ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Coherence*WebでのHTTPセッション・マネージメントの管理
12c (12.1.2)
B70746-02
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次

前
 
次
 

1 Coherence*Webの概要

この章では、クラスタ環境でのセッション状態の管理にCoherence*Webを使用することの利点について説明します。ここでは、Coherence*Webを使用できるコンテナを列挙し、インストールおよびデプロイメント・ロードマップを示します。インストール、デプロイメントおよび機能の詳細は、これ以降の章を参照してください。

この章には次の項が含まれます:

1.1 Coherence*Webの理解

Coherence*Webは、クラスタ環境におけるセッション状態の管理に特化したHTTPセッション管理モジュールです。Coherence*WebはOracle Coherence (Coherence)を基本として構築されており、その特徴は次のとおりです。

1.2 サポートされているWebコンテナ

Oracle WebLogic Server 9.2.1、9.2.3、10.3.1およびそれ以降においてCoherence*Webセッション管理モジュールをインストールする場合は、Coherence*Webサービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)ベースのインストール方法を使用できます。管理モジュールをWebLogic Server 10.3.4にインストールする手順については、『Oracle Coherence*Web用Oracle Coherenceユーザーズ・ガイド』を参照してください。

WebLogic Server 12c (12.1.2)では、Coherence*Webが製品に統合されています。インストールの必要はありません。詳細は、第2章「WebLogic ServerでのCoherence*Webの使用方法」を参照してください。

サード・パーティ製アプリケーション・サーバーおよびいくつかのレガシー・バージョンのOracle WebLogic Server (9.2.1、9.2.3、10.3、10.3.1)の場合、Coherence*Webでは汎用インストーラ(WebInstaller)が用意されています。これによりWebアプリケーションが透過的に設定されます。第4章「他のアプリケーション・サーバーにおけるCoherence*Webの使用方法」で、WebInstallerを使用してこれらのサーバーにCoherence*Webをインストールする方法について説明します。

表1-1は、Coherence*Webセッション管理モジュールでサポートされているWebコンテナを示しています。また、Coherence*Webをインストールする際に必要な情報へのリンクも示しています。Oracle WebLogic Server 10.3.4を除くすべてのWebコンテナには、一般的なインストール手順が共通に適用されます。Webコンテナの中には、この一般的なインストール手順を開始する前に、そのコンテナ固有の追加手順を実行しなければならないものがわずかにあります。Caucho Resin、WebLogic 10.nなどがこのようなコンテナに該当します。


注意:

サーバー・タイプの別名の列に示す値は、Coherence*Web WebInstallerによるインストールでのみ使用します。この値は、-serverコマンドライン・オプションを使用してWebInstallerに渡します。


表1-1 Coherence*Webを使用できるWebコンテナ

アプリケーション・サーバー サーバー・タイプの別名 インストール手順の参照先

Apache Tomcat 5.5.n

Tomcat/5.5.x

「Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順」および「Apache Tomcatサーバーに対するスティッキー・セッションの有効化」

Apache Tomcat 6.0.n

Tomcat/6.0.x

「Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順」および「Apache Tomcatサーバーに対するスティッキー・セッションの有効化」

Apache Tomcat 7.n

Tomcat/7.x

「Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順」および「Apache Tomcatサーバーに対するスティッキー・セッションの有効化」

この機能は、パッチ・リリースの一部として追加されました。パッチに追加された機能の詳細は、『Oracle Coherenceリリース・ノート』を参照してください。

Caucho Resin 3.1.n

Resin/3.1.x

Caucho Resin 3.1.nへのインストール


IBM WebSphere 5.n

WebSphere/5.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


IBM WebSphere 6.n

WebSphere/6.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


IBM WebSphere 7.n

WebSphere/7.x

「Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順」および「IBM WebSphere 7.nサーバーに対するURLセッションIDのデコード

IBM WebSphere 8.n

WebSphere/8.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


IBM WebSphere 8.5

WebSphere/8.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


JBoss Application Server

GenericまたはJetty/5.1.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


Jetty 5.1.n

Jetty/5.1.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


Jetty 6.1.n

Generic

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


Oracle GlassFish 3.n

なし

第3章「GlassFish ServerでのCoherence*Webの使用方法」


Oracle OC4J 10.1.2.n

Oracle/10.1.2.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


Oracle OC4J 10.1.3.n

Oracle/10.1.3.x

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


Oracle WebLogic 9.2 MP1とMP3
Oracle WebLogic 10.3

WebLogic/9.x

WebLogic/10.x

WebInstallerとSPIベースのインストールの詳細は、第2章「WebLogic ServerでのCoherence*Webの使用方法」第4章「他のアプリケーション・サーバーにおけるCoherence*Webの使用方法」を参照してください。

