "_xsolapi_support_mtm" = FALSE scope=spfile;
      alter system set "_xsolapi_metadata_reader_mode"="DEFAULT"
      

      このモードでは、OLAP 10gまたはOLAP 11gのどちらかのアナリティック・ワークスペースに接続できますが、名前の競合を避けるために、OLAP 11gオブジェクトのネーミング規則を適用する必要があります。このモードでOLAP 10gのアナリティック・ワークスペースに接続するには、スキーマに対してINITIALIZE_CUBE_UPGRADE PL/SQLプロシージャを実行する必要があります。このプロシージャにより、古いOLAP 10.2オブジェクトを、それに対応するOLAP 11.2オブジェクトの名前にマップする表が生成されます。このマッピングを使用することで、OLAP APIはOLAP 10.2のアナリティック・ワークスペースがOLAP 11.2のメタデータ・リーダー・ロジックで動作できるようにします。INITIALIZE_CUBE_UPGRADE PL/SQLプロシージャの実行の詳細は、Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンスを参照してください。

    • SupportMTM = TRUE, MetadataReaderMode = 10_ONLY

      次のスクリプトを実行します。

      alter system set "_xsolapi_support_mtm" = TRUE scope=spfile;
      alter system set "_xsolapi_metadata_reader_mode"="10_ONLY"
      

      このモードでは、OLAP 10gのアナリティック・ワークスペースにのみ接続できます。ここでは、11gのネーミング規則を適用する必要がありません。

5.2.3 Discovererカタログのアンインストール

Discovererカタログをアンインストールすると、D4OSYSユーザーとD4OPUBロールがデータベースから削除されます。この結果、ワークブック、保存済選択、およびDiscoverer Plus OLAPで作成されたその他のオブジェクトもすべて削除されます。これらのオブジェクトを保存する場合は、アンインストールする前にDiscovererカタログをエクスポートします。

Discovererカタログをアンインストールするには:

  1. Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページに移動します。

    詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。

  2. 「Discoverer」メニューから、「カタログ」「アンインストール」を選択します。

    「カタログのアンインストール」ページが表示されます。

  3. データベースのホスト名、ポート番号およびSID、DBAユーザー名とパスワードおよびD4OSYSパスワードを入力します。Oracleデータベース(Enterprise Editionリリース11.1以降)では、パスワードの大文字と小文字が区別されることに注意してください。

  4. 「OK」をクリックします。

    Discovererカタログがアンインストールされることを示す警告が表示されます。

  5. 「OK」をクリックして、アンインストール・プロセスを完了します。


注意:

Discovererカタログのアンインストールには、Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用することもできます。詳細は、第5.9項「Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理」を参照してください。


5.2.4 Discovererカタログのエクスポート

バックアップを実行する場合や、新しいバージョンに移行する場合には、Discovererカタログの全コンテンツをエクスポートできます。エクスポート・ファイルのフォーマットはPXIF (Persistence XML Interchange File)です。エクスポートされたXMLファイルには、フォルダ構成、オブジェクト定義、プロパティおよび権限に関する情報が含まれます。

Discovererカタログをエクスポートするには:

  1. Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページに移動します。

    詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。

  2. 「Discoverer」メニューから、「カタログ」「管理」を選択します。

    「管理: Discoverer for OLAPログイン」ページが表示されます。

  3. データベースのホスト名、ポート番号およびSID、およびD4OSYSパスワードを入力します。Oracleデータベース(Enterprise Editionリリース11.1以降)では、パスワードの大文字と小文字が区別されることに注意してください。

  4. 「ログイン」をクリックします。

    「カタログの管理」ページが表示されます。

  5. 「エクスポート」をクリックします。

    「ファイルのダウンロード」ダイアログが表示されます。

  6. 「保存」をクリックします。

    「別名保存」ダイアログが表示されます。

  7. エクスポートしたファイルの場所とファイル名を指定して、「保存」をクリックします。


注意:

Discovererカタログのエクスポートには、Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用することもできます。詳細は、第5.9項「Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理」を参照してください。


