Oracle® Fusion Middleware Oracle Event Processing開発者ガイド 11gリリース1 (11.1.1.7) for Eclipse B61654-06 |
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この章では、開始から終了までの推奨される手順を含むOracle Event Processingアプリケーションの作成の開始、開発環境の設定および開発とテストのツールの推奨事項について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Event Processingを作成するための、開始から終了までの推奨される手順を以下に示します。各種コンポーネントのプログラミングおよび構成は必ずしもこの順序で行う必要はありませんが、次の手順ではお薦めの通常の論理的な流れを示しています。
この手順ではIDEの使用を想定していますが、これは必須ではなく、任意の環境を選択できます。Oracle Event Processing開発者を対象とする場合は、第4章「Oracle Event Processing IDE for Eclipseの概要」を参照してください。
Oracle Event Processingアプリケーションを作成するには:
3.2項「開発環境の設定」に従って環境を設定します。
Oracle Event Processing IDE for Eclipseを使用して、Oracle Event Processingプロジェクトを作成します。
詳細は、第5章「Oracle Event Processing IDE for Eclipseプロジェクト」を参照してください。
イベント処理ネットワーク(EPN)を設計します。
Oracle Event Processing IDE for EclipseおよびEPNエディタを使用して、EPNアセンブリ・ファイルを作成してアプリケーションを構成するコンポーネントの完全なリストおよびそれらが互いに接続する方法を追加し、アプリケーションで使用されるイベント・タイプを登録します。
この手順では、特に構成しコード化する必要があるコンポーネントを決定するアプリケーションの設計、およびすべてのコンポーネント(EPNアセンブリ・ファイル)を指定する実XMLファイルおよびコンポーネント構成(コンポーネント構成ファイル)を指定するXMLファイルの作成の両方が組み合されています。アプリケーションを実行するたびにこのアプリケーションを更新します。しかし、アプリケーションへのハイレベルな視点を持つためにこの手順で起動することをお薦めします。
詳細は、次を参照してください:
アプリケーションで使用されるイベント・タイプを設計します。独自のJavaBeanを作成する場合は、Javaファイルのプログラミングを行います。
第9章「イベント・タイプの定義および使用」を参照してください。
イベント処理ネットワークの着信、中間、発信コンポーネントとして動作するアダプタまたはイベントBeanをプログラミングし、必要に応じて構成します。独自のアダプタまたはイベントBeanを作成するか、またはOracle Event Processingで提供されるアダプタを使用できます。詳細は、次を参照してください。
コンポーネント構成XMLファイルを作成して、プロセッサを構成します。この手順の最も重要な部分は、各プロセッサに関連付けられている初期ルールの設計および宣言です。
参照:
アップストリーム・チャネルからイベントを選択して、ダウンストリーム・チャネルにイベントを出力するためにプロセッサによって使用されるルールを設計します。
参照:
『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing CQL言語リファレンス』
『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing EPL言語リファレンス』
注意: イベント処理言語(EPL)は、Oracle Event Processing 11gリリース1 (11.1.1)ではOracle CQLによって置き換えられます。Oracle Event Processingは、EPLとの下位互換性をサポートします。 |
必要に応じて、構成XMLファイルを作成して、アダプタ、プロセッサ、およびビジネス・ロジックPOJOの間を流れるデータを処理するチャネルを構成します。
第10章「チャネルを使用したEPNステージの接続」を参照してください。
イベントをキャッシュにパブリッシュしたり、キャッシュのイベントを使用したりすることで、イベントの可用性を高め、アプリケーションのパフォーマンスを向上するために、キャッシング・システムを必要に応じて構成します。
第13章「キャッシュの統合」を参照してください。
オプションで、アプリケーションからOracle Event Processingサーバー・ログにログ・メッセージを書き込むために、Oracle Event Processingサーバー・ログ・サブシステムを使用します。
import org.apache.commons.logging.Log; import org.apache.commons.logging.LogFactory; ... Log LOG=LogFactory.getLog("LogName"); ... LOG.debug("Some debug information"); ...
