Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B72085-02 |
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この章では、Oracle WebCenter Portalアプリケーションで使用されるメール・サービスを構成および管理する方法について説明します。また、アプリケーション・リソースから直接メールを送信できる「メール送信」機能の構成方法についても説明します。
WebCenter Portalアプリケーションのバックエンド・サービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してください。デプロイ後にWebCenter Portalアプリケーションに加えた変更は、MDSメタデータにカスタマイズとして格納されます。第1.3.5項「WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」を参照してください。
注意: Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行ったメール・サービスの構成の変更は動的ではありません。変更を有効にするには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。 |
対象読者
この章の内容は、Fusion Middleware管理者(Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してAdmin
またはOperator
ロールを付与されたユーザー)を対象としています。第1.8項「管理操作、ロールおよびツールの理解」も参照してください。
WebCenter Portalでは、Microsoft Exchange Serverや、IMAP4およびSMTPをサポートするすべてのメール・サーバーをサポートしています。ユーザーがWebCenter Portalアプリケーション内でメールにアクセスし、読取り、返信、転送といった基本的な操作を実行できるようにするには、まず、適切なメール・サーバーをWebCenter Portalアプリケーションに登録する必要があります。メール・サービスは事前には構成されていません。
複数のメール・サーバー接続に登録できます。
WebCenter Portal: Spacesアプリケーションは複数のメール接続をサポートしています。アクティブとしてマークされたメール接続が、Spacesでのメール・サービスのデフォルトの接続です。すべての追加の接続は代替として提供されます。Spacesユーザーは、使用する接続をユーザー・プリファレンスで選択できます。
WebCenter Portal: Frameworkアプリケーションは、アクティブとしてマークされたメール接続1つのみを使用します。追加の接続は無視されます。
管理者は「メール送信」機能のメール・クライアントを割り当てます。この機能により、アプリケーション・リソースはメール送信アイコンから直接メールを送信できます。メール送信機能はメール・サービスを必要としません。つまり、アプリケーションでメール・サービスが構成されていなくても、ユーザーはローカルのメール・クライアントでメール通知を送信できます。
たとえば、ユーザーはお知らせのメール送信アイコンをクリックして、お知らせテキスト、作成者、作成日および場所などの情報があらかじめ入力されたメール・ウィンドウを開くことができます。これらは必要に応じて、編集したりメールに追加したりできます。メール・ウィンドウの事前入力方法は、送信側のリソースによって異なります。たとえば、Wikiからでは、メール送信によって、Wiki名、サイズ、作成者、作成日、修正者、修正日およびWikiへのURLリンクがあらかじめ入力されたメール・ウィンドウが開きます。
スペース内では、スペースのすべてのメンバーにメールを送信できます。スペースのモデレータ(およびスペースでManage Configuration
権限を付与されたすべてのユーザー)が、管理者設定の「サービス」ページでこれを設定します。
受信者数が多すぎてアドレスをあらかじめ入力できない場合は、アドレスを手動で入力するか、スペースの配信リストを設定する必要があります。あるいは、管理者は各スペースのメール・サーバーでアカウントを作成(たとえば、「スペース<名前>モデレータ」)し、すべてのスペース・メンバーにメールを送信できます。
Spacesアプリケーションのすべてのメール送信通知において、Microsoft Outlook、Mozilla Thunderbirdなどのローカル・メール・クライアント、またはWebCenter Portalポータル独自のメール・サービスを使用できます。ローカル・メール・クライアントがデフォルトです。
注意: 一部のブラウザでは、英語以外のほとんどの言語でメール送信通知が文字化けします。マルチバイト文字をエンコードするとき(「mailto:」プロトコルで必要)には、URLの長さがブラウザの上限を超えます。回避策として、ローカル・メール・クライアントではなく、WebCenter Portalのメール・サービスを使用するようにメール送信機能を構成します。 |
管理者として、ユーザーがデフォルトのメール・クライアント設定を上書きできるかどうかを指定することもできます。
メール通知の送信の使用に関する詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのメール送信機能の概要に関する項を参照してください。
この項では、ロードマップを構成プロセスにおける管理者のガイドとして使用します。
ロードマップ: Frameworkアプリケーションのメール・サービスの構成
図17-1と表17-1に、Frameworkアプリケーションでメール・サービスを動作させるための前提条件と必要な作業の概要を示します。
表17-1 Frameworkアプリケーションのメール・サービスの構成
担当者 | タスク | サブタスク |
---|---|---|
管理者 |
1. WebCenter Portalと、メール・サービスのバックエンド・コンポーネントをインストールします |
1.a Microsoft Exchange 2007および2010のみは、次の追加の構成手順に従ってください |
