Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantは、多くのアップグレード・タスクを自動化します。この章では、Upgrade Assistantの使用方法について説明します。
この章の項目は次のとおりです。
注意: Upgrade Assistantを起動する前に、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』、サポートされているアップグレード開始点の詳細を説明したコンポーネント固有のドキュメントおよび特定のインストール・タイプの前提条件とアップグレード・パスを参照してください。 |
Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを使用して、コンポーネント・スキーマ、コンポーネント構成およびスタンドアロン・システム・コンポーネント構成をFusion Middleware 11gリリース1 (11.1.1.6.0または11.1.1.7.0)からFusion Middleware 12c (12.1.2)にアップグレードします。
Fusion Middleware 12c (12.1.2)インストールのoracle_common/upgrade/bin
ディレクトリからUpgrade Assistantを実行すると、次のタスクが実行されます。
スキーマ・アップグレードの場合、Upgrade Assistantは、現在のインストール・ディレクトリを調査し、アップグレードされるコンポーネント・スキーマのリストを特定します。また、存在する特定の依存関係情報に基づいて、スキーマ・アップグレードの順序を決定します。
一般的なコンポーネント構成のアップグレードの場合、Upgrade Assistantは、WebLogic管理サーバーに接続して、構成されるコンポーネントおよびアップグレードをサポートしているコンポーネントのリストを決定します。
Upgrade Assistantおよび他のFusion Middlewareツールとプロセスを使用して、11gから12c (12.1.2)へのアップグレードを実行します。11gから12cへのアップグレード・プロセスは、以前のリリースからのアップグレードの場合と大きく異なります。アップグレード・プロセスにおけるUpgrade Assistantおよび他のアップグレード・ツールの使用方法を理解するには、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』の12cアップグレード・プロセスの理解に関する項を参照してください。
12cのドメインには、新しいスキーマを格納するデータベースが必要です。Fusion Middlewareで使用されるスキーマをホストするデータベースがサポートされている必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』のデータベースおよびスキーマのアップグレード準備が整っていることの検証に関する項を参照してください。
Upgrade Assistantは、アップグレードできるスキーマを識別します。シングル・セッションのUpgrade Assistantの実行で、複数のスキーマをアップグレードできます。
データベースにスキーマが作成されると、RCUは、schema_version_registry
という表を作成して維持します。この表には、バージョン番号、コンポーネント名とID、作成日と変更日およびカスタム接頭辞などのスキーマ情報が含まれています。
注意: Upgrade Assistantは、アップグレードできるすべてのスキーマを識別しますが、アップグレードするスキーマをユーザー側で選択できます。あるスキーマではアップグレードの必要がないと判断した場合、 |
11gスキーマを12.1.2.0.0にアップグレードできるかどうかを判断するには、次の文を実行します。
Oracle Databaseを使用している場合、SYSとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次の文を実行して、現在のバージョン番号を取得します。
SELECT OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY;
VERSION列の数値が11.1.1.6.0または11.1.1.7.0、STATUS列が「VALID」、およびスキーマが表1-1にリストされている場合、そのスキーマはアップグレードのサポート対象です。
このバージョンのUpgrade Assistantを使用すると、表1-1にリストされているコンポーネント・スキーマ(デフォルト名で表示)を12c (12.1.2.0.0)にアップグレードできます。
注意: 表1-1のスキーマ列は、接頭辞とスキーマ名の間にアンダースコア(_)を使用したデフォルトのスキーマ名フォーマットを示します。デフォルトの接頭辞は |
アップグレードが必要なスキーマに関する注意:
アップグレードできるスキーマ・バージョンは、11gリリース1 (11.1.1.6.0または11.1.1.7.0)のみです。スキーマがバージョン11.1.1.6.0または11.1.1.7.0でない場合、12c (12.1.2)のアップグレード手順を使用する前に、それらをアップグレードする必要があります。
アップグレードに必要なスキーマに関する追加情報は、コンポーネント固有のインストールおよびアップグレードのドキュメントを参照してください。
アップグレード・プロセスを開始する前に、11gスキーマをドメインに関連付ける必要があります。
11gでファイルベースのセキュリティ・ストアを使用していた場合、Upgrade Assistantを実行する前に、ファイルベースのセキュリティ・ストアをデータベースベースのセキュリティ・ストアに再度関連付ける必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureへのアップグレード』のアップグレード前のファイルベースのセキュリティ・ストアの再関連付ける方法の説明を参照してください。
