Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B72085-02 |
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この章では、ピープル・コネクション・サービスに必要なバックエンド構成の要件について説明します。WebCenter Portalアプリケーションのバックエンド・サービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してください。デプロイ後にWebCenter Portalアプリケーションに加えた変更は、MDSメタデータにカスタマイズとして格納されます。
この章の内容は次のとおりです。
対象読者
この章の内容は、Fusion Middleware管理者(Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してAdmin
またはOperator
ロールを付与されたユーザー)を対象としています。第1.8項「管理操作、ロールおよびツールの理解」も参照してください。
ピープル・コネクション・サービスは、ユーザーのコネクションのアクティビティを作成、連携および追跡するためのソーシャル・ネットワーキング・ツールです。このサービスの各機能により、ユーザーは自分の個人プロファイルの管理、他のユーザーのプロファイルへのアクセス、非定型のフィードバックの提供、メッセージの投稿、アクティビティの追跡ができるほか、他のユーザーとつながることができます。
ピープル・コネクション・サービスでは、次の一連の機能によってこれを実現しています。
アクティビティ・ストリーム: アプリケーションまたはソーシャル・ネットワーキング・アクションによって生成されたユーザー・アクティビティを表示します。
コネクション: 他のアプリケーション・ユーザーとつながって、情報の共有、パフォーマンスに対するコメント、メッセージの交換およびアクティビティの追跡ができます。
フィードバック: 非定型のパフォーマンス・フィードバックを他のユーザーに提供できます。
メッセージ・ボード: 他のユーザーにメッセージを投稿できます。
プロファイル: 自分の連絡先情報を入力したり、他のユーザーの連絡先情報を表示したりできます。
パブリッシャ: ステータス・メッセージの公開やファイルおよびリンクの投稿ができます。
ピープル・コネクション・サービスの機能は、前述の5つのカテゴリに分類されます。それぞれのカテゴリには一連のタスク・フローが含まれており、それらのタスク・フローを通じてピープル・コネクションの各機能がエンド・ユーザーに提供されます。
ピープル・コネクション・サービスの実行時の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのコラボレーションおよびソーシャル・ネットワーキング環境の編成に関する第VIII部を参照してください。
ピープル・コネクションの構成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのWebCenter Spaces用のピープル・コネクションのデフォルトの構成に関する項を参照してください。
ピープル・コネクション・サービスを使用するには、WEBCENTERスキーマがデータベースにインストールされている必要があります。
本番環境では、ピープル・コネクションにコネクション候補の母集団を提供する手段として、エンタープライズはバックエンド・アイデンティティ・ストアを利用できます。開発環境では、開発者がテスト・ユーザーをjazn-data.xml
ファイルに追加できます。
たとえば、プロファイルでは、WebCenter Portalアプリケーションからそのユーザーに提供される大量の情報をバックエンド・アイデンティティ・ストアから取得します。また、プロファイルでは、この情報の一部を変更したり、アイデンティティ・ストアに格納されていない追加データを提供することも可能です。
本番バージョンのアプリケーションのバックエンド(LDAP)アイデンティティ・ストアへの接続の詳細は、第30章「アイデンティティ・ストアの構成」を参照してください。
外部のピープル・コネクションがWebCenter Portalアプリケーションでフィードできるようにするには、プロキシ・サーバーを設定する必要があります。
アクティビティ・ストリーム・タスク・フローで外部リンクを表示する場合は、プロキシ・サーバーも必要です。ピープル・コネクション・サービスとアクティビティ・ストリーム・サービスは、同じプロキシ・サーバー設定を共有します。
Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、プロキシ・サーバーを構成できます。詳細は、第9.7項「プロキシ・サーバーの設定」を参照してください。
アプリケーション管理者は、WLSTコマンドを使用してアクティビティ・ストリーム・スキーマ内のデータをアーカイブおよびリストアできます。管理者は次のアーカイブ操作を実行できます。
archiveASByDate
を実行し、指定した日付よりも古いアクティビティ・ストリーム・データをアーカイブします。
archiveASByDeletedObjects
を実行し、削除されたオブジェクトに関連付けられているアクティビティ・ストリーム・データをアーカイブします。