5.2.5 Discovererカタログのインポート

新しいバージョンのDiscovererカタログに移行する場合や、バックアップからリストアする場合、カタログをインポートできます。

注意

  • DiscovererカタログまたはBI Beansカタログのエクスポートによって作成されたファイルからのみインポートできます。

  • インポート処理では、新規オブジェクトが追加され、同じ名前の既存オブジェクトは上書きされます。

  • エクスポート・ファイルとインポートされるDiscovererカタログのオブジェクトには、同じOLAPスキーマおよびメタデータに対するアクセス権が設定されている必要があります。

  • エクスポートしたカタログで承認されたユーザーとターゲット・カタログで承認されるユーザーが同じ場合は、エクスポート・ファイルの全コンテンツをインポートします。オブジェクト定義はインポートしますが、ユーザー定義はインポートしません。したがって、ターゲット・カタログの使用が承認されていないユーザーが所有するオブジェクトが含まれているファイルからインポートした場合、そのユーザーのオブジェクトはインポートされません。

  • 特定のDiscovererカタログから別のDiscovererカタログにカタログのコンテンツをインポートする場合、エクスポートされたオブジェクト(ワークブック、ユーザー定義アイテムおよび保存済選択)のすべてのパス名はカタログ内に保持されます。大部分のオブジェクトはUsers/usernameフォルダか、Shared/usernameフォルダに格納されるため、これらのフォルダが存在することが重要になります。そのため、正常なインポートを簡単に実行するには、インポートの前にすべてのユーザーがターゲット環境に存在しているようにします。

    ターゲット環境に存在しないユーザーはデータベース管理ツールで作成し、Discoverer管理ツールで承認する必要があります。

Discovererカタログをインポートするには:

  1. Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページに移動します。

    詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。

  2. 「Discoverer」メニューから、「カタログ」「管理」を選択します。

    「管理: Discoverer for OLAPログイン」ページが表示されます。

  3. データベースのホスト名、ポート番号およびSID、およびD4OSYSパスワードを入力します。Oracleデータベース(Enterprise Editionリリース11.1以降)では、パスワードの大文字と小文字が区別されることに注意してください。

  4. 「ログイン」をクリックします。

    「カタログの管理」ページが表示されます。

  5. 「インポート」をクリックします。

    「カタログのインポート」ウィンドウが表示されます。

  6. インポートするカタログ(以前にエクスポートまたはバックアップしたカタログ)のファイル名を指定します。

  7. 「インポート」をクリックします。


注意:

Discovererカタログのインポートには、Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用することもできます。詳細は、第5.9項「Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理」を参照してください。


5.3 Discovererカタログに対する承認ユーザーとロールの管理

Discovererカタログに対してユーザーとロールを承認するときは、新規のユーザーまたはロールを作成しません。かわりに、既存のデータベース・ユーザーとロールに対してDiscovererカタログへのアクセスを承認します。承認ユーザーは、自分のデータベース・ユーザー名を使用してDiscoverer Plus OLAPにログインします。Fusion Middleware Controlを使用してDiscovererカタログに対してユーザーとロールを承認すると、そのユーザーとロールには、D4OPUBロールが自動的に割り当てられます。

5.3.1 Discovererカタログのフォルダ構造の特性

承認されたユーザーとロールは、Discovererカタログの既存のフォルダ構造内にフォルダを作成できます (Discoverer Plus OLAPを使用)。フォルダ構造には、次の特性があります。

  • フォルダ構造は、Discovererカタログのインストール時に自動的に作成されます。

  • 各ユーザーとロールのフォルダは、そのユーザーとロールが承認されると、構造内に自動的に作成されます。

  • フォルダ構造は、ユーザーが独自のオブジェクトを迅速に格納および検索できるように設計されていますが、オブジェクトの共有も可能です。

5.3.2 構造内のフォルダ

Discovererカタログの構造は、1つのルート・フォルダとそれに含まれる次のいくつかのメイン・フォルダで構成されます。

  • ユーザー

    ユーザー・フォルダには、Discoverer Plus OLAPの使用が承認されている各ユーザーまたはロールのサブフォルダが含まれ、そのユーザーまたはロールのプライベート・オブジェクトの格納に使用されます。このサブフォルダの名前は、全大文字表記のユーザー名またはロール名です。最初は、各ユーザーとロールのサブフォルダに他のサブフォルダは含まれていませんが、ユーザーはDiscoverer Plus OLAPを使用し、ニーズにあわせてサブフォルダを作成できます。各ユーザーまたはロールには、自分のサブフォルダに対する完全制御権限があります。D4OSYSユーザーには、ユーザー・フォルダとそのすべてのサブフォルダに対する完全制御権限があります。他のユーザーまたはロールには、自分以外のユーザーまたはロールのサブフォルダに対する権限はありません。