Upgrade Assistantを使用してOracle Fusion Middlewareコンポーネントのデータベース・スキーマをアップグレードする場合、スキーマが次の基準のいずれかを満たしている必要があります。
11gリリースでリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して作成されている。
または
スキーマが、以前に11gリリースのUpgrade Assistantまたはパッチ・セット・アシスタントを使用してアップグレードされている。
注意: これらの要件は、Oracle WebLogic診断フレームワーク(_WLDF
)スキーマには適用されません。
表1-1には、Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.2)リリースでアップグレード可能な製品のスキーマのみがリストされています。
表1-1 アップグレードが必要なスキーマ
コンポーネント名 | スキーマ | アップグレード前のスキーマ・バージョン | アップグレード後のスキーマ・バージョン | 依存関係 |
---|---|---|---|---|
監査サービス脚注 1 |
|
11.1.1.6.0 11.1.1.7.0 |
12.1.2.0.0 |
なし。 |
メタデータ・サービス |
|
11.1.1.6.0 11.1.1.7.0 |
12.1.2.0.0 |
なし。 |
Oracle Platform Security Services脚注 2 |
|
11.1.1.6.0 11.1.1.7.0 |
12.1.2.0.0 |
|
WebLogic診断フレームワーク |
|
適用なし。脚注 3 |
12.1.2.0.0 |
|
Oracle Data Integrator (マスターおよび作業リポジトリ) |
|
11.1.1.6.0 11.1.1.7.0 |
12.1.2.0.0 |
なし。 |
脚注 1 _IAU
をアップグレードすると、Upgrade Assistantは、2つの補助スキーマ(IAU_APPEND
およびIAU_VIEWER
)を更新し、それらを12.1.2.0.0のschema_version_registry
に追加します。これらのスキーマは、11.1.1.6.0または11.1.1.7.0のschema_version_registry
表に含まれていませんでした。
脚注 2 リリース11.1.1.7.0より、OPSS監査データはJPS表ではなく、IAU共通の表に保存されます。_OPSS
を11.1.1.6.0から12.1.2.0.0にアップグレードする場合、JPS表の既存データはレポートまたは監査目的では変更されないため、JPS表に列を追加してアップグレードする必要はありません。
脚注 3 11gでは、_WLDF
スキーマは、schema_version_registry
表にリストされませんでした。ただし、12.1.2.0.0にアップグレードすると、_WLDF
スキーマは、schema_version_registry
表にリストされます。
Upgrade Assistantを使用してコンポーネント構成をアップグレードすると、構成されるコンポーネントおよび最新バージョンにアップグレードできるコンポーネントのリストがUpgrade Assistantによって自動的に作成されます。Upgrade Assistantを実行してスキーマをアップグレードした後は、再構成ウィザードを使用してドメインを再構成します。再構成した後、残りの構成プロパティをアップグレードするには、再度Upgrade Assistantを使用します。
Upgrade Assistantを使用して、次のコンポーネント構成を12c (12.1.2.0.0)にアップグレードできます。
Oracle HTTP Server
Oracle Web Services Manager
注意: 12.1.2.0.0アップグレードで使用できない既存のFusion Middleware 11gコンポーネントを、アップグレードしたコンポーネントとともに使用し続ける場合は、アップグレードする前に、相互運用性および互換性の理解に関するドキュメントを参照してください。アップグレードによってFusion Middleware 11gコンポーネントに非互換性の問題が発生するかを確認する必要があります。 |
この項では、Upgrade Assistantを実行する前に実行する必要がある手順について説明します。
『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』ガイドは、アップグレード・プロセスを開始する前に実行する必要があるタスクの詳細を説明しています。
アップグレード戦略の策定に関する項を参照して、アップグレード前の要件をすべて満たしているか確認してください。
Upgrade Assistantは、12c (12.1.2) Fusion Middlewareソフトウェア・インフラストラクチャ・ディストリビューションに含まれています。12.1.2.0.0製品ディストリビューションは、アップグレードを実行する前にインストールする必要があります。標準的な12c (12.1.2)インストール・トポロジを含む12c (12.1.2)インストールの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』を参照してください。このガイドは、追加の要件およびコンポーネント固有のインストレーション・ガイドへのリンクについても説明しています。
Oracle Fusion Middleware 12c (12.1.2)ドキュメント・ライブラリからインストレーション・ガイドの全リストを参照することもできます。
12.1.2.0.0コンポーネントをインストールした後、このリリースのOracle Fusion Middlewareで使用することが保証されている、サポートされているデータベースに、新しいサービス表スキーマ(prefix_STB
)などの新しい12.1.2.0.0スキーマを作成する必要があります。
アップグレード時に作成する必要があるスキーマを特定する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のアップグレード前のスキーマの作成に関する項を参照してください。