archiveASByClosedSpaces
を実行し、現在クローズ中のSpacesに関連付けられているアクティビティ・ストリーム・データをアーカイブします。
archiveASByInactiveSpaces
を実行し、指定した日付から非アクティブであったSpacesに関連付けられているアクティビティ・ストリーム・データをアーカイブします。
restoreASByDate
を実行し、指定した日付以降のアーカイブされたアクティビティ・ストリーム・データを本番の表にリストアします。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のアクティビティ・ストリームに関する項を参照してください。
次の項に示すように、管理者は、WLSTコマンドを使用するかWebCenter Portal管理経由で、LDAPアイデンティティ・ストアのプロファイル情報をWebCenter Portalと同期できます。
管理者はWLSTコマンドを使用して次の操作を実行し、プロファイルを同期できます。
startSyncProfiles
またはstopSyncProfiles
を実行して、すべてのユーザーまたは1つのユーザーのプロファイル同期を開始または停止します。
isSyncProfilesRunning
を実行して、プロファイル同期が現在実行中かどうかを確認します。
様々なプロファイル同期オプションを設定します。
setProfilePhotoSync
を実行して、LDAPのユーザープロファイル写真を同期するかどうかを指定します。
setProfileSyncLDAPReadBatchSize
を実行して、同期処理中に使用するプロファイル同期LDAPバッチ読取りサイズを設定します。
syncProfile
を実行して、特定のユーザーのプロファイル情報を同期します。
printProfileConfig
を実行して、現在のプロファイル・キャッシュ構成設定を返します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のWebCenter Portalアイデンティティ・ストアに関する項を参照してください。
WebCenter Portal管理者はWebCenter Portal管理を使用して、LDAPバッチ・サイズを制御し、写真の同期を有効または無効にすることもできます。
管理者としてWebCenter Portalにログインします。
「管理」をクリックします。
「構成」タブをクリックします。
「サービス」ページをクリックします。
「サービスとプロバイダ」で「ピープル・コネクション」をクリックします。
「プロファイル」タブをクリックします。
LDAPバッチ・サイズ設定を変更するには、プロファイル・キャッシュ設定で、必要に応じて「プロファイル同期タスクのLDAP読取りバッチ・サイズ」を設定します。
写真の同期を有効または無効にするには、「キャッシュの有効期限が切れたときにユーザー・プロファイルの写真をLDAPと同期」の隣のボックスを選択または選択解除します。
プロファイル・サービスはオブジェクトをキャッシュに保存して処理帯域幅を節約し、より迅速にユーザーに情報を提供します。次に、プロファイル・サービスのデフォルト・キャッシュ・オプションを示します。
キャッシュの最大オブジェクト数: 1000
キャッシュの最大オブジェクト数に達すると、新しいオブジェクトが追加されるときに、古いオブジェクトまたは未使用のオブジェクトがキャッシュから削除されます。
キャッシュの最大アイドル時間: 60分
キャッシュのオブジェクトが最大アイドル時間の間アクセスされない場合は、キャッシュから削除されます。
プロファイル・サービスの速度が想定するよりも遅い場合は、キャッシュ設定のしきい値を上げることができます。プロファイル・サービスで提供されるデータが十分な頻度で更新されない場合は、キャッシュのしきい値を下げることができます。
次の項で説明するように、管理者はWLSTコマンドを使用するか、WebCenter Portal管理でプロファイル・サービス・キャッシュ・オプションを構成できます。
管理者は次のWLSTコマンドを使用して、プロファイル・キャッシュ・オプションを設定できます。
setProfileCacheNumberOfObjects
setProfileCacheTimeToLive
コマンド構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のWebCenter Portalアイデンティティ・ストアに関する項を参照してください。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
WebCenter Portal管理者はWebCenter Portal管理を使用して、プロファイル・キャッシュ・オプションを設定することもできます。
管理者としてWebCenter Portalにログインします。
「管理」をクリックします。
「構成」タブをクリックします。
「サービス」ページをクリックします。
「サービスとプロバイダ」で「ピープル・コネクション」をクリックします。
「プロファイル」タブをクリックします。
プロファイル・キャッシュ設定で、必要に応じて、「キャッシュに保持するプロファイル・オブジェクトの数」と「プロファイル・オブジェクトをキャッシュに保持する時間」を設定します。