  • 共有

    共有フォルダ内のサブフォルダでは、Discoverer Plus OLAPのユーザー間でオブジェクトを共有できます。共有フォルダには、Discoverer Plus OLAPの使用が承認されている各ユーザーまたはロールのサブフォルダが含まれます。最初は、各ユーザーとロールのサブフォルダに他のサブフォルダは含まれていません。ユーザーは自分のサブフォルダに対しては完全制御権限があるため、Discoverer Plus OLAPを使用し、ニーズにあわせてサブフォルダを作成できます。

    各ユーザーとロールには、共有フォルダの下にある他のすべてのサブフォルダに対する読取り権限があります。これは、D4OPUBロールに読取り権限があり、すべてのDiscoverer Plus OLAPユーザーにD4OPUBロールが設定されているためです。ユーザーは、そのユーザーまたはロールの共有サブフォルダ内にあるサブフォルダに対する書込み権限を、他のユーザーとロールに付与できます。D4OSYSユーザーには、共有フォルダとそのすべてのサブフォルダに対する完全制御権限もあります。

5.3.3 オブジェクトおよびフォルダに対する権限のタイプ

次のリストでは、Discovererカタログ内のオブジェクトおよびフォルダに対して使用可能な権限について説明します。ユーザーは、特定のオブジェクトおよびフォルダに対する権限を持たないこともできます。

  • フォルダに追加: フォルダのコンテンツの表示、フォルダとその中のオブジェクトのオープン、フォルダまたはオブジェクトの作成が可能になります(フォルダにのみ適用)。

  • 完全制御: フォルダまたはオブジェクトに対する権限の変更、およびフォルダまたはオブジェクトの作成または変更が可能になります。

  • リスト表示: フォルダのコンテンツの表示が可能になります(フォルダにのみ適用)。

  • 読取り: フォルダまたはオブジェクトのオープンが可能になります。

  • 書込み: フォルダまたはオブジェクトの作成、削除または変更が可能になります。

権限は累積方式です。つまり、上位レベルの権限は、リスト内で下位の権限の制御を継承します。たとえば、書込み権限は、読取り、リスト表示などの制御を継承します。

特定の権限が適用可能でない場合は、リスト内で次の下位の権限が取得されます。たとえば、あるフォルダに対する書込み権限があり、Samというユーザーには、そのフォルダに対するリスト表示権限(フォルダにのみ適用)があるとします。そのフォルダにオブジェクトを作成したとします。ユーザーSamは、リスト表示権限の下位の権限を取得しますが、権限はないため、オブジェクトを参照することもできません。

5.3.4 D4OSYSユーザーで権限を管理する方法

エンド・ユーザーには、各自のUsers/usernameフォルダ内のすべてのフォルダとオブジェクトに対する完全制御権限と、Shared/usernameフォルダに対する完全制御権限があります(そのロールが割り当てられている場合)。D4OSYSユーザーには、SharedフォルダとUsersフォルダ、およびそのサブフォルダとオブジェクトのすべてに対する完全制御権限があります。

D4OSYSユーザーは、Discovererカタログのインストール時にすべてのフォルダおよびオブジェクトに割り当てられたデフォルトの権限を変更できますが、このような処理の実行はお薦めしません。同様に、ユーザーは、完全制御権限を利用して、D4OSYSユーザーの権限を縮小できます。このような処理は、D4OSYSユーザーがユーザーのオブジェクトをバックアップできなくなるため、実行しないようにしてください。

5.3.5 ユーザーがDiscoverer Plus OLAPを使用できることの確認

ユーザーがDiscoverer Plus OLAPを実行するには、そのユーザーが次の基準を満たしている必要があります。

  • Discovererカタログがインストールされているデータベースにアカウントがあること。

  • D4OPUBロールが割り当てられていること。つまり、そのデータベースのDiscoverer Plus OLAPの使用が承認されていること。詳細は、第5.3.6項「Discovererカタログに対するユーザーとロールのアクセス権の承認」を参照してください。