開発者 |
2. メール・サービスをFrameworkアプリケーションに統合します |
2.a JDeveloperでメール・サーバーとの接続を構成します(メール・サーバーを外部アプリケーションに関連付けます) |
2.b JDeveloperでメール・タスク・フローをページに追加します |
||
開発者または管理者 |
3. 次のいずれかのツールを使用して、Frameworkアプリケーションをデプロイします
|
|
開発者または管理者 |
4. (オプション)次のいずれかのツールを使用して接続パラメータを追加または変更します
|
|
エンド・ユーザー |
5. メール・タスク・フローで「メールにログイン」をクリックし、メール・サーバーのログイン資格証明を入力してメールにアクセスします |
ロードマップ: Spacesアプリケーションのメール・サービスの構成
図17-2と表17-1に、Spacesでメール・サービスを動作させるための前提条件と必要な作業の概要を示します。
表17-2 Spacesアプリケーションのメール・サービスの構成
担当者 | タスク | サブタスク |
---|---|---|
管理者 |
1. WebCenter Portalと、メール・サービスのバックエンド・コンポーネントをインストールします |
1.a Microsoft Exchange 2007および2010のみは、次の追加の構成手順に従ってください |
2. 次のいずれかのツールを使用してSpacesとメール・サーバー間の接続を構成します(メール・サーバーを外部アプリケーションに関連付けます)
|
||
エンド・ユーザー |
3. Spacesページでメール・タスク・フローを追加します |
|
4. 次のいずれかの方法でメールにアクセスします
|
WebCenter Portalでは、スペース配信リストをSpaces (またはWebCenter Portal: Spacesのスペース管理を利用するFrameworkアプリケーション)で作成および管理できます。この機能は、Microsoft Exchangeでのみサポートされます。
スペース配信リストは、スペースが作成されるたびに自動的に作成されます。LDAPベースDN (サポートされるLDAPベースDNは1つのみ)が変化せず、Microsoft Exchange Active Directory上に作成されたユーザーがWebCenter Portalアプリケーションで使用されるアイデンティティ・ストアに作成されたユーザーに対応している場合、スペースに追加されたユーザーは対応するスペース配信リストに自動的に追加され、スペースから削除されたユーザーは対応するスペース配信リストから自動的に削除されます。この機能を無効化するには、LDAP (Active Directory)サーバーの詳細をメール接続に入力しないでください。
詳細は、第17.4.1項「Fusion Middleware Controlを使用したメール・サーバーの登録」の手順7を参照してください。
メール・サーバーでのユーザーの追加の詳細は、メール・サーバーの製品ドキュメントを参照してください。WebCenter Portalアプリケーションのアイデンティティ・ストアへのユーザーの追加の詳細は、第30.3項「組込みLDAPアイデンティティ・ストアへのユーザーの追加」を参照してください。
構成の前提条件があるメール・サーバーは、Microsoft Exchange 2007およびMicrosoft Exchange 2010のみです。他のメール・サーバー(Microsoft Exchange 2003を含む)を使用している場合は、この項の以降の部分を飛ばしてかまいません。
Microsoft Exchange Server 2007またはExchange Server 2010の証明書をWebCenter Portalキーストアに追加する必要があります。これには、次の手順が必要になります。
証明書をインポートしたら、サーバーを再起動します。
ご使用のメール・サーバーのインストール管理者から証明書を取得します。この項では、Microsoft Exchange Serverから証明書を取得する方法の1つを説明します。
Microsoft Exchange Server 2007または2010から証明書を取得する手順は次のとおりです。
ブラウザを開き、次のコマンドを使用してIMAPサーバーに接続します。
https://host_name/owa
host_name
はMicrosoft Exchange Serverのホスト名です。
ページにカーソルを置いて、右クリックし、「プロパティ」を選択します。次に、「証明書」をクリックします。
ポップアップ・ウィンドウで「詳細」タブをクリックし、「ファイルにコピー...」をクリックします。
必ずDER encoded binary (X.509)形式を使用して、ファイルにコピーしてください。
.DER形式の証明書を.PEM形式に変換します。
注意: WebLogicは.PEM形式のみを認識します。 |
Firefox 3.0以降を使用すると、証明書を.PEM形式で直接ダウンロードできます。それ以外のブラウザの場合、WebLogic Serverのder2pem
ツールを使用して.PEM形式に変換してください。der2pem
の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンスを参照してください。
ダウンロードした証明書をキーストアにインポートします。通常、キーストアはJAVA_HOME
にあるcacerts
という名前のファイルです。次に例を示します。
keytool -import -alias imap_cer -file cert_file.cer -keystore cacerts -storepass changeit
cert_file
は、ダウンロードした証明書ファイルの名前です。標準インストールでは、JAVA_HOME
は次の場所にあります。
/scratch/wcinstall/ps2/1225/wlshome/jrockit_160_17_R28.0.0-616
キーストアへの証明書の追加の詳細は、第32.4.2.1.3項「証明書の構成とエクスポート」を参照してください。
サーバーを再起動します。