Oracle Event Processing Visualizerを使用すると、アプリケーションのデプロイ、アプリケーションのログ・レベルの構成およびOracle Event Processingサーバー・コンソールの表示を行うことができます。
詳細は、次を参照してください:
『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing管理者ガイド』のOracle Event Processingのロギングおよびデバッグの構成に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing Visualizerユーザーズ・ガイド』のコンポーネント・ロギングの構成方法に関する項
『Oracle Fusion Middleware Oracle Event Processing Visualizerユーザーズ・ガイド』のコンソール出力の表示方法に関する項
Oracle Event Processingインスタンスを起動してサンプルを実行する前に、開発環境を設定する必要があります。特に、正しいバージョンのJRockit JDKを使用するようにPATH
およびJAVA_HOME
環境変数を設定する必要があります。
JRockitをコンピュータにインストールするときに使用された可能性がある方法として、次の2つの方法があります。
Oracle JRockit Real Timeインストールの一部としてのインストール。このバージョンのJRockit JDKには確定的ガベージ・コレクタが含まれています。
Oracle Event Processing 11gリリース1 (11.1.1)インストールの一部としてのインストール。このバージョンのJRockit JDKには確定的ガベージ・コレクタが含まれていません。このバージョンはテスト目的専用に提供されています。
必須ではありませんが、最適な結果を得るためには、Oracle JRockit Real Timeに含まれるJRockit JDKバージョンを使用してOracle Event Processingを実行することをお薦めします。以下の手順では、いずれの場合にも適用できる環境の設定方法を説明します。
JRockitの詳細は、2.4項「サンプルのパフォーマンスの改善」を参照してください。
この項では次について説明します:
この手順は、Windowsに開発環境を設定する方法を説明します。
setEnv.cmd
などのコマンド・ファイルを作成して、ここで説明するset
コマンドを指定しておくと、セッションからログアウトした後に開発環境を簡単にリセットできます。
Windowsコンピュータで、「コントロール パネル」→「システム」ウィンドウを呼び出し、「詳細設定」タブ、「環境変数」ボタンの順にクリックして、必要な環境変数を永続的に設定することもできます。環境変数は、現在のユーザーに対して、またはシステム全体に対して設定できます。
Windowsで開発環境を設定するには:
JRockit JDKのbin
ディレクトリを含むようにPATH
環境変数を更新します。また、PATH
環境変数にAntのインストール先のbin
ディレクトリが含まれていることを確認してください。
Oracle JRockit Real Timeと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
Oracle JRockit Real Timeがd:\jrockit
ディレクトリにインストールされていて、Antがd:\ant
ディレクトリにインストールされている場合は、PATH環境変数を次のように設定します。
prompt> set PATH=d:\jrockit\[JRRT_HOME]\bin;d:\ant\bin;%PATH%
JRRT_HOME
は、JRockit Real Timeのディレクトリです。
Oracle Event Processingと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
Oracle Event Processingがd:\Oracle\Middleware
ディレクトリにインストールされていて、Antがd:\ant
ディレクトリにインストールされている場合は、PATH
環境変数を次のように設定します。
prompt> set PATH=d:\Oracle\Middleware\jrockit_160_20\bin;d:\ant\bin;%PATH%
setDomainEnv.cmd
スクリプトのJAVA_HOME
変数が正しいJRockit JDKを参照していることを確認します。正しくない場合は、スクリプトを編集します。
setDomainEnv.cmd
スクリプトは、メイン・ドメイン・ディレクトリのdefaultserver
サブディレクトリにあります。defaultserver
サブディレクトリには、各ドメインのスタンドアロン・サーバーのファイルが含まれます。たとえば、HelloWorld
ドメインは\MIDDLEWARE_HOME
\ocep_11.1\samples\domains\helloworld_domain
にあります。MIDDLEWARE_HOME
はOracle Event Processingをインストールした際に指定したミドルウェア・ホーム・ディレクトリです(d:\Oracle\Middleware
など)。
Oracle JRockit Real Timeと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
set
コマンドを次のように指定します。
set JAVA_HOME=d:\jrockit\[JRRT_HOME]
JRRT_HOME
は、JRockit Real Timeのディレクトリです。
Oracle Event Processingと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
set
コマンドを次のように指定します。
set JAVA_HOME=d:\Oracle\Middleware\jrockit_160_20
独自の開発環境のJAVA_HOME