  • ユーザーが必要とするOLAPメジャーの使用が承認されていること。この場合、ユーザーは次の基準を満たしている必要があります。

    • OLAP_USERが割り当てられていること。このロールは、D4OPUBロールによって継承されます。

    • OLAPデータに対するアクセス権があること。これはOracle OLAPデータベース管理者によって制御されます。

注意: Oracle E-Business SuiteセキュリティでDiscoverer Plus OLAPは使用できません。

さらに、Fusion Middleware Controlの「Discoverer管理」ページにある「ユーザーがDiscoverer PlusおよびDiscoverer Viewerにおいて、各自の接続を定義できるようにする」チェック・ボックスが選択解除されていないことを確認する必要があります。このボックスの選択が解除されている場合、プライベート接続は使用できません。Discoverer Plus OLAPにはプライベート接続が必要です。詳細は、第5.3.8項「OLAPデータへのアクセス時のプライベート接続またはパブリック接続の使用」を参照してください。

エンド・ユーザーに役立つ情報の詳細は、第5.5項「エンド・ユーザーへの伝達事項」を参照してください。

5.3.6 Discovererカタログに対するユーザーとロールのアクセス権の承認

ユーザーとロールに対して、特定のデータベースのDiscoverer Plus OLAPへのログインを承認します。ユーザーまたはロールを直接承認すると、そのユーザーまたはロールにD4OPUBロールが即時に割り当てられ、ユーザー・フォルダおよび共有フォルダに、適切な権限が設定されたフォルダが作成されます。別のロールを介してD4OPUBロールを間接的に割り当てた場合、ユーザーとフォルダは、ユーザーが次回接続したときにDiscovererカタログに追加されます。

ユーザーまたはロールにDiscovererカタログへのアクセスを承認するには:

  1. Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページに移動します。

    詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。

  2. 「Discoverer」メニューから、「カタログ」「管理」を選択します。

    「管理: Discoverer for OLAPログイン」ページが表示されます。

  3. データベースのホスト名、ポート番号およびSID、およびD4OSYSパスワードを入力します。Oracleデータベース(Enterprise Editionリリース11.1以降)では、パスワードの大文字と小文字が区別されることに注意してください。

  4. 「ログイン」をクリックします。

    「カタログの管理」ページが表示されます。

  5. 「ユーザーの承認」をクリックします。

    「ユーザーの承認」ウィンドウが表示されます。

  6. 「使用可能なユーザーとロール」リストから、承認するユーザーおよびロールを選択します。

  7. 「移動」をクリックします。

    選択したユーザーとロールは、「使用可能なユーザーとロール」リストから「選択されたユーザーとロール」リストに移動されます。

  8. 「OK」をクリックします。


注意:

Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用して、ユーザーおよびロールにDiscovererカタログへのアクセスを承認することもできます。詳細は、第5.9項「Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理」を参照してください。


5.3.7 Discovererカタログに対するユーザーまたはロールのアクセス権の取消し

アクセス権を取り消すときは、次の手順を実行します。

  • D4OPUBロールがそのユーザーまたはロールから取り消されます。

  • そのユーザーまたはロールに割り当てられているすべての権限が削除されます。

  • ユーザー関連のすべてのプロパティ(作成日や作成者など)がD4OSYSユーザーを示すように更新されます。取り消されるユーザーまたはロールが作成したオブジェクトは削除されません。

D4OSYSユーザーのアクセス権は取り消すことができません。D4OSYSユーザーが削除されるのは、Discovererカタログがアンインストールされる場合のみです。

ユーザーまたはロールのアクセス権を取り消すには:

  1. Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページに移動します。

    詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。

  2. 「Discoverer」メニューから、「カタログ」「管理」を選択します。

    「管理: Discoverer for OLAPログイン」ページが表示されます。

  3. データベースのホスト名、ポート番号およびSID、およびD4OSYSパスワードを入力します。Oracleデータベース(Enterprise Editionリリース11.1以降)では、パスワードの大文字と小文字が区別されることに注意してください。

