Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.7.0) B72923-01 |
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この章は、ポートレットの概要を示しています。内容は次のとおりです。
対象読者
この章は、ポートレットと、Oracle WebCenter Portalへのポートレットの統合方法について学ぶユーザーを対象としています。
ポートレットとは、様々なソースからコンテンツを引き出せる、再利用可能なWebコンポーネントです。ポートレットは、複数のソースからデータを有効かつ関連性のある形で表示する手段を提供します。ポートレットでは、他のWebサイトからの引用の表示、主な情報のサマリーの生成、検索の実行、および様々なデータソースから収集した情報へのアクセスが可能です。異なるポートレットを共通のページに配置できるので、コンテンツが複数のソースから派生する場合でも、1つのソースから受け取る場合のように操作できます。
図28-1は、WebCenterポータル・アプリケーションのページにある、サンプルのLotteryポートレットを示しています。同じポートレットでも、別のアプリケーションで表示すると、ポートレットのスタイルの定義方法に応じて外観が異なることに注意してください。
次のリストでは、ポートレットに表示される可能性のある要素のいくつかを説明します。表示される要素は、ポートレットを使用するアプリケーションに応じて異なります。
ポートレット・クロム。 ヘッダー、枠線、サイズ変更ハンドルおよびアイコンなど、ポートレットを取りまく視覚的要素のコレクションです。
ポートレット・ヘッダー。 ポートレットの領域で、ポートレットのタイトルと、ポートレットとのやりとりを可能にするアイコンを表示します。ポートレットをページに追加したユーザーが、ポートレット・ヘッダーを表示しないことを選択した可能性があります。
ポートレット・タイトル。 ポートレット・ヘッダー内のテキストで、ポートレットの用途を示します。このタイトルをパーソナライズして、特定の用途について、よりわかりやすくすることが可能です。
「最小化/展開」アイコン。 ポートレット・ヘッダーのアイコンです。「最小化」アイコンをクリックすると、ポートレットのコンテンツが折りたたまれ、ポートレット・ヘッダーのみが表示されます。これによりページのスペースが縮小し、ポートレットをページから完全に削除しなくても、クラッタが減少します。ポートレットを最小化すると、アイコンは「展開」アイコンになり、クリックするとコンテンツが再度表示されます。
「パーソナライズ」アイコン。 ポートレット・ヘッダーのアイコンです。「パーソナライズ」アイコンをクリックすると、ユーザーはポートレットをパーソナライズできます(つまり、そのユーザーの表示のみを変更できます)。
「カスタマイズ」アイコン。 ポートレット・ヘッダーのアイコンです。「カスタマイズ」アイコンをクリックすると、ユーザーはポートレットをカスタマイズできます(つまり、全員の表示を変更できます)。
「アクション」アイコン。 ポートレット・ヘッダーのアイコンです。「アクション」アイコンをクリックすると、「アクション」メニューが表示されます。
「アクション」メニュー。 ポートレットで実行できる、様々なその他のアクションが一覧表示されます。アクションは、ログインしているかどうか、持っている権限、ポートレットのロジック、およびページでのポートレットの配置方法の詳細に応じて異なります。アクションには、「最大化」、「復元」、「リフレッシュ」および「上へ移動」または「下へ移動」があります。ポートレットで「ヘルプ」や「バージョン情報」などのモードを使用できる場合は、それらも「アクション」メニューに一覧表示されます。
ポートレットをページに追加したユーザーがポートレット・ヘッダーを表示しない選択をした場合、「アクション」メニューは、マウス・ポインタを置くと表示されるフェード・イン/フェード・アウト・ツールバーに表示されます。
サイズ変更ハンドル。 ポートレットを大きく、または小さくすることが可能です。
ポートレット・コンテンツ。 ポートレットの開発者が決定した、ポートレットの実際のコンテンツです。
ポートレットの外観は、ポートレットの開発者が記述したポートレット自体の内部ロジック、ポートレットをページに追加したユーザーが指定した属性、および各ユーザーのパーソナライズで決定されます。たとえば、ポートレットの開発者は、ポートレット作成時に、ユーザーがポートレットを実行時にパーソナライズできるかどうかを決定できます。ポートレットをページに追加するユーザーは、パーソナライズ・オプションを「アクション」メニューに表示するかどうかを決定できます。実行時にユーザーは、コンテンツがページに表示されないように、ポートレットを最小化できます。
