パート2:簡単なOracle ADF Desktop Integration対応Excelワークブックの開発
Oracle ADF Desktop Integrationをサポートする環境のセットアップが完了したため、このチュートリアルのパート1でインストールしたOracle ADF Fusion Webアプリケーションに統合するExcelワークブックの作成を開始する準備が整いました。
ステップ1:DepartmentsListワークブックの作成
既存のDepartmentPageページ定義に基づいて、Departmentsワークブックのリストを作成します。
  1. ナビゲータで、「ViewController」プロジェクトを右クリックして、コンテキスト・メニューから「New」→「From Gallery...」を選択します。

    New GalleryでClient Tierノードが開かれていない場合はこれを開き、「ADF Desktop Integration」を選択します。

    Itemsペインで「Microsoft Excel Workbook」を選択して、「OK」をクリックします。

    New Gallery
  2. ワークブックにDepartmentsList_src.xlsxという名前を付けます。

    公開バージョンのワークブックには、ソース・ファイルと異なる名前を付ける必要があります。ソース・ファイルと公開ワークブックを区別するための標準ネーミング規則を作成することをお勧めします。

    たとえば、ソース・ファイルの名前には、DepartmentsList_src.xlsxのように接尾辞_srcを追加し、公開するワークブックでは、DepartmentsList.xlsxのようなより分かりやすい名前を維持するようにします。

    Excel統合の作成

    OK」をクリックします。

  3. デフォルトでExcelが開き、Oracle ADF Desktop Integrationがロードされます。Page Definitionダイアログで、「ADFdi_view_DepartmentPagePageDef」ページ定義を選択します。

    OK」をクリックします。

    Page Definitionダイアログ

  4. ページ定義ファイルには、実行時にデータをOracle ADFコンポーネントに移入するバインディングが定義されます。また、ワークシートから起動されるアクション・バインディングとメソッド・アクション・バインディングも定義されます。

    Fusion Webアプリケーションに統合するそれぞれのExcelワークシートに対しては、個別のページ定義ファイルを定義します。Page Definitionダイアログには、アプリケーション内で利用可能なすべてのページ定義ファイルが一覧表示されます。このチュートリアルでは、起動用のアプリケーションであらかじめ作成された2つのページ定義ファイルのみが表示されます。
    ADFdi_view_DepartmentPagePageDefページ定義のデータ・バインディングを表示するには、Applicationsウィンドウで「DepartmentPage.jspx」を右クリックしてコンテキスト・メニューから「Go to Page Definition」を選択します。

    .jspxページ定義
  5. 新しいワークブックがナビゲータに表示されます。
    この後説明するステップで、ワークブックにコンテンツを追加します。

    アプリケーション・ナビゲータ

  6. Excelブックに戻ります。Oracle ADF Desktop Integration 12cタスク・ペインが開き、ページ定義から利用できるバインディングが表示されます。

    Oracle ADF 11g Desktop Integration

     

  7. ワークシート内の任意のセルを選択し、「Oracle ADF」タブ・オプションをクリックします。このオプションでは、Oracle ADFとExcelブックを操作できます。

    ワークシート
  8. Oracle ADF Desktop Integration 12cペインで、「Insert Binding」ボタンをクリックします。

    Select Componentダイアログ

    Select Componentダイアログで、「ADF Read-only Table」を選択し、「OK」をクリックします。

    Select Componentダイアログ

  9. Insert Component:ADF Read-only Tableダイアログで、「OK」をクリックしてデフォルト値を受け入れます。

    Insert Component: ADF Read-only Tableダイアログ
  10. Excelワークシートが表示されます。ワークシートの表示は、次のようになります。

    Excelワークシート
  11. SaveアイコンSaveアイコンをクリックしてワークブックを保存します。

    Saveオプション
  12. JDeveloperに戻り、「ViewController」プロジェクトをダブルクリックし、Project Propertiesダイアログを開きます。

    Java EE Application」ノードを選択し、Java EE Web Application NameフィールドとJava EE Web Context Rootフィールドが、両方ともADFdi_BCに設定されていることを確認します。

    これらの値は、統合されたOracle WebLogic Serverによって使用されます。

    Project Propertiesダイアログ

    OK」をクリックします。

  13. Excelに戻り、Oracle ADF Desktop Integration 12cペインで「Workbook Properties」リンクをクリックします。

    Oracle ADF 11g Desktop Integration
  14. Edit Workbook PropertiesダイアログのWebAppRootフィールドの横に、http://127.0.0.1:7101/ADFdi_BCと入力します。このURLは、ワークブックが統合されるFusion WebアプリケーションのURLを表しています。「OK」をクリックします。

    Edit Workbook Properties
  15. Excelリボンにある「Oracle ADF」タブをクリックし、「Worksheet Properties」メニュー項目を選択します。

