ヘッダーをスキップ
Oracle® Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server SNMP管理ガイド
11g リリース1 (10.3.6)
B61639-05
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次

前
 
次
 

3 WebLogic Server通知の理解

WebLogic Server SNMPエージェントを構成して、管理対象リソース内で特定のしきい値または条件を検出し、1つまたは複数のSNMPマネージャにレポート(通知)を送信するようにできます。WebLogic Server SNMPエージェントでは、SNMPv1、SNMPv2、およびSNMPv3プロトコルに準拠する通知を生成できます。

以下の節では、WebLogic Server SNMPエージェントが生成できる通知について説明します。

WebLogic Server通知を構成する手順または削除する手順については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプSNMPを使用したWebLogic Serverのモニターに関する項を参照してください。

INFORM通知とTRAP通知

SNMPv2またはSNMPv3プロトコルを使用するSNMPエージェントでは、モニターされた属性が定義済みのしきい値に到達すると、2種類の通知のうちの一方を送信できます。

デフォルトでは、WebLogic Server SNMPエージェントはTRAP通知を送信します。INFORM通知を送信するようにSNMPエージェントを構成する方法については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプINFORM通知の構成に関する項を参照してください。

自動的に生成される通知

WebLogic Server SNMPエージェントでは、表3-1に記載されている通知を自動的に生成できます。これらの通知には、イベントをより詳細に記述するための名前と値のペア(変数バインド)が含まれているものもあります。

表3-1 自動的に生成される通知

通知 次の時点で生成されます 変数バインド

coldStart

SNMPエージェントをホストするWebLogic Serverインスタンスが起動します。

なし

serverStart

停止していたWebLogic Serverインスタンスが起動します。

管理対象サーバー上のSNMPエージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバーの起動時のみです。管理サーバー上のSNMPエージェントは、ドメイン内のどのサーバーが起動してもこの通知を生成します。

サーバーの起動時刻とサーバー名を識別する名前と値のペアが2つ含まれます。

serverShutDown

起動していたサーバーが停止します。

管理対象サーバー上のSNMPエージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバーの停止時のみです。管理サーバー上のSNMPエージェントは、ドメイン内のどのサーバーが停止してもこの通知を生成します。

サーバーの停止時刻とサーバー名を識別する名前と値のペアが2つ含まれます。


ログ・メッセージ通知

WebLogic Serverインスタンス上のサブシステムおよびデプロイ可能なモジュール(アプリケーションなど)は、ログ・メッセージを生成してステータスや他の操作データを通知します。

各サーバー・インスタンスは、これらのメッセージをローカル・ログ・ファイルに格納してから、JMX通知としてブロードキャストします。JMX通知をすべてリスニングするようにWebLogic Server SNMPエージェントを設定したり、以下のような条件に基づいてフィルタを設定したりできます。

たとえば、セキュリティ・サービスのメッセージのうち、重大度レベルがERROR以上のものだけがSNMPエージェントに送信されるように指定できます。SNMPエージェントを設定してメッセージをリスニングする方法については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプSNMPログ・フィルタの作成に関する項を参照してください。

メッセージを受信したエージェントでは、SNMPログ通知が生成されます(図3-1を参照)。

図3-1 ログ・メッセージ通知

図3-1の説明が続きます
「図3-1 ログ・メッセージ通知」の説明

ログ・メッセージ通知における変数バインド

この節では、ログ・メッセージ通知によってSNMPマネージャに渡される、変数バインド・フィールドの名前と値のペアについて説明します。

  • trapTime: 通知が生成された時刻。

  • trapServerName: ログ・メッセージを生成したサーバー・インスタンスの名前。

  • trapMachineName: サーバー・インスタンスが稼動するマシンの名前。

  • trapLogThreadId: ログ・メッセージのスレッドID。

  • trapLogTransactionId: ログ・メッセージのトランザクションID (存在する場合)。トランザクションIDは、トランザクションのコンテキスト内で記録されたメッセージに対してのみ生成されます。

  • trapLogUserId: ログ・メッセージのユーザーID。このユーザーIDから、ログ・メッセージの生成に使用されたセキュリティ・コンテキストがわかります。

  • trapLogSubsystem: ログ・メッセージを生成したサブシステム。

  • trapLogMsgId: ログ・メッセージのログ・メッセージID。

  • trapLogSeverity: ログ・メッセージのメッセージ重大度。

  • trapLogMessage: ログ・メッセージのテキスト。

ログ・メッセージおよびWebLogic Serverロギング・サブシステムの詳細は、『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』のWebLogicロギング・サービスに関する項を参照してください。

モニター通知

WebLogicリソースの値が変更されたかどうかを定期的にチェックするには、JMXモニターを設定し、これらのモニターからの通知をSNMPエージェントがリスニングするように構成します。