IMAPポートは993で、secured=trueです。SMTPポートは587で、secured=trueです。
(Microsoft Exchange Server 2005では465を使用していました。)
次のエラーが表示される場合は、ドメイン起動ファイルsetDomainEnv.sh
内のトラスト・ストアのエントリを変更する必要があります。
Caused by: java.io.IOException: Keystore was tampered with, or password was incorrect at sun.security.provider.JavaKeyStore.engineLoad(JavaKeyStore.java:771) at sun.security.provider.JavaKeyStore$JKS.engineLoad(JavaKeyStore.java:38) at java.security.KeyStore.load(KeyStore.java:1185) at com.sun.net.ssl.internal.ssl.TrustManagerFactoryImpl.getCacertsKeyStore (TrustManagerFactoryImpl.java:202) at com.sun.net.ssl.internal.ssl.DefaultSSLContextImpl.getDefaultTrustManager (DefaultSSLContextImpl.java:70)
このエントリを変更する手順は次のとおりです。
WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーをシャットダウンします。
次にある、ドメイン起動スクリプトsetDomainEnv
を編集します。
UNIX: DOMAIN_HOME/bin/setDomainEnv.sh
Windows: DOMAIN_HOME\bin\setDomainEnv.cmd
次のように、Javaプロパティを追加します。
-Djavax.net.ssl.trustStore=<path to truststore> -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=<truststore password>
次に例を示します。
set JAVA_PROPERTIES=
-Dplatform.home=%WL_HOME% -Dwls.home=%WLS_HOME% -Dweblogic.home=%WLS_HOME%
-Djavax.net.ssl.trustStore=C:\jive\mailtool\jssecacerts
-Djavax.net.ssl.trustStorePassword=changeit
管理対象サーバーを再起動します。
詳細は、第34.8項「SSLを使用したSpacesからIMAPおよびSMTPへの接続の保護」を参照してください。
注意: LDAPがセキュア・モードで実行するように構成されている場合は、 |
WebCenter Portal: Spacesでは、メール・サービスでスペース配信リストの自動管理を実現するために、Microsoft Exchangeメール・サーバー接続が必要です。
複数のメール・サーバー接続を登録できます。新しいメール接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。
この項の内容は次のとおりです。
メール・サーバーをWebCenter Portalアプリケーションに登録する手順は次のとおりです。
Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。
次のいずれかを実行します。
Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」→「サービス構成」を選択します。
Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。
「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。
新規のメール・サーバーに接続するには、「追加」をクリックします(図17-3)。
この接続の一意の名前を入力し、この接続をアプリケーションのアクティブな(またはデフォルトの)接続にするかどうかを指定します(表17-3)。
表17-3 メール・サーバー接続: 名前
フィールド | 説明 |
---|---|
名前 |
接続の一意の名前を入力します。名前は、WebCenter Portalアプリケーションのすべての接続タイプにおいて一意である必要があります。 |
アクティブな接続 |
この接続をメール・サービスのデフォルトの(またはアクティブな)接続にするかどうかを指定します。 複数のメール・サーバー接続に登録できます。
|
メール・サーバーの接続の詳細を入力します(表17-4)。
フィールド | 説明 |
---|---|
IMAPホスト |
IMAP (Internet Message Access Protocol)サービスが実行されているコンピュータのホスト名を入力します。 |
IMAPポート |
IMAPサービスがリスニングするポートを入力します。 |
IMAP保護 |
IMAPを介する受信メールに保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。 |
SMTPホスト |
SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)サービスが実行されているコンピュータのホスト名を入力します。 |
SMTPポート |
SMTPサービスがリスニングするポートを入力します。 |
SMTP保護 |
SMTPを介する送信メールに保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。 |
関連付けられている外部アプリケーション |
メール・サーバーを外部アプリケーションに関連付けます。ユーザーをIMAPおよびSMTPサーバーに対して認証するために、外部アプリケーションの資格証明情報が使用されます。メール・サービスでは、IMAPとSMTPの両方に対するユーザーの認証に同じ資格証明を使用します。 リストから既存の外部アプリケーションを選択することも、「新規作成」をクリックして新規の外部アプリケーションを構成することもできます。詳細は、第26章「外部アプリケーションの管理」を参照してください。 メール・サービスの外部アプリケーションでは、