    Excelリボンに表示されたOracle ADFタブ
  16. Events」フィールドをクリックしてから、Moreアイコン」moreボタンをクリックします。

    Edit Worksheet Properties

  17. Edit Eventsダイアログで、「Add」ボタンをクリックしてStartupイベントを追加します。

    Edit Eventsダイアログ
  18. ActionSet」ノードを開き、Actionsフィールドの横にあるMoreアイコン」moreボタンをクリックして、Edit Actionsダイアログを開きます。

    Edit Eventsダイアログ
  19. Oracle ADF Desktop Integrationアドインは多数のワークシート・イベントを提供しており、このイベントを実行することでアクション・セットを起動できます。Startupは、このようなイベントの1つです。

    このステップではStartupイベントをすでに追加してあるため、この後説明するステップでは、イベントによって起動されるアクション・セットを定義します。つまり、Startupイベントが発生したときにワークシートが何を実行するかを定義します。
  20. Edit Actionsダイアログで、「Add」ボタンをクリックしてドロップダウン・リストから「ComponentAction」を選択します。

    Edit Actionsダイアログ
  21. Actionフィールドの横にある「Moreアイコンmoreボタンをクリックします。

    Edit Actionsダイアログ
  22. Choose Component Actionダイアログで「Download」を選択します(スクリーンショットの表ID(ROT1709241693)は実際のIDとは異なります)。
    OK」をクリックします。

    Choose Component Actionダイアログ
  23. Oracle ADF Desktop Integrationアドインに含まれるADF Read-only TableコンポーネントとADF Tableコンポーネントは、Excelワークシートと統合されたFusion Webアプリケーション間のデータ転送を管理するために使用されるアクションを公開します。

    ADF Read-only Tableコンポーネントは、Downloadという1つのコンポーネント・アクションだけを公開しますが、ADF Tableコンポーネントは、他の数多くのアクションを公開します。チュートリアルのこの部分では読取り専用表をワークシートに追加したため、Choose Component Actionダイアログで利用できるコンポーネント・アクションとしてDownloadだけが提供されています。

    Downloadコンポーネント・アクションでは、Startupイベントが実行されると、ワークシートに対して自動的に表がダウンロードされます。

  24. Edit Actionsダイアログで、DesignAnnotationフィールドにDownload Dataと入力します。

    Edit Actionsダイアログ
  25. Annotationフィールドを使用すると、ワークシートでのコンポーネントの使用に関するコメントを入力できます。

    フィールドに入力したコメントが、ワークシートの動作に影響を及ぼすことはありません。これらのコメントは、コード・コメントに相当するものです。

    OK」をクリックします。Edit Eventsに戻って「OK」をクリックし、Edit Worksheet Propertiesダイアログで「OK」をクリックします。

  26. 簡単なOracle ADF Desktop Integration対応Excelワークシートの設計は、これで完了です。この後のステップでは、このワークシートをテストします。

ステップ2:DepartmentsListワークブックのテスト
ワークブックをテストするには、Oracle WebLogic Serverでアプリケーションを実行する必要があります。
  1. JDeveloperで「DepartmentPage.jspx」ノードを右クリックし、コンテキスト・メニューから「Run」を選択します。(Oracle WebLogic Serverがこのコンピュータ向けに設定されていない場合、このステップには時間がかかる場合があります。)

    アプリケーション・ナビゲータ
    WebLogicのパスワードを入力します。

    JDeveloperの新規インストール後、最初にページを実行すると、Oracle WebLogic Serverのパスワードを入力するよう要求されます。指定したパスワードを入力し、「OK」をクリックします。

    Create Default Domainダイアログ

  2. DepartmentPageに部門の情報がロードされ、表示されます。

    ブラウザ内のDepartmentPage
  3. 以上で、このページがOracle WebLogic Serverにデプロイされたため、Excelワークブックを実行できます。DepartmentsList_src.xlsxがまだ開いていない場合は、Applicationsウィンドウでダブルクリックして、Microsoft Excelで開きます。

    アプリケーション・ナビゲータ
  4. ワークブックがロードされます。Excelリボンの「Oracle ADF」タブをクリックします。

    Excelリボンに表示されたOracle ADFタブ
  5. TestグループのValidateアイコンValidateボタンをクリックし、ワークブックを検証します。問題がない場合、「Close」をクリックします。

    Validationダイアログ
  6. Runアイコン」Runボタンをクリックして、データ・ロードを開始します。

    Runボタン
  7. 部門リストが返され、ワークシートに表示されます。

    ワークシートに表示された部門リスト
  8. 好みの外観に合わせて列の幅を調整します。

    ワークシートに表示された部門リスト
  9. ExcelリボンのOracle ADFタブにあるTestグループで、「Stop」ボタンをクリックします。

    Stopボタン
  10. Excelアプリケーションを保存せずに終了します。Fusion Webアプリケーションに統合され、データベース表からデータを自動的にダウンロードする基本的なExcelワークブックの作成は、これで完了です。

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