  4. 「ログイン」をクリックします。

    「カタログの管理」ページが表示されます。

  5. 「ユーザーの承認」をクリックします。

    「ユーザーの承認」ウィンドウが表示されます。

  6. 「選択されたユーザーとロール」リストから、アクセス権を取り消すユーザーおよびロールを選択します。

  7. 「削除」をクリックします。

    選択したユーザーとロールは、「選択されたユーザーとロール」リストから「使用可能なユーザーとロール」リストに移動されます。

  8. 「OK」をクリックします。


注意:

Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用して、ユーザーおよびロールのDiscovererカタログへのアクセス権を取り消すこともできます。詳細は、第5.9項「Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理」を参照してください。


5.3.8 OLAPデータへのアクセス時のプライベート接続またはパブリック接続の使用

ユーザーがDiscovererコンポーネントに接続するときは、パブリック接続またはプライベート接続を使用します。またエンド・ユーザーは、接続を使用または作成しなくても直接ログインできます。次のリストで、OLAPデータへの接続時にユーザーがパブリック接続およびプライベート接続を使用する方法を説明します。

  • プライベート接続: ユーザーは、Discoverer Plus OLAPへの接続時にプライベート接続を使用する必要があります。また、OLAPデータにアクセスするためにDiscoverer ViewerおよびDiscoverer Portlet Providerに接続するときもプライベート接続を使用できます。プライベート接続では、ユーザーはシングル・サインオンを使用しても使用しなくても構いません。プライベート接続はシングル・サインオンが有効な状態で作成していないと、ユーザーはパスワードの再入力が必要になります。

  • パブリック接続: Fusion Middleware Controlを使用し、Discoverer ViewerおよびDiscoverer Portlet Providerを介してOLAPデータにアクセスするユーザー用にパブリック接続を作成できます。

パブリック接続およびプライベート接続の詳細は、第3章「Oracle BI Discoverer接続の管理」を参照してください。

5.4 Discoverer Plus OLAPのルック・アンド・フィールのカスタマイズ

Discoverer Plus OLAPのルック・アンド・フィールは、Fusion Middleware Controlを使用してカスタマイズします。Discoverer Plus Relationalを構成する場合と同じページを使用します。

Discoverer Plus OLAPの次のアイテムを構成できます。

Discoverer Plus OLAPのルック・アンド・フィールを構成するには:

  1. Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページに移動します。

    詳細は、第4.1.3項「Fusion Middleware ControlのDiscovererホームページとDiscovererコンポーネント・ホームページを表示する方法」を参照してください。

  2. 「Discoverer Plus」コンポーネントをクリックします。

  3. 「構成」をクリックします。

    「Discoverer Plus構成」ページが表示されます。

  4. このページのフィールドを使用して、構成設定を指定します。

  5. 「OK」をクリックして変更を保存します。

5.5 エンド・ユーザーへの伝達事項

DiscovererカタログおよびDiscoverer Plus OLAPを構成した後は、Discoverer Plus OLAPを使用するための次の情報をユーザーが認識していることを確認する必要があります。

5.6 Discoverer Plus OLAPの構成診断ユーティリティ

Discoverer Plus OLAPには、OLAP環境の構成を検査してレポートを作成するユーティリティがあります。このユーティリティの目的は、エンド・ユーザーがDiscoverer Plus OLAPを実行するときに発生する問題を、管理者およびOracleサポートが診断しやすいように、構成の情報を収集することにあります。

ユーザーが診断ユーティリティを実行する方法の詳細は、Discoverer Plus OLAPのヘルプを参照してください。ユーザーは、エラー・ダイアログ内のボタンをクリックして、メニュー・オプションを選択するのみです。表示されるダイアログには、ユーティリティからの基本出力が提示され、エンド・ユーザーは、さらに詳細な出力を提示する別のテストを実行できます。ヘルプ項目によって、ユーザーは、支援が必要な場合は、出力をデータベース管理者と共有するように指示されます。