アプリケーションにポートレットが含まれており、ログインしている状態の場合、ユーザーはポートレットを編集して、表示したい情報を個人的に表示させることができます(これをパーソナライズといいます)。ポートレットをパーソナライズするには、ポートレット・ヘッダーの「パーソナライズ」アイコンをクリックします。実行できるパーソナライズは、ポートレット開発者のポートレットの設計方法に応じて異なります。ポートレットは非表示にすることも、ページから完全に削除することもできます。この変更は自分のみに適用されることに注意してください。ポートレットを削除しても、他のユーザーがそのページを表示する際には、そのポートレットが表示されます(そのユーザーが自分で削除しないかぎり)。
適切な権限がある場合は、全ユーザーに対するポートレットの表示方法も編集できます(これをカスタマイズといいます)。ポートレットをカスタマイズするには、ポートレット・ヘッダーの「カスタマイズ」アイコンをクリックします。変更内容がすべてのユーザーに表示されます。
WebCenterポータル・アプリケーションのページを編集する適切な権限がある場合は、そのページにポートレットを追加できます。
追加できるポートレットは、アプリケーションで登録されたポートレット・プロデューサに応じて異なります。ポートレット・プロデューサとは、ポートレットを所有し、アプリケーションで使用できるようにするオブジェクトです。特定のポートレットをページに追加する必要があるが、そのポートレットがリソース・カタログで見つからない場合、関連するプロデューサがアプリケーションで登録されていない可能性があります。適切な権限がある場合は、WebCenter Portal管理を使用して、ポートレット・プロデューサを登録できます。
ポートレット・プロデューサを登録する権限がない場合は、WebCenterポータル・アプリケーションの管理者に、プロデューサの登録を依頼する必要があります。
注意: Oracle WebCenter Portal: Spacesでは、移動可能ボックス・コンポーネントにポートレットを追加しないでください。移動可能ボックス・コンポーネントは、ポートレットにデフォルトで用意されている |
使用可能なポートレットには、いくつか異なる種類があります。ポートレットは、オラクル社およびサード・パーティが提供する事前作成されたポートレット、社内開発者が作成したポートレット、および自分で作成できるポートレットの3つのカテゴリに分けられます。ただし、使用できるのは、WebCenterポータル・アプリケーションの管理者がアプリケーションに登録したポートレットのみです。ポートレットをページに追加する場合は、ポートレットのカテゴリと作成方法は無関係です。すべてのポートレットがリソース・カタログに一覧表示され、ページに含めることができます。
この項の内容は次のとおりです。
事前作成されたポートレットには、パートナ・ポートレットと統合ソリューションが含まれます。
パートナ・ポートレットは、一流のシステム・インテグレータ、ソフトウェア・ベンダーおよびコンテンツ・プロバイダとオラクル社のパートナシップを通じて入手できます。これらのポートレットには、次のOracle PartnerNetwork (OPN)ソリューション・カタログを検索する際、portal
またはportlet
のキーワードを使用してアクセスできます。
ここに示す例には、次の目的のポートレットが含まれています。
2地点間の運転案内の生成
幅広く様々なソースのIT情報へのアクセス
ニュース、株式および天気についての概要情報の表示
特定のポートレットがアプリケーションで役立つと考えられる場合は、WebCenterポータル・アプリケーションの管理者に、適切なプロデューサの登録を依頼します。
JSFポートレットは、既存のJSFアプリケーションおよびタスク・フローをJSR 286ポートレットとして公開します。これらは、Oracle JSF Portlet Bridgeを使用して作成されています。Oracle JSF Portlet Bridgeを使用すると、JSFアプリケーションとOracle PortalなどのWSRPポートレット・コンシューマとの統合が簡単になります。開発者は、JSR 286 Javaポートレット・ウィザードまたはPortlet Bridgeデザインタイム・ウィザード(ページおよびタスク・フロー用)を使用して、Oracle JDeveloperでJSFポートレットを作成します。
JSFポートレットには、JSFアプリケーションのものとは別のソース・コードは必要ありません。これらのポートレットはOracle JSF Portlet Bridgeを使用して作成されているため、開発者はアプリケーションとポートレットの両方に対して1つのソースを保持するのみでかまいません。同様に、JSFアプリケーションがデプロイされると、JSFポートレットもデプロイされます。したがって、ブリッジを使用すると、ポートレットをアプリケーションとは別に格納、保持およびデプロイする必要がなくなります。
プログラムによるポートレットとは、デフォルトのポートレットでは満たせない特定の要件を満たすために、特定の組織専用に記述されたポートレットです。WebCenter Portal: Frameworkには、標準ベースのJSR 286ポートレットおよびOracle PDK-Javaポートレットの作成を簡単にする宣言ウィザードが2つあります。これらのウィザードは、開発者がポートレットを作成するフレームワークの構築に役立ちます。