注意: Fusion Middleware 11gリリース1 (11.1.1.6.0または11.1.1.7.0)からEBR対応スキーマをアップグレードする前に、最初にデータベース・サーバーに接続し、12c (12.1.2)のデータベース・サーバー上にエディションを作成する必要があります。12.1.2の新しいエディションは、使用している11.1.1.6.0または11.1.1.7.0エディションの子である必要があります。 エディション・ベースの再定義のためにサーバー上にエディションを作成する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』のエディション・ベースの再定義のためにサーバー上にエディションを作成する方法に関する項を参照してください。 |
Upgrade Assistantを実行してスキーマをアップグレードする前に、アップグレードするスキーマを使用している可能性のあるすべてのOracle Fusion Middleware管理対象サーバー、管理サーバーおよびシステム・コンポーネント(OHSなど)を停止します。これを行わないと、結果としてアップグレードが不完全になったり、障害が発生する場合があります。
ノード・マネージャを実行している場合は、ノード・マネージャも停止する必要があります。これを行うには、ノード・マネージャが実行されているコンソール・ウィンドウを閉じるか、stopNodeManager
WLSTコマンドを使用します。
Oracle Fusion Middleware環境を停止する手順は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middleware環境の停止に関する項に記載されています。
Upgrade Assistantを実行してコンポーネント構成をアップグレードする前に、コンポーネントをデプロイする管理サーバーを起動します。たとえば、Oracle Web Services Manager (OWSM)コンポーネント構成をアップグレードする前に、Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシー・マネージャをデプロイする管理サーバーを起動する必要があります。
コンポーネント構成をアップグレードする前にサーバーを起動する方法の詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。
Upgrade Assistantは、12c (12.1.2)バージョンのOracle Universal Installer (OUI)によって、oracle_common/upgrade/bin
ディレクトリにあるFusion Middlewareホームのoracle_common
エリアにインストールされます。
グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してUpgrade Assistantを起動するには、Middleware製品がインストールされているOracleホームのoracle_common
ディレクトリに移動します。コマンドラインから引数を使用してUpgrade Assistantを起動する方法の詳細は、「Upgrade Assistantコマンドライン・インタフェースの使用方法」を参照してください。
注意: 他のドメインのアップグレードを開始する前に、単一のドメインのスキーマのアップグレードおよびコンポーネント構成を正常に完了させることをお薦めします。 |
ディレクトリを、UNIXオペレーティング・システムではORACLE_HOME
/oracle_common/upgrade/bin
に、Windowsオペレーティング・システムではORACLE_HOME
\oracle_common\upgrade\bin
に変更します。
次のコマンドを入力してUpgrade Assistantを起動します。
UNIXオペレーティング・システムの場合:
./ua
Windowsオペレーティング・システムの場合:
ua.bat
Upgrade Assistantに「ようこそ」画面が表示されます。Upgrade Assistantの各画面で必要な情報を指定します。表示される画面は、選択するアップグレードのタイプによって異なります。次の項では、アップグレード・オプションおよび入力する必要がある情報を説明しています。
表1-1にリストされているスキーマを持つコンポーネントが含まれているOracleホームからUpgrade Assistantを実行する場合、「スキーマ」アップグレード・オプションが表示されます。Upgrade Assistantにより、スキーマのアップグレード候補のコンポーネントのみがリストされます。コンポーネント・リストからアップグレードするスキーマを選択できます。
スキーマをアップグレードする際、Upgrade Assistantに次の画面が表示されます
表1-2 Upgrade Assistant画面: スキーマのアップグレード
画面 | 画面が表示される状況 | 説明 |
---|---|---|
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常時 |
この画面には、Upgrade Assistantの概要およびアップグレード前の重要なタスクに関する情報が表示されます。 |
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アップグレード・タイプとしてスキーマを選択した時の画面名は、スキーマです。 |
インストールされているコンポーネントのスキーマをアップグレードするオプションを選択するには、この画面を使用します。 |
|
常時 |
この画面には、アップグレード可能なスキーマがあるOracle Fusion Middlewareコンポーネントのリストが表示されます。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。 |
|
常時 |
この画面では、アップグレードを続行する前にすべての前提条件が満たされていることを確認する必要があります。続行する前にボックスを確認してください。 |
|