5.6.1 ユーティリティからの出力のフォーマット

ユーティリティでは、次のリストに示すように、2つのフォーマットの出力が生成されます。

  • ユーザーがユーティリティを実行するダイアログに直接書き込まれる出力。詳細は、第5.6.2項「ユーティリティからの出力の説明」を参照してください。

  • XMLファイル: ユーティリティを実行し、ダイアログで結果を表示した後、ユーザーはこのファイルに自由に名前を付けて格納します。ファイルには、ダイアログに表示された出力が含まれます。その内容は、様々なコンポーネントのバージョン情報、エラーの詳細なスタック・トレース、およびデータベースで検出されたフォルダ、メジャー、ディメンションのリスト(メタデータ)などです。このファイルを電子メールの添付ファイルとしてオラクル社カスタマ・サポート・センターに送信すると、問題を診断する上での助言が得られます。

5.6.2 ユーティリティからの出力の説明

次の各ラベルでは、ユーティリティによってダイアログおよびXMLファイルに表示されるアイテムについて記述します。ラベルは、ユーティリティが実行する様々なチェックの順にリストされています。多くのアイテムがバージョン番号に関係します。固有のバージョン番号の情報は、Discovererのインストール時に使用したインストール・ガイドを参照してください。

5.6.2.1 JDKのバージョン

使用されているJDKのバージョン番号。例: 1.5.0。

5.6.2.2 BI Beansの内部バージョン

インストールされているBI Beansの内部バージョン番号。

5.6.2.3 Discoverer Plus OLAPのバージョン

インストールされているDiscoverer Serverの内部バージョン番号。

5.6.2.4 Discovererのバージョン

インストールされているDiscoverer Plusコンポーネントの内部バージョン番号。

5.6.2.5 データベースに接続

ユーティリティによってデータベース接続を確立できたかどうかを示します。接続が確立された場合、結果は「成功」です。それ以外の場合、結果は「失敗」です。ユーティリティでデータベースに接続できない場合は、次のことを実行できます。

  • ダイアログに表示されるエラーで詳細を検証します。

  • すべての接続情報(ユーザー名やパスワードなど)が正しいことを確認します。

  • データベースが稼働中で接続を受け入れていることを確認します。

5.6.2.6 JDBCドライバのバージョン

使用されているJDBCドライバのバージョン。

5.6.2.7 JDBC JARファイルの場所

JDBCドライバのJARファイルが含まれているディレクトリのフルパス名。

5.6.2.8 データベースのバージョン

Discoverer Plus OLAPが接続しているOracleデータベースのバージョン。

5.6.2.9 OLAPカタログのバージョン、OLAP AWエンジンのバージョン、OLAP APIサーバーのバージョン

様々なOLAPコンポーネントのバージョン。戻される値は、データベースのパッチ・リリースが原因で、「データベースのバージョン」と正確に一致しない可能性があります。特定の状況では、これらのバージョンは「N/A」で戻される場合がありますが、これは解決する必要のない問題です。

5.6.2.10 BI Beansカタログのバージョン

インストールされているBI Beansカタログの内部バージョン。BI Beansカタログがインストールされていない場合、この値は、「NA; スキーマ名にインストールされていません」になります。

5.6.2.11 Discovererカタログのバージョン

インストールされているDiscovererカタログの内部バージョン。Discovererカタログがインストールされていない場合、この値は、「NA; スキーマ名にインストールされていません」になります。Discoverer Plus OLAPでは、Discovererカタログがインストールされている必要があります。

5.6.2.12 Discoverer Plus OLAPに対して認証済

ユーティリティを実行しているユーザーがDiscoverer Plus OLAPの実行を承認されているかどうかを示します。

5.6.2.13 OLAP API JARファイルのバージョン

OLAP APIクライアントJARファイルのバージョン。

5.6.2.14 OLAP API JARファイルの場所

OLAP APIクライアントJARファイルが含まれているユーザーのインストールにあるディレクトリへのフルパス。

5.6.2.15 OLAP APIメタデータのロード

ユーティリティがデータベースからメタデータをロードできたかどうかを示します。メタデータがロードされた場合、結果は「成功」です。それ以外の場合、結果は「失敗」です。

データベース管理者は、ビジネス・インテリジェンス・アプリケーションをサポートするために、Oracleデータベースに適切なメタデータを定義する必要があります。OLAPメタデータの定義の詳細は、『Oracle OLAPユーザーズ・ガイド』を参照してください。

メタデータがロードされなかった場合は、メタデータが正しいことを確認してください。問題が解決しない場合は、Oracle Technology NetworkのOLAPフォーラムを参照するか、またはオラクル社カスタマ・サポート・センターに連絡してください。

