パート3:既存のWSDLを使用したWebサービスの構築
この項では、前項で作成したWSDLを新規Webサービスのソースとして使用します。

Webサービスは、Web Service Description Language(WSDL)を使用して記述されます。WSDLファイルには、公開されるWebサービス・メソッドの定義情報が含まれます。JDeveloperのウィザードを使用してWSDLファイルを参照し、この定義を実装するために必要なすべてのクラスを作成できます。WSDLはWebサービスのスケルトン定義にすぎないため、メソッドの実装は含まれておらず、メソッド定義のみが含まれます。メソッドには後から実装コードを追加する必要があります。
ステップ1:WSDLを使用したWebサービスの作成
前述の2項では、アノテーションとウィザードを使用してWebサービスを作成しました。ここでは、既存のWSDLファイルからWebサービスを作成します。ここでは便宜上、前項で作成したWSDLファイルを使用します。
  1. 空のプロジェクトを新規に作成します。「Annotation」プロジェクト・ノードを右クリックし、「New」→「From Gallery」を選択します。New Galleryで、Categoriesリストから「General」→「Projects」を選択し、Itemsリストから「Custom Project」を選択します。「OK」をクリックします。

    new gallery

  2. プロジェクトにTopDownという名前をつけ、その他はデフォルト値のままにします。「Finish」をクリックします。

    Create Generic projectウィザード

  3. 新しく作成した「TopDown」プロジェクトを右クリックして、「New」→「From Gallery」を選択します。

    アプリケーション・ナビゲータのNew

  4. New GalleryのCategoriesリストで「Business Tier」→「Web Services」を選択します。「Java web Service from WSDL」項目を選択して、「OK」をクリックします。

    new gallery

  5. Create Java Web Service from WSDLウィザードで、「Next」をクリックしてWelcomeページを閉じます。

  6. ウィザードのSelect Deployment Platformステップで、デプロイメント・プラットフォームとしてJava EE 6, with support for JAX-WS Annotationが選択されていることを確認し、「Next」をクリックします。

    Create Java Web Service from WSDLウィザード

  7. Select Web Service Descriptionステップで、Webサービスの作成に使用するソースWSDLを指定します。「Browse」をクリックし、先ほど保存したWSDLに移動します(例:MyWebService1.wsdl)。このファイルを選択して「Select」をクリックします。

    Web Service Descriptionの選択

  8. ファイル・パスがWSDL Document URLフィールドに表示されます。「Next」をクリックします。

    wsdlドキュメントのURL

  9. Finish」をクリックしてプロセスを終了するか、または「Next」をクリックしてすべてのデフォルト・オプションを確認してから「Finish」をクリックします。次のスクリーンショットは、ウィザードの最終ページです。

    Create Java Web Service from WSDLウィザードの最終ステップ

  10. Save AllSave Allをクリックして作業内容を保存します。

  11. アプリケーション・ナビゲータにJava WebサービスとすべてのJavaファイルが表示されます。

    TopDownプロジェクトを表示したアプリケーション・ナビゲータ

  12. アプリケーション・ナビゲータで「MyWebService1.wsdl」をダブルクリックします。エディタにWSDLの設計情報が表示されます。

    Webサービスのwsdl

    Webサービスがトップダウン方式で作成されたため、ウィザードによってすべてのメソッド・ヘッダーが作成されています。メソッド本体は開発者が提供する必要があります。

  13. sayHello()メソッドがもう少し意味のある値を返すように変更します。「MyWebService1Impl.java」ファイルをダブルクリックして、エディタで開きます。

    WebサービスのJavaコード・エディタ

  14. "Hello " + arg0を返すように変更します。これにより、単語Helloとともに引数に入力された値が返されます。

    Say Helloコード

  15. Save AllSave Allをクリックして作業内容を保存します。

ステップ2:Webサービスのテスト
この項では、Webサービスのコンパイル、デプロイ、およびテストを行います。前述の項と同様に、HTTP Analyzerを使用してWebサービスのテストを行います。HTTP Analyzerを使用してWebサービスをテストする場合、サービスがコンパイルされ、統合サーバーにデプロイされます。次にアナライザが起動され、Webサービスへの値の送受信が可能になります。
  1. アプリケーション・ナビゲータで「MyWebService1」ノードを右クリックし、コンテキスト・メニューから「Test Web Service」を選択します。

    これにより、統合サーバーの起動とサービスのデプロイが行われ、HTTP Analyzerが開始されます。

    Test Web Serviceメニュー

    HTTP Analyzerエディタの上部にはWebサービスのURL、WSDL URL、および公開される操作が表示されます。

    HTTP Analyzer

  2. リクエスト領域で、arg0フィールドに<あなたの名前>を入力して、「Send Request」をクリックします。

    アナライザのリクエスト

    次に、アナライザによってサービスにリクエストが送信され、しばらくすると戻りパラメータが表示されます。

    アナライザのレスポンス

  3. エディタ内ですべてのタブを閉じ、アプリケーション・ナビゲータで「TopDown」ノードを閉じます。

    アプリケーション・ナビゲータ


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