これらのプロパティは、特定のメール・アドレスが外部アプリケーションとメール・サーバーで同じであることを保証します。これらのプロパティはメール接続に追加され、メール・サービスで「送信元」、「表示名」および「返信先」の各フィールドに使用されます(図17-4)。 WebCenter Portalアプリケーションで、要求時にユーザーID情報をメール送信する機能を備えた自己登録ページを用意している場合、ここで選択した外部アプリケーションに対してパブリック資格証明が構成されていることを確認してください。パブリック資格証明が定義されていない場合、要求時にユーザーにメールが送信されません。たとえば、Spacesアプリケーションでは、デフォルトの自己登録ページでこの機能を提供しています。 |
スペース配信リストを管理するActive DirectoryサーバーのLDAP接続の詳細を指定します(表17-5)。
この項は、Spaces (またはスペース管理機能を利用するFrameworkアプリケーション)に適用されます。WebCenter Portalアプリケーションは、配信リストをActive Directoryサーバーで管理するMicrosoft Exchangeをサポートしています。
注意: 配信リストをSpacesで動作させるには、Active Directoryサーバーの詳細をメール接続の一部として指定する必要があります。 |
表17-5 LDAPディレクトリ・サーバーの構成パラメータ
フィールド | 説明 |
---|---|
LDAPホスト |
LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)ディレクトリ・サーバーが実行されているコンピュータのホスト名を入力します。 |
LDAPポート |
LDAPディレクトリ・サーバーがリスニングするポートを入力します。 |
LDAPベースDN |
LDAPスキーマのベース識別名を入力します。例: |
LDAPドメイン |
配信リスト名の後ろに追加するドメインを入力します。 たとえば、このドメイン値を |
LDAP管理ユーザー |
LDAPディレクトリ・サーバー管理者のユーザー名を入力します。 LDAPスキーマにエントリを作成する権限のある有効なユーザーを指定してください。 |
LDAP管理パスワード |
LDAPディレクトリ・サーバー管理者のパスワードを入力します。 このパスワードは保護されたストアに格納されます。 |
LDAPデフォルト・ユーザー |
モデレーション機能を付与するユーザー名のカンマ区切りリストを入力します。これらのユーザーは、作成されるすべてのスペース配信リストのメンバーになります。ここで指定するユーザーは、( |
LDAP保護 |
WebCenter PortalアプリケーションとLDAPディレクトリ・サーバー間に保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。 |
メール・サーバー接続の拡張オプションを入力します(表17-6)。
オプションとして、メール・サーバー接続にパラメータを追加できます(表17-7)。
表17-7 追加のメール接続プロパティ
追加の 接続プロパティ |
説明 |
---|---|
|
接続で使用するキャラクタ・セット。 デフォルトのキャラクタ・セットはUTF-8です。ISO-8859-1などの別のキャラクタ・セットを使用する場合は、charset接続プロパティを設定します。 |
各種のIMAPプロパティ |
任意の有効なIMAP接続プロパティ。例: 有効なプロトコル・プロパティのリストは、メール・サーバーのドキュメントを参照してください。標準IMAPプロパティのリストは、Java Mail APIを参照してください。
|
各種のSMTPプロパティ |
任意の有効なSMTP接続プロパティ。例: 有効なプロトコル・プロパティのリストは、メール・サーバーのドキュメントを参照してください。標準SMTPプロパティのリストは、Java Mail APIを参照してください。
|
メール・サーバーとの接続に追加のパラメータが必要な場合は、「追加プロパティ」を開き、必要な詳細を入力します(表17-8「メール接続: 追加プロパティ」を参照)。
表17-8 メール接続: 追加プロパティ
フィールド | 説明 |
---|---|
追加 |
「追加」をクリックして、追加の接続パラメータを指定します。
|
削除 |
「削除」をクリックして、選択したプロパティを削除します。 「削除」をクリックする前に、正しい行を選択します。 注意: OKをクリックするまで、削除された行は無効として表示されます。 |
「OK」をクリックして、この接続を保存します。
新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。
WLSTコマンドのcreateMailConnection
を使用すると、メール・サーバー接続を作成できます。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のcreateMailConnectionに関する項を参照してください。
WLSTコマンドのsetMailConnectionProperty
を使用すると、外部アプリケーションを介して必要な追加コマンドを追加できます。メール・サービスの外部アプリケーションでは、認証方式=POSTを使用する必要があります。また、一部のメール・ヘッダー・フィールドをカスタマイズできます(「ユーザーに表示」が有効の場合)。次に例を示します。
setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.emailAddress', value='john.doe@example.com') setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.displayName', value='John Doe') setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.replyToAddress', value='feedback@example.com')