JMXは、管理データを公開するためのJava EE仕様であり、WebLogic Server管理システムの基礎です。JMX仕様では、管理データおよび管理処理は、管理対象Bean (MBean)を通じて公開されます。WebLogic Server MIBの管理対象オブジェクトは、MBeanとMBean属性に対応します。「MIBモジュールとWebLogic Server MBeanデータ・モデルの関係」を参照してください。

JMXモニターは、WebLogic Server MBeanを指定された間隔でポーリングし、指定のイベント(しきい値への到達など)が発生した場合はWebLogic SNMPエージェントに通知を送ります。SNMPエージェントは通知を生成して、SNMPマネージャに送信します。(図3-2を参照)。

図3-2 モニター通知

図3-2の説明が続きます
「図3-2 モニター通知」の説明

監視する属性のデータ型に応じて、次の3種類のJMXモニターを構成できます(属性が戻すデータ型については、Oracle WebLogic Server MBeanリファレンスを参照)。

モニター通知の変数バインド

JMXモニターは、指定したしきい値または条件に対してポーリングを行います。値が指定のしきい値に到達したか、または指定の条件が発生した場合に、エージェントはモニター通知を生成します。WebLogic Server SNMPエージェントには、各モニター通知の変数バインドに、次のような名前と値のペアがあります。

  • trapTime: 通知が生成された時刻。

  • trapServerName: 通知を生成した属性値を持つローカル・サーバー。

  • trapMonitorType: CounterMonitorStringMonitor、またはGaugeMonitorのいずれか。

  • trapMonitorThreshold: 通知をトリガーしたしきい値のASCII表記。

  • trapMonitorValue: 通知をトリガーした値のASCII表記。

  • trapMBeanName: モニター対象の属性を含むMBeanの名前。

  • trapMBeanType: モニター対象の属性を含むMBeanのタイプ。

  • trapAttributeName: 通知をトリガーした値を持つ属性の名前。

属性変更通知

JMXモニターを使用してWebLogic Serverリソースを定期的にポーリングし、特定のしきい値の範囲を超える変化が属性にないか調べることができますが、属性に何らかの変更があったらすぐに通知を送信するようにSNMPエージェントを構成することもできます。たとえば、JMXモニターを使用して、現在アクティブなJDBC接続の数に変化がないかどうかをポーリングします。アクティブな接続数がしきい値を超えた場合、SNMPエージェントは通知を送信できます。

属性変更通知を送信するようにSNMPエージェントを構成する方法については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプの属性変更の作成に関する項を参照してください。


注意:

実行時MBeanの属性変更の作成はサポートされていません。サポートされているのは、構成MBean属性の属性変更通知のみです。


属性変更通知の変数バインド

属性変更通知の変数バインドには、次のような名前と値のペアが含まれます。

  • trapTime: 通知が生成された時刻。

  • trapServerName: 管理サーバーの名前。

  • trapMBeanName: 属性を含むMBeanの名前。

  • trapMBeanType: 属性を含むMBeanのタイプ。

  • trapAttributeName: 変更された構成属性の名前。

  • trapAttributeChangeType: 値はADDREMOVEUPDATEのいずれかです。

  • trapAttriruteOldVal: 変更前の属性の値。

  • trapAttributeNewVal: 変更後の属性の値。

WebLogic Server通知のOID

すべてのWebLogic Server通知のオブジェクト識別子(OID)は、WebLogic Server OIDである.1.3.6.1.4.1.140.625で開始されます。

表3-2は、WebLogic Server通知のOIDにおいて次に来る値を示したものです。

表3-2 WebLogic Server通知のOID

次の時点で生成されます

60

ログ通知を送信するためにユーザーが定義した基準と一致するメッセージが、サーバー・インスタンスによって記録されます。

例: 1.3.6.1.4.1.140.625.60

65

停止していたWebLogic Serverインスタンスが起動します。

管理対象サーバー上のSNMPエージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバーの起動時のみです。管理サーバー上のSNMPエージェントは、ドメイン内のどのサーバーが起動してもこの通知を生成します。

これをserverStart通知と呼びます。

例: 1.3.6.1.4.1.140.625.65

70

起動していたサーバーが停止します。

管理対象サーバー上のSNMPエージェントがこの通知を生成するのは、ホスト管理対象サーバーの停止時のみです。管理サーバー上のSNMPエージェントは、ドメイン内のどのサーバーが停止してもこの通知を生成します。

これをserverShutDown通知と呼びます。

例: 1.3.6.1.4.1.140.625.70

75

ユーザーが定義したJMXモニターが、しきい値への到達またはイベントの発生を検出します。

例: 1.3.6.1.4.1.140.625.75

80

ユーザーが選択した属性の値が変更されました。

例: 1.3.6.1.4.1.140.625.80


変数バインドが含まれる通知もあります。変数バインドのOIDについては、BEA-WEBLOGIC-MIB.asn1.zipを参照してください。