5.6.2.16 メタデータ・フォルダ数

データベースのメタデータで検出されたフォルダ数。

5.6.2.17 メタデータ・メジャー数

データベースのメタデータで検出されたメジャー数。

5.6.2.18 メタデータ・ディメンション数

データベースのメタデータで検出されたディメンション数。

5.6.2.19 メタデータの説明

データベースの全メタデータの詳細説明。

5.6.2.20 エラー・メッセージの説明

エラーが発生した場合は、そのエラーに関する簡単な情報が、ダイアログの出力の適切な場所に表示されます。たとえば、ユーザーが名前またはパスワードを誤って入力した場合、この結果に対する情報は「データベースに接続」ラベルの直後に記述され、その後の出力は含まれません。出力のXMLファイルには、ダイアログ出力で提供されるより多くの詳細情報が含まれます。

5.7 Discoverer Plus OLAPのURLパラメータ

表5-1「Discoverer Plus OLAPのパラメータ」では、Discoverer Plus OLAPの起動に使用できるURLパラメータについて説明します。

注意: URLパラメータを使用したDiscoverer Plus OLAPの起動の例は、第12.5.6項「例6: Discoverer Plus OLAPの起動」を参照してください。

表5-1 Discoverer Plus OLAPのパラメータ

パラメータおよび値 説明

autoconnect=yes|no

すべてのパラメータが指定されているときに自動的に接続するかどうかを指定します。yesがデフォルトです。

autoconnect=no

brandimage=logo_file_name

Discoverer Plus OLAP画面の右上隅にロゴを表示することを指定します。

このファイルの参照は、次の2つの方法で指定できます。

  • サーバー上のd4o.jarファイルの位置に対する相対的なパスの使用

  • 絶対パスの使用

brandimage=http://server.com:7777/discoverer/common/mylogo.gif

framedisplaystyle=
style

Discovererメイン・ウィンドウの起動方法を指定します。styleの有効値は次のとおりです。

  • separate: Discovererのメイン・ウィンドウを、ブラウザ(Discoverer接続のリスト)とは別のフレームとして起動するには、'separate'を使用します。ブラウザ・ウィンドウにはDiscovererの画像が含まれているため、Discovererの使用中はブラウザ・ウィンドウを開いたままにしておく必要があります。

  • embedded: Discovererのメイン・ウィンドウを、現行のブラウザ内で起動するには、'embedded'を使用します。

framedisplaystyle=separate

helpset=path/locale/helpset_file_name

デフォルトのDiscoverer Plus OLAPヘルプ・セットと異なるヘルプ・セットの位置を指定します。

path = ヘルプ・セットが含まれるディレクトリ

locale = 2文字のロケール

helpset_file_name = ヘルプ・セット・ファイルの名前(例: myhelp.hs)

注意: ヘルプ・セットは標準の2文字のロケールで名前が設定されたサブディレクトリに存在する必要があります。

helpset=mypath/en/myhelp.hs

lm=OLAP

シングル・サインオン以外の環境にDiscovererをデプロイしていることを指定します。

lm=OLAP

locale=language[_country][_variant]

Discoverer Plus OLAPで使用する言語を指定します。オプションで国およびバリアント・コードも指定できます。このパラメータにより、エンド・ユーザーのクライアント・マシンのブラウザ言語設定がオーバーライドされます。

ヒント: 言語、国およびバリアント・コードの指定には、ISOコードを使用します。

locale=es_ES

この例では、言語はスペイン語で国はスペインです。

loglevel=type

エンド・ユーザーに表示されるログ・メッセージのレベルを指定します。typeの値は次のとおりです。


none: メッセージなし(デフォルト)
error: エラー・メッセージ
warning: 警告メッセージ
informational: 情報メッセージ
trace: トレース・メッセージ

loglevel=error

lookandfeelname=
type

ブラウザのルック・アンド・フィールを指定します。typeの値は、systemmetalwindowsmotiforacleおよびplasticです。

LAFの完全修飾Javaクラスを使用して、カスタムLAFを指定することもできます(例: javax.swing.plaf.metal.MetalLookAndFeel)。