Oracle WebLogic 10.n

WebLogic/10.x

WebInstallerインストールの詳細は、「Oracle WebLogic Server 10.nへのインストール」を参照してください。

Sun Application Server 8.n

Generic

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順


Sun GlassFish 2.n

Generic

Coherence*Webセッション管理モジュールをインストールする一般的な手順



1.3 インストールとデプロイメントの指針

Coherence*Webを構成してデプロイする前にデプロイメント決定を行う必要があります。Coherence*Webは、様々なアプリケーション・サーバー上でサポートされています。使用するアプリケーション・サーバーに関係なく、パッケージ化での考慮事項、セッション・モデル、セッション・ロック・モード、デプロイメント・トポロジなどの特定の要件を満たすためにCoherence*Webの構成オプションの変更が必要になることがあります。

1.3.1 クラスタ・ノード分離の選択

クラスタ・ノード分離とは、各アプリケーション・サーバーJVM内に作成されるCoherenceノードのスコープを意味します。いくつかの分離モードがサポートされています。

たとえば、同じ1つのクラスタ(または1つのCoherenceノード)を使用する必要があるコンテナに複数のアプリケーションをデプロイするモード、単一のクラスタを使用する単一のEARファイルにパッケージ化した複数のWebアプリケーションを使用するモード、独立したセッション・データを保持したままで専用のCoherenceクラスタにデプロイする必要のあるWebアプリケーションを使用するモードなどが考えられます。これらの選択肢、およびデプロイメントで構成が必要なディスクリプタと要素については、「クラスタ・ノード分離」で説明します。

1.3.2 ロック・モードの選択

ロック・モードとは、複数のWebコンテナ・スレッドから同時にアクセスが発生したときのHTTPセッションの動作を指します。Coherence*Webには、様々なセッション・ロック・オプションが用意されています。たとえば、クラスタ内の複数のノードから1つのHTTPセッションに同時にアクセスすることや、1つのHTTPセッションに同時にアクセスできるスレッドの数を1つにのみ制限することが可能です。また、同じWebアプリケーション・インスタンスへの複数のスレッドからのアクセスを許可する一方で、異なるWebアプリケーション・インスタンスにあるスレッドからの同時アクセスを禁止することもできます。これらの選択肢、およびデプロイメントで構成が必要なディスクリプタと要素については、「セッション・ロック・モード」で説明します。

1.3.3 セッションとセッション属性のスコープ設定方法の選択

セッションとセッション属性のスコープ設定とは、アプリケーション境界を越えてセッション・データとセッション属性の両方の有効範囲を詳細に設定(共有)する操作を指します。Coherence*Webでは、Webアプリケーション間でセッションを共有したり、アプリケーション間で共有するセッション属性を制限することができます。これらの選択肢、およびデプロイメントで構成が必要なディスクリプタと要素については、「セッションとセッション属性のスコープ設定」で説明します。

1.3.4 期限切れHTTPセッションをいつクリーンアップするかの選択

Coherence*Webには、期限切れのセッションを無効にするセッション・リーパーが用意されています。セッション・リーパーの詳細は、第7章「期限切れHTTPセッションのクリーンアップ」を参照してください。

1.3.5 インストール方法の選択

実行するインストール手順は、アプリケーション・サーバーによって異なります。「サポートされているWebコンテナ」では、アプリケーション・サーバーとそのサーバーに応じたCoherence*Webのインストール手順が一覧に記載されています。

最新リリースのWebLogic Server (12c (12.1.2)など)を使用している場合、CoherenceおよびCoherence*WebはWebLogic Server製品とともにインストールされます。Coherence*Webを別個にインストールする必要はありません。第2章「WebLogic ServerでのCoherence*Webの使用方法」を参照してください。

Coherence*Webを古いリリースのWebLogic Server (WebLogic Server 11gR1以前など)にインストールしている場合は、次のURLの『Oracle Coherence*Web用Coherenceユーザーズ・ガイド』に記載されているネイティブのWebLogic Server SPIベースのインストール手順を使用してください。

http://docs.oracle.com/cd/E24290_01/coh.371/e22620/toc.htm

その他のアプリケーション・サーバーの場合、汎用Java EE WebInstallerを使用します。詳細は、第4章「他のアプリケーション・サーバーにおけるCoherence*Webの使用方法」を参照してください。

WebLogic PortalへのCoherence*Webのインストールは、WebLogic Serverからは全面的に独立した操作です。つまり、Coherence*WebをWebLogic Portalにインストールするために、WebLogic ServerにもCoherence*Webのインストールが必要になることはありません。第10章「WebLogic PortalでのCoherence*Webの使用方法」を参照してください。