アップグレード・タイプとして「スキーマ」を選択したときのみ。 |
この画面を使用して、選択したスキーマとそのスキーマをホストするデータベースへの接続に必要な情報を入力します。 画面名は、選択したスキーマ・タイプによって変わります(例: MDSスキーマ)。 |
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OPSSまたは監査スキーマをアップグレードするときのみ。 |
この画面を使用して、 Upgrade Assistantは、 |
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Oracle Data Integratorスキーマのアップグレード時のみ。 |
この画面を使用して、Upgrade Assistantが実行するアップグレード操作を指定します。 Oracle Data Integratorのアップグレードの詳細は、「Oracle Data Integratorのアップグレード」を参照してください。 |
|
Oracle Data Integratorスキーマのアップグレード時のみ。 |
この画面を使用して、ODIスーパーバイザのユーザー名( Oracle Data Integratorのアップグレードの詳細は、「Oracle Data Integratorのアップグレード」を参照してください。 |
|
Oracle Data Integratorスキーマのアップグレード時のみ。 |
この画面を使用して、11gのオブジェクトIDを一意のGUIDに変換するアップグレード・キーを生成します。このキーは、アップグレード後に他の11gオブジェクトをインポートする際に使用します。自動生成アップグレード・キーは、必要に応じて変更できます。 Oracle Data Integratorのアップグレードの詳細は、「Oracle Data Integratorのアップグレード」を参照してください。 |
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常時 |
この画面には、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するUpgrade Assistantのステータスが表示されます。 |
|
常時 |
この画面を使用して、選択したオプションのサマリーをレビューし、アップグレード・プロセスを開始します。 |
|
常時 |
この画面には、アップグレード処理のステータスが表示されます。 |
または |
常時 |
アップグレードが成功しました。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。 または 特定のコンポーネントのアップグレードが失敗したため、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。 |
管理対象WebLogicドメインのコンポーネントを含むOracleホームからUpgrade Assistantを実行する場合、「WebLogicコンポーネント構成」アップグレード・オプションを使用できます。
注意: コンポーネント・スキーマをアップグレードした後、再構成ウィザードを実行して、ドメインを再構成する必要があります。詳細は、再構成ウィザードを使用したOracle WebLogicドメインの再構成に関する項を参照してください。ドメインを再構成した後、Upgrade Assistantを再度使用して、「Oracle WebLogicコンポーネント構成のアップグレード」の説明に従ってコンポーネント構成をアップグレードします。 |
Oracle Web Services Manager (OWSM)などのWebLogicコンポーネント構成をアップグレードすると、Upgrade Assistantに次の画面が表示されます。
表1-3 Upgrade Assistant画面: Oracle WebLogicコンポーネント構成のアップグレード
画面 | 画面が表示される状況 | 説明 |
---|---|---|
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常時 |
この画面には、Upgrade Assistantの概要およびアップグレード前の重要なタスクに関する情報が表示されます。 |
|
アップグレード・タイプとして「WebLogicコンポーネント構成」を選択したときの画面名は、「WebLogicコンポーネント」です。 |
管理対象WebLogic Serverドメインのコンポーネント構成をアップグレードするには、「WebLogicコンポーネント構成」オプションを選択します。ドメインを管理しているWebLogic Administration Serverに接続するために必要な接続詳細の入力を求められます。 |
|
クロスドメイン・トポロジでOracle Web Services Manager (OWSM)構成をアップグレードするときのみ。 |
ご使用の環境に複数のWebLogicサーバー・ドメインがあるが、OWSMポリシー・マネージャが1つのWLSドメイン内のみにあり、OWSMエージェントが他のドメイン上にある場合、この画面を使用して、Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシー・マネージャをデプロイするWebLogic管理サーバー・ドメインの資格証明を入力します。 |
|
常時 |
この画面では、WebLogicドメインのコンポーネント構成アップグレードに含められるコンポーネントのリストが提供されます。ドメインの名前は、ドメイン内にあるコンポーネントのリストとともに提供されます。 |
|
常時 |
この画面では、アップグレードを続行する前にすべての前提条件が満たされていることを確認する必要があります。続行する前にボックスを確認してください。 |
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常時 |
この画面には、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するUpgrade Assistantのステータスが表示されます。 |