変数を、JRockit JDKを参照するように設定します。
Oracle JRockit Real Timeと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
set
コマンドを次のように指定します。
prompt> set JAVA_HOME=d:\jrockit\[JRRT_HOME]
JRRT_HOME
は、JRockit Real Timeのディレクトリです。
Oracle Event Processingと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
set
コマンドを次のように指定します。
prompt> set JAVA_HOME=d:\Oracle\Middleware\jrockit_160_20
この手順は、UNIXに開発環境を設定する方法を説明します。
setEnv.sh
などのコマンド・ファイルを作成して、ここで説明するset
コマンドを指定しておくと、セッションからログアウトした後に開発環境を簡単にリセットできます。
UNIXで開発環境を設定するには:
JRockit JDKのbin
ディレクトリを含むようにPATH
環境変数を更新します。また、PATH
環境変数にAntのインストール先のbin
ディレクトリが含まれていることを確認してください。
Oracle JRockit Real Timeと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
Oracle JRockit Real Timeが/jrockit
ディレクトリにインストールされていて、Antが/ant
ディレクトリにインストールされている場合は、PATH
環境変数を次のように設定します。
prompt> PATH=/jrockit/j[JRRT_HOME]/bin:/ant/bin:$PATH
JRRT_HOME
は、JRockit Real Timeのディレクトリです。
Oracle Event Processingと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
Oracle Event Processingが/Oracle/Middleware
ディレクトリにインストールされていて、Antが/ant
ディレクトリにインストールされている場合は、PATH
環境変数を次のように設定します。
prompt> PATH=/Oracle/Middleware/jrockit_160_20/bin:/ant/bin:$PATH
setDomainEnv.sh
スクリプトのJAVA_HOME
変数が正しいJRockit JDKを参照していることを確認します。正しくない場合は、スクリプトを編集します。
setDomainEnv.sh
スクリプトは、メイン・ドメイン・ディレクトリのdefaultserver
サブディレクトリにあります。defaultserver
サブディレクトリには、各ドメインのスタンドアロン・サーバーのファイルが含まれます。たとえば、HelloWorldドメインはMIDDLEWARE_HOME
/ocep_11.1/samples/domains/helloworld_domain
にあります。MIDDLEWARE_HOME
はOracle Event Processingをインストールした際に指定したミドルウェア・ホーム・ディレクトリです(/Oracle/Middleware
など)。
Oracle JRockit Real Timeと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
JAVA_HOME
変数を次のように設定します。
JAVA_HOME=/jrockit/[JRRT_HOME]
JRRT_HOME
は、JRockit Real Timeのディレクトリです。
Oracle Event Processingと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
JAVA_HOME
変数を次のように設定します。
JAVA_HOME=/Oracle/Middleware/jrockit_160_20
開発環境のJAVA_HOME
変数を、JRockit JDKを参照するように設定します。
Oracle JRockit Real Timeと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
JAVA_HOME
変数を次のように設定します。
prompt> JAVA_HOME=/jrockit/[JRRT_HOME]
JRRT_HOME
は、JRockit Real Timeのディレクトリです。
Oracle Event Processingと一緒にインストールされたJRockit JDKを使用する場合
JAVA_HOME
変数を次のように設定します。
prompt> JAVA_HOME=/Oracle/Middleware/jrockit_160_20
Oracle Event Processingには、Oracle Event Processingアプリケーションを作成する処理を容易にするよう特に設計された機能とともにEclipse IDEを強化するプラグインが含まれます。IDEの詳細は、4項「Oracle Event Processing IDE for Eclipseの概要」を参照してください。
付属のcsvadapterおよびロード・ジェネレータを使用して、作成するOracle Event Processingアプリケーションをテストできます。
ロード・ジェネレータは、カンマ区切り値(CSV)ファイルを読み取り、結果をcsvadapterにフィードするコマンドライン・ツールです。csvadapterは、ロード・ジェネレータから値を受信し、それらの値を指定するイベント・タイプにバインドするよう設計されています。
これらのツールの使用は、アプリケーションで実際のイベント・データ・ソースからデータを受信する前に開発中のコードを試行する比較的簡単な方法です。
これらのツールを使用したテストの詳細は、21項「ロード・ジェネレータおよびcsvgenアダプタを使用したアプリケーションのテスト」を参照してください。