パート6:Webサービス・データ・コントロールを使用したADFクライアントの作成

企業はWebサービスを利用することで、元のアプリケーションのプラットフォームや言語に関係なく、ビジネス機能を公開できます。ビジネス機能を公開するには、ビジネス機能を抽象化して、その他のアプリケーションが認識および使用できる標準XML構成要素からなるメッセージを作成します。Oracle ADFは、Webサービスを含む各種のビジネス・サービスまたはデータ・サービスへのアクセスに使用できるアクセス・レイヤーを提供します。

Oracle ADFを使用して開発されたアプリケーションでWebサービスを使用するためのもっとも一般的な方法は、外部Webサービス向けのデータ・コントロールを作成することです。その際の一般的な理由は、アプリケーション内で開発すると時間がかかると思われる機能がWebサービスとしてすぐに利用できる場合に、これを追加するためです。

ステップ1:Webサービス・データ・コントロールの作成

この項では、統合サーバーにデプロイしたWSDLを使用して、データ・コントロールを作成します。前述のシナリオと同様にアプリケーションは元のJavaコードを含まず、デプロイされたWSDLからデータ・コントロールを作成します。いったんデータ・コントロールを作成したら、すべてのADFクライアント・アプリケーションでこれを使用できます。

  1. アプリケーション・ナビゲータでアプリケーション名の右側にある下矢印をクリックし、メニューから「New」→「Project」を選択します。

    アプリケーション・ナビゲータ

  2. New Galleryで「Web Project」を選択して、「OK」をクリックします。

    new gallery

  3. Create Web Projectウィザードで、プロジェクトにWebClientという名前をつけます。「Next」をクリックし、もう一度「Next」をクリックします。

    Create Web Projectのステップ1

  4. Page Flow Technologyステップで「JavaServer Faces (JSF)」を選択し、「Next」をクリックします。

    Create Web Projectのステップ3

  5. Tag Librariesで、Available LibrariesからSelected Librariesに「ADF Faces Components 11」を移動します。JSF Core 2.1とJSF HTML 2.1が自動的に追加されることを確認します。

    Create Web Projectのステップ4

  6. Next」をクリックします。

    Create Web Projectのステップ5

  7. Next」、「Finish」の順にクリックします。

  8. アプリケーション・ナビゲータで「WebClient」ノードを右クリックし、コンテキスト・メニューから「New」→「From Gallery」を選択します。

    アプリケーション・ナビゲータ

  9. New GalleryのBusiness Tierカテゴリから「Web Services」ノードを選択し、Itemsリストから「Web Service Data Control (SOAP/REST)」を選択し、「OK」をクリックします。

    new gallery

  10. Create Web Service Data Controlウィザードの最初のステップで、データ・コントロールにMyCompanyDCという名前をつけて、先ほどコピーしたWSDLのURLを貼りつけます。
    http://localhost:7101/WebService-Annotation-context-root/MyCompanyPort?WSDL.

  11. [Tab]キーを押すと、ウィザードによってWebサービスからServiceフィールドが入力されます。

  12. Create Web Service Data Controlのステップ1
  13. Next」をクリックします。

  14. Data Control Operationsページで、「getDeptInfo」メソッドをSelectedリストに移動します。

    Create Web Service Data Controlのステップ2

  15. Next」、「Finish」の順にクリックします。

    アプリケーション・ナビゲータは、次のように表示されます。

    アプリケーション・ナビゲータ

  16. Save AllSave Allをクリックして作業内容を保存します。

  17. アプリケーション・ナビゲータで「Data Control」アコーディオンを開き、先ほど作成したMyCompanyDCデータ・コントロールを表示します。

    Data Controlsペイン

    ここまでで、JSFページを作成し、データ・コントロールを使用する準備が整いました。

ステップ2:JSFページの作成によるWebサービス・データ・コントロールの消費

この項では、Webサービス・プロキシを起動するクライアント・クラスを更新し、結果をメッセージ・ウィンドウに返すようにします。

  1. WebClientプロジェクトから「New Gallery」→「From Gallery」を起動します。

    アプリケーション・ナビゲータ

  2. Web Tier」ノードを開き、「JSF / Facelets 」サブノードを選択します。Items列で「Page」を選択し、「OK」をクリックします。

    new gallery

  3. プロジェクトにDept_Empという名前をつけ、Document Typeに「Facelets Create as JSP XML」を指定します。Page Layoutタブで「Copy Quikc Start Layoutを選択し、Categoriesで「Three Column Layout」を選択して「OK」をクリックします。

    Create JSF Page

    ページ・エディタ内にページが開きます。

    ページ・エディタ

    次の数ステップで、メソッドにデータ・コントロールを追加します。このページはパラメータを受け入れ、Webサービスへの呼出しを実行し、マスター・ディテール形式で結果を返します。

  4. Data Controlsパネルで、「MyCompanyDC」データ・コントロールを開き、「getDeptInfo(Integer)」メソッドを選択します。

    Data Controlsペイン

  5. getDeptInfo(Integer)」メソッドをドラッグして、ページのfirstファセットにドロップします。ドロップするとメニューが表示されます。「ADF Parameter Form」を選択します。

    JSFエディタ

  6. Create Formダイアログで、「OK」をクリックしてデフォルト値を受け入れます。

    Edit Form Fields

  7. Data Controlsパネルで「MyCompanyDC」→「getDeptInfo(Integer)」→「Return」→「Return」の順に展開し、「Employees」を選択します。

    Data Controlsパレット

  8. employees」をドラッグしてsecondファセット(firstファセットの右隣)にドロップします。動的メニューから「Master-Details」→「ADF Master Form - Detail Table」を選択します。

    JSFエディタ

  9. Save AllSave Allをクリックして作業内容を保存します。

  10. endファセットを右クリックして、コンテキスト・メニューから「Delete」を選択します。

    JSFエディタ

  11. このページのStructureウィンドウでsecondファセットを開きます。secondファセット内で「af:panelGridLayout」→「af:gridRow」→「af:gridCell」→「af:panelGroupgLayout」→「af:panelHeader - employees」の順に展開します。af:table - t1」コンポーネントを右クリックし、コンテキスト・メニューから「Surround With」を選択します。

    Structureペインのコンテキスト・メニュー

  12. Surround Withウィンドウで「Panel Collection」を選択し、「OK」をクリックします。

    Surround Withダイアログ

  13. panelCollection」を開き、「af:table - t1」コンポーネントを選択します。プロパティ・インスペクタで、Column Selectionプロパティを「single」に設定します。

    プロパティ・インスペクタ

  14. ページ内を右クリックして、コンテキスト・メニューから「Run」を選択します。

  15. デフォルトのブラウザにページがロードされます。

    実行中のページ C

  16. パラメータ・フィールドに部門番号として20を入力し、「getDeptInfo」ボタンをクリックします。

    実行中ページ、部門情報の取得

  17. 部門情報と関連従業員が取得され、表示されます。

    データを表示した実行中ページ

Summary:

このチュートリアルでは、トップダウンとボトムアップという2つの観点からWebサービスを作成する方法について確認しました。トップダウン方式では、実装する処理に基づいてゼロからWebサービスを作成し、ボトムアップ方式では、既存のサービスに基づいてWebサービスを作成しました。このチュートリアルで学習した内容は、以下のとおりです。 ADFを使用したJDeveloperでのエンタープライズ・アプリケーションの作成について、詳しくは次のWebサイトを参照してください。

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