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常時 |
この画面を使用して、選択したオプションのサマリーをレビューし、アップグレード・プロセスを開始します。 |
|
常時 |
この画面には、アップグレード処理のステータスが表示されます。 |
または |
常時 |
アップグレードが成功しました。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。 または 特定のコンポーネントのアップグレードが失敗したため、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。 |
Oracle HTTP Server (OHS)などのスタンドアロン・システム・コンポーネントのみを含んでいるOracleホームからUpgrade Assistantを実行する場合、「スタンドアロン・コンポーネント」アップグレード・オプションが表示されます。スタンドアロン・コンポーネントは、管理対象WebLogicドメインに関連付けられていません。
注意: 12c (12.1.2)では、Upgrade Assistantは、システム・コンポーネントに個別のスタンドアロン・ドメインを作成します。このドメインは、ノード・マネージャで管理できますが、管理サーバーがありません。新しいシステム・コンポーネント・ドメインの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』を参照してください。 |
たとえば、Oracle HTTP Server (OHS)などのスタンドアロン・システム・コンポーネントをアップグレードする場合、Upgrade Assistantには、次の画面が表示されます。使用する画面は、アップグレードするシステム・コンポーネントおよび選択するオプションによって異なります。特定のコンポーネントのアップグレードに関連した画面の詳細は、コンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。
表1-4 Upgrade Assistant画面: スタンドアロン・システム・コンポーネント構成のアップグレード
画面 | 画面が表示される状況 | 説明 |
---|---|---|
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常時 |
この画面には、Upgrade Assistantの概要およびアップグレード前の重要なタスクに関する情報が表示されます。 |
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アップグレードするスタンドアロン・システム・コンポーネントがあるが、アップグレードできるスキーマがない場合のみ。 |
12c (12.1.2)より、スタンドアロン・システム・コンポーネントには、独自のスタンドアロン・ドメインがそれぞれ作成されます。この画面を使用して、アップグレードするスタンドアロン・システム・コンポーネントに適用するドメイン・オプションを指定します。 2つのオプションがあります。
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常時 |
アップグレードできるスタンドアロン・システム・コンポーネントをリストします。 |
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常時 |
この画面では、アップグレードを続行する前にすべての前提条件が満たされていることを確認する必要があります。続行する前にボックスを確認してください。 |
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常時 |
OHSなどのシステム・コンポーネントをアップグレードする場合は、新しい12cコンポーネント・インスタンスを作成する開始点として使用する11gインスタンスのディレクトリの場所を指定する必要があります。 |
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「新規ドメインの作成」を選択した場合のみ。 |
この画面を使用して、スタンドアロン・システム・コンポーネントのアップグレード時にドメインの作成に使用されるノード・マネージャの資格証明を指定します。 |
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常時 |
この画面には、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するUpgrade Assistantのステータスが表示されます。 |
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常時 |
この画面を使用して、選択したオプションのサマリーをレビューし、アップグレード・プロセスを開始します。 |
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常時 |
この画面には、アップグレード処理のステータスが表示されます。 |
または |
常時 |
アップグレードが成功しました。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。 または 特定のコンポーネントのアップグレードが失敗したため、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。 |
この項では、12.1.2.0.0アップグレードの完了後に実行する基本的なタスクについて説明します。リストされている製品がアップグレードされていないために、これらのタスクの一部が環境に適用されない場合があります。
アップグレード後の手順の詳細は、必ずコンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。
注意: アップグレードした後は、この項で説明されたタスクを正常に完了できるようになっているはずです。これらのタスクのうち1つ以上が、新しくアップグレードした環境で完了できない場合、「アップグレードのトラブルシューティング」を参照してください。 |