各要素の意味は次のとおりです。
mail.user.emailAddress
= 電子メール・アドレス(メールの送信元)
mail.user.displayName
= 自分の名前(メールの表示名)
mail.user.replyToAddress
= 返信先アドレス(メールに返信するときのアドレス)
これらのプロパティは、特定のメール・アドレスが外部アプリケーションとメール・サーバーで同じであることを保証します。これらのプロパティはメール接続に追加され、メール・サービスで「送信元」、「表示名」および「返信先」の各フィールドに使用されます。WebCenter Portalアプリケーションで、要求時にユーザーID情報をメール送信する機能を備えた自己登録ページを用意している場合、ここで選択した外部アプリケーションに対してパブリック資格証明が構成されていることを確認してください。パブリック資格証明が定義されていない場合、要求時にユーザーにメールが送信されません。たとえば、Spacesアプリケーションでは、デフォルトの自己登録ページでこの機能を提供しています。
コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionPropertyに関する項を参照してください。
新規のメール・サーバー接続をデフォルトの接続として使用するようにメール・サービスを構成するには、default=true
を設定します。詳細は、第17.5.2項「WLSTを使用したアクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択」を参照してください。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
注意: 新しい接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド・ラインを使用したWebLogic管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。 |
WebCenterアプリケーションには複数のメール・サーバー接続を登録できますが、デフォルトの接続として指定できる接続は1つのみです。デフォルトの接続は、次の項目のバックエンド・メール・サーバーとなります。
メール・タスク・フロー
スペース配信リスト
「メールの送信」アイコンがあるすべての場所
この項の内容は次のとおりです。
デフォルトの接続を変更する手順は次のとおりです。
Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。
次のいずれかを実行します。
Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」→「サービス構成」を選択します。
Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。
「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。
「メール・サーバーの管理」表に、現在のアクティブな接続(ある場合)が示されます。
アクティブな(またはデフォルトの)接続にする接続を選択し、「編集」をクリックします。
「アクティブな接続」チェック・ボックスを選択します。
「OK」をクリックして、接続を更新します。
新しいデフォルトの接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。
WLSTコマンドのsetMailConnection
をdefault=true
で使用して、既存のメール・サーバー接続をメール・サービス用のデフォルトの接続にします。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionに関する項を参照してください。
デフォルト引数をtrue
からfalse
に変更しても、その接続がメール・サービス用のデフォルトの接続でなくなることはありません。
メール・サーバー接続を無効にするには、その接続を削除するか、別の接続を「アクティブな接続」にするか、またはremoveMailServiceProperty
コマンドを使用します。
removeMailServiceProperty(appName='webcenter', property='selected.connection')
このコマンドを使用すると、接続の詳細は保持されますが、この接続はアクティブな接続として示されなくなります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のremoveMailServicePropertyに関する項を参照してください。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
注意: アクティブな接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド・ラインを使用したWebLogic管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。 |
更新したメール接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。
この項の内容は次のとおりです。
メール・サーバー接続の詳細を更新する手順は、次のとおりです。
Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。
次のいずれかを実行します。
Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」→「サービス構成」を選択します。
Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。
「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。
接続名を選択し、「編集」をクリックします。
必要に応じて接続の詳細を編集します。パラメータの詳細は、表17-4「メール・サーバーの接続パラメータ」を参照してください。
