ヘッダーをスキップ
Oracle Fusion Middleware Oracle Portalユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B61383-02
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

19.1 Oracle Portalでの翻訳の理解

翻訳機能を正しく使用するには、翻訳の作成、管理、公開および問合せ方法を理解することも重要です。この項では、Oracle Portalでの翻訳の動作について説明します。次のサブセクションが含まれます:

19.1.1 セッション言語の選択

セッション言語は、現在のポータル・セッションで使用している言語です。セッション言語を選択する場所は、Portalの設定によって異なります。Portalへのログイン時にセッション言語を指定できる場合もあります。次のように、URLに言語パラメータを追加できます。

http://<host>:<port>/portal/page/<dad>/lang-<language>/<page_guid>

フランス語の翻訳へのURLは次のようになります。

http://mymachine.mycompany.com:5000/portal/page/mydad/lang-fr/
A47D41ECA23648A9E030007F0100118A

どのインストール環境でも、「言語の設定」ポートレットを使用して、セッションの言語を選択し、現行セッション中に言語を切り替えることができます。

「言語の設定」ポートレットは、自分が管理またはパーソナライズの権限を持つ任意のページに追加できます。「言語の設定」ポートレットには、現行ページ・グループで有効になっている言語のみでなく、Portalで使用可能なすべての言語が表示されます。

ページへのポートレットの追加の詳細は、15.1項「ページへのポートレットの追加」を参照してください。「言語の設定」ポートレットの詳細は、A.5.5項「「言語の設定」ポートレットの使用」を参照してください。

19.1.2 翻訳の表示

セッションの言語が翻訳の言語と一致した場合、自動的にオブジェクトの翻訳が表示されます。

次に、翻訳表示のルールを示します。

  • ユーザー・セッションにデフォルト言語を選択すると、翻訳は表示されません。

  • デフォルト言語以外の言語を選択し、オブジェクトにその言語の翻訳が存在する場合、翻訳が表示されます。

  • デフォルト言語以外の言語を選択し、オブジェクトに翻訳が存在しない場合、オブジェクトのデフォルト言語インスタンスが表示されます。

表19-1にこれらのルールをまとめます。

表19-1 翻訳の表示ルール

デフォルト言語 選択された言語 使用可能な翻訳 表示される言語

英語

英語

英語、フランス語、ドイツ語

英語

英語

フランス語

英語、フランス語、ドイツ語

フランス語

英語

フランス語

英語、ドイツ語

英語


内蔵のOracle Portal検索機能を使用する検索にも同じルールが適用されます。検索結果には、現行セッション言語に翻訳されているコンテンツのみが含まれます。Oracle Ultra Searchの動作は異なります。Oracle Ultra Searchからは、Portalのデフォルト言語のコンテンツのみが返されます。

19.1.3 翻訳と属性

アイテムを翻訳する場合、属性値には翻訳できるものとできないものがあります。この項では、Portalオブジェクトと翻訳可能属性をリストし、これらについて説明します。属性と翻訳に関するルールについても説明します。次のサブセクションが含まれます:

19.1.3.1 翻訳可能属性

ユーザーが提供する翻訳コンテンツの他に、オブジェクトに関連付けられた属性の一部も翻訳できます。表19-2にPortalオブジェクトと翻訳可能属性を示します。

表19-2 Portalオブジェクトと翻訳可能属性

オブジェクト 翻訳可能属性 説明
  • ページ

  • タブ

  • リージョン

  • テンプレート

  • ナビゲーション・ページ

  • 表示名

  • 説明

  • ポートレットの表示名

  • 連絡先の電子メール

  • キーワード

  • 翻訳可能なカスタム属性

言語ごとに異なるイメージを使用することもできます。

  • アイテム

  • テキスト

  • ファイル

  • イメージ

  • イメージの位置

  • PL/SQLコード

  • 表示名

  • 説明

  • キーワード

  • 管理者

  • 翻訳可能なカスタム属性

翻訳不能属性に指定されている値が、属性のすべての翻訳に適用されます。

アイテムのデフォルト以外の言語バージョンに異なるカテゴリやパースペクティブを選択することはできませんが、デフォルト以外の言語を選択したときに、カテゴリとパースペクティブの翻訳バージョンが表示されるように、カテゴリとパースペクティブに翻訳を提供できます。

翻訳不能属性の詳細は、19.1.3.2項「翻訳できない属性」を参照してください。

  • カスタム・ページ・タイプ

  • カスタム・アイテム・タイプ

  • デフォルトの属性値

  • 表示名

  • 説明

  • アイコン

  • プロシージャ・リンク・テキスト

  • プロシージャ・アイコン

デフォルトの属性値は自動的に翻訳されます。ユーザーがデフォルトのかわりに独自の値を指定する場合は、その値の翻訳も指定する必要があります。

  • カテゴリ

  • パースペクティブ

  • 表示名

  • イメージ


  • 属性

  • 表示名


  • ページ・グループ

  • 表示名


  • スタイル

  • 表示名

  • 説明



Oracle Technology Networkの追加情報

Portal Developer Kit (PKD)を使用すると、異なる言語の文字列の保存と検索を管理できます。詳細は、Oracle Technology NetworkのPDKのページを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/products/ias/portal/portlet_development_10g1014.html