表1-5は、新しくアップグレードしたドメインで実行する可能性が高い、一般的な管理タスクの一部をリストしています。アップグレードした後にこれらのタスクが正常に完了できた場合、アップグレードが成功したことを意味します。
注意: アップグレードした環境に適用するタスクのみを実行してください。 |
表1-5 アップグレード後の基本的な管理タスク
タスク | 説明 | 詳細情報の参照先 |
---|---|---|
製品とサーバーの起動および停止 |
管理サーバー、管理対象サーバーおよびコンポーネントを含む、Oracle Fusion Middlewareの起動と停止方法について説明します。 これらのタスクを実行することで、アップグレードが成功しているか検証されます。 |
『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項 |
アップグレードされたアプリケーションの起動および停止 |
新しい12.1.2環境でアップグレードされたアプリケーションを起動して、正常に動作するが確認する方法を説明します。 |
『Oracle Fusion Middlewareの管理』のアプリケーションの起動と停止に関する項 |
Secure Sockets Layer (SSL)の構成 |
SSLを使用してOracle Fusion Middlewareコンポーネント間にセキュアな通信を設定する方法を説明します。 |
『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion MiddlewareでのSSLの構成に関する項 |
アプリケーションのデプロイ |
アプリケーションをOracle Fusion Middlewareにデプロイする方法を説明します。 |
『Oracle Fusion Middlewareの管理』のアプリケーションのデプロイに関する項 |
Oracle Fusion Middlewareの監視 |
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのステータスを追跡する方法を説明します。 |
『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの監視に関する項 |
Web層のフロントエンドのWebLogicドメインへの追加 |
Oracle Web層はWebページ(静的および動的)をホストし、組込みのクラスタリング、ロード・バランシングおよびフェイルオーバー機能とともにセキュリティと高いパフォーマンスを提供します。特に、Web層には、Oracle HTTP Serverが含まれています。 |
Oracle HTTP Serverのインストールと構成。 |
トポロジのCoherenceのチューニングと構成 |
標準的なインストール・トポロジには、ストレージ対応の管理対象Coherenceサーバーを含むCoherenceクラスタが含まれています。この構成は、Coherenceを最初に使用するうえで適していますが、特定の要件によっては、本番環境でのパフォーマンスを改善するためにCoherenceをチューニングおよび再構成することを検討してください。 |
Coherenceクラスタの詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のCoherenceクラスタの構成および管理に関する項を参照してください。 Coherenceのチューニングの詳細は、『Oracle Coherenceの管理』を参照してください。 CoherenceにおけるHTTPセッション・データの格納の詳細は、『Oracle Coherence*WebでのHTTPセッション・マネージメントの管理』のWebLogicサーバーでのCoherence*Webの使用に関する項を参照してください。 Coherenceアプリケーションの作成とデプロイの詳細は、『Oracle WebLogic Server Oracle Coherenceアプリケーションの開発』を参照してください。 |
次のSQLコマンドを使用して、schema_version_registry
のスキーマ・バージョンが正しくアップグレードされていることを検証できます。
SELECT OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY;
VERSION列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。アップグレードされたスキーマのバージョン番号が正しいかどうかを検証するには、表1-1を参照してください。
問合せ結果のSTATUSフィールドは、スキーマへのパッチ適用処理中は「UPGRADING」または「UPGRADED」に、処理が終了すると「VALID」になります。
ステータスが「INVALID」と表示された場合は、ステータスのアップグレードが失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。
Oracle Databaseを使用している場合は、Upgrade Assistantを実行した後、データベース・オブジェクトを再コンパイルしてください。そのためには、SYSとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコマンドを実行します。
SQL>@?/rdbms/admin/utlrp.sql
この結果、Upgrade Assistantによってアップグレードされたデータベース・オブジェクトがコンパイルされます。
その後、次の問合せを発行して、無効なデータベース・オブジェクトがなくなったことを確認します。
SELECT owner, object_name FROM all_objects WHERE status='INVALID';
この時点では、アップグレードされたスキーマに、無効になっているデータベース・オブジェクトはないはずです。もしあった場合は、utlrp.sql
コマンドをもう一度実行して再確認します。問題が続く場合は、サービス・リクエストを提出します。