「OK」をクリックして、変更を保存します。
更新した接続の詳細の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。
WLSTコマンドのsetMailConnection
を使用して、既存のメール・サーバー接続の詳細を編集します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionに関する項を参照してください。
メール・サーバーとの接続に追加のパラメータが必要な場合は、setMailConnectionProperty
コマンドを使用します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailConnectionPropertyに関する項を参照してください。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
注意: 更新した接続の使用を開始するには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のコマンド・ラインを使用したWebLogic管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。 |
メール・サーバー接続はいつでも削除できますが、アクティブな(またはデフォルトの)接続を削除する際は注意が必要です。メール・タスク・フローはバックエンド・メール・サーバーを必要とするため、アクティブな接続を削除すると機能しなくなります。
接続を削除するとき、メール・サーバー接続に関連付けられている外部アプリケーションの目的がこの接続をサポートすることのみであれば、その外部アプリケーションを削除することを考慮してください。詳細は、第26.5項「外部アプリケーション接続の削除」を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
メール・サーバー接続を削除する手順は、次のとおりです。
Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalアプリケーションのホームページに移動します。詳細は、次を参照してください。
次のいずれかを実行します。
Spacesアプリケーションの場合: 「WebCenterポータル」メニューから、「設定」→「サービス構成」を選択します。
Frameworkアプリケーションの場合: 「アプリケーションのデプロイ」メニューから、「WebCenterポータル」→「サービス構成」を選択します。
「WebCenter Portalサービス構成」ページのサービスのリストから、「メール・サーバー」を選択します。
接続名を選択し、「削除」をクリックします。
この変更を有効にするには、WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。
注意: 管理対象サーバーを再起動する前に、他の接続をアクティブとしてマークしてください。そうしないとサービスが無効になります。 |
WLSTコマンドのdeleteConnection
を使用して、メール・サーバー接続を削除します。コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のdeleteConnectionに関する項を参照してください。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
WLSTコマンドのsetMailServiceProperty
を使用して、メール・サービスのデフォルトを設定します。
address.delimiter
: 複数のメール・アドレスの区切りに使用するデリミタを定義します。デフォルトではカンマが使用されます。
メール・サーバーによっては、姓, 名という形式のメール・アドレスを必要とするものがあります。その場合、セミコロンが必要です。
mail.emailgateway.polling.frequency
: 新着メールがないかどうかスペース配信リストが確認される間隔(秒)。デフォルトは1800秒(30分)です。
スペース配信リストによるメール通信は、ディスカッション・フォーラム投稿としてディスカッション・サーバー上で公開できます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのディスカッション・フォーラムでのスペース・メールの公開に関する項を参照してください。
mail.messages.fetch.size
: メール受信ボックスに表示する最大のメッセージ数。
resolve.email.address.to.name
: LDAPが構成されている場合に、ユーザー・メール・アドレスをWebCenter Portalのユーザー名に解決するかどうかを指定します。有効な値は、1
(true
)および0
(false
)です。デフォルト値は0
です。
1
に設定すると、電子メール・アドレスのかわりにWebCenter Portalのユーザー名がメール・タスク・フローに表示されます。
メール・サービスが電子メール・アドレスを提供したとき、プレゼンス情報を取得できないため、インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サービスがユーザー名を使用してプレゼンス・ステータスを取得する必要がある場合は、このプロパティを1
に設定します。この値を1
に設定すると、アプリケーションのパフォーマンスに影響します。したがって、このプロパティを設定するときには、この点を考慮してください。
mail.recipient.limit
: 受信者数をメッセージに制限します。たとえば、この値を「500」に設定すると、受信者数が500に制限されます。
コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailServicePropertyに関する項を参照してください。
WLSTコマンドの実行方法の詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。
Thunderbird、Outlookなどの任意のクライアントを使用してメール・サーバーに接続することによって、メール・サーバーが稼働していることを確認します。