19.1.3.2 翻訳不能属性

翻訳できない属性もあります。Oracle Portalの全オブジェクトにわたって、翻訳不能属性は多数あります。この項では、オブジェクトを翻訳する際の翻訳不能属性の動作について説明します。翻訳可能属性を確認するには、19.1.3.1項「翻訳可能属性」を参照してください。

翻訳不能属性の値を変更すると、変更は現行オブジェクト(オブジェクトのバージョン)のすべての言語レコードにコピーされます。

たとえば、次の属性を持つアイテムがあるとします。usはアメリカ英語、frはフランス語を表します(*は翻訳可能属性です)。

言語 表示名* 公開日付

us(デフォルト)

Airline Information

24-AUG-2005 01:21 PM

fr

Voyage Aériens: Informations

24-AUG-2005 01:21 PM


「表示名」は翻訳可能、「公開日付」は翻訳できません。任意の言語のレコードで「公開日付」を変更すると、変更は暗黙的にすべての言語のレコードにコピーされます。

言語 表示名* 公開日付

us(デフォルト)

Airline Information

13-SEP-2005 12:00 AM

fr

Voyage Aériens: Informations

13-SEP-2005 12:00 AM


カスタム属性を作成する場合は、翻訳可能にするかどうかを指定できます。一般に、動的な属性(PL/SQL属性)や値リストを使用する属性で、言語ごとに異なる値を使用しない場合は翻訳不能にする必要があります。

カテゴリやパースペクティブなどのオブジェクトには、表示方法に影響する翻訳可能属性を使用できます。ただし、これらのオブジェクトをアイテムまたはページと関連付けると、関連付けられた値は翻訳できません。たとえば、アイテムのデフォルト言語のバージョンで、Business Intelligenceカテゴリを選択します。(「カテゴリ」は、アイテム・リージョンに表示するように選択されている属性の1つとします。)セッション言語をフランス語に変更して、アイテムを編集します。「カテゴリ」属性は、アイテムの編集ウィザードには表示されません。このため、現在はアイテムのフランス語バージョンでもBusiness Intelligenceカテゴリが表示されます。

この問題を解決するには、カテゴリそのものに翻訳を指定します。つまり、セッション言語をフランス語に変更し、「ページ・グループ」ポートレットなどを使用してカテゴリを編集します。カテゴリの表示名をBusiness Intelligenceのフランス語訳のLa Business Intelligenceに変更します。


注意:

カテゴリの編集方法については、5.3.1.2項「カテゴリの編集」を参照してください。


アイテムがデフォルトの英語セッションで表示される場合、そのアイテムに関連付けられているカテゴリはBusiness Intelligenceです。アイテムがフランス語セッションで表示される場合、そのアイテムに関連付けられているカテゴリはLa Business Intelligenceです。

19.1.3.3 属性の翻訳

翻訳されたオブジェクトの属性値は、デフォルトでは、オブジェクトのデフォルト言語バージョンに指定された値に設定されます。属性値を翻訳するには、セッションが翻訳言語に設定されている間にオブジェクトを編集する必要があります。

たとえば、次の属性を使用して、デフォルト言語が英語(us)のページが作成されています(*は翻訳可能属性です)。

名前 言語 表示名* キーワード*

TRAVELPAGE

us(デフォルト)

Travel Page

travel、airfar、vacation


ページ設計者は、セッション言語をフランス語にしてページを編集し、表示名をPage De Voyageに変更します。これで、Oracle Metadata RepositoryのPortalスキーマにはページに2つのレコードが存在します。

名前 言語 表示名* キーワード*

TRAVELPAGE

us(デフォルト)

Travel Page

travel、airfar、vacation

TRAVELPAGE

fr

Page De Voyage

travel、airfar、vacation


フランス語翻訳の「キーワード」属性の値は、デフォルトでは英語バージョンの値です。ページ設計者が英語に戻して、「キーワード」属性の値を編集すると、変更は翻訳には継承されません。たとえば、次のようになります。

名前 言語 表示名* キーワード*

TRAVELPAGE

us(デフォルト)

Travel Page

travel、airfar、vacation、business expenses

TRAVELPAGE

fr

Page De Voyage

travel、airfar、vacation


デフォルト言語以外の言語がアクティブになっている間にオブジェクトを作成すると、翻訳バージョンとデフォルト言語バージョンの両方が、同じ属性値で作成されます。たとえば、セッション言語がフランス語に設定されているときにTRAVELPAGEを作成すると、Oracle Metadata RepositoryのPortalスキーマには、フランス語の翻訳用に1つ、英語のデフォルト言語バージョン用に1つ、同じ値(言語を除く)を持つ2つのレコードが作成されます。

たとえば次の表では、デフォルト言語は英語(us)、翻訳はフランス語(fr)です。コンテンツ作成者は、セッション言語をフランス語に切り替えて、Page De Voyageを追加します。

名前 言語 表示名* キーワード*

TRAVELPAGE

fr

Page De Voyage

voyage、tarifs、vacances

TRAVELPAGE

us(デフォルト)

Page De Voyage

voyage、tarifs、vacances


オリジナルのフランス語バージョンに指定された属性値をコピーして、英語バージョン(デフォルト言語バージョン)が暗黙的に作成されます。