プログラムによるポートレットの例には、次のものが考えられます。
写真アルバム・ポートレット。 ユーザーの写真のアップロード、保存および表示を簡単にするポートレット。
ショッピングカート・ポートレット。 マウス・パッド、ペン、フラッシュ・ドライブ、Tシャツなど、企業ブランド・アイテムの表示と購入を簡単にするポートレット。
プログラムによるポートレットは、Java Portlet SpecificationまたはOracle PDK-Javaに精通した、経験豊富なJava開発者が記述します。
関連項目: プログラムによるポートレットの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』を参照してください。 |
OmniPortletとは、データ公開ポートレットで、ユーザーが実行時にカスタマイズできるように、デザインタイムにアプリケーションに追加します。ページ・デザイナはウィザードを使用して、様々なデータソース(SQL、XML、Webサービス、スプレッドシート、Webページなど)から複数の異なるレイアウト(カスタム可能なチャートおよび表)にデータを公開できます。
OmniPortletでは、プロキシ認証をサポートします。これには、グローバル・プロキシ認証および各ユーザーの認証のサポートが含まれます。すべてのユーザーが管理者から提供されたユーザー名とパスワードを使用して自動的にログインするか、各ユーザーが個別のユーザー名とパスワードを使用してログインするか、またはすべてのユーザーが指定されたユーザー名とパスワードを使用してログインするかを指定できます。
次に、OmniPortletの使用例を示します。
RSSニュース・フィード・ポートレット。 ユーザーにOracle Technology NetworkヘッドラインなどのReally Simple Syndication (RSS)ニュース・フィードのニュース情報をリアルタイムにスクロール表示するポートレットを作成します。ニュース・ソースへのハイパーリンクも含めることができます。
売上げグラフ・ポートレット。 会社の売上げ結果についての最新情報を表示します。データを円グラフで表示し、売上げ情報を後で使用できるようにリモートのリレーショナル・データベースに格納することを選択できます。
Webクリッピング・ポートレットは、公開ポートレットです。使用すると、任意のWebアプリケーションをWebCenterポータル・アプリケーションと統合できます。Webアプリケーションの既存のユーザー・インタフェースを利用して統合を簡単に行うことができるように設計されています。Webクリッピング・ポートレットを使用すると、一元化されたWebページのポートレットにWebコンテンツを収集できます。Webクリッピング・ポートレットを使用して、大規模な組織全体に分散しているWebサイトのコンテンツを統合できます。
Webクリッピング・ポートレットを使用するには、Webブラウザを使用して、目的のコンテンツが含まれるWebページに移動します。Web Clipping Studioで、対象ページのビジュアル・レンダリングにドリルダウンして、目的のコンテンツを選択できます。
注意: Webクリッピング・ポートレットは、リリース11g (11.1.1.7.0)では使用しないでください。Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサのページレット・プロデューサを使用してクリッパ・ページレットを使用することを検討してください。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のOracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサの管理に関する章を参照してください。 |
パラメータ・フォームおよびパラメータ表示ポートレットを使用すると、コンポーネント間で素早く簡単に値を渡すことができます。これらは、WSRPツール・プロデューサにより提供されます。
パラメータ・フォーム・ポートレットには出力パラメータが3つあり、ポートレット内部のフォームに値が渡されると設定されます。すると、このパラメータを使用して、他のポートレットのコンテンツを実行できるようになります。必要なパラメータの数に応じてパラメータ・フォーム・ポートレットをカスタマイズして、3つのフィールドのうちでいくつをフォームに表示するかを決定できます。
パラメータ表示ポートレットを使用すると、パラメータ・フォーム・ポートレットからの結付けを素早くテストできます。ただし通常は、パラメータ・フォーム・ポートレットから渡された値を使用して、別のポートレットのコンテンツを実行します。たとえば、郵便番号を天気予報ポートレットに渡したり、株式表示記号を株価表示機ポートレットに渡したりします。
図28-2は、1つの値(郵便番号)を受け入れるようにカスタマイズされたパラメータ・フォーム・ポートレットを示しています。ユーザーが郵便番号を入力して「OK」をクリックすると、パラメータ表示ポートレットがリフレッシュされて同じ郵便番号が表示されます。