Microsoft Exchangeの場合、「Administrative Tools」→「Services」に移動して、次のサービスが実行中(「Status」が「Started」)であることを確認します。
Microsoft Exchange IMAP4
簡易メール転送プロトコル(SMTP)
問題
セキュア・モードで動作するようにメール・サービスを構成したが、メール・サービスにアクセスできない。
解決策
次のことを確認します。
IMAPおよびSMTPポートが正しく指定されている。第17.4項「メール・サーバーの登録」を参照してください。
メール・サーバーで次のプロパティがtrue
に設定されている。
mail.imap.secured = true
mail.smtp.secured = true
問題
非セキュア・モードで動作するようにメール・サービスを構成したが、メール・サービスにアクセスできない。
解決策
次のことを確認します。
IMAPおよびSMTPポートが正しく指定されている。第17.4項「メール・サーバーの登録」を参照してください。
メール・サーバーで次のプロパティがfalse
に設定されている。
mail.imap.secured = false
mail.smtp.secured = false
問題
非セキュア・モードで、つまりLDAPサーバーでSSLが構成されていない状態でスペース配信リストを作成できない。
解決策
メール・サーバーが再インストールされていないか、またはユーザーが削除されていないか確認します。また、LDAPサーバーで、次のパラメータが非セキュア・モードで正しく構成されていることを確認してください。
ldapHost
defaultUser
ldapAdminPassword
ldapBaseDN
ldapPort
第17.4項「メール・サーバーの登録」を参照してください。
問題
セキュア・モードで、つまりLDAPサーバーでSSLが構成された状態でスペース配信リストを作成できない。
解決策
メール・サーバーが再インストールされていないか、またはユーザーが削除されていないか確認します。また、LDAPサーバーで、次のパラメータがセキュア・モードで正しく構成されていることを確認してください。
ldapHost
defaultUser
ldapAdminPassword
ldapBaseDN
ldapPort
ldap.connection.secure, 'true'
問題
各ユーザーの受信ボックスにダウンロードするメールの件数を構成できない。
解決策
WLSTコマンドのsetMailServiceProperty
を使用します。たとえば、メール・クライアントから100件のメールをダウンロードする場合は、次の例のようにmail.messages.fetch.size
パラメータに100
を指定します。
setMailServiceProperty(appName='webcenter', property='mail.messages.fetch.size', value='100')
コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsetMailServicePropertyに関する項を参照してください。
問題
スペース・メールをアーカイブできない。
解決策
アーカイブできない場合、次のことを確認してください。
WebCenter Portal: Spacesで「管理」→「構成」→「サービス」→「ディスカッション」に移動します。必要な構成が正しいかどうかを確認します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのディスカッション・フォーラムでスペース・メールの公開に関する項を参照してください。
ここで構成されているユーザー・アカウントが配信リストのメンバーであるかどうかを確認します。
特定のスペースについて、構成されているフォーラムがディスカッション・サーバーで使用できるかどうかを確認します。Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのディスカッション・フォーラムでのスペース・メールの公開に関する項を参照してください。
配信リストにメールを送信するユーザーがディスカッション・サーバーで使用できるかどうか、またそのユーザーのメール・アドレスが同じかどうかを確認します。
問題
複数のユーザーがMicrosoft Exchangeに同じユーザー名とパスワードでログオンし、1人のユーザーがパスワードを変更した場合、すべてのユーザーがログオフするまで元のパスワードは引き続き有効です。
たとえば、ユーザーmontyの現在のパスワードがMyPassword1とします。AとBの2人のユーザーが別々のクライアントからWebCenter PortalまたはMicrosoft Exchangeのいずれかを使用してログオンします。2人ともmonty/MyPassword1でログオンし、2人ともメールを閲覧できます。ここで、ユーザーAがMicrosoft Exchangeのパスワードをoracle1に変更します。この時点では、パスワードoracle1を使用するユーザーとパスワードMyPassword1を使用するユーザーが存在するため、どちらのパスワードも有効です。したがって、別のユーザーがmonty/MyPassword1でログオンして引き続きメールを閲覧できます。
解決策
元のパスワードを使用する既存のユーザー全員がログオフすると、新しいパスワードが有効になります。それまでは、両方のパスワードを使用してログオンできます。
問題
Frameworkアプリケーションでメールを受信したとき、メッセージの内容がメッセージ本文内ではなく、添付ファイル(content.html
)として表示される。この現象が発生する可能性があるのは、メール・サーバーでMicrosoft Exchange Server 2007が実行されており、「Exchange Server 2007の更新プログラムのロールアップ3」がまだインストールされていない場合です。
解決策
「Exchange Server 2007の更新プログラムのロールアップ3」をダウンロードしてインストールすると、この問題を解消できます。詳細は、http://support.microsoft.com/kb/930468
を参照してください。