Discovererの中間層でカスタムLAFを指定する方法の詳細は、第8.1.3項「Discoverer Plusに対するカスタムLAFの定義方法」を参照してください。

lookandfeelname=system

sheet=worksheetname

デフォルトで開くワークシートの名前を指定します。

注意: URLでSheetパラメータが複数回使用されている場合、Discoverer Plus OLAPは最後のパラメータを使用します。

sheet=Sales+Detail+Sheet

username=database_user_name

Discoverer Plus OLAPへの接続に使用するデータベース・ユーザー名を指定します。

注意: ユーザー名、パスワード、ホスト名、ポート番号およびSIDを指定しない場合、Discovererエンド・ユーザーは、不足しているログイン情報の入力を要求されます。

username=video_user

windowheight=number_of_pixels

Discoverer Plus OLAPアプリケーション・フレームの高さをピクセルで指定します。このパラメータを使用しない場合、Discoverer Plus OLAPはデフォルト値を使用します。

windowheight=600

windowwidth=number_of_pixels

Discoverer Plus OLAPアプリケーション・フレームの幅をピクセルで指定します。このパラメータを使用しない場合、Discoverer Plus OLAPはデフォルト値を使用します。

windowwidth=800

workbookname=
workbook_path_name

ユーザーに対してデフォルトで表示されるワークブックの名前を指定します。

フォルダ名とワークブック名の先頭には、スラッシュ(/)を付けるか、スラッシュのURLエンコーディング値(%2F)を付ける必要があります。たとえば、DiscovererカタログのUsers/Jchan/フォルダに格納されているWorkbook Aを指定する場合は、次のように入力します。

&workbookname=Users/JChan/Workbook+A

workbookname=Users/JChan/Workbook+A


5.8 Discoverer ViewerにおけるOLAPワークシートのURLパラメータ

Discoverer ViewerでURLパラメータを使用してOLAPワークシートにアクセスする場合、通常は、リレーショナル・ワークシートで使用するURLパラメータと同じものを使用できます(詳細は、第12.7項「Discoverer PlusとDiscoverer Viewerに共通するURLパラメータのリスト」および第12.9項「Discoverer Viewer固有のURLパラメータのリスト」を参照)。しかし、Discoverer ViewerでOLAPワークシートを指定するためのURLパラメータは異なります(詳細は、表5-2「Discoverer ViewerにおけるOLAPワークシートのパラメータ」を参照)。

表5-2 Discoverer ViewerにおけるOLAPワークシートのパラメータ

パラメータおよび値 説明

worksheetName=workbook_path/worksheet_name

開くワークシートが格納されているフォルダの場所、ワークブック名およびワークシート名を指定します。

フォルダ名、ワークブック名およびワークシート名の先頭には、スラッシュ(/)を付けるか、スラッシュのURLエンコーディング値(%2F)を付ける必要があります。たとえば、DiscovererカタログのUsers/Jchan/フォルダに格納されているWorkbook AExport 1というワークシートを指定する場合は、次のように入力します。

&worksheetname=Users/JChan/Workbook+A/Export+1

注意: ルート・フォルダ名の先頭にはスラッシュを付けません。たとえば、&worksheetName=/Usersではなく、&worksheetName=Usersと指定します。

worksheetname=Users/JChan/Workbook+A/Export+1

lm=OLAP

シングル・サインオン以外の環境にDiscovererをデプロイしていることを指定します。

lm=OLAP


注意: URLパラメータを使用したDiscoverer Viewerの起動の例は、第12.5.9項「例9: Discoverer ViewerでのOLAPワークシートの表示」を参照してください。

5.9 Discoverer Plus OLAPコマンドライン・ユーティリティを使用したDiscovererカタログの管理

Discoverer Plus OLAPには、管理機能を実行するためのコマンドライン・ユーティリティがあります。このユーティリティはd4o.jarと呼ばれ、ディレクトリORACLE_HOME/discoverer/libにあります。

ユーティリティを起動するには、次のコマンドを入力します。

java -classpath d4o.jar oracle.dss.d4o.administration.D4OCommand subcommand -h host -po port -sid sid -su "sys as sysdba" -sp su_password -p d4o_password -t tablespace

次のコマンドを入力すると、使用可能なすべてのコマンドのリストを取得できます。

java -classpath d4o.jar oracle.dss.d4o